四国新幹線

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テンプレート:Infobox 計画・方針 四国新幹線(しこくしんかんせん)は、四国へ向かう新幹線の計画路線の総称。いわゆる整備新幹線には含まれていない。

歴史背景・現状

1969年昭和44年)の新全国総合開発計画(新全総)において全国新幹線網の一環として示され、田中角栄総理大臣の主張した日本列島改造論の反映などから、1973年(昭和48年)に基本計画が決定したが、日本経済がオイルショック後に低成長に転じたことなどから、その後計画は進捗していない。

北海道で、新青森駅から札幌駅までの北海道新幹線工事が2005年(平成17年)よりおこなわれ、このうち新青森駅 - 新函館北斗駅間が2016年(平成28年)3月26日に開業した[1]ため、北海道・本州・四国・九州の四島のうち四国が唯一新幹線が通らない地域となった[2][3][4]

経由する路線には「四国新幹線」「四国横断新幹線」の2系統の計画がある。それぞれの詳細は後述する。2008年(平成20年)時点では、フル規格や山形新幹線秋田新幹線のようなミニ新幹線規格ではなく[5]、2008年時点ではフリーゲージトレイン計画が主に構想されていた。基本計画決定翌年の1974年(昭和49年)以来、毎年運輸省(現国土交通省)より海底トンネル等の地質調査費が支出されていたが、事業の目処が立たない状況での調査費支出に対する批判により、2008年(平成20年)5月22日、国土交通省は2008年度の調査費予算の執行を中止すると発表した[6]

この発表に対して、地元紙の一つである愛媛新聞は社説で、すでに地元が(フル規格の)新幹線の早期実現が困難と認識済みでフリーゲージトレインの誘致に目標を変えていると指摘した上で「実現のめどが立たない新幹線の調査費が問題視されるのは当然」と述べた[7]

2010年代に入って、四国旅客鉄道(JR四国)および四国の各県や経済団体の関係者から、高速鉄道の整備を求める意見が出され、区間を限定して建設する構想も提言されている(詳細は後述)。2016年(平成28年)3月29日、国土交通省が決定・公表した「四国圏広域地方計画」では、「鉄道の抜本的な高速化」が「長期的な検討課題」とされている。2017年度の国土交通省鉄道局関係予算で基本計画路線を含む「幹線鉄道ネットワーク等のあり方」に関する調査委託費が計上されたことを受けて、2017年(平成29年)7月6日、オール四国で新幹線誘致を推進する新組織として「四国新幹線整備促進期成会」が発足した。2000年代当時のフリーゲージトレインではなく、フル規格での建設が前提となっている(詳細は後述)。

四国新幹線

大阪市を起点とし、徳島市高松市および松山市を経由して、終点を九州東端の大分市とするルート[8]。大阪 - 大分間の総延長は約480km。

この計画のために大鳴門橋道路鉄道併用橋とされた。しかし、後に建設された明石海峡大橋は道路専用橋に計画が変更され、明石海峡または紀淡海峡に別途鉄道が通行可能な海底トンネルを掘削する必要が生じた。そこで、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、両海峡の地形・地質等の調査を行っていたが、2008年度に予算執行が停止された。また、四国から大分市へ至るためには、豊予海峡橋梁又は海底トンネル(豊予海峡ルート)が必要である。

明石海峡・紀淡海峡や、豊予海峡への橋梁や海底トンネルの建設には莫大な費用を要し、総事業費は数兆円に上るとみられる[6]

起点の大阪市では2037年に中央新幹線が開通予定であり、その延長線として四国新幹線を建設し、豊予海底トンネル経由で沿線人口の多い九州新幹線と連絡させることにより、東京-九州間が2時間半以内で結ばれるため四国新幹線自体に相当数の需要が見込まれる。また東海道・山陽新幹線のバックアップ路線として第二の国土軸である太平洋新国土軸の基幹交通となり得ることから、四国新幹線をリニア方式で建設する構想もある[9]

