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|出典の明記 = 2018年3月
 
|独自研究 = 2018年3月
 
|国際化 = 2010年4月
 
|領域=[[日本]]の[[公共交通機関]]<!-- 「定期券」がここに転送されるため -->
 
}}
 
[[ファイル:Monthly ticket JNR Machida Fuchinobe.jpg|thumb|定期乗車券の例(旧[[日本国有鉄道]])]]
 
[[ファイル:通学定期券.jpg|thumb|[[磁気]]定期乗車券の例([[西日本旅客鉄道|JR西日本]])]]
 
[[File:JR card 02.jpg|thumb|[[ICカード乗車券|IC]]定期乗車券の例([[西日本旅客鉄道|JR西日本]]、[[ICOCA]])]]
 
'''定期乗車券'''(ていきじょうしゃけん)とは、[[鉄道]]・[[バス (交通機関)|バス]]などの[[公共交通機関]]において、[[通勤]]・[[通学]]を主に特定の区間を繰り返し乗車する乗客を対象として、一定の期間を区切って発行される[[乗車券]]である。一般的に'''定期券'''(ていきけん)または'''[[定期]]'''(ていき)と略して呼ばれる。また[[船]]に対しては、'''定期乗船券'''(ていきじょうせんけん)が発行されることがある。[[駐車場]]の繰り返し利用に対して'''定期駐車券'''が発行されることがある<ref>例:[http://www.pref.okinawa.jp/site/doboku/dorokan/kanri/teikichuusya.html 沖縄県・定期駐車について]([[沖縄県]]、2015年11月4日閲覧、2014年3月20日更新)</ref>。
 
  
本項では[[日本]]の定期乗車券を中心に記述する。
+
'''定期乗車券'''(ていきじょうしゃけん)
  
== 概要 ==
+
一定期間有効な、一定区間の乗車券のこと。略称は定期券。
定期[[乗車券]]の[[運賃]]は、券面記載経路を、[[普通乗車券]]で有効期間内に1日1往復する場合の額より安価に設定されている。有効期間は発行する事業者によって異なったり、同じ事業者で複数設定されていたりする。1か月・3か月・6か月のものが多く、12か月という例もある<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25463320Z00C18A1TJ2000/ 「東急電鉄、有効期限が12カ月の定期券発売」]『日本経済新聞』ニュースサイト(2018年1月9日)2018年6月2日閲覧。</ref>。また、通学定期券に限り1[[学期]]・2学期・3学期の区分で発売している事業者もある(学期定期券)。
 
  
利用には、券面記載[[氏名]]の本人が使用する場合のみ有効とする'''記名式'''<ref>乗り降り自由のフリー乗車券などの一部でも記名式を採用している。</ref>が原則である。事業者によっては乗車時の所持者であれば誰でも有効とする'''持参人式'''を設定している場合がある。
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
[[日本]]においては、原則として券面記載経路しか乗車することができず、普通乗車券などで認められている[[選択乗車]]などのルールも一部を除き適用されていないが、その経路内の[[鉄道駅|駅]]([[バス停留所|停留所]])では、原則として下車や乗車が可能である。しかし、日本国外においては[[途中下車]]を認めず、券面表示駅(停留所)で乗降する場合のみ有効とする例もみられる。これは、有効期間内に乗車上限回数を設けたり、乗車を1日1往復(2回乗車)に限定されていたりすることによる。
 
 
 
現在では[[自動改札機]]の普及に伴い、[[Suica]]、[[PASMO]]などの[[ICカード乗車券|ICカード]]に定期券の情報を記録して、読み取り部分にタッチ(接触)させるだけで利用できるICカード式の定期乗車券も多い。この形式の乗車券は乗客の利便性を図るだけでなく、乗車券の[[偽造]]防止や専用改札口を設けることによる自動改札機本体の省力化など、事業者側にもメリットがある。
 
 
 
== 歴史 ==
 
日本における鉄道定期乗車券は[[1873年]]([[明治]]6年)5月、新橋・横浜間の上等車旅客に対し3か月(後に90日)の「常乗切手」を120円(この区間の片道運賃は1円12銭5厘)で発行することを計画したのが最初である。<ref>日本国有鉄道100年史 巻1 468頁</ref><ref>国立公文書館 太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第百八十一巻・運漕七・陸運鉄道一 常乗切手ヲ製ス・二条</ref>この計画は6月5日、[[太政大臣]]から正式に認可も受けたが、実施前になぜか中止となり、実際には発行されなかった。次いで[[1874年]](明治7年)7月、大阪・神戸間の上等および中等旅客に対して3、6、9、12か月の「期限切手」が計画され、7月18日に[[伊藤博文]][[工部省|工部卿]]から認可されたが、こちらも実施には至らなかった。<ref>日本国有鉄道100年史 巻1 468頁</ref>
 
 
 
実際に日本初の定期乗車券としては、[[1886年]](明治19年)1月1日「定期乗車券発行規約」の実施により上等および中等の旅客に対して、1、3、6、12か月の4種類が新橋・横浜間の特定の駅間(全部の駅間相互ではない)で発売され<ref>日本鉄道史 上 89頁</ref>、[[明治23年]](1890年)7月には、新橋および横浜を中心に発売範囲が拡大された。近畿地方では[[1887年]](明治21年)5月に神戸、大阪、京都、大津の各駅で発売された。どちらも下等旅客に対しては発売されず、その理由は不明である。下等旅客に対するものは[[1895年]](明治28年)3月1日から発売された学生定期乗車券が最初で、通用1か月のものが発売された。また、まだ発売は1、2等のみであったが、指定した駅間相互の運賃が個別に定められ発行されていた定期券は、[[1898年]](明治31年)11月からマイルごとの運賃によるものに改められた。<ref>日本鉄道史 中 186頁</ref>のち[[1899年]](明治32年)からは3等(従来の下等)に対する普通定期乗車券が発売された。
 
 
 
[[通勤]]用の職工定期券は[[1908年]](明治41年)3月11日から、普通定期券に対して特定の[[海軍工廠]]に勤務する職工に、あらかじめ決められた駅から最寄り駅(横須賀、田浦、呉のみ。佐世保と舞鶴は除外)に割り引き運賃で発売されたのが最初である。<ref>{{アジア歴史資料センター|C06092127700|職工定期乗車割引の件}}</ref>その後、[[1918年]]([[大正]]7年)7月6日から職工定期券の名称で1か月通用3等のみが発売されたが、[[1922年]](大正11年)3月21日の改正からは3か月も発売されるようになった。<ref>日本国有鉄道100年史 巻8 51頁</ref>発売の対象となる勤務先は海軍工廠の外、軍需に関係のある工場(大阪鉄工場、大阪汽車製造、住友鋳鋼場、住友電線製造所、三菱造船神戸造船所)だけであり、発着駅や区間、乗車する列車や車両が指定されるなど制約の多いものであった。<ref>日本国有鉄道100年史 巻5 471頁</ref>
 
 
 
[[1918年]](大正7年)7月6日には「定期券規程」が制定され、運賃の割引率の整理が行われ、この時から12か月通用の学生定期券が発売された。<ref>[[官報]]第1778号 大正7年7月6日 鉄道院告示第53号</ref>[[1921年]](大正10年)の鉄道開通50周年に合わせて規程類の整理・統合・改訂を行うため、[[1920年]](大正9年)10月に「[[日本国有鉄道|国有鉄道]]旅客及荷物運送取扱規則」を制定し、さらに同年12月「国有鉄道旅客及荷物運送取扱細則」を制定、いずれも翌10年1月11日から施行した。この時に普通定期の1等が廃止されている。<ref>日本国有鉄道100年史 巻8 11頁</ref>
 
 
 
国鉄自動車に対する定期乗車券は、[[1930年]]([[昭和]]5年)12月17日「国有鉄道旅客及荷物運送規程」および「国有鉄道旅客及荷物運送細則」の改訂で自動車定期乗車券が定められた。通用期間は1、3、6、12か月で、さらに[[1934年]](昭和9年)11月15日には1、3か月の通学自動車定期乗車券が制定され、従来の自動車定期乗車券は自動車普通定期乗車券と改称した。<ref>日本国有鉄道100年史 巻8 438頁</ref>
 
 
 
[[1932年]](昭和7年)になると、[[第一次世界大戦]]の好景気の時期である[[1921年]](大正10年)に制定された規程が[[昭和恐慌]]の時期に合わなくなり、同年6月に大改訂が行われた。「旅客及荷物運送規則」が制定されて8月1日から施行された。<ref>官報 昭和7年6月6日号外</ref>この時、職工定期乗車券の3か月が追加され、定期券購入の条件が「[[工場法 (日本)|工場法]]または鉱業法の適用を受け且つ[[鉄道省]]の指定したもの」に拡充された。
 
[[1937年]](昭和12年)6月1日改正では、普通定期の12か月定期が廃止された。<ref>日本国有鉄道100年史 巻10 718頁</ref>さらに[[1943年]](昭和17年)、6か月普通定期および12か月学生定期が廃止された。
 
[[1943年]](昭和17年)4月1日の改正では、既に学生定期乗車券のみであった12か月通用定期券が廃止された。職工定期券については工員定期乗車券と名称が改められ、購入条件が国民労務手帳法による国民労務手帳所持者に拡大され、6か月定期券も発売された。これによって定期乗車券は、普通、学生、工員の3種類で、通用期間は1、3、6か月だけに統合された。<ref>日本国有鉄道100年史 巻11 731頁</ref>
 
 
 
[[太平洋戦争]]後、[[1946年]](昭和21年)3月1日からは、工員定期券と学生定期券を統合して、特殊定期(工員用特殊定期乗車券と通学用特殊定期乗車券)とし、普通定期券との2本立てになった。<ref>日本国有鉄道100年史 巻10 750頁</ref>戦後、[[蒸気機関車]]の燃料に使われる[[石炭]]の不足による輸送力の逼迫は深刻なものとなり、炭鉱労働者の輸送・乗車を確保するため、[[1945年]](昭和20年)12月1日から、蒸気列車区間の通学定期の使用停止や、通学を目的とする定期乗車券の発売停止(12月21日)などが一時的に行われた。<ref>日本国有鉄道100年史 巻10 758頁</ref>
 
さらに[[インフレーション|インフレ]]もすさまじく、[[1947年]](昭和22年)7月1日には3倍半という大幅な値上げが実施されるとともに、工員用特殊定期乗車券を普通定期乗車券に統合して通勤定期乗車券とし、学生用特殊定期乗車券を通学定期乗車券と改称した。<ref>日本国有鉄道100年史 巻10 754頁</ref>
 
 
 
[[1953年]](昭和28年)1月15日になると、誰でも自由に購入出来る1、3か月の普通定期乗車券が発売されたが、2等通勤定期乗車券は廃止となった。<ref>日本国有鉄道100年史 巻13 82頁</ref>これにより、定期券は自由に購入出来る普通定期乗車券、勤務先の発行する身分証明書が必要な3等通勤定期乗車券、通学証明書が必要な通学定期乗車券(3等用)の3種類となった。同時に上記に定期券のほか、東京電車環状線内(東京山線内)に通用する1か月の3等均一定期乗車券が新設された。
 
