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+
[[ファイル:円山川.jpg|サムネイル]]
{{Infobox 河川
+
'''円山川'''(まるやまがわ)
|名称=円山川
 
|画像=[[画像:Maruyamagawa_06f3823sv.jpg|300px|円山川 2006年9月08日撮影]]
 
|画像説明=六方川合流点より下流方面を望む
 
|水系等級=[[一級水系]]
 
|水系=円山川
 
|種別=[[一級河川]]
 
|延長=68
 
|標高=641.1
 
|流量=30.2
 
|観測所=府市場観測所 2002年
 
|流域面積=1,300
 
|水源=兵庫県朝来市生野町円山
 
|河口=[[日本海]](兵庫県豊岡市)
 
|流域={{JPN}} [[兵庫県]]
 
|脚注=
 
|出典=
 
}}
 
'''円山川'''(まるやまがわ)は、[[兵庫県]]北東部を流れる[[一級水系]]の[[川|本流]]。'''朝来川'''(あさごがわ)とも呼ばれる。[[2012年]](平成24年)[[7月3日]]、「円山川下流域・周辺水田」が[[ラムサール条約]]に登録された<ref>[http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005185441.shtml ラムサール条約に登録、豊岡市・円山川下流域 県内初]:神戸新聞2012年7月3日</ref>。
 
  
== 地理 ==
+
[[兵庫県]]北部を流れる川。朝来川(あさごがわ)ともいう。[[中国山地]]東部の播但国境山地付近に発し,途中で大屋川,八木川,[[出石川]]などを合わせ,[[豊岡市]]の津居山港付近で日本海に注ぐ。全長 68km。下流部の勾配はきわめてゆるやかで,河口から 12km上流の豊岡付近でも標高 1.2m。そのため満潮時の海水はさらに上流の出石川との合流地点にまで及び,1923~37年の治水工事が完了するまでは水害が絶えなかった。下流域には[[玄武洞]][[城崎温泉]]などの観光地がある。河口の上流に広がる汽水域とその周辺の水田および人工湿地にはコウノトリや[[水生植物]]のヒメシロアサザなど希少な動植物が数多く生息し,2012年[[ラムサール条約]]に登録された。
兵庫県中部、旧[[播磨国]]の境界近く、[[朝来市]]生野町円山(標高641.1m)に源を発して北流。途中[[養父市]][[豊岡市]]を流れ、豊岡市北部で[[日本海]]に注ぐ。
 
長さは68kmで兵庫県で5番目、流域面積は1300km<sup>2</sup>で兵庫県で2番目
 
<ref name="円山川1">菅村定昌、[[兵庫県生物学会]]編、「近畿有数の生物相を誇る円山川」『兵庫県生物学会65周年記念誌 豊かな兵庫の自然力 - 生物の多様性と人々の営み -』、[[神戸新聞総合出版センター]]、2011年、14-16頁</ref>。
 
 
 
下流域の'''豊岡盆地'''は旧[[但馬国]]では最大の平地で、穀倉地帯となっている。豊岡盆地の下流部は非常に流れが緩やかで(1万分の1程度の勾配<ref name="円山川1"/>)、河口から17kmの[[出石川]]合流付近まで海水が浸入する。そのため、この付近までは鏡のような水面が続き、河原が見られるのはそれより上流となる<ref name="円山川1"/>。18kmには丸石河原がある。
 
 
 
豊岡市内では堤防内の高水域がほぼ民有地で占められており、牧草地や畑となっている。また、多くの高水域において柳の木(コリヤナギ)が植えられており、[[ヤナギ|柳]][[行李]](やなぎごうり)作りの原料となっている。
 
 
 
== 河川改修 ==
 
円山川では1922年(大正11)から1936年(昭和11)にかけて、当時の豊岡町が進めた[[大豊岡構想]]のもと、河川改修工事が行われた。工事費用は国費が2/3、県費が1/3であり、工事には周辺の農民が人夫として出役し、[[昭和恐慌]]に前後する時代にあって結果的に地域経済を潤すこととなった。<ref>豊岡市史編集委員会『豊岡市史』下巻、p.331-336、1987年</ref>一連の改修にかかる計画図・竣工図等の一部は、[https://lib.city.toyooka.lg.jp/kyoudo/komonjo/cat/cat8/ 豊岡市立図書館「郷土資料デジタルライブラリィ」](2018年7月15日閲覧)でダウンロードできる。
 
 
 