2018年1月に大分市が公表した調査結果によると、松山-大分間については、豊予海峡を海底トンネルで結んだ場合の建設事業費は6,860億円、所要時間は上り42分、下り36分。利用者は1日あたり約1万8千人で、黒字化が見込まれるとされる[10][11][12]

四国横断新幹線

岡山市を起点とし、高知市方面に至るルート[8]

1973年11月15日に基本計画決定された[8]瀬戸大橋とその前後部分が新幹線規格で建設されたが、その後は建設に必要とされている国の調査は行われていない(児島駅宇多津駅の新幹線ホーム予定地は広い駅前広場になっている)。沿線自治体などでは早期実現をめざして国土交通省などに働きかけを行っているが、実現の目処は立っていない。

フリーゲージトレインに関して

フリーゲージトレインでの運行に当たっては少なくとも電化は必要であるが、現在条件をクリアしているのは予讃線高松駅 - 伊予市駅間および土讃線多度津駅 - 琴平駅間のみである。なお、JR四国は2006年に国土交通省交通政策審議会・交通体系分科会の地域公共交通部会に提出した資料で、長期的に望まれる投資に、土讃線琴平駅 - 高知駅高徳線高松駅 - 徳島駅・予讃線伊予市駅 - 内子駅 - 宇和島駅間の電化と高縄半島の付け根を結ぶ予讃線伊予西条駅 - 松山駅間の短絡線建設を挙げている[13]。これは資料中にも挙げられているフリーゲージトレインによる新幹線との直通列車の運行とセットになったものと考えられる。JR四国の松田会長も社長時代の2008年に掲載された雑誌の対談記事でそれに近い趣旨を述べている[14]。ただしJR東海東海道新幹線の運行車両を16両1323席貫通編成に統一しているため(理由は「東海道新幹線#編成両数と座席数の統一」を参照)、新大阪駅以東への運行はJR東海が方針を変更しない限り不可能である。さらに山陽新幹線へのフリーゲージトレイン乗り入れさえも西日本旅客鉄道(JR西日本)が2008年に否定的な見解を示している(九州新幹線 (長崎ルート)を参照のこと)のが現状である。

2010年代の動き

JR四国の泉雅文社長は、2010年5月25日に就任が内定したときの記者会見で、マイカーへの対抗のため「新幹線とまでは言わなくとも、都市間を時速200kmくらいで結ばなければ存在価値がなくなる」と述べて在来線の高速化に意欲を示した[15][16]

松田清宏会長や泉社長はその後、高縄半島の付け根の予讃線の短絡線など、高速化について言及したことが報じられた[17][18]。泉社長はこれを含めた高速化(土讃線・高徳線を含む)の費用を1,500億円と述べ、国の支援を求めているとしている。

2010年に四国の経済界や自治体の代表により、四国の鉄道について議論する目的で発足した「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会」は2011年7月27日の最終会合で、国に提出する提言書に高速化のための新幹線導入を明記し、在来線の線路改良によるスーパー特急方式を採用することも記載すると報じられた[19](提言内容については下記外部リンクも参照)。

JR四国は2012年4月に発表した向こう5年間の中期経営計画で、「新幹線の事業性を見極めるための調査を進める」としている[20]