[[1960年]](昭和35年)7月1日から実施された改定では、2等級が採用され、従来の2等は1等に、3等は2等に等級呼称を変更した。<ref>日本国有鉄道100年史 巻13 90頁</ref>
 
[[1966年]](昭和41年)3月5日改正では普通定期乗車券が廃止され、通勤定期乗車券を1等通勤定期乗車券と2等通勤定期乗車券とし、[[身分証明書]]の提出も廃止して誰でも購入出来るようになり、おおむね現在の定期券制度ができあがった。2等の通勤定期乗車券および通学定期乗車券は1、3、6か月が発売され、2等の通勤定期乗車券は1、3か月が発売された。<ref>日本国有鉄道100年史 巻13 100頁</ref>
 
[[1969年]](昭和44年)5月1日の改正で1等が廃止されて[[グリーン車]]となり、従来の1等通勤定期乗車券はグリーン定期乗車券と名称変更され、<ref>日本国有鉄道100年史 巻13 106頁</ref>その後の定期券制度が基礎がおおむね確立した。
 
 
 
== JR ==
 
[[ファイル:継続定期券発行機.jpg|thumb|180px|JR西日本の定期券自動継続発行機([[JR難波駅]])]]
 
'''[[JR]]の[[旅客営業規則]]において規定されている定期乗車券の種類は、次の4種類である。'''
 
* 通勤定期乗車券
 
* 通学定期乗車券
 
* 特別車両定期乗車券
 
* 特殊均一定期乗車券
 
 
 
=== 利用可能な列車 ===
 
原則として[[普通列車]]<ref>[[快速列車]]を含む広義の普通列車</ref>の[[普通車 (鉄道車両)|普通車]]の[[自由席]]のみであり、[[急行列車|急行]]・[[特別急行列車|特急]]列車、[[グリーン車]]、[[座席指定席|指定席車]]にはそれに対応する料金を支払っても乗車することができない。これらの利用には、定期乗車券の有効区間であっても、別途乗車区間に対応する普通乗車券の購入も必要である。ただし、別料金を支払うことで特急列車および普通列車指定席に乗車できる例外規定が設けられている例が多数ある。それらを次項で示す。
 
 
 
==== 例外規定 ====
 
* 特例として区間・列車を限定して[[特別急行券#特定特急券|特定特急券]]、[[特別急行券#自由席特急券|自由席特急券]]または[[急行券]]を購入すれば普通車[[自由席]]に乗車できる場合がある。[[1980年代]]以降は特急列車が大衆化し、また特急列車が通勤に利用されることが増加していることから、この特例の適用は非常に多くなってきている。
 
* [[首都圏 (日本)|首都圏]]の一部区間および[[瀬戸大橋線]]の快速「[[マリンライナー]]」では、[[グリーン券]]によりグリーン車に乗車することができる<ref>[[グリーン券#東京圏におけるグリーン券の扱い|東京圏でのグリーン券の扱い]]も参照のこと。</ref>。また、「マリンライナー」など指定席を連結している普通・快速列車の一部では、指定席券の追加購入により普通車指定席車両に乗車することができる。
 
* 「[[あかぎ (列車)|あかぎ]]」は、普通車自由席だけではなく、普通車指定席も指定席特急券を購入すれば乗車することができる。
 
* 「[[ムーンライトながら]]」の[[沼津駅|沼津]] - [[大垣駅|大垣]]間は、指定席券を購入すれば乗車することができる。
 
* 「[[ふじさん|特急ロマンスカーふじさん]]」の[[御殿場駅|御殿場]] - [[新宿駅|小田急新宿]]間は、小田急線内も含め指定席特急券を購入すれば乗車することができる。
 
* [[九州旅客鉄道]](JR九州)では、対応料金を支払えばグリーン車も含めて全ての特急列車に定期乗車券で乗車することが可能である。
 
* [[北海道旅客鉄道]](JR北海道)・[[西日本旅客鉄道]](JR西日本)・[[四国旅客鉄道]](JR四国)では、すべての特急・急行列車の普通車自由席が定期券と特急券・急行券の組み合わせで乗車できる<ref>いずれも<!--[[本州]]直通の-->[[夜行列車|寝台特急列車]]を除く。</ref>。
 
なお、JRでは、発売する駅から有効な定期乗車券のみを発売する<ref>旅客営業規則第20条。[[無人駅]]の場合は隣接する有人駅において発売する。</ref>のが原則であるが、実際には私鉄駅発着の定期乗車券を発売することもある。[[鉄道駅]]の[[みどりの窓口]]以外では各支社に属する販売センター<ref>鉄道駅とは別にある、法人向けの営業拠点を指す。</ref>で発売することもある<ref>社員に定期券を現物支給するために、企業などで一括購入する場合など。</ref>。
 
 
 
=== 旅客営業規則で規定されている定期乗車券 ===
 
==== 通勤定期乗車券 ====
 
主に通勤目的のための定期乗車券であるが、購入時に通勤証明書などを提示する必要はなく、誰でも任意の区間で購入することができる。小児用の通勤定期乗車券もあるが<ref>旅客営業規則第74条および第98条</ref>、こちらは[[学習塾]]や[[病院]]に通う際に利用されることがある。
 
 
 
なお、[[1966年]]([[昭和]]41年)までは通勤定期乗車券の購入には勤務先の証明が必要で、別に勤務先の証明が不要な普通(2等)定期乗車券も存在していた。通勤以外にも使えるのに「通勤」と名が付くのはこの名残である。
 
 
 
有効期限は1・3・6か月である。
 
 
 
JRの通勤定期の割引率は他の交通機関と比べると高く、1か月定期で約50%、3か月定期で約55%、6か月定期で約60%である。
 
 
 
==== 通学定期乗車券 ====
 
{{出典の明記|date=2018年3月}}
 
[[在学生|児童・生徒・学生]]の通学のための定期乗車券であり、通勤定期乗車券より運賃が安い。購入時に通学を証明する通学証明書の提示が必要で、販売区間も自宅の最寄駅と学校が指定する最寄駅との間の最短、または最安となる経路に限られる<ref>最寄り駅・経路については、「乗車距離が短い」「定期運賃が安い」「乗車時間が短い(乗換時間を含む)」のいずれかに該当する必要がある。複数の駅が使用できる場合は、このいずれかに該当すれば最寄りでなくても基本的には使用可能。</ref>。また、翌年度の[[5月1日]]以降にまたがるものは発行できない<ref>すなわち、3月に発行することも可能である。</ref>。JRでは大学生<ref>高校生・中学生・小学生にさらなる割引があるので([[旅客営業規則]]38条)、専門学校などそれ以外の学校に通う場合は「大学生用」となる。</ref>用・高校生用・中学生用・小学生用の4種類がある。有効期限は通勤定期と同様1・3・6か月である<ref>6か月定期は10月、3か月定期は1月までしか発行できない。</ref><ref>他にJR北海道では、学校の[[夏休み|夏]]・[[冬休み|冬]]休みの日数が道外と大きく異なる事情を考慮して2・4か月の通学定期も設定していたが、2015年3月末で発行を取り止めることになった。</ref>。新学期(特に[[入学式]]当日)には新学年の証明書類が必要になるため、新規に窓口で発行しなければならない学生の長蛇の列ができることも珍しくない。また、これらの事情を考慮して輸送機関の職員が学校に出向いて、新入生が[[入学式]]終了後に窓口に行かず定期乗車券を購入できるよう販売するケースもある。
 
 
 
高校生用は大学生用の1割引、中学生用は大学生用の3割引、小学生用は中学生用の半額の運賃が設定されている。大学生用定期の価格は通常の約30%なので、月10往復程度で元が取れる。なお、3か月定期は1か月定期の5%引、6か月定期は1か月定期の10%引の運賃が設定されている。
 
 
 
通学定期乗車券は、[[卒業]]に必要な[[学年制と単位制|単位]]取得のための通学用として発行が認められるものであって、[[クラブ活動|部活動]]など課外活動のために校舎とは別の場所にあるグラウンドに通うようなケースでは発売は認められない<ref>課外活動は教育課程ではないため、卒業に必要な単位とはみなされない。</ref>が、[[通信教育]]([[放送大学]]を除く)における[[スクーリング]]参加<ref>本学だけでなく、地方スクーリング会場での受講も対象。ただし、1ヶ月間内のうち、ある程度の日数の参加が必要なケースがある。</ref>や、[[教育実習]]ないしはその他単位取得に必要な[[医療施設]]・[[福祉施設]]での実習などでは当該施設等に通うための定期乗車券の発行が認められる場合がある。
 
 
 
また、購入ができるのはJRに指定された'''指定学校'''の学生・生徒であり、指定学校ではない教育施設<ref>学習塾や一部の[[専修学校]]など。いわゆる「[[学校教育法#1条学校(1条校)|1条校]]」は無条件で指定学校となる。指定学校でない場合、差額を学校側が負担する場合もある。</ref>に通う場合は発売は認められない。
 
 
 
運賃が安いだけあって、発売には様々な制限がある。通学定期乗車券の購入ができない場合は、通勤定期乗車券またはその他の乗車券(「[[乗車券#乗車券の種類]]」を参照)を購入することになる。
 
 
 
なお、通学定期乗車券の規定による減収分は[[鉄道事業者]]の負担、より正確には割引率の低い他の利用者からの収入で負担しているのが現状である。かつての国鉄[[ローカル線]]を引き継いだ事業者を含む地方の民鉄・第三セクター鉄道が廃線となったり、苦境に陥ったりしているのも、通勤利用者が[[自家用車]]に転移し、割引率の高い(収益性が低い)通学定期乗車券利用者が利用者の主流で、さらに過疎化・少子化や保護者による自家用車送迎で数を減じていることも背景の一つである。
 
 
 
一部の[[地方公共団体|自治体]]では、[[公共交通機関]]の利用促進のために通学定期乗車券に[[補助金]]を支出したりするところもある。
 
 
 
==== 特別車両定期乗車券 ====
 
「グリーン定期券」ともいい、グリーン車の利用を前提にしていることから、あらかじめ利用する区間のグリーン券に相当する金額も合わせて計算されている。なお、グリーン車の連結していない区間を含めて発行することができる。かつてのグリーン定期券の料金は、一等車定期乗車券時代の名残もあり、普通運賃部分の割引率も通勤定期乗車券に比べて低く設定されていたが、[[2004年]][[10月16日]]以降の計算方法は、グリーン車利用区間のキロ数に応じた一定料金(1ヶ月では、おおむね22往復分のグリーン券の販売額)を、全区間の通勤定期乗車券額と合算する方式となった。有効期間は1か月と3か月のみである。
 
 
 
2004年10月16日の制度改正により、[[首都圏 (日本)|首都圏]]では自由席グリーン券を買うことで、通勤・通学定期券でもグリーン車に乗車できるようになったが、それ以前にはグリーン定期券でない定期券でグリーン車に乗車することは(グリーン券だけを買い足しても)できなかった。
 
 
 
なお、[[東京山手線内]]相互発着用の運賃表がある。これは、1984年の東京山手線相互発着用の普通運賃表の新設に伴うもので、この区間内でのグリーン車は日暮里駅 - 田端駅間と秋葉原駅・神田駅 - 代々木駅間を除く全区間で運転されている<ref>ただし、池袋駅 - 田端駅間、品川駅 - 大崎駅間は停車駅がない。</ref>ものの、いずれも短距離である。
 
