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{{Infobox 島 |島名= 得撫島 |画像= [[ファイル:UrupISS002-E-8994.PNG|300px|]]<br />NASAによる写真、左下が北 |座標= {{ウィキ座標2段度分秒|45|56|00|N|150|2|00|E}} |面積= 1,450<ref name=IKIP> {{cite web|url=http://www.washington.edu/burkemuseum/collections/ichthyology/okhotskia/ikip/Info/physical.html|title=International Kuril Island Project（IKIP、国際千島調査、英文）|publisher=University of Washington Fish Collection or the respective authors |accessdate=2009年7月24日 }}</ref> |周囲= |標高= 1,426<ref name=GVP1> {{cite web|url=http://www.volcano.si.edu/world/volcano.cfm?vnum=0900-111|title=Global Volcanism Program|publisher=[[国立自然史博物館 (アメリカ)|米国立自然史博物館（英文）]] |accessdate=2009年7月16日 }}</ref> |最高峰= |最大都市= |諸島= |海域= |国= 帰属未定<br />（[[実効支配]]：ロシア） |地図=[[ファイル:Kuriles Urup.PNG|300px|千島列島における位置]] }} [[ファイル:得撫島見嶋湾.JPG|サムネイル|383x383ピクセル|得撫島北東部にある見嶋湾。遠景の岬の日本が建てた灯台の周りには、[[ウルップソウ]]の大群落がある。]] '''得撫島'''（うるっぷとう）は、[[千島列島]]にある[[島]]。ロシア名は'''ウループ島''' ({{lang|ru|Остров Уруп}})、英語表記は'''Urup'''。 島の名前の由来は、[[アイヌ語]]で「[[マス|紅鱒]]」を意味する「ウルㇷ゚」から。[[知里真志保]]の著書にもこのことが記してある。 == 地理 == 長さ約 115 [[キロメートル]]、幅は約 20 キロメートルで、[[択捉水道]]（ロシア名：フリーズ海峡 {{lang|ru|пр. Фриза}}）を隔て、およそ 40 キロメートルで[[択捉島]]と相対し、北東方向110 キロメートルには[[新知島]]がある。全体的に北東から南西に向けて細長い[[エンドウマメ]]のような形を持つ。国後島より僅かに小さく、千島列島では4 番目に大きな面積を有する。 山岳地帯には[[活火山]]が含まれ、主な[[火山]]は以下の通り。 * '''[[得撫富士]]'''（うるっぷふじ、[[海抜]] 1,328 メートル<ref name=GVP4> {{cite web|url=http://www.volcano.si.edu/world/volcano.cfm?vnum=0900-12=|title=Global Volcanism Program|publisher=[[国立自然史博物館 (アメリカ)|米国立自然史博物館（英文）]] |accessdate=2009年7月16日 }}</ref><ref group="注釈" name="注釈">帝国書院 (2009) 102 頁では 1,326 メートル</ref>、英語表記：Kolokol）<!---ロシア語表記の分かる方は追加をお願いします---> :[[1780年]]の10年前後から、[[1973年]]までに度々噴火が確認されている。 * '''台場山'''（だいばざん、542 メートル<ref name=GVP2> {{cite web|url=http://www.volcano.si.edu/world/volcano.cfm?vnum=0900-112|title=Global Volcanism Program|publisher=[[国立自然史博物館 (アメリカ)|米国立自然史博物館（英文）]] |accessdate=2009年7月16日 }}</ref>、Rudakov) * '''硫黄山'''（いおうざん、998 メートル<ref name=GVP3> {{cite web|url=http://www.volcano.si.edu/world/volcano.cfm?vnum=0900-113|title=Global Volcanism Program|publisher=[[国立自然史博物館 (アメリカ)|米国立自然史博物館（英文）]] |accessdate=2009年7月16日 }}</ref>、Tri Sestry） * '''白妙山'''<ref name=teikoku>帝国書院編集部編 『新詳高等地図 初訂版』 帝国書院、2009年 102 頁</ref>（しろたえさん、1,426 メートル<ref name=IKIP></ref><ref name=GVP1></ref><ref name=teikoku></ref>、Ivao、最高峰） 以上の火山の周辺にも複数の山がある。火山があるため、現在も噴煙や[[温泉]]が噴出しており、[[硫黄]]の臭いが漂う。[[オホーツク海]]側には、温泉が滝となって流れている箇所がある。 島は海獣保護区に指定されていることから「[[ラッコ]]の島」とも呼ばれている。北端の烏ノ尾岬<!---ロシア語表記の分かる方は追加をお願いします--->は最大のラッコの生息地であり、300～400頭が確認されている。 択捉島との間には、植物学で言う[[分布境界線]]（宮部線）がある。ここは（植物学上の）[[温帯]]と[[亜寒帯]]との境であり、得撫島より北の島には広葉樹林が見られなくなる。 島には、戦時中に旧[[日本軍]]が作った[[トーチカ]]が残っている。