== 自然に配慮した工事 ==
 
河口から5.5kmほどの[[中州]]である[[ひのそ島|簸磯島]](ひのそじま)が治水事業で面積の半分、体積の三分の二が掘削され、全島が湿地もしくは半湿地状態となった。これは、事前調査で[[シッチコモリグモ]]・[[ヤナギヌカボ]]・[[タコノアシ]]・[[ミクリ]]などの重要な動植物が発見されたのを受けて、全島削除が半島削除に変更されたため<ref name="円山川1"/>。
 
 
 
== 生物相 ==
 
円山川に生息している生物の種類は多く、近畿地方にある11の[[一級河川]]の中でも最も生物相の豊かな河川であるといっても過言ではない<ref name="円山川1"/>。
 
{| class="wikitable" | style="text-align:right" | 右寄せのセル
 
! 分類群 !! 種数 !! 順位
 
|-
 
! 維管束植物
 
| 806 ||  1
 
|-
 
! 昆虫類
 
| 1537 ||  3
 
|-
 
! 魚類
 
|  87 ||  3
 
|-
 
! 鳥類
 
|  100 ||  5
 
|}
 
 
 
=== 鳥類 ===
 
[[コハクチョウ]]・[[マガン]]・[[オオタカ]]・[[ノスリ]]・[[ハヤブサ]]・[[コミミズク]]・[[ノゴマ]]・[[コムクドリ]]など。
 
 
 
2005年に[[コウノトリ]]が放鳥され、円山川全域が狩猟禁止となった。それ以前は、[[島根県]]の[[中海]]・[[宍道湖]]で越冬するコハクチョウ・マガンが通過して行くだけであった。冬に田んぼに水を張る[[冬季湛田]]でコハクチョウが越冬するようになり、続いてマガンも越冬するようになった<ref name="円山川3">高橋信、[[兵庫県生物学会]]編、「円山川が育む野鳥の多様性」『兵庫県生物学会65周年記念誌 豊かな兵庫の自然力 - 生物の多様性と人々の営み -』、[[神戸新聞総合出版センター]]、2011年、20-21頁</ref>。ヤナギ林・ヨシ原は、[[鳥類標識調査]]により渡り鳥の重要な中継地であることが知られており、[[ツバメ]]の塒としても有名<ref name="円山川1"/>。
 
=== 魚類 ===
 
簸磯島では[[シラウオ]]の産卵が確認されている<ref name="円山川1"/>。
 
 
 
=== 昆虫<ref name="円山川2">上田尚志、[[兵庫県生物学会]]編、「円山川河川敷で暮らす虫」『兵庫県生物学会65周年記念誌 豊かな兵庫の自然力 - 生物の多様性と人々の営み -』、[[神戸新聞総合出版センター]]、2011年、17-19頁</ref> ===
 
==== 鞘翅目 ====
 
[[ノコギリクワガタ]]・[[ヒラタクワガタ]]・[[コクワガタ]]
 
* [[ヤナギ]]の[[樹液]]に多く集まる。
 
 
 
[[オオフタホシマグソコガネ]]・[[カドマルエンマコガネ]]・[[ダイコクコガネ]]
 
* これら[[糞虫]]は、1960年代、[[河川敷]]に放牧されていた[[ウシ]]の糞に集まっていたが、現在の生息状況は不明。
 
[[コアオハナムグリ]]
 
* [[ハマウド]]などの[[集合花]]に集まる。
 
 
 
[[オオヒラタシデムシ]]・[[ヤコンオサムシ]]・[[セアカオサムシ]]
 
* [[ミミズ]]などの小動物の死骸を食べ、河川敷で見られる。
 
[[カワチゴミムシ]]
 
* 丸石河原では、本種をはじめ、大型種から微小種まで様々な[[ゴミムシ]]類が見られる。
 
 
 
[[アイヌハンミョウ]]・[[コニワハンミョウ]]・[[ハンミョウ]]・[[エリザハンミョウ]]・[[マメハンミョウ]]
 
* アイヌハンミョウは丸石河原に多く、中流域に多く生息。コニワハンミョウは、狭い砂地や土のあるところに生息し、中流域から海岸部まで生息。ハンミョウ類は河原などが草地になると生息できなくなるため、適当なかく乱が必要。マメハンミョウの幼虫は[[イナゴ]]の卵を食べるため多く見られる。
 
 
 
[[タマムシ]]
 
* [[ケヤキ]]や[[エノキ]]などで構成される[[河畔林]]に生息。
 
 
 
[[マイマイカブリ]]
 
* 河畔林の[[林床]]に生息。
 
 
 