 
 
==== 特殊均一定期乗車券 ====
 
「[[山手線]]内均一定期券」が唯一の例である。東京山手線内の全区間に有効であり、山手線環状運転区間(並走区間は[[京浜東北線]]と[[埼京線]]も含む)、[[中央本線]]神田 - 代々木間および総武本線秋葉原 - 御茶ノ水間の各駅間で乗降することが可能な定期乗車券である。有効期間は1か月のみ。発売は東京山手線内各駅のみどりの窓口(東京駅・品川駅はJR東海管轄も含む)または定期券自動券売機に限られる。運賃は14,220円。これは、「千駄ヶ谷(中央東)御茶ノ水(総武2)秋葉原(東北)東京(東海道)品川(山手1)代々木(中央東)新宿(山手2)田端(東北)秋葉原」(41.4km 14,220円)に相当する。なお、[[Suica]]定期券での発売はないが、上記経路の例に従えば、ほぼ同一の効力を持つ同額のSuica定期券は発券可能である<ref>ただし、この例では代々木・千駄ヶ谷間の最短経路は乗車できない。</ref>。
 
 
 
=== 旅客営業規則で規定されている定期乗車券に関連する制度 ===
 
==== 特殊な割引制度 ====
 
JRは、かつては[[公共企業体]]の[[日本国有鉄道]](国鉄)であったため、[[私鉄|民鉄]]にはない種類の割引が存在する。
 
; 特定者割引定期券
 
: おおむね[[生活保護]]受給世帯を対象にした割引。割引を受けるためには生活保護世帯であることも然ることながら一定の条件がある。旅客営業規則に運賃表が掲載されているが、市販の[[時刻表]]には掲載されていない([http://www.city.kawasaki.jp/63/63hukusa/home/01_soudan_02/ 参考リンク 川崎市幸区役所のサイト])。
 
; 通学定期券の種類
 
: 通常、一般[[私鉄]]では大学生でも中学生でも運賃は同一であるが、JRの場合(新幹線定期券は除く)、大学・高校・中学と異なる運賃が設定されている<ref>大学生の運賃を基準とした場合、高校生は90%、中学生は70%</ref>。
 
: このため、JR線との[[#連絡定期券・共通定期券|連絡定期券]]を発行している鉄道事業者がJR線分の発売区分を誤って発券(学生の区分をすべて大学生扱い)し、過剰に運賃を収受していた事例が[[2008年]]になって発覚した。件数・過徴収期間・過徴収額は記録が残っていないため把握が難しいという。現在では新規購入時に申込用紙を記入する際に、これらのどれに当てはまるかを購入者に選択させていることが多い。
 
 
 
==== 長距離区間の定期券の購入について ====
 
JRの定期乗車券は、[[新幹線]]の「フレックス」「新幹線エクセルパス」を除く在来線で乗車区間が100kmを超える区間を購入する場合、[[駅長]]の承認が必要となる。また、乗車区間が200kmを超える場合は、購入理由を記載した書面を提出しなければならない。
 
* 参考リンク:[https://web.archive.org/web/20130601130819/http://ken.akari-house.net/yakumon_teiki.html 「塚本〜八雲間の定期券は購入可能か?」] -- [[漫画]]・[[アニメ]]『[[スクールランブル]]』の[[キャラクター]]名にちなむ。
 
 
 
==== 特例の取り扱い ====
 
定期乗車券では、運賃計算や[[区間外乗車]]の特例について、適用の可否が普通乗車券・回数券と異なる場合がある。
 
 
 
;適用されるもの
 
:* 特定の分岐区間に対する区間外乗車
 
:* [[経路特定区間]](JR東日本・JR北海道)
 
:* [[列車特定区間]]
 
 
 
;適用されないもの
 
:* 分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取り扱い
 
:* 経路特定区間(JR西日本)
 
:* [[選択乗車]]
 
:* [[電車大環状線]]の各特例
 
 
 
=== その他の定期乗車券 ===
 
==== 新幹線定期乗車券 ====
 
{{see also|新幹線通勤|エクセルパス}}
 
遠距離通勤・通学の増加に伴い、新幹線用の通勤定期乗車券「FREX(フレックス)」、通学定期乗車券「FREX(フレックス)パル」([[北海道旅客鉄道|JR北海道]]・[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]・[[東海旅客鉄道|JR東海]]・[[西日本旅客鉄道|JR西日本]])、「新幹線エクセルパス」([[九州旅客鉄道|JR九州]])が発売されている。ただし、これらは旅客営業規則においては[[特別企画乗車券]](トクトクきっぷ)の扱いである。新幹線の普通車自由席または、普通車指定席の空席(自由席がない便のみ)を利用できるため、発売額には乗車区間の定期旅客運賃に加え新幹線自由席特急料金に相当する定期特急料金が加えてある。また、途中の区間において新幹線を利用する定期乗車券も設定可能であるが、この場合、全区間の定期旅客運賃と新幹線乗車区間の新幹線自由席特急料金に相当する額を合算し発売される。例えば、新宿 - [[宝積寺駅|宝積寺]]間の乗車券に新幹線を大宮 - 宇都宮間で利用する定期券も発売できる。
 
 
 
新幹線定期乗車券の所持者が増加したことから、通勤時間帯の新幹線の普通車自由席が通勤列車並みに混雑するようになった。[[東海道新幹線]]では朝8時台の「[[のぞみ (列車)|のぞみ]]」「[[ひかり (列車)|ひかり]]」において新横浜 - 東京間で普通車指定席の空席を定期利用の有無を問わず自由席扱いとする特例措置をとっている。また、新幹線定期乗車券使用者を対象とした普通車指定席やグリーン車への着席を目的とした料金回数券を設定・発売している。詳しくは[[特別企画乗車券]]を参照のこと。
 
 
 
[[東北新幹線|東北]]・[[上越新幹線|上越]]・[[北陸新幹線]]の一部区間は[[Suica#Suicaカード|Suica定期券]]に搭載可能で、他鉄道事業者との連絡定期券も発売(JR東日本のみ)している。
 
 
 
==== 特急料金定期券 ====
 
遠距離通勤・通学は、新幹線沿線のみならず[[在来線]]の[[特別急行列車|特急列車]]にもみられる。JR東海を除くJR旅客5社がそれぞれ発売している。これらも新幹線と同様に特別企画乗車券(トクトクきっぷ)の扱いである。[[北海道旅客鉄道]](JR北海道、名称:「[[かよエール]]」)・[[東日本旅客鉄道]](JR東日本、名称:「定期券用月間料金券」)の一部区間と、[[西日本旅客鉄道]](JR西日本、名称:「[[パスカル定期券|パスカル]]」「○○○特急料金定期券(○○○は列車名)」)・[[四国旅客鉄道]](JR四国、名称:「快て〜き」)・[[九州旅客鉄道]](JR九州、名称:「[[エクセルパス]]」)の全特急運転区間において、特急列車の普通車自由席を利用できる料金定期券、または特急料金相当額を運賃部分に加算した定期乗車券を発売している。料金定期券は、定期乗車券の購入と同時かあるいはすでに所持している定期乗車券を提示し、定期乗車券区間内の特急列車停車駅間の特急料金定期券を購入する形をとる。[[博多南線]]の場合は全列車が特急列車であるので、提示の必要がなく定期券に特急料金定期券が含まれる。なお、JR西日本で発売している指定席特急料金定期券「マイシート」は定期乗車券と組み合わせて有効期間中普通車のあらかじめ指定した座席を利用できる。
 
 
 
==== 2駅併用定期券 ====
 
JR北海道で発売されている、分岐の外方で近隣する2駅のどちらでも乗降可能な定期乗車券。対象は、[[新札幌駅|新札幌]]・[[厚別駅|厚別]] - [[白石駅 (JR北海道)|白石]]以西の各駅間と、[[琴似駅 (JR北海道)|琴似]]・[[八軒駅|八軒]] - [[桑園駅|桑園]]以東の各駅間(新札幌・厚別 - 琴似・八軒という両方とも2駅併用にもできる)。運賃は対象の2駅のうち高額となる駅の定期券を購入した場合に適用される。例えば、白石 - 八軒・琴似の場合、白石 - 琴似間(通勤1か月6,780円)ではなく、白石 - 八軒間(通勤1か月7,130円)を購入しなければ2駅併用とはならない。なお、区間が[[Kitaca]]利用可能エリア内でも磁気式でなければ2駅併用とはならない。
 
{{main|総販 (システム)#備考}}
 
なお、2014年10月24日にJR北海道が2015年3月31日で2駅併用定期券発売終了を発表。これにより2駅併用定期券利用者は4月1日以降「琴似・八軒」のいずれかの駅、「新札幌・厚別」のいずれかの駅を選択しなければならない<ref>[http://www.jrhokkaido.co.jp/pdf/141024.pdf 定期券・回数券のルール変更等について] - JR北海道 2014年10月24日</ref>。
 
 
 
==== 職務乗車証 ====
 
社員が業務の必要により、路線を使って移動する場合に使用する社員証型の“定期券”。機能は全線定期や株主優待乗車証と同一で、JR以外の事業者の場合は家族にも支給される所もある。ただし同一企業グループをまたがる移動は出来ない。JR各社によっては階級に応じて利用できるエリアが異なってくる。<!--あくまでJRでの説明です。また不正云々を記載する場ではありません-->
 
 
 
=== 旅客営業規則で規定されている乗車券でない定期券 ===
 
==== 定期入場券 ====
 
{{redirect|定期入場券|駅以外|入場券}}
 
[[鉄道駅|駅]]構内や改札内への入場・通行ができる「定期[[入場券]]」がある。[[日本国有鉄道]](国鉄)時代には[[有人駅]]のほぼ全駅で発行されており、かつては[[観光地]]周辺の駅で[[旅館]]などの[[従業員]]が客を駅構内で歓送迎するのに使用されていた。ただし現在では、発行は駅構内に[[自由通路]]がない場合、また[[駅弁]]を売る業者など駅構内に定期的に立ち入る必要がある場合に限られる<ref>業者の場合は、自社の従業員証の提示でこれに代えることがほとんどである。</ref>。例えば、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]の[[電車特定区間]]内の駅では[[東京駅]]と[[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]のみで発売されている。かつては、駅舎改築前の[[国分寺駅]]や[[品川駅]]でも発売されていた。
 
 
 
なお、定期「[[乗車券]]」を入場券代わりに使用することはできない。駅構内への入場には「乗車船の目的」と「乗車船以外の目的」の二つに分けられ、前者は乗車券類、後者は[[入場券]]が必要となる<ref>[[JR]]の[[旅客営業規則]]第294条には「次の各号に掲げる者が、乗車船以外の目的で乗降場に入場しようとする場合は、[[入場券]]を購入し、これを所持しなければならない。(後略)」と規定されている。</ref>。定期乗車券は乗車券の一種であり、乗車券は乗車券類に含まれるため、「乗車船の目的」に限り使用でき、「乗車船以外の目的」(送迎等の入場目的)には使用できないのである<ref>旅客営業規則第147条第6項には「乗車券類は、乗車船以外の目的で乗降場に入出する場合には、使用することができない。」という規定があり、他の多くの鉄道事業者においても同様の規定がある。</ref>。[[Suica]]などの[[ICカード式乗車券]]についても同様で、これらもあくまで乗車券類であることから、入場券代わりに使用することはできない。
 