また、2012年4月にJR四国の泉雅文社長は、整備新幹線の未着工3区間(北海道、北陸、九州)の新規着工方針が決まったことを受け、四国の経済団体や4県は「国内の新幹線網から取り残される」と四国新幹線の導入を求め声を上げた。泉社長は、JR四国の収益力の弱さは高速道路との競争力が弱いことに起因しているとし、「新幹線は都市間鉄道として必須である。そうでなければ50年後に四国に鉄道は残っていない。4県庁所在地から新大阪まで1時間台になれば地域の在り方が変わってくる。」と述べた。また、「四国の人が使ったお金が、四国にはまったく来ないで九州、北陸、北海道に行っている。四国の住民は慎み深い。『四国は人がいいですね』と4県知事らに申し上げたことがある。他地域との競争に負けっ放しでいいのかと思う。」と国に放置されている四国の現状についても苦言を漏らした。また、松山市から高松市にかけて10万人規模の都市が並んでいる四国北部地域は新幹線を通す意義があるとし、「都市間の輸送は新幹線で、都市圏内や地域圏内は在来線でと役割分担すれば、逆にもっと便利になる可能性がある。例えば愛媛県の高縄半島の付け根の山間部に新幹線のトンネルを通すと、今治市周辺地域の高縄半島部は取り残される。あれだけの人口がいる地域だから在来線は残さざるを得ない。今治エリアは経済力がある。」と述べた。財政負担に関しては「新幹線の建設費は、公共事業と比べると地元の負担は少ないのではないか。うまくいけば税収で回収できるという人もいる。地方交付税の支援については国頼みだ。鉄道は民間事業者がやっているから、民間で勝手にやれと思われがちだが、どうみても社会インフラだ。中国やヨーロッパでも公共投資でやっている。」と説明している[21]

2012年12月、愛媛県・西条市にある四国鉄道文化館の開館5周年記念シンポジウム「四国の発展と鉄道高速化」が西条市神拝の市総合文化会館で開かれ、JR東海の須田寛相談役とJR四国の梅原利之相談役が四国新幹線の必要性を指摘した。須田は「鉄道を含めた各種交通のネットワーク整備と地元情報の発信が観光客誘致のカギになる」と述べ、梅原は「本州方面から大勢の観光客を誘致するにはどうしても新幹線が必要だ。瀬戸内地域は新幹線が運用可能な人口分布になっている。四国を繁栄させるため、新幹線を夢で終わらせてはならない」と訴えた[22]

2013年1月7日、徳島市内で行われた県商工会議所連合会や県商工会連合会など経済5団体の新年祝賀会において、飯泉嘉門徳島県知事が「どうして四国にだけ新幹線がないのか。2013年を四国新幹線開通を実現するための大きな行動の年にしたい。」と抱負を語った。飯泉知事はさらに、新国土軸について「山陽新幹線の代替ルートとしても、首都直下型地震が起きたときに西日本が日本を背負って立つためにも必要だ」と述べた[23]

2014年4月18日、四国4県と四国経済連合会、JR四国などで結成された「四国の鉄道高速化検討準備会」が、松山―高松―徳島間、岡山―高知間の2路線で新幹線を建設した場合の事業費や経済効果についての試算を発表した。総事業費は約1兆5710億円で、利用者を1日平均9000人と見込み、経済への波及効果は年間169億円と推計した[24][25]。準備会は2013年6月から、大阪・大分間および岡山・高知間を単体で整備した場合に加え、事業費の高騰が予想される大阪、大分への海峡部を除いた整備案も検討した結果、大阪・大分間および岡山・高知間それぞれの単体では採算が取れず、四国島内と岡山を結ぶ2路線の場合のみ投資基準を超える試算となった[24][25]。高松市でおこなわれた記者会見では、四経連の三木義久専務理事が「このままでは四国だけが新幹線のない地域として取り残されるが、今回の試算で実現させる価値があることがはっきりした。自信をもって国に提言したい」、門田泰広・愛媛県企画振興部長は「(四国の発展に)鉄道の高速化は欠くことができない。四国が一体となって取り組みたい」と述べた[24]。JR四国の泉雅文社長は「将来にわたり四国の鉄道ネットワークを維持するためには、高速化による収益強化が必要。早期実現に向けて機運の醸成に努めたい」と談話で表明した[24]。4県などの関係者は、今後整備に向けた組織の立ち上げや国への働きかけをおこなっていくとしている[25]