また、旧[[ソビエト連邦|ソ連]]の実効支配が始まってからは[[国境警備隊]]が駐留していた。北東部に防空レーダー基地、測候所、灯台などが集中し、150人程が居住していたが、現在は撤退により放置され、廃墟や残骸として残っている。 == 歴史 == [[続縄文時代]]と[[オホーツク文化]]期に集落が発達した時期があるが、日本史における[[近世]]においては定住者がいなかった。[[択捉島]]など他島の[[アイヌ]]民族が漁猟のために一時的に居住していた。 * [[1635年]]（[[寛永]]12年） - [[松前藩]]が千島列島を含む[[蝦夷地]]の地図を作成。 * [[1643年]]、[[オランダ東インド会社]]の[[マルチン・ゲルリッツエン・フリース|フリース]]が上陸し、十字架を立て｢コンパニースラント｣（東インド会社の土地）と命名して、領土宣言をした<ref>[http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/D2A176198CF3A59C49257108001851D7?OpenDocument 「最初の千島探検」根室市公式HP]</ref>。 *:西洋人では初の「発見者」となる。 * [[1651年]]（[[慶安]]4年） - [[正保国絵図]]のため[[松前藩]]が提出した地図に、「ウルフ」の名がある。 * [[1700年]]（[[元禄]]13年） - 幕命により松前藩は千島や[[カムチャツカ半島|勘察加]]を含む蝦夷全図と松前島郷帳を作成。 * [[1715年]]（[[正徳 (日本)|正徳]]5年） - 松前藩主は[[江戸幕府|幕府]]に対し、「[[北海道|十州島]]、[[樺太|唐太]]、千島列島、[[カムチャツカ半島|勘察加]]」は松前藩領と報告。 * [[1754年]]（[[宝暦]]4年） - 松前藩家臣の[[知行#知行概念の変質|知行地]]として松前藩によって開かれた[[場所請負制|国後場所]]に含まれる。 * [[1766年]] - [[ロシア人]]{{仮リンク|イワン・チョールヌイ (コサック)|ru|Иван Чёрный (сотник)|label=イワン・チョールヌイ}}（{{lang|ru|Иван Чёрный}}）がカムチャツカ半島から南下し、毛皮目的の[[ラッコ]]の捕獲などを開始。以後、日露両国の活動が交錯する。 * [[1772年]] - 千島アイヌとロシア人が衝突し、ロシア人が島から退去。しかし、その後もロシア人の活動は続く。 * [[1786年]]（[[天明]]6年） - [[最上徳内]]が[[幕臣|幕吏]]として初の本格的な調査を実施。 * [[1791年]]（[[寛政]]3年） - 最上徳内が択捉島と得撫島を探検。 * [[1801年]]（[[享和]]元年） - [[富山元十郎]]・[[深山宇平太]]が日本領であることを示す「天長地久[[大日本]]属島」の柱を建てる。 *: 天長地久とは[[老子]]7章からの言葉で「天長く地久し」という、永遠不変の意。[[天長節]]・[[地久節]]はこれから。 * [[1855年]]（[[安政]]元年） - [[日露和親条約|日露通好条約]]（[[不平等条約]]のひとつ）によりロシア領とされる（択捉水道が国境線になる）。[[クリミア戦争]]中、9月に英仏海軍によって一時的に占領される。 * [[1875年]]（[[明治]]8年） - [[樺太・千島交換条約]]により再び日本領となり[[北海道 (令制)]][[千島国]][[得撫郡]]に含まれる。 *:日本政府は生活物資の補給の問題や国防上の理由から明治後期にアイヌを[[色丹島]]に移し、[[町村制]]を施行せず北海道[[根室支庁]]の直轄地として統治する。アイヌの強制移住以前の居住状況は不明だが、「徴発物件一覧表」によると明治38年に1世帯2名の居住が確認されるまで、しばらく定住者なしが続く。 * [[1945年]]（[[昭和]]20年）8月 - [[赤軍|ソ連軍]]が上陸し占領する。日本が降伏した9月2日に出された一般命令第1号により、ソ連占領地とされた。 * [[1946年]]（昭和21年） - [[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]指令により、日本の施政権が正式に停止される。直後に、ソ連が領有を宣言する。 * [[1952年]]（昭和27年） - [[日本国との平和条約|サンフランシスコ講和条約]]で日本は領有権を放棄する。しかしソ連はその条約に調印していないため、日本は北方四島以外の千島列島の帰属は未確定と主張する。 * [[1991年]]（[[平成]]3年） - [[ソ連崩壊]]後に成立した[[ロシア|ロシア連邦]]が[[実効支配]]を継承。 現在はロシア連邦が実効支配しているものの、日本政府は[[国際法]]上、帰属未定地であるとしている。 {{main|千島列島#領土問題}} == 気象通報の島 == かつて得撫島は、[[NHKラジオ第2放送]]の「[[気象通報]]」で「ウルップ島」としておなじみの島だった。しかし[[1997年]]7月19日を最後に観測結果の入電が途絶え、[[2001年]]12月3日に正式に観測地点から除外される。その理由は公表されていないが、島の気象測候所が廃止されたという説が支配的である。 == 参考文献 == {{脚注ヘルプ}} *『北方領土地名考』 [[北方領土問題対策協会]]編、1978年 *『千島縦断』 [[北海道新聞社]]編、1994年、100～103頁 {{reflist}} == 注釈 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist|group=注釈}} {{千島列島}} {{テンプレート:20180815sk}} {{DEFAULTSORT:うるつふとう}} [[Category:千島列島]] [[Category:かつて人が住んでいた無人島]] [[Category:季節移住の島]]

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