 
 
==== 定期手回り品切符 ====
 
{{main|チッキ}}
 
 
 
== その他の日本の鉄道 ==
 
JR以外の[[私鉄]](民鉄)、[[地下鉄]]、[[第三セクター鉄道]]について取り上げる。
 
 
 
=== 概要 ===
 
基本的には以下の2種類が発行される場合が多い。JRと同様に定期乗車券で利用可能なのは、原則として特別料金不要の列車の普通車のみであるが、有料で運行される[[特別急行列車|特急]]・[[急行列車|急行]]列車と[[特別席]](指定席)については、それに対応する料金を支払えば乗車できる場合が多い。
 
* [[#通勤定期乗車券|通勤定期乗車券]]
 
** [[神戸市営地下鉄]]([[神戸市交通局]])などは普通定期乗車券と称する。
 
* [[#通学定期乗車券|通学定期乗車券]]
 
** [[愛知環状鉄道]]のように、事業者によっては学校の就学期間に合わせて4月上旬から7月中旬までという期間を設定している場合もある。また、一部の事業者([[名古屋市交通局]]など)においては通学証明書を必要とせず、学生であれば任意の区間の定期券が割引で買える事例(そのため、名古屋市交通局では通学定期券ではなく「学生定期券」と呼ぶ)や、[[横浜市交通局]]のように通塾対応として「[[学習塾]]在籍証明書」を提出することで通学定期券が購入できる事例も存在する。
 
また、定期乗車券の一種で、ある一定の[[区間 (鉄道)|区間]]において一定の金額で区切って発行する[[#特殊均一定期乗車券|均一定期乗車券]]がある。[[東京地下鉄]](東京メトロ)や[[都営地下鉄]]などが発行する「全線定期乗車券」もこの一種である。
 
 
 
変わり種としては、[[肥薩おれんじ鉄道]]が65歳以上の[[高齢者]]を対象に割引率を通学定期乗車券並みに引き上げた「いきいきシルバー定期」がある。また、[[2006年]]7月限定で[[平成筑豊鉄道]]は1か月分の定期乗車券などが当たる[[懸賞]]つき定期乗車券を発売していた。
 
 
 
なお、事業者によって定期券の割引率が異なるが、首都圏の大手民鉄の場合、普通運賃が低い水準にあるので通勤定期の場合はJRよりも割引率が低く40%弱(1か月に約19往復しないと元が取れない)が多い。東京地下鉄や都営地下鉄に至っては30%程度(1か月に約21往復しないと元が取れない)となっている。これに対して、通学定期は割引率が高く77% - 80%前後(1か月に約7往復すれば元が取れる)の事業者が多い。東京地下鉄や都営地下鉄の割引率は約65%(通勤定期の約半額・1か月に約10往復すれば元が取れる)である。近畿の大手民鉄でも通学定期の割引率は高く、中でも[[近畿日本鉄道]]の場合は66km以上の区間(鶴橋 - 名張間など)については1か月にわずか3往復するだけで元が取れるような設定になっている。
 
 
 
第三セクター、地方の民鉄の場合は割引率が低い傾向にあり、バス並みの割引率(通勤定期で約30%・1か月に約21往復しないと元が取れない)しかない事業者も存在し、却って定期券を購入することが損をする場合が生じる可能性がある。一例として[[北総鉄道]]では通勤定期の割引率が約30%に対して、日中回数券・土休日回数券は約33.3%と回数券の方が安い。2000年代以降はこの点を考慮して[[平日]]のみ利用可能な定期券を発売している事業者([[近江鉄道]]や[[遠州鉄道]]など)もある。
 
 
 
また、きわめて稀ではあるが、割引運賃や加算運賃との兼ね合いで、定期券を買わずに30往復するほうが1ヶ月定期券を買うより安い区間も存在する。たとえば、[[福岡市交通局]]<ref>[http://subway.city.fukuoka.lg.jp/fare/ryokin_higashihie.html 東比恵駅料金表] 福岡市交通局、2014年1月25日閲覧。</ref>や[[沖縄都市モノレール]]<ref>[http://www.yui-rail.co.jp/howto/ticket.html 乗車券の種類] 沖縄都市モノレール、2014年1月25日閲覧。</ref>では隣接駅まで100円で乗車できる「おとなりきっぷ」が導入されているが、定期券については隣接駅であっても通常の1区として計算するため、1ヶ月定期券のほうが「おとなりきっぷ」30往復より高額となっている。
 
 
 
運賃計算に使用する運賃表の距離区分については、普通乗車券と同一の事業者(例:[[京王電鉄]][https://www.keio.co.jp/train/teiki/yoyaku/R2010])と、普通乗車券よりも区分を細かく設定する事業者(例:[[東武鉄道]][http://www.tobu.co.jp/station/ticket/pdf/unchinTable.pdf])とが存在する。
 
 
 
発売拠点については、JRのように全ての駅員配置駅で販売している訳ではなく、主要駅の定期券発売所に集約されている(特に都市部の[[大手私鉄]]や地下鉄。ただし、[[名古屋鉄道]]や遠州鉄道のように全ての[[有人駅]]で発売しているケースや、[[小田急電鉄]]や[[阪急電鉄]]のように、全駅に定期券を発売可能な[[自動券売機]]を設置しているケースもある<ref>通勤定期に限る</ref>)。このため、定期券を発売していない駅からの定期券を購入する場合、乗車駅から発売駅までの普通乗車券を購入した上で乗車券に証明を受け、定期券発売窓口で定期券の購入時に発売駅までの乗車券を払い戻してもらい、帰りの無料乗車券(乗車票)を受取って乗車駅まで戻る形となる。
 
 
 
[[東京急行電鉄]]では2018年3月17日より、自社線内に限り、12か月定期券を発売する。当面は割引率は1か月定期×12か月分から1割引きした金額で6か月定期の2倍か2倍から10円安い額である<ref>http://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/b483496153d422e19cda81626a6ca072b9f09bd9.pdf</ref>。
 
 
 
=== 連絡定期券・共通定期券 ===
 
事業者が[[連絡運輸|自社の路線から乗り継ぎ可能な他事業者の路線]](バス・[[地下鉄]]・[[路面電車]]などを含む)との「連絡定期券」を発行する場合がある。通常は出発地から目的地までの区間で利用する事業者数分の定期券が必要となるが、連絡定期券を利用することにより複数枚の定期券を1枚にまとめることができる<ref>例えば、バス事業者A - 鉄道事業者B - 鉄道事業者Cのように乗り継ぐ場合、事業者によってA区間からC区間までの連絡定期券が発行されていれば、通常は定期券が3枚必要であるが、1枚の連絡定期券にまとめることができる。</ref>。発行可能な対象区間は事業者ごとに異なり、他社の全線を対象とする場合や他社の一部区間のみを対象とする場合がある。また、運賃も利用する区間の定期旅客運賃を単純に合算した額とする場合やこの合算した額から一定額を割り引いたものを運賃とする場合などがある。利用区間と連絡定期券の発行可能な区間が合致しない場合(もしくは発行区間が重複する場合)は、定期乗車券を本来の枚数より減らすこと自体は可能であるが、複数枚となる<ref>例えば、バス事業者A - 鉄道事業者B - 鉄道事業者Cのうち、Aの区間とBの区間、もしくはBの区間とCの区間の連絡定期券が事業者によって発行されている場合、通常は定期券が3枚必要であるが、Aの区間とBの区間をまとめた連絡定期券1枚とCの区間の定期券1枚の計2枚、もしくはAの区間の定期券1枚とBの区間とCの区間をまとめた連絡定期券1枚の計2枚にまとめることができる。</ref>。なお、連絡定期券は利用区間に関連するすべての事業者が発行している訳ではない<ref>例えば、[[近畿日本鉄道]]は自社線の一部の駅からJR西日本を経由して[[阪急電鉄]]など他社線へ連絡する連絡定期券を発行しているが、阪急電鉄やJR西日本でこれと同一の区間を設定した連絡定期券を購入することはできない。</ref><ref>[[西日本鉄道]]と[[福岡市交通局]]の連絡定期券の場合、区間制定期券は西鉄の定期券売場でも地下鉄の定期券売場でも取り扱っているが、地下鉄全線定期券を含む場合は、西鉄での取り扱いはなく地下鉄窓口でのみの発券である。</ref>。このほかにも、特定の条件に合致した場合のみ他社線で乗降が可能となる定期券「共通定期券」を発行するケースもある<ref>具体例として、阪急電鉄・[[阪神電気鉄道]]・[[神戸高速鉄道]]の3社間でのケースがある。阪急・阪神と神戸高速鉄道は相互直通運転を行っており、磁気式の通勤定期乗車券で梅田 - 三宮間を含む場合は阪急・阪神双方の梅田駅で、また三宮 - 高速神戸間を含む場合は阪急・阪神双方の三宮駅から神戸高速鉄道の高速神戸駅までの各駅(花隈・西元町・元町)でそれぞれ乗降が可能とする共通利用制度を[[1996年]]から実施している。発行について特別な手数料や手続きは必要なく、設定された条件をクリアしている場合に自動的に適用されるという性質のものである。</ref><ref>[[西武鉄道]]では[[練馬駅]] - [[池袋駅]]間を[[西武池袋線]]、[[西武有楽町線]]、[[東京メトロ有楽町線]]、[[東京メトロ副都心線|副都心線]]のいずれも乗車可能とした特殊連絡定期券「だぶるーと」を[[PASMO]]限定で発売している。</ref>。
 
 
 
バスとの連絡定期券は[[#連絡定期券]]を参照のこと。
 
 
 
=== 座席指定定期券 ===
 
[[名古屋鉄道]]では、[[名鉄特急|特急特別車]]ミューの座席について、利用者があらかじめ定めた1往復の列車の座席を1か月(平日ダイヤ運行日のみ)確保する「[[名鉄特急#回数特別車両券・ミュー定期券|ミュー定期券]]」と称するものが存在する。1か月13,000円で、有効期間は毎月1日 - 末日の1か月。
 
 
 
座席指定は券面記載の列車・座席にしか適用されないが、ミュー定期券を所持していれば当該区間内であれば休日ダイヤ運行日も含めて券面表示以外の列車の特別車にも追加料金なしで乗車できる。ただし、座席の指定がないため、座席の指定を受けた他の旅客が乗車してきた場合は席を譲らなければならない。
 
 
 
なお、ミュー定期券利用区間を含む通勤・通学定期乗車券を所有する旅客のみに対して発売され、乗車する際も定期券とミュー定期券の2枚を組み合わせて使わなければならない。また、定期券以外の乗車券とミュー定期券の併用はできない。
 
 
 
[[南海電気鉄道]]では「[[ラピート]]」と「[[サザン (列車)|サザン]]」の全列車と「[[こうや|りんかん]]」1 - 7・9・11・13号の座席を1か月単位で購入できる[[定期特別急行券・定期座席指定券]]がある。特急券と座席指定券のみなので、乗車する際には他の乗車券類が必要となる。詳しくは当該項目を参照のこと。
 
