北アメリカ航空宇宙防衛司令部

提供: miniwiki
2018/8/11/ (土) 22:55時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

座標: 西経104度50分48秒北緯38.744331度 西経104.84668度38.744331; -104.84668

ファイル:NORADheadquarters 2006 b.jpg
NORAD本部ビル(ピーターソン空軍基地)

北アメリカ航空宇宙防衛司令部(きたアメリカこうくううちゅうぼうえいしれいぶ、英語: North American Aerospace Defense Command)は、アメリカ合衆国カナダが共同で運用している連合防衛組織で、北アメリカ(アメリカ合衆国とカナダ)の航空や宇宙に関して、観測または危険の早期発見を目的として設置されている。通称ノーラッドNORAD)。24時間体制で人工衛星の状況の観測、地球上の核ミサイル弾道ミサイルの発射警戒や、戦略爆撃機の動向監視などを行っている。

指揮系統

ファイル:NORADBlast-Doors.jpg
シャイアン・マウンテン空軍基地のNORAD地下司令部入り口の隔壁
ファイル:NORADCommandCenter.jpg
シャイアン・マウンテン空軍基地内の司令センター

ノーラッドの総合指揮監督はアメリカ合衆国大統領カナダ首相が共同で行っている。司令部はコロラド州コロラドスプリングスピーターソン空軍基地。地下司令部がシャイアン・マウンテン空軍基地にある。アラスカ州エルメンドルフ空軍基地フロリダ州ティンダル空軍基地、そしてカナダのマニトバ州ウィニペグ空軍基地はノーラッドの担当区域では総合指揮監督者から直接に命令を受ける。

慣例的に、ノーラッドの司令官はアメリカ軍において北米地域を管轄する地域別統合軍であるアメリカ北方軍(USNORTHCOM)司令官(大将)が兼任し、副司令官はカナダ空軍の将官(中将)が務める。現任の司令官はチャールズ・ジャコビー陸軍大将、副司令官はJ・A・J・パラン空軍中将である。

ノーラッドおよびアメリカ北方軍は国土安全保障省とは直接の指揮関係は無いが、どちらの機関とも常々危機管理に対して対策検討している。

ノーラッド・トラックス・サンタ

ノーラッドはクリスマスになると「ノーラッド・トラックス・サンタ」(NORAD Tracks Santa)として、毎年サンタクロースを追跡している。冷戦の真っ只中の1955年から、コーナッド(CONAD、中央防衛航空軍基地)が開始したものを受け継ぎ、2004年で50周年を迎えた[1]

きっかけは、コロラドにある大手スーパーのシアーズ (Sears) が、子供向けにサンタクロース・ホットラインを開設したときの広告に誤植があり、誤った電話番号を載せてしまったことから始まる。その番号は偶然にも当時のCONAD司令長官席へのホットライン[1]子供からの電話に、ハリー・シャウプ大佐(1917年9月29日 - 2009年3月14日)が「レーダーで調べた結果、サンタが北極からに向かった形跡がある」とユーモアを込めて回答して以来、クリスマスの恒例行事になった。

1998年から毎年クリスマス・イヴになると、サンタクロースの出発を「レーダーで確認」、その飛行を「偵察衛星イージス艦とサンタカメラネットワークで追跡」し、戦闘機をカナダのユーコンからメキシコのメキシコ・シティーまで飛ばして、「アメリカの領域内にいるサンタを追跡」する[2]。これらの情報を提供するために、多くの軍事スタッフや民間人職員らがボランティアとして、電子メール電話等の応対を務めている[3]

インターネットが普及して以降は、公式サイトにて、クリスマス・イヴの夜から行なっている追跡の模様を、動画を用いて中継している。2006年日本地域の中継では「新幹線富士山と比較し速度検証した結果、サンタクロースの速度新幹線の100倍」と言及した。

サンタ追跡には多くの企業が協力しており、2004年から追跡プロジェクトに関わっていたGoogle[4]2007年から2011年にかけてノーラッドの公式パートナーとして、Google Earthを用いての現在位置ストリーミング表示やモバイルGoogleマップによる携帯端末からの位置確認などのサービスを提供[5][6]2012年マイクロソフトを公式パートナーとして地図サービスにBing Mapsを使用している[7][8]

カナダ空軍では領空内でサンタをエスコートするCF-18 ホーネットのパイロットや整備員を毎年選出しメディアに発表している[9]

なお、シーズン以外の公式ウェブサイトには、休暇中のサンタクロース画像が表示される。

フィクション

  • ジョン・バダム監督の映画「ウォー・ゲーム」(1983年公開)で、主人公がハッキングする戦略防衛シミュレーションコンピューター“WOPR”(War Operation Plan Response―戦争作戦計画対応)がここに設置されている事になっている。
  • テレビドラマ「スターゲイト SG-1」では、1928年エジプトギザで発掘されたスターゲイトがシャイアン山の地下28階で保管、稼動されているという設定。
  • テレビアニメ「機甲戦記ドラグナー」で、主人公たちがD兵器のパイロットの登録解除をするために訪れるが、結局たらい回しにされた上に、敵の襲撃を受ける。ちなみにここでは地球連合軍の総司令部という設定。
  • 映画「インデペンデンス・デイ」では、エイリアンからの攻撃に備えて副大統領や閣僚などがここに避難していたが、エイリアンの襲撃を受け全滅したことになっている。
  • コンピューターゲーム「メタルギアソリッド ピースウォーカー」では、ピースウォーカーから送信された「ソ連からアメリカ本土に向けてICBM1500基が発射された」という偽装データを受信し、ソ連への報復攻撃を実行しようとする。
  • コンピューターゲーム「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」で、ロシア軍の謀略によって米国のSOSUS及び軍事衛星のほぼすべてが機能不全に陥り、アラスカ、東海岸、西海岸にて多数の国籍不明機の機影が直前まで探知できず本土侵攻を許してしまう。
  • 仏さんじょの漫画「年中無休★サンタさん!」では、サンタとその敵である“プレゼンツ”の戦いを1955年からレーダー網によって追跡していた。最終決戦の前には、弾頭を取り外したSLBMトライデントIIを決戦の地への移動手段として提供して主人公達に協力する。

脚注

  1. 1.0 1.1 サンタを追跡する理由”. NORAD Tracks Santa. . 2012閲覧.
  2. サンタの追跡方法”. NORAD Tracks Santa. . 2012閲覧.
  3. よく尋ねられる質問と回答(FAQs)”. NORAD Tracks Santa. . 2012閲覧.
  4. Googleと宇宙防衛司令部が協力してまたまたサンタクロースの地球再訪を追跡”. TechCrunch (2011年12月24日). . 2012閲覧.
  5. 米Google:クリスマス恒例の「サンタ追跡サイト」に協力”. SourceForge.JP Magazine (2007年12月3日). . 2012閲覧.
  6. 今年もやります!NORAD によるサンタの追跡”. インターネットコム (2011年12月2日). . 2012閲覧.
  7. NORAD Tracks Santa with the Help of Partners”. The Official Microsoft Blog (2012年12月11日). . 2012閲覧.
  8. サンタ追跡がGoogle Maps離れ──Microsoftに乗り換え”. ITmediaニュース (2012年12月14日). . 2012閲覧.
  9. NORADのサンタ追跡、カナダ軍のエスコートパイロット決定 | おたくま経済新聞

関連項目

外部リンク