2014年9月2日、四国4県と四国経済連合会は「四国の鉄道高速化検討準備会」の後継組織として、新たに「四国の鉄道高速化連絡会」を設立した[26]。連絡会では、新幹線導入に向けた啓発のため、パンフレット作成やシンポジウム開催を予定している[26]

2014年12月18日、四国4県の経済同友会は「四国新幹線に関する検討会」を発足させた[27]。会員による勉強会や国への要望活動などをおこなうとしている[27]。2015年2月3日には四国各県の知事または副知事やJR四国の泉社長も参加する形で、四国の鉄道高速化連絡会と四国鉄道活性化促進期成会が「四国の新幹線実現をめざして」と題したシンポジウムを開催した[28]。愛媛県の中村時広知事はあいさつの中で「情報や現状を把握し、実現不可能ではないことを確認してほしい」と述べ、討論会で泉社長は「線路を直さないと、これ以上の速達性は望めない」と話した[28]

2015年5月27日には四国鉄道活性化促進期成会の代表者(会長の香川県知事・浜田恵造ら10人)が国土交通省を訪れ、藤田耕三鉄道局長に要望を伝えた[29]

愛媛県議会では2012年[30]香川県議会では2014年[31]に、新幹線の導入を求める意見書がそれぞれ採択されている。

北海道新幹線開業を控えた2016年3月には、香川県三豊市でのシンポジウムの開催[32]、四国4県の経済同友会による会合(松山市)と新幹線実現に向けた共同アピールの採択[3]、香川県と県内自治体の主催による新幹線開業の効果と課題についての勉強会(北陸新幹線開業を経験した金沢市の交通政策課長を招聘)の開催(高松市)[4]といった活動が報じられた。2017年には1月に和歌山県・徳島県・堺市[33]、2月に香川県[34]がそれぞれ四国新幹線をテーマにしたシンポジウムを開催している。これらの動きについて、四国の中でも推進に対して一枚岩ではなく、国土交通省側からは冷淡な反応を示されているという報道もある[35]

2016年3月29日、国土交通省は「四国圏広域地方計画」を決定・公表した。「四国の鉄道高速化連絡会」による将来的な新幹線整備の基礎調査が行われたことに触れ、「鉄道の抜本的な高速化」を初めて「長期的な検討課題」と位置付けた[36][37]

また、2017年度の国土交通省鉄道局関係予算では、「幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査」のため鉄道整備等基礎調査委託費が計上された[36]。「これまでの幹線鉄道等の整備効果等を踏まえ、今後、基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等のあり方の検討に必要となる、我が国の幹線鉄道ネットワークの現況や、幹線鉄道等の効率的な整備手法等について調査を行う。」としている[38]

日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の「国土・未来プロジェクト研究会」は、2017年2月13日、「飛躍のための新規プロジェクト」と題した提言をまとめた。約40人の研究会委員が全国各ブロックの経済界や有識者との意見交換を経た上で、当初リストアップした170件の事業を約140件に絞り込み、民間資金の活用やIoTなどの最新技術の導入を重視して、18の「重点推進」事業と22の「推奨」事業を選定した[39][40]。提言書には2020年東京オリンピック以降の20-30年先を見据えた将来構想である「BEYOND2020」プロジェクトを盛り込んでいる。四国の地域創生と瀬戸内海の観光振興を目的として、単線方式を活用した四国新幹線の早期整備を重点推進事業の1つに挙げており、岡山~宇多津を複線、宇多津~高松・徳島・高知・松山を単線とした場合の概算事業費を1兆円と見込んだ。中村英夫JAPIC副会長は「四国の鉄道の複線は一部だけ。単線なら安くでき、世界的なニーズもそこにある」と述べた[41]。整備新幹線関連では、青函トンネルの2本追加による北海道新幹線の高速化、東北・上越・北陸新幹線の乗り入れを含む新宿駅大改造、ミニ新幹線による中国地方日本海側活性化構想も提案されている。3月9日に東京の経団連会館でシンポジウムが開催された。