 
 
乗車列車のみが指定される例として、[[京成電鉄]]では「[[スカイライナー#モーニングライナー・イブニングライナー|モーニングライナー]]」用の「[[スカイライナー#ライナー券|モーニングPASS]]」を設定している。発売額は「モーニングライナー券」20回分の8,000円で、有効期間は毎月1日 - 末日の1か月。
 
 
 
=== 高齢者向け定期券 ===
 
鉄道での実施例はあまりないが、[[静岡鉄道]]・[[遠州鉄道]]では高齢者向けに廉価な全線定期を販売している。
 
 
 
詳細は、[[#高齢者向け定期券類]]を参照。
 
 
 
=== 全線定期券 ===
 
{{see also|ちかパス}}
 
[[福岡市交通局]]など一部社局が発行しているもので、運賃や区間に関わらず一定の定期旅客運賃のみで全線が自由に使用できる定期券である。
 
 
 
通常の鉄道定期券は記名人のみ使用可能だが、全線定期券については、[[東京地下鉄|東京メトロ]](磁気定期券に限る)・[[都営地下鉄]]・[[大阪市交通局]]([[大阪市営バス|市営バス]]・[[ニュートラム]]を含む共通全線定期券)など、持参人式を採用している事業者もある([[#持参人式定期券|後述]])。
 
 
 
=== 乗降で区間・路線を変更可能な定期券 ===
 
[[京王電鉄]]の「どっちーも」は、通勤定期代に1000円を上乗せすると繁華街である新宿駅や渋谷駅に行けるようにしたり、[[聖蹟桜ヶ丘駅]]([[京王線]])と[[京王相模原線]]の[[多摩センター駅]]または[[京王永山駅]]を行き帰りで使い分けたりできる<ref>[https://www.keio.co.jp/campaign/teiki/index.html 新・通勤定期券どっちーも]京王電鉄ホームページ(2018年6月2日閲覧)。</ref>。
 
 
 
=== 片道通学定期券 ===
 
[[津軽鉄道]]では、片道通学定期券を扱っている。往復利用できる一般的な通学定期券の購入数が減っていた状況で「通学時あるいは下校時のみ列車を利用している学生も多い」ことが各駅からの報告で分かり、[[2006年]]に導入した<ref>{{Cite web|title=片道の通学定期、親の通勤スタイルが関係?|url=https://trafficnews.jp/post/68896/2/|publisher=乗りものニュース|date=2017-04-25|accessdate=2017-05-24}}</ref>。
 
 
 
== 路線バス ==
 
[[ファイル:Monthly ticket Kanachu.jpg|thumb|バスの定期乗車券の例 ※氏名の部分は画像修正([[神奈川中央交通]])]]
 
定期乗車券の種類は鉄道用とほぼ同じである。だが、バスの定期乗車券は電車の定期乗車券のように磁気加工がされておらず、乗務員に定期乗車券を提示するという形になっている<ref>ただし、近年ではIC乗車券カードを導入した事業者を中心にIC定期乗車券に切り替える事業者も出てきている。</ref>。一般的に通勤<ref>「普通定期」と称する事業者もある。</ref>・通学・小児および各障害者定期券が発行されている。そのため、通常の定期券についての解説は省略する。それに対し、バス以外の公共交通ではあまり見られない種類の定期乗車券が一部事業者から発行されている。通学定期券は鉄道と同じく通学用途・区間に限る事業者が多いが、[[遠鉄バス|遠州鉄道]]や[[名古屋市営バス|名古屋市交通局]](2010年度より)の様に用途・区間を限定しない事業者もある。
 
 
 
=== 他社局共通定期券 ===
 
通常の定期券は、発行社局およびその一部グループのみの使用に限られる。そのため、同じ路線・区間を2社局以上で共同運行している場合、通常の定期乗車券ではA社運行の便には乗車できるが、B社運行の便には乗車できないといった問題が発生してしまう。その問題を解消するため、発行社局だけでなく共同運行先社局のバスにも乗車できるように共通定期券が発行されることがある<ref>なお、「共通定期券」などの定期券を発行せず、通常の定期乗車券で相互利用可能としている社・局、区間も存在している。</ref>。
 
 
 
=== 均一区間定期券 ===
 
通常、A停留所 - B停留所として発行しているものを均一運賃区間内(例:210円区間)のすべての路線に乗車可能としているものである<ref>均一区間のみのバス路線を持っている事業者の中には、全社局全線で利用できるタイプの定期乗車券を発行している場合もある。</ref>。事業者によっては指定金額以外の区間を差額の精算のみで利用できる場合もある<ref>例として、200円区間の定期券で190円区間をそのまま利用でき、210円区間を利用した場合は差額の10円のみを精算するだけよい場合がある。[[京王電鉄バス]]グループ各社や[[西東京バス]]などで導入されている。</ref>。
 
 
 
=== 地区定期券 ===
 
上記の均一区間定期券に類似しているが、均一区間内のみという区分けをせずに、ある一定のエリアを「XX地区」という形で設定し、そのエリア内で乗車可能としているものである。[[京阪バス]]などで採用。同社では一部エリアでさらに安くした代わりに範囲を狭くした「にこにこミニパス」も[[1992年]]より導入していたが、現在は廃止された。[[西武バス]]では[[ひばりヶ丘駅]]・[[田無駅]]・[[片山村 (埼玉県)|片山]]地区をメインに利用出来る「[[ひばり・田無フリー定期券]]」を発売している。
 
 
 
=== 環境定期券=== <!-- 節名称変更時は注意:他記事からのリンクあり -->
 
[[自家用自動車|マイカー]]台数の削減や地球環境保全を目的に、[[1997年]]に[[神奈川中央交通]]が開始したのをきっかけに、翌[[1998年]]には[[東京都交通局]]([[都営バス]])、[[京阪宇治交通]](現在廃止)、その翌[[1999年]]には京阪バスなどでも採用され、近年では都市部の多くの社・局が採用しているサービスである。
 
 
 
これは、「環境定期」という乗車券を別に発行する訳ではなく、'''普段使用している定期乗車券'''を乗務員に提示することによって定期乗車券所持者以外の家族も利用できるか割引措置を受けられるという制度で、以下の2つがある。
 
* 1.定期区間外の発行者の運行する区間を割引運賃(殆ど100円で現金払いのみ。事業者により異なる。また小児半額としている事業者もある。)で乗車することが可能となる。
 
* 2.定期区間内のみの利用で、定期乗車券所有者に同伴者(ほとんどは同居親族の同伴者)がいる場合、その同伴者も割引運賃で乗車することができるようにしている社・局が多い。意味合いとしては、定期乗車券利用者に対する割引サービスと捉えられる。
 
 
 
一般的に利用可能な日は土曜・休日・長大連休期間([[ゴールデンウィーク|GW]]・[[旧盆]]・[[年末年始]]時期)などの土曜・休日ダイヤ実施日で、利用可能な定期券も通勤定期乗車券のみが多いが、神奈川中央交通など一部社局では通学定期乗車券も利用できる。なお、このサービスはその地区や社局によって受けられるサービスが大幅に違う場合がある。平日は対象外なので、定期券所持者以外の方は、通常運賃(実際に乗車した区間の運賃)が必要となる。
 
 
 
この定期券制度は地方鉄道などでも採用され始めている。
 
 
 
=== 全線定期券 ===
 
[[東急バス]]や[[横浜市交通局|横浜市営バス]]など一部社局が発行しているもので、運賃や区間に関わらず一定の定期旅客運賃のみで全線が自由に使用できる定期券である。
 
* [[西鉄バス]]などの一部では、特定の区域を一定期間自由に乗降できる定期乗車券を発売している。
 
* 京阪バスでは、大阪府下および京都府八幡市の路線が、一部の例外を除き、乗降できる定期乗車券「ワイド定期券」を270円区間定期券相当の発売額で発行している。これらも全線定期券と類似している部分もある。
 
* 遠州鉄道ではバス・電車全線を利用できる[[ナイスパス (遠州鉄道)#全線定期|(通勤・通学・シルバー)ワイドフリー定期券]]を販売している。このうち通勤ワイドフリー定期券は持参人式を採用している([[#持参人式定期券|後述]])。
 
 
 
=== 持参人式定期券 === <!-- 節名称変更時は注意:他記事からのリンクあり -->
 
定期券の券面氏名欄を「持参人様」表記や無記名にすることによって、定期券を持参した人が定期券として使用できる乗車券である。環境定期券とは違い、通勤定期以外で持参人定期を発行している社局は見られない。
 
<!--導入順に-->
 
* 京阪バスでは通勤定期券は、1981年より持参人式となった。これが日本最初とは特定できないものの、日本ではかなり早い事例である。当時存在していた京阪宇治交通でも1992年4月1日以降全て持参人方式となった。
 
* 東京都交通局(都営バス)の都区内通勤定期券の券面には購入者名が記載されているが、1992年[[2月]]より持参人式を採用しており、購入者以外であっても1乗車につき持参人1人が利用することができる。また、1か月と5日に限り有効の定額定期券(1万円)も持参人式である。
 
** 東京都交通局においては、[[都営地下鉄]]・[[都電荒川線]]の全線定期券も持参人式である。<!-- 都営地下鉄の全線定期券は、正確には「記名持参人式」である。-->
 
* [[大阪市高速電気軌道]](Osaka Metro・[[大阪シティバス]])で発売されている定期券の種類の中で、共通全線定期券は持参人方式で、文字通り、全線([[ニュートラム]]も含む)で利用可能となっている。公式サイト上では、券面に氏名および「持参人一名様有効」の両方あるため、正確には「記名持参人式」である。
 
* [[札幌市交通局]]の通勤定期券は、記名はされているが、磁気式では持参人が使用でき、[[SAPICA#カード種別|SAPICA定期券]]では記名人以外の使用はできない。
 
* [[遠州鉄道]]では、[[遠鉄バス]]・[[遠州鉄道鉄道線|遠鉄電車]]全線(空港直行バスは除く)が利用できる[[ナイスパス (遠州鉄道)#全線定期|通勤ワイドフリー定期券]]に限り持参人式となっている。
 
* [[名古屋市交通局]]([[名古屋市営バス]])の通勤定期券([[身体障害者]]など特定の条件に基づいて発売される「割引通勤定期券」を除く)については、[[2006年]][[4月1日]]から持参人方式で全線(ただし、共同運行区間の[[名鉄バス]]と[[名古屋ガイドウェイバスガイドウェイバス志段味線|ゆとりーとライン]]は除く)で利用可能となっている。
 
 
 
=== 連絡定期券 ===
 
[[遠州鉄道]]では、自社の鉄道とバスを乗り継ぐ定期券を相互に5%割り引いた値段で販売している。[[東京都交通局]]ではバス・地下鉄の他、都電や日暮里舎人ライナーも連絡定期券の発行の対象である。
 
 
 
