「常温」の版間の差分

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常温(じょうおん)とは、常に一定した温度、温度が一定であること(恒温)、特に冷やしたり熱したりしない温度、平常の温度、一年中の平常の温度などを表す[1]。これらはの字と温度のの字の組合せからの一般的な解釈としての意味であり、人間感覚的な捉え方において、標準的な温度と思えるものを指す。室温が同様な意味で使われる場合もある。なお、日本薬局方は、常温とは別に標準温度を20℃と定めている[2]

より厳密な定義

一方、これをより厳密な基準として適用する場合もある。例えば人間が使う商品がその範囲において有効に働くかどうかを評価する場合、標準状態を厳密に決めておかなければならない。日本薬局方通則では、医薬品などに関する常温は15~25℃としている[3]

日本工業規格では「常温」を20℃±15℃(5~35℃)の範囲として規定(JIS Z 8703)しており、多くの日本工業生活用品食料などのほとんどの製品商品規格規則などはこの温度範囲を常温としている。同様に湿度に対しては相対湿度45-85%の範囲を常湿(じょうしつ)と言う。また、常温保存の食品では「冬季15℃、夏季25℃を常温として賞味期限を設定しています」など、個別に表記している場合もある。

これらに比べてやや緩やかであるが、微生物学では常温をほぼ25℃としており、この温度での培養が基本である。これも元来が人間生活の中で見られる微生物、例えば食品に発生するそれを研究するのが始まりだった歴史に由来する。そのため、実際に微生物が生活する条件との差を問題視する例もある。例えば、温帯の森林土壌の温度はたいていそれより10℃ばかり低いため、標準で培養するとその環境条件が反映されない可能性がある。実際により低い温度で分離培養をすることで、全く違う菌群が出現し、温度条件が菌類相の研究結果を歪めているとの指摘がなされた例がある[4]

脚注

  1. 三省堂『大辞林 第三版』、岩波書店『広辞苑 第六版』
  2. 第十六改正日本薬局方(平成23年)通則15
  3. 日本薬局方 通則 9. 常温は15~25℃PDFファイル形式
  4. Carreiro & Koske(1992)Mycologia 84(6) pp.886-900

関連項目