こうした情勢の変化を好機ととらえ、2017年7月6日、「四国の鉄道高速化連絡会」を改組した新組織「四国新幹線整備促進期成会」が発足した[36][42][43] 。東京の経団連会館で行われた設立総会には、四経連や4県をはじめ、各県の経済同友会や商工会議所連合会、商工会連合会、観光協会、市長会、町村会、議長会など46団体が参加した[36]。会長に四経連の千葉昭会長(四国電力会長)、副会長に各県知事と商工会議所連合会のトップが就任した。2017年度の事業計画で、年度内に新幹線を活用した四国の地域づくりの方向性や経済・社会への波及効果について調査報告書をまとめることが決まった。調査の実務は、阿波銀行(徳島県)、百十四銀行(香川県)、伊予銀行(愛媛県)、四国銀行(高知県)の地方銀行4行の系列シンクタンクでつくる「四国アライアンス地域経済研究分科会」が担当する[36][44]。また、PRビデオの作製や大型シンポジウムの開催を通じた広報活動を展開することになった。

設立総会後に決起大会が開かれ、地元選出の国会議員も含め約600人が参加した。四国新幹線の基本計画から整備計画への格上げに向けた調査費の2018年度予算での計上や、整備新幹線建設予算の大幅増額を国に求める決議案を採択し、同日、国土交通省、財務省、自由民主党に要望活動を行った[36][42][43]。決議文では、「昨年3月、北海道から九州までが新幹線でつながり、ついに四国は全国で唯一、新幹線の具体的計画のない地域として取り残された」「地方創生に取り組む他地域との競争に大きく遅れを取っている」と指摘し、国の「地方創生回廊」の実現には「全国各エリアに新幹線が整備されることが不可欠」であるとして、四国新幹線を「地域づくりに不可欠なインフラ」と位置付け、「西日本の広域交流圏形成」や「国土軸のリダンダンシー確保による災害耐力の向上」(国土強靭化)にも寄与すると主張した[42]。千葉会長は「われわれの熱い思い、切なる願いが十分、国に伝わっているとは言い難く、この現状を変えるには四国が一体となって訴えかけるのが極めて重要。この大会を新たな出発点として、これまで以上の活動をしていきたい」と挨拶した[43]。自民党四国ブロック両院議員会の村上誠一郎会長は、北陸新幹線や北海道新幹線が地元の長年の取り組みで実現したことを引き合いに出し、「31年前の当選時からなぜやらなかったのかと非常に悔いている。皆さんの力を借りて、10年以内に四国新幹線のめどがつくように死にものぐるいで頑張っていく」と10年以内の実現を目標に掲げた[43]。4県の知事も、「高速鉄道は世界でも標準インフラ。四国のみが空白であってはならない」(浜田恵造・香川県知事)、「地方創生にも不可欠」(飯泉嘉門・徳島県知事)、「目標達成へ今後10年に力を結集する」(中村時広・愛媛県知事)、「生産性向上が必要な人口が減少する地域こそ必要」(尾崎正直・高知県知事)と決意を述べた[36]

2017年4月1日からは公益社団法人日本青年会議所 四国地区協議会、四国四県ブロック協議会、四国内青年会議所28団体による「四国新幹線の実現に向けた四国四県同時署名運動」が展開された。署名は6ヶ月間で12万3千筆を超え、同年11月24日に国土交通大臣石井啓一に提出された[45]。日本青年会議所四国地区協議会会長の帽子大輔は石井に「デフレ経済の脱却には政府のインフラ投資が必要、生産年齢人口減少に対応するにも生産性を向上させる新幹線は有効」と伝え、四国新幹線の基本計画から整備計画への格上げを陳情した。石井は11月28日の会合で「(機運が)非常に盛り上がっており、熱意を感じる」と語った[46]