近畿圏では割引こそないものの私鉄・JRとバス事業者間での連絡定期券が比較的多く出ている。[[1980年]]に[[近畿日本鉄道]]が自社バス([[近鉄バス]])との連絡定期券を発行開始<ref>『最近10年のあゆみ』 P.25・80 近畿日本鉄道 1990年。開始当初は駅から2区以内もしくは均一運賃区間に限定していた。</ref>。のちに近鉄バスはJR西日本や[[阪急電鉄]]との間でも連絡定期券も発行するようになった。いずれも鉄道駅の定期券発売所で発行しており、近鉄バスは駅に連絡する停留所からのゾーン定期(「[[近鉄八尾駅]]から2区」というように運賃区界でゾーンを設定)で発売しており、そのゾーン範囲内であればどの停留所でも乗降しても良い。近畿日本鉄道は[[奈良交通]]との連絡定期券も発行している(奈良交通はJR西日本とも連絡定期券を発行)。阪急バスは阪急電鉄、[[北大阪急行電鉄]]、[[阪神電気鉄道]]、[[神戸電鉄]]と連絡定期券を発行しているが、こちらはバスも区間が指定されている。このほか、阪神電鉄と阪神バス、JR西日本・阪急電鉄・阪神電鉄と[[尼崎市交通局]]、[[南海電気鉄道]]と[[南海バス]]などでみられるが、これらも鉄道駅での発行である。
 
 
 
=== 複数区間併合定期券 ===
 
従来A駅 - B停留所のみ利用可能だった定期券をA駅 - B停留所とC駅 - B停留所の2区間を1枚の定期券で乗車可能としたものである<ref>発行社局が少ない上に一般的な定期券呼称がないため、ここでは便宜上「複数区間併合定期券」と表記した。</ref>。
 
 
 
=== 通勤・通学定期券 ===
 
[[ファイル:Sapporo City Transportation Bureau (Sapporo Streetcar) monthly ticket. 2010.jpg|thumb|札幌市交通局([[札幌市電]])の三角定期券]]
 
仕事のかたわら[[高等学校#定時制・通信制の課程|定時制・通信制]]の学校に通う場合や通学のかたわらアルバイト先に行く場合などに、自宅・勤務先・学校の3か所の最寄り停留所を結んで発売されるものである。[[公営交通]]では一部の[[路面電車]]や[[地下鉄]]も含めて制度化されている事業者が多い。「三角定期券」とも呼ばれる。
 
 
 
=== 片道定期券 ===
 
片道しか利用できないことを条件に運賃を割り引くものである。坂道の多い土地柄の事業者に多い。往復で利用できる定期乗車券の半額としている場合が多い。
 
 
 
=== 日時限定の定期券 ===
 
[[西鉄バス]]([[ひるパス]])、[[長崎自動車]]<ref>[http://www.nagasaki-bus.co.jp/bus/free/index.html 昼間全線フリー定期券] 長崎自動車、2014年1月6日閲覧。</ref>、[[九州産交バス|産交バス]]<ref>[http://www.kyusanko.co.jp/sankobus/pass/dayfree_pass/dayfree_pass3.php 昼間時間帯専用フリーパス] 産交バス、2014年1月6日閲覧。</ref>のように、通用する時間を昼間に限定した定期券や、[[庄内交通]]<ref>[http://www.shonaikotsu.jp/local_bus/teiki.html 回数券・定期券] 庄内交通、2014年1月6日閲覧。</ref>や[[江若交通]]<ref>[http://www.kojak.co.jp/bus/ticket/ 運賃・回数券・定期券] 江若交通、2014年1月6日閲覧。</ref>のように平日のみ利用可能な定期券、さらには[[ホリデーアクトパス]](西鉄バス)のような土休日限定で利用可能な定期券も存在する。
 
 
 
=== 契約定期券 ===
 
事業者と沿線の企業が契約し、退職や異動などの特別な場合を除いて払い戻しをしないことを条件に、通勤定期券よりも割安な運賃で一括して発売するものである。勤務先の証明が必要であった時代の通勤定期券に近いものといえる。企業定期券・団体定期券と呼んでいる事業者もある。
 
 
 
また、[[筑波大学]]では、キャンパス内を走るバスである[[関東鉄道]]から定期券を一括購入し、それを学生や教職員などに販売することで学内の交通システムとする、[[筑波大学キャンパス交通システム]]事業を行っている。詳しくは当該項目を参照のこと。
 
 
 
=== 深夜バス乗車時の特例 ===
 
運賃割増で運行される[[日本の深夜バス|深夜バス]]においては、普通運賃と深夜運賃の差額(通常、普通運賃と同額)を払うだけで乗車可能としている事業者が多い。
 
 
 
=== 高齢者向け定期券類 ===
 
主に[[高齢者]]を対象にして、その事業者のすべての路線を一定期間自由に、あるいは一定額で乗車できる定期乗車券を発売している事業者もある。おおむね購入時に本人の年齢を確認できる公的証明書の提示を求められる。以下に例を記す。
 
<!--例を述べる場であり、すべての事業者の例を列挙する場ではありませんから、同種の例は特筆性が無い場合には追加しないで下さい。-->
 
* [[西日本鉄道]]においては、65歳以上の人を対象に1か月6,000円、3か月13,000円、6か月23,000円、1年間42,000円で同社(グループ各社含む)一般路線バス全線を自由に乗車できる「[[グランドパス65 (西鉄バス)|グランドパス65]]」を発売している。
 
* [[神奈川中央交通]]においては、65歳以上の人を対象に3か月3,000円、6か月5,000円、1年間9,000円で同社(グループ各社含む)一般路線バス全線を一定運賃(100円)で乗車できる「かなちゃん手形」を発売している。
 
* [[遠州鉄道]]においては、満65歳以上の高齢者と自動車[[運転免許証]]を返納した満60歳以上の高齢者に1か月5,000円、3か月14,250円、6か月27,000円で[[遠鉄バス]]・[[遠州鉄道鉄道線|遠鉄電車]]全線が乗り放題となる「[[ナイスパス (遠州鉄道)#全線定期|シルバーワイドフリー定期券]]」を販売している。<!--鉄道線でも利用できる点、運転免許返納者に対して発行する点で特筆できると思います-->
 
 
 
定期乗車券ではないが、東京都が発行する「[[東京都シルバーパス]]」のように、[[地方公共団体]]がその区域の高齢者・[[障害者]]に対して社会参加を促す目的で[[福祉乗車証]]を交付している例もある。これらの中には指定範囲内の鉄道・バスを一定期間自由に、あるいは一定額で乗車できるものもあるが、交付を受けるには年齢だけではなくその地方公共団体の定める条件を満たしている必要があり、発行時に支払う費用や利用条件なども年収などの条件により異なることがある。詳細は[[福祉乗車証]]を参照。
 
 
 
公営事業者であっても民間事業者と同様に、年齢以外の条件のない高齢者向け定期券を発売している事業者もある。例として[[尼崎市交通局|尼崎市営バス]]においては、65歳以上の高齢者に1か月3,000円、12か月30,000円で市バス全線乗り放題となる「寿定期」を発売している([[2009年]]4月1日現在/他に3か月券、6か月券がある)。年度ごとの初回購入時に年齢を確認できる公的証明書の提示が必要である。
 
 
 
=== 定期回数券 ===
 
1か月の定期券を約50枚の回数券方式にした形態の定期券である。降車時には[[氏名]]を記載した[[表紙]]を[[乗務員]]に提示の上1枚を[[運賃箱]]に投入する方式である。京阪バス(2010年5月31日までで券種廃止)<ref>京阪バスでは「特別定期券」が50枚綴りの回数券式の定期券であった。</ref>の一部区間や[[近江鉄道]]で発行されている。従来は廃止前の京阪宇治交通の一部区間、鉄道では廃止前の[[屋島登山鉄道]]や、[[比叡山鉄道]]でも発行されていた。
 
 
 
このほか、複数のバス会社が少数の便を運行しているが共通乗車の扱いがなされていない区間で、学生の利便のため通学定期券に相当する[[氏名]]記載の[[表紙]]を持つ定期回数券のみ、共通乗車用に発行した事例がある。(例 [[陸前古川駅|古川駅]]-[[吉岡 (大和町)]]間の国道4号線一般道を走っていた [[国鉄バス]](当時)古川線の一部・[[宮城交通]](当時)相互での発行)
 
 
 
=== その他 ===
 
あまり例がないが、企画定期券が発行されている事例もある。
 
* [[福島交通]]では、土・日曜日・祝日と平日の10〜17時にバスを降車する場合に限り、一般路線バス(市町村生活バスを除く)全線で乗車可能な専用定期券「おでかけノルカ(旧:ショッピングパス)」を発売している。[[定期乗車券#全線定期券|全線定期券]]とほぼ同趣旨の定期券であるが、利用範囲が比較的限定されている点が差異として挙げられる。また、同社の通勤バス定期券を同じ職場などの団体が5名以上で購入する場合、元来の定期券代からさらに5%以上割り引かれる「NORUCAグリーン定期券」が発売される<ref>[http://www.fukushima-koutu.co.jp/bus/corp/green/index.html グリーン定期券とは?] - 福島交通公式ページ</ref>。この場合、定期券の購入方法手段によってはさらに安く購入できるという「システム上のメリット」とも捉えられる。
 
* 日本一高額な路線バス定期券は、[[奈良交通]]の[[八木新宮特急バス]]・[[大和八木駅|八木駅]] - [[新宮駅]]間の通勤6か月定期券(92万8260円)である<ref>両停留所間を直通する便は一日3往復のみで片道6時間半かかるため、2013年時点、新宮駅5:53→12:21八木駅13:45→20:19新宮駅の便を利用しない限り、その日の内に両停留所間を往復できない</ref>。実際に発売可能かはともかく同社のWebからは定期券料金を算出することが可能である<ref>検索結果の保存画面 http://s04.megalodon.jp/2009-0401-2306-25/jikoku.narakotsu.co.jp/form/asp/ejhr0100.asp?dia=1&fromcdfare=1388&tocdfare=2120&fromcd=-7&tocd=2120&keito=300013&basefare=5250&area=1,5&kukai_</ref>。<!-- 神奈川中央交通の小田原駅から八王子駅南口のが高額だという意見が出ましたが、HPからは定期代が確認できないためコメントアウトしております。単一事業者で関東一では間違いないと思われますが。 -->
 
* [[京阪バス]]では、かつて設定されていた[[くるっとBUS]]において、専用定期券「くるっとマンスリーパス」を通常定期運賃9,240円相当の区間を3,000円で発行していた。ただし乗車可能なバスは、くるっとBUS全便と一部指定運行経路で一部の時間帯のみ乗車可能なものであったが、くるっとBUS廃止によりこの定期券も廃止となっている。
 
 
 
=== 割引率 ===
 
バスの通勤定期の割引率は30%前後の事業者が多く、1か月当たり約20往復しないと元が取れない場合がある<ref>ただし、直通バスのない区間で同一事業者のバスを乗り継ぐ場合運賃の通算や乗り継ぎ運賃の設定があるためこの限りではない。また、均一運賃区間のバスを1日に数回乗車するときは定期券で元が取れることもある。</ref>。よって、割引率が高い[[回数乗車券|回数券]]やバスカード類が発行されている地区では、定期券による運賃がこれらの利用時に比べて上回る場合がある。<ref>過去の運賃形態や週6日制などが原因の場合もある。http://d.hatena.ne.jp/Utori_Z/20121007/1349582854 </ref> ただし、通学定期で利用する場合はこの限りではない。
 
 
 