[[ヤナギハムシ]]・[[ヤナギルリハムシ]]・[[クルミハムシ]]・[[バライロツツハムシ]]・[[クロボシツツハムシ]]・[[コガタルリハムシ]]・[[ヨモギハムシ]]・[[アオバネサルハムシ]]・[[スキバジンガサハムシ]]
 
* ヤナギハムシとヤナギルリハムシはヤナギ類に見られ、葉を食べつくすほど大発生することもある。クルミハムシは[[オニグルミ]]、バライロツツハムシ・クロボシツツハムシは[[ノイバラ]]、コガタルリハムシは[[ギシギシ]]、ヨモギハムシ・アオバネサルハムシは[[ヨモギ]]、スキバジンガサハムシは[[ヒルガオ]]類で見られる。
 
 
 
[[ショウカイボン]]
 
 
 
[[テントウムシ]]・[[ナナホシテントウ]]・[[ヒメカメノコテントウ]]・[[カメノコテントウ]]・[[カメノコテントウ]]・[[ハラグロオオテントウ]]・[[マクガタテントウ]]
 
* [[アブラムシ]]食べに集まる。マクガタテントウは小さな河川敷特有の種で、円山川には多い。
 
==== 膜翅目 ====
 
[[ミツバチ]]・[[ニッポンヒゲナガハナバチ]]・[[クロアナバチ]]・[[アシナガバチ]]
 
 
 
==== 鱗翅目 ====
 
[[キアゲハ]]・[[ヒメウラナミジャノメ]]・[[ベニシジミ]]・[[モンシロチョウ]]・[[スジグロチョウ]]・[[キチョウ]]・[[モンキチョウ]]・[[キタテハ]]・[[コムラサキ]]・[[ゴマダラチョウ]]
 
==== 直翅目 ====
 
[[トノサマバッタ]]・[[クルマバッタモドキ]]・[[マダラバッタ]]・[[コバネイナゴ]]
 
==== トンボ目 ====
 
[[オオカワトンボ]]・[[ハグロトンボ]]・[[アオハダトンボ]]・[[オナガサナエ]]・[[キイロヤマトンボ]]・[[ホンサナエ]]・[[ヤゴヤサナエ]]・[[チョウトンボ]]・[[コフキトンボ]]・[[ネアカヨシヤンマ]]・[[アオヤンマ]]・[[マルタンヤンマ]]・[[ヤブヤンマ]]・[[ヒヌマイトトンボ]]
 
=== 植物 ===
 
汽水域の菊屋島には近畿地方、日本海側では最大規模の[[ヨシ原]]がある。護岸には多くの[[シオクグ]]が生育している。京都府ではすでに絶滅しているので、近畿地方の日本海側では唯一の生育地となっている。簸磯島では[[ヒメシロアサザ]]や[[ウスゲチョウジタテ]]が発見されている。隣接する[[戸島湿地]]にはコウキヤガラ・[[ミズアオイ]]・ヒメシロアサザの群落が見られる。
 
河口から7kmから9kmにかけては、[[ヤナギ]]林を含む大規模な[[ヨシ原]]が見られる。丸石河原には、[[カワラナデシコ]]・[[カワラヨモギ]]・[[カワラハコ]]・[[カワラマツバ]]などが見られる。洪水の後などには[[カワラハハコ]]が大群落を作ることがある。[[カワラサイコ]]は、標本が採集されているが、現在は生育が確認されていない。[[外来種]]の[[シナダレスズメガヤ]]や[[アレチハナガサ]]などの比率が高くなってきている<ref name="円山川1"/>。
 
 
 
== 流域の自治体 ==
 
* 兵庫県
 
** [[朝来市]]、[[養父市]]、[[豊岡市]]
 
 
 
== 主な支流 ==
 
''括弧内は流域の自治体''
 
* 神子畑川(朝来市)
 
* 与布土川(朝来市)
 
* 大屋川(養父市)
 
* 八木川(養父市)
 
* 稲葉川(豊岡市)
 
* [[出石川]](豊岡市)
 
* 六方川(豊岡市)
 
* 前川・奈佐川(豊岡市)
 
* 戸牧川 (豊岡市)
 
 
 
== 並行・横断する交通 ==
 
=== 並行する鉄道 ===
 
* [[西日本旅客鉄道|JR西日本]][[播但線]]([[生野駅 (兵庫県)|生野駅]]~[[和田山駅]]間)
 
* JR西日本[[山陰本線]](和田山駅~[[城崎温泉駅]]間)
 
=== 横断する鉄道 ===
 
* [[WILLER TRAINS|京都丹後鉄道]][[京都丹後鉄道宮豊線|宮豊線]](円山川橋りょう・[[豊岡駅 (兵