一方、四国新幹線の終端となる大分市市長の佐藤樹一郎は2017年9月に寄稿した文章の中で、2016年に実施した大分・松山間の陸上交通機関全体の建設費試算が(橋梁よりも安価となる)トンネルの場合に1兆6500億円となった結果を踏まえ、従来よりも想定コストが下がり、十分な波及効果が見込めると述べている[47]

脚注

  1. 札幌までの全線開業は2031年度予定。
  2. 「四国新幹線」実現を 地元「空白地帯」に危機感 - 産経ニュース2015年8月22日
  3. 3.0 3.1 “四国財界が四国新幹線アピール”. NHK松山放送局. (2016年3月23日). http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20160323/3835891.html . 2016閲覧. 
  4. 4.0 4.1 “四国新幹線に向けて勉強会”. NHK高松放送局. (2016年3月25日). http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8033899241.html . 2016閲覧. 
  5. 1990年度より2年間をかけ、香川県が岡山・高松間のミニ新幹線化につき調査を実施したが、瀬戸大橋を中心に建設費が1600億から1800億円かかり収支が楽観できないという結果が出たため事実上断念している(香川県議会1992年9月定例会での平井城一知事(当時)答弁による[1]、2008年8月1日閲覧)。
  6. 6.0 6.1 四国新幹線の調査中止、実現めど立たず 四国新聞 2008年5月23日
  7. 四国新幹線 調査打ち切りはやむを得ない 愛媛新聞 2008年5月23日
  8. 8.0 8.1 8.2 新幹線50年史 p.226
  9. 川島令三 『四国・九州ライン 全線・全駅・全配線 第2巻 四国西部エリア』 講談社、2013年。ISBN 978-4062951616。
  10. 大分-松山最短36分、1日32本 新幹線豊予海峡ルート構想 大分合同新聞、2018年1月11日
  11. 豊予海峡ルート・新幹線案 1日6800人利用で黒字 大分市試算 西日本新聞、2018年1月11日
  12. 「大分市豊予海峡ルート調査業務」の結果についてお知らせします 大分市
  13. 四国地域における鉄道等の活性化について第3回地域公共交通部会(2006年11月14日)資料
  14. 「JR四国の20年を語る」、「鉄道ピクトリアル」2008年4月号P17 - 18
  15. JR四国の次期社長らが会見 「逆風の中の交代」47NEWS 2010年5月25日
  16. JR四国社長に泉氏、ICカードや列車高速化、時速200キロめざす。日本経済新聞2010年5月26日(リンクは日経Shopbizへの転載版)
  17. 西条-松山の鉄道高速化を提案 JR四国会長 産経ニュース2010年12月9日
  18. 「活路開くか特急高速化」朝日新聞(高知版)2010年9月25日
  19. 四国に新幹線を/鉄道あり方懇最終会合四国新聞2011年7月28日
  20. ICカード導入/JR四国中期経営計画四国新聞2012年4月18日
  21. 新幹線は必須インフラ 人口減少しても成長目指せ 泉雅文・JR四国社長インタビュー47NEWS(47行政ジャーナル)2012年4月13日
  22. 「四国に新幹線を」 愛媛・西条でシンポジウムMSN産経ニュース2012年12月8日
  23. 四国新幹線へ「行動の年に」 徳島知事、新年祝賀会で朝日新聞徳島版2013年1月8日
  24. 24.0 24.1 24.2 24.3 四国新幹線2路線整備案 JR四国など - 読売新聞愛媛版2014年4月19日
  25. 25.0 25.1 25.2 2路線「採算取れる」/四国新幹線導入で試算 - 四国新聞2014年4月19日
  26. 26.0 26.1 新幹線導入へ新組織を設立/四経連と四国4県 - 四国新聞2014年9月3日
  27. 27.0 27.1 新幹線導入へ新組織設立/四国4県の経済同友会 - 四国新聞2014年12月19日
  28. 28.0 28.1 四国新幹線実現へ4県タッグ 西条でシンポ - 愛媛新聞2015年2月4日
  29. 四国新幹線導入、国交省に要望/鉄道活性化期成会 - 四国新聞2015年5月28日
  30. 四国への新幹線導入に関する意見書 - 愛媛県議会(2012年10月12日)