=== 有効期間 ===
 
有効期間は一部の事業者(例:[[富士急行]]グループ)に6か月のものがあるが、ほとんどの事業者は1か月と3か月のみである。[[秋田中央交通]]では、6ヶ月券のほか、0.5ヶ月有効なものも存在する(0.5ヶ月券は、1ヶ月定期の半額相当額での販売)。京都市営バスでは通勤定期券に1年間有効なものも存在する。なお、通学定期券に6か月が設定されていない事業者もある。[[京都京阪バス]]や京阪バス、[[西武バス]]などでは通学定期券に限り学期別定期券が発行されている。これは[[3学期制|1学期・2学期・3学期]]期間のみ有効な定期券である<ref>学期日数換算は、平均的な期間で算出</ref>。[[関東バス]]では、1か月または3か月通学定期券に端数日を付加して発売する定期券がある<ref>例:4月8日〜7月7日通用の定期券に、7月8日 - 7月20日の日数を付加して発売することにより、学期中全日の定期券使用を可能とする。</ref>。また、尼崎市営バスや[[国際興業バス]]、[[庄内交通]]では、通学定期券に前述の学期別定期券のほか、4月1日 - 翌年3月31日を有効期間とする年度定期券がある<ref>発行日にかかわらず有効期限は3月31日に設定されている。</ref>。ちなみに、[[遠州鉄道|遠鉄]][[遠鉄バス|バス]]・[[遠州鉄道鉄道線|電車]]でも通学定期に限って[[ナイスパス (遠州鉄道)#種類|学期定期(終了日指定定期)]]を販売しているが、学期の日数にかかわらず任意の日数<ref>例えば4月29日 - 6月3日など。</ref>で購入可能である。
 
 
 
== リムジンバス ==
 
[[リムジンバス]]においても定期乗車券を発行している例もある。京阪バスでは、かつて設定されていた松井山手・枚方 - 伊丹空港線において1か月定期券と3か月定期券を発行していた。
 
 
 
== 高速バス ==
 
[[高速バス]]においても定期乗車券を発行している例もある。
 
* [[京成バス]]・[[日東交通 (千葉県)|日東交通]]・[[鴨川日東バス]]では、東京 - 鴨川・木更津・君津線において1か月定期券と3か月定期券を発行している。
 
* [[福島交通]]・[[新常磐交通]]・[[会津乗合自動車]]では、[[会津若松 - 郡山 - いわき線]]において定期券の発売が行なわれている。
 
* [[明光バス]]・[[和歌山バス]]では、白浜・和歌山線のみ定期券の発売が行なわれている。
 
* [[西日本鉄道]]では[[ひのくに号]](福岡・福岡空港 - 熊本線)と[[わかくす号]](福岡 - 佐賀線)において1か月定期券を発売している。ひのくに号については共同運行を行う[[九州産交バス]]も発売を行う。
 
* [[ジェイアールバス関東]]では、マロニエ号東京・新宿ー佐野線の同区間において、1か月フリー定期券を発売している。(試験的な実施なので、2013年3月1日までとなっていたが、2014年3月1日まで延長)
 
* [[京成バス]]・[[関東鉄道]]・[[ジェイアールバス関東]]では、東京 - 鹿島神宮線の[[かしま号]]において、1か月定期券と3か月定期券を発行している。なお、同高速バスでは[[Suica]]や共通利用可能なIC乗車券でも乗車が可能である。
 
 
 
== 定期乗車券の払い戻し ==
 
{{節スタブ}}
 
1週間以上路線が不通になった時は購入時の全額を返金することができる。ただしそれ以外は手数料がかかるので注意が必要である。
 
 
 
== 分割購入 ==
 
乗車券を購入する場合、運賃に距離逓減制を採用している場合には乗車券の分割購入を行うと全区間非分割の運賃(通しの運賃)より通常は高くなる。しかし、経路の一部区間に割安の特定運賃を採用している場合や、便宜的に一定の距離区間の定期運賃額を同一としている場合においては、全区間を分割しないで購入するよりも特定の地点で分割して購入する方が運賃計算上割安になる事例が存在する(非分割の場合は全区間で特定運賃が非適用になったり、割高の価格帯で算出されることがある)。
 
 
 
大都市近郊のJRにおいて、競合する私鉄が存在する区間(特定運賃区間)とそれ以外の区間を通して移動する場合に、特定運賃区間分とそれ以外の区間分に分けた運賃の合算の方が全区間を分割しないで乗車券を購入するよりも安い場合が多数あり、上記の事例として挙げられる。また、JRの定期運賃の算出は表引き方式であるが、便宜的に一定の距離区間の定期運賃額を同一としている場合があり、その価格帯にあるキロ数のもっとも多い区間同士で分割した場合に、それらを合算した場合の定期運賃額より低廉になる場合があり、同じく上記の事例として挙げられる。
 
 
 
分割購入は合法的であり、規約に反せず、かつ利用者も割安となる手法であるが、分割地点を必ず経由する必要があることから、突発的な状況により選択された経路を経由できない場合では別途通常運賃を要することとなる<ref>ただし、JR定期券の場合は、分割しない場合(通しの場合)も、原則として購入時に選択した一つの経路固定([[大都市近郊区間 (JR)#大回り乗車|大回り乗車]]は不可)であり、ごく一部の特定区間においてのみ使用時に複数の経路が選択できることから、分割定期にしなくても、多くの場合は上記の不利益を回避できない。</ref>。
 
 
 
[[Suica]]・[[ICOCA]]・[[PASMO]]などの[[乗車カード|IC乗車券]]では2枚以上の定期券情報を載せることが可能であり、特にSuica・ICOCAでは上記のような区間を分割しての購入が可能である。また、1枚で発行できない経路(T・Y・X状になる)であれば、'''二区間定期券'''という形で発行が可能である。
 
 
 
ただし、一部区間に長期間の不通が生じた場合など、分割購入していると不利益を被るリスクもある<ref>例えば、A駅⇔B駅⇔C駅を利用するにあたって[A駅⇔B駅]と[B駅⇔C駅]に分割して定期券を購入しているとする。もし、B駅 - C駅間が事故や災害で不通になったとすると救済措置(有効期間延長、無手数料での払い戻し、他の交通機関への振替乗車など)が認められるのは[B駅⇔C駅]の定期券だけになる。</ref>。
 
 
 
これとは逆に、バスにおいて全線定期乗車券を発行している事業者では分割購入を使用しない方が安くなる場合もある。一例を挙げると、A地点⇔B地点までバス、B地点⇔C地点まで鉄道、C地点⇔D地点までバスを利用するとする。この場合、バスの全線定期乗車券の利用範囲にA地点⇔B地点およびC地点⇔D地点の両方が含まれていれば各地点間の定期券の分割購入よりも全線定期券の購入が安くなる事例も地区により発生している。
 
 
 
=== 二区間定期券 ===
 
主に、次のようなパターンがある。
 
* 経路がT字・Y字型(すなわち、二股に別れる)になる。(例:戸塚⇔藤沢、大船⇔鎌倉)
 
* 通学・通勤定期券を一葉化したもの。(例:通学:戸塚⇔藤沢、通勤:戸塚⇔横浜。自宅:戸塚、学校:藤沢、アルバイト先:横浜のように逆方面だった場合。)
 
* 通勤定期券同士を一葉化したもの。(例:通勤:戸塚⇔藤沢、通勤:戸塚⇔横浜。会社の指示や、兼職で、勤め先が逆方面だった場合など。)
 
運賃は、一枚ずつ分割で持った場合と同じ、すなわち合算額である。
 
T字経路の場合、例えば、上記の場合、発券できる区間の組み合わせとして、(1)戸塚⇔藤沢+大船⇔鎌倉、(2)戸塚⇔鎌倉+大船⇔藤沢、(3)鎌倉⇔藤沢+大船⇔戸塚の3通りがある。それぞれの組み合わせの運賃は、通勤1カ月の場合、(1)6930+5350=12280 (2)6300+5350=11650 (3)5670+4730=10400 となるが、運賃の高低に関わらず旅客が希望した組み合わせで発券される。原則として計算方式は合算方式である。
 
 
 
西武鉄道は、西武線豊島園および西武池袋線中村橋以西(西武狭山線および西武秩父線ならびに西武新宿線小平-本川越間を含む)から練馬~池袋を挟む東京メトロ線の新大塚以東<丸ノ内線>・東池袋以東<有楽町線>・雑司が谷以南<副都心線>ならびに東急線の渋谷以南/以西のいずれかの区間の定期券で練馬を分岐駅として練馬-池袋間を西武有楽町線小竹向原駅経由東京メトロ有楽町線(副都心線)と西武池袋線の双方を利用できる2区間定期券(特殊連絡定期券)の「だぶるーと」と、高田馬場を分岐駅に、西武線下落合以西⇔西武新宿とJR線高田馬場⇔新大久保以南のJR線新宿方面との組み合わせとなる2区間定期「Oneだぶる」を発売している。
 
 
 
なお、「だぶるーと」は、合算方式ではない。<!--定められた額をプラスする「付加方式」。その点から特殊連絡定期券の2区間定期とされている。-->なお、「だぶるーと」の場合、券面に表示される区間は西武線豊島園または西武線中村橋以西⇔西武池袋と西武線練馬⇔新大塚以東<丸ノ内線>・東池袋以東<有楽町線>・雑司が谷以南<副都心線>・渋谷以南<東急東横線>/以西<東急田園都市線>のいずれか(西武有楽町線小竹向原経由東京メトロ線・東急線)となる。
 
<!--また、阪神電鉄では「OSAKAどっちも定期」として阪神なんば線の新線区間(西九条~大阪難波の各駅(最低でも大物~九条間))を含む通勤定期を所持している方に無料で梅田駅でも乗降可能にしたり(※2009年3月20日(新線区間開業日)から)、京王電鉄では「どっちーも」として、明大前を分岐駅として、新宿または渋谷までの通勤定期運賃に1千円プラスするだけで、新宿または渋谷のいずれか異なる駅でも乗降車できるサービスを2014年9月1日からそれぞれ実施している。[http://www.keio.co.jp/campaign/teiki/index.html 新・通勤定期券「どっちーも」のご案内]-->
 
 
 
東武鉄道でも、東武東上線朝霞以西から和光市-池袋間を挟む東京メトロ線の新大塚以東<丸ノ内線>・東池袋以東<有楽町線>・雑司が谷以南<副都心線>のいずれかの区間の定期券で、和光市を分岐駅とし和光市-池袋間を東武東上線と東京メトロ有楽町線(副都心線)の双方を利用できる2区間定期券「二東流」を発売している。<!--[http://www.tobu.co.jp/tojo/2way/ 定期1つで2ルート利用 便利な二区間定期券「二東流」]-->なお、券面に表示される区間は、朝霞以西⇔東武線池袋とメトロ線和光市⇔(新大塚以東・東池袋以東・雑司が谷以南のいずれか)となる。
 
 
 
小田急電鉄では、東北沢以西から代々木上原を分岐駅として、東京メトロ各駅発着区間を代々木上原から東京メトロ千代田線を経由する区間または小田急線新宿を経由する区間の双方を利用できる2区間定期券を「小田急・東京メトロ PASMO 二区間定期券」の名称で2016年3月26日から発売している。なお、券面には東北沢以西⇔東京メトロ各駅 [代々木上原-新宿間乗降可能]と表記される。
 
 
 
JR東日本は、区間の特定はなく発売している。なお、2012年3月17日より、Suicaでの発売を開始し、さらに、連絡会社線を最大2社まで絡めて発売する。
 
 
 
JR西日本は、ICOCAのみで、ICOCAエリア内完結で、連絡会社線の絡まない経路を発売する。
 
 
 
== 定期乗船券 ==
 
定期[[航路]]を持つ船舶の場合、定期乗車券と同様の扱いの定期乗船券を発行している場合がある。通学定期乗船券を発行している航路もある<ref>例:[http://www.city.kagoshima.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/aq70210661.html 鹿児島市一般旅客定期航路事業使用料条例]</ref>。
 
 
 
== その他の各国の事例 ==
 
日本以外では定期乗車券制度は一般的ではなく、ごく限られた国にしか存在しない{{要出典|date=2018年3月}}。
 
 
 
=== 台湾 ===
 
[[台湾]]では[[台湾のバス交通|一部バス会社]]や[[台湾鉄路管理局]]、[[台湾高速鉄道]]、[[高雄捷運]]において定期券が存在する。また、[[台北捷運]]でも試験導入が計画されている<ref>{{Zh-tw icon}}[http://udn.com/news/story/7266/1594082 (聯合報/2016年3月29日)台北捷運新優惠改「回饋制」 9月上路]</ref>。
 
 
 
;台湾鉄路管理局
 
:磁気券、非磁気券([[自動改札機]]未設置駅発売)の2種類があり、有効期限はともに30日、60日('''乗車回数制限なし''')である。かつては、券種によって有効期限が異なっており、磁気券は2か月(50回制限)と、5か月(150回制限)の2種類が発売されていた。その後、非磁気券と効力を同一にした。無記名、持参人式で、列車種別に関係なく、全ての列車([[普快車]]・[[区間車]]・区間快車・[[キョ光号|莒光号]]・[[自強号]]含て)に乗車することが出来る(団体、観光列車、[[太魯閣号]]、[[普悠瑪列車|普悠瑪号]]除く)。ただし[[対号列車]]でも座席指定は出来ず、空席利用となる。
 
 
 
;台湾高速鉄道
 
:ICカード式の「定期票」がある。記名式で裏面に本人の写真がついている。30日間有効で'''乗車回数制限なし'''に自由席を利用することが出来る。
 
 
 
;高雄捷運
 
:[[2010年]]から[[2013年]]まで数度にわたり、ICカード式の「30天高雄幸福カード」<ref>{{Zh-tw icon}}[http://www.nownews.com/n/2010/11/30/603390 (nownews/2010年11月30日)高雄捷運「30天漫遊卡」享無限搭乘 經濟又實惠]</ref>、「30天漫遊カード」<ref>{{Zh-tw icon}}[http://www.epochtimes.com/b5/11/8/5/n3335945.htm (大紀元/2011年8月5日)高捷幸福卡 30天無限搭]</ref>、「999幸福カード/799学生幸福カード」<ref>{{Zh-tw icon}}[http://news.ltn.com.tw/news/local/paper/673733 (自由時報/2013年4月25日)〈南部〉《幸福卡5.3停發》高捷轉乘公車 改半價收費]</ref>などを発売していた。30日間有効で'''乗車回数制限、区間制限なし'''に全線利用することが出来る。また捷運だけでなく、市内バス(市営、民営)にも乗車することが出来る。2013年5月以降は記名式の[[一カー通|一卡通]]にその役割を譲った<ref>{{Zh-tw icon}}[https://www.i-pass.com.tw/About/Mileage (一卡通公司)重要里程]</ref>。
 
:[[2016年]]8月より'''発着駅指定、回数無制限'''の30日有効の記名式定期を新たに発売する<ref>{{Zh-tw icon}}[http://www.appledaily.com.tw/realtimenews/article/new/20160809/925361/ (蘋菓日報/2016年8月9日)高捷搶通勤族 推學生認同卡最低4折起]</ref>。
 
 
 
;台北捷運
 
:2018年4月16日より、購入日から30日間、台北捷運、台北市内バス、新北市内バスに'''乗車回数制限、区間制限なし'''に乗車できる定期票を発売。また、[[レンタサイクル]]の「[[YouBike]]」も、最初の30分間の料金が無料になる。顧客の所持する[[悠遊カード]]にデータを記録する形で発売する。
 
 
 
;バス
 
:バス会社によって、発売券種や乗車回数制限、有効期限が異なる。鉄道とは異なり、多くは記名式である。
 
 
 
=== 大韓民国 ===
 
[[大韓民国]]では[[韓国鉄道公社]](KORAIL)の高速列車([[韓国高速鉄道|KTX]])・一般列車、[[SR (企業)|SR]]、[[首都圏電鉄]]、[[KORAIL空港鉄道|空港鉄道]]([[青羅国際都市駅|青羅国際都市]] - [[仁川国際空港駅|仁川国際空港]]間)、[[釜山交通公社]]において定期券が存在する。基本的に1ヶ月定期券のみの発行となるが、釜山交通公社は7日券、SRは10日券も存在し、KORAILは10・20・30日券の3種類がある。
 
 
 
日本とは異なり、有効期間の他に乗車回数が制限されており、日本におけるバスの定期回数券と同じような乗車券である。乗車回数は首都圏電鉄・釜山交通公社が60回(7日券は20回)、空港鉄道(青羅国際都市 - 仁川国際空港)が55回となっている。首都圏電鉄、釜山交通公社のものは、区間が指定されていない発駅フリータイプとなっている。また首都圏電鉄においては、[[ソウル地下鉄]]全線([[ソウル交通公社7号線|7号線]][[温水駅|温水]] - [[富平区庁駅|富平区庁]]間を除く)、[[ソウル軽電鉄牛耳新設線]]、KORAIL(電鉄)・空港鉄道の[[ソウル特別市]]内区間が利用可能な「ソウル専用定期券」も発売している。
 
 
 
KORAIL、SRの定期券は上記とは異なり、SRは1日2回の回数制限が付く。またKORAILの「週中定期券」の場合、土日祝日は利用できない。一般用と青少年用(学生用ではない)の2種類があり、列車種別ごとに発売される(下位種別の列車も利用可能)。SRの場合、購入時にあらかじめ乗車する列車を指定する必要がある。基本的には指定列車に限り有効となるが、指定列車に乗車できなかった場合に限り、指定列車の前後、及び1時間以内に出発する列車への乗車も特例として認められる。KORAIL、SRともに座席指定はできないため、自由席、立席利用となる。
 
 
 
=== イングランド ===
 
[[イングランド]]では[[ロンドン]]および、その近郊では定期乗車券のかわりに{{仮リンク|トラベルカード|en|Travel card}}がある。最大の特徴は特定の乗車駅 、降車駅、乗車区間が指定されないかわりに、ゾーン制で値段が決まる点である。中心部をゾーン1として、そこから放射線状にひろがり、[[ドーナッツ]]のような形でゾーン2、ゾーン3などと決まっている。
 
 
 
さらに、地下鉄に限らずバス、ゾーン内にある[[路面電車]]や他の一部の電車にも乗車可能である<ref>http://www.tfl.gov.uk/tickets/faresandtickets/10628.aspx(英語)</ref>。
 
 
 
=== 香港 ===
 
[[香港]]では[[香港MTR]]と合併する以前の[[九広鉄路公司]]路線である東鐵線および西鐵線、また連絡バスとLRTに限定した1か月間有効パスが存在するが、定期券という形ではなく、ICカード「[[八達通|オクトパス]](八達通)に定期利用情報を書き込むタイプのものである。
 
 
 
それ以外の区間においては定期乗車券制度自体が存在しないが、「オクトパス」利用者については、現金利用よりも運賃が優遇される制度となっている<ref>{{PDFlink|http://www.mtr.com.hk/eng/whatsnew/images/monthly_day_pass.pdf}}</ref>。
 
 
 
=== シンガポール ===
 
[[シンガポール]]では[[マス・ラピッド・トランジット|MRT]]、LRT、バス全路線が期間中無制限に利用できる「エンハンスト・シーズンパス」と、バスは無制限だが鉄道の利用が1日4乗車に制限される「ベーシック・シーズンパス」の2種類があり、価格が異なる。定期券という形ではなく、ICカード「Ez-link」に定期利用情報を書き込むタイプのものである<ref>http://www.ezlink.com.sg/consumer/consumer_ispabout.jsp</ref>。
 
 
 
ただし、価格が190SGD(エンハンスト・1か月)と比較的高額であり、長距離高頻度利用者でなければ、定期契約でなく通常のEz-Linkカードに入金して利用した方が月額ベースであっても廉価となることが多い<ref>これは、シンガポールの運賃制度の都合上、乗り継ぎ割引制度が充実していることや、2010年7月3日から一斉導入される総距離方式による運賃制度によるさらなる運賃低減(一連の旅程で最大運賃が2ドル10セント程度となる見込み)の影響が大きい。</ref>。
 
 
 
===アメリカ合衆国===
 
[[ファイル:Los Angeles Railway Weekly Pass 1944.jpg|thumb|[[ロサンゼルス鉄道]]のウィークリー・パス(1944年10月29日から11月4日まで有効)]]
 
[[ニューヨーク市交通局]]、[[シカゴ交通局]]など、一部の公共交通機関において、1週間、1ヶ月などの期間内に何度でも乗り降りできるコミューター・パス(通勤定期)を発売している。長距離旅客列車を運行する[[アムトラック]]には原則として設定がないが、[[北東回廊]]の[[ノースイースト・リージョナル]]や[[シカゴ]]近郊各線、[[アムトラック・カリフォルニア]]の各線など一部の中近距離列車に限って1ヶ月定期券を発売している<ref>{{cite web | title=Multi-Ride Tickets | author=アムトラック公式ウェブサイト | url=https://www.amtrak.com/multi-ride-tickets?WT.z_va_evt=redirect&WT.z_va_topic=Make%20a%20Reservation%20and%20Fares&WT.z_va_unit=Multi-Ride%20Tickets&WT.z_va_group=Book%20a%20Train%20Ticket | accessdate=2017-08-29}}</ref>。
 
また、[[ロサンゼルス]]近郊の通勤鉄道「[[メトロリンク (南カリフォルニア)|メトロリンク]]」では1ヶ月定期(Monthly Pass)保持者を対象に、一部路線で並行するアムトラック列車([[パシフィック・サーフライナー]]号)への定期券区間での便乗を認める"Rail 2 Rail program"を実施している<ref>{{cite web | title=Rail 2 Rail® Program | author=メトロリンク公式ウェブサイト | url=http://www.metrolinktrains.com/ticketspricing/page/title/rail2rail | accessdate=2016-05-19}}</ref>。
 
 
 
== 脚注・出典 ==
 
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== 関連項目 ==
 
* [[回数乗車券]]
 
* [[乗車カード]]
 
  
 
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[[Category:鉄道運賃と切符]]
 
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[[Category:乗合バス事業]]
 
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定期乗車券(ていきじょうしゃけん)

一定期間有効な、一定区間の乗車券のこと。略称は定期券。



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