  31. 四国への新幹線導入を求める意見書 - 香川県議会(2014年7月10日)
  32. “香川)新幹線「決め手は県民の理解」 JR四国相談役”. 朝日新聞. (2016年3月14日). http://www.asahi.com/articles/ASJ3F3J67J3FPLXB001.html 
  33. 【イベント】紀淡海峡ルートや四国新幹線など議論/シンポジウム「国土の強靭化と交通インフラ」を30日に開催/和歌山県、徳島県、堺市 - 建設新聞2017年1月11日
  34. シンポ「四国の新幹線を考える」 藤井教授の基調講演など - 建通新聞2017年2月9日
  35. 四国の新幹線 前進論加速 - 朝日新聞デジタル香川版2014年7月9日
  36. 36.0 36.1 36.2 36.3 36.4 36.5 36.6 “新幹線誘致、オール四国で 4県や四経連で新組織結成”. 日本経済新聞. (2017年7月7日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18571700W7A700C1LA0000/ 
  37. 国土交通省 (2016-03-29). 四国圏広域地方計画 ~圏域を越えた対流で世界へ発信~「癒やし」と「輝き」で未来へ (Report). http://www.skr.mlit.go.jp/kikaku/kokudokeikaku/approach/topics/20160329_2/shikokukouiki_honbun.pdf . 2017閲覧.. 
  38. 国土交通省鉄道局 (2017-01-20). 平成29年度鉄道局予算概要 (Report). http://www.mlit.go.jp/common/001159192.pdf . 2017閲覧.. 
  39. “青函マルチTは7500億 新宿「第2中央駅化」も提案 JAPIC”. 建設通信新聞. (2017年2月14日) 
  40. “【JAPIC】“日本を元気にする”プロジェクトを発表!「青函マルチトンネル構想」など地方創生へ具体的提言”. 建設通信新聞. (2017年3月2日). https://www.kensetsunews.com/web-kan/23588 
  41. “JAPIC研究会/国土・地域ー飛躍のための新規プロ決定/重点推進18・推奨22件”. 日刊建設工業新聞. (2017年2月14日). http://www.decn.co.jp/?p=86299 
  42. 42.0 42.1 42.2 “四国新幹線整備促進期成会が発足”. 建通新聞. (2017年7月7日). http://www.senmonshi.com/archive/01/01D37IycI0L0RN.asp 
  43. 43.0 43.1 43.2 43.3 ““オール四国”で四国新幹線実現を-「われわれの切なる思い、国に伝わっているとは思えない」期成会設立、決起大会”. 産経新聞. (2017年7月7日). http://www.sankei.com/west/news/170707/wst1707070016-n1.html 
  44. “証券業務提携など実施へ 四国アライアンス、主要施策発表”. 産経新聞. (2017年4月6日). http://www.sankei.com/region/news/170406/rgn1704060031-n1.html 
  45. “四国新幹線 早期実現を JC地区協が国交相に署名提出”. 愛媛新聞. (2017年11月25日). https://ehime-np.co.jp/article/news201711256617 . 2017閲覧. 
  46. “山本順氏パーティー 四国新幹線署名、国交相が言及「熱意感じる」”. 愛媛新聞. (2017年11月29日). https://ehime-np.co.jp/article/news201711297009?utm_source=article&utm_medium=referral&utm_campaign=osusume&utm_content=news201711256617 . 2017閲覧. 
  47. “「大分―松山」38分、九州・四国新幹線の可能性”. 日刊工業新聞ニュースイッチ. (2017年9月18日). https://newswitch.jp/p/10436 . 2017閲覧. 

関連項目

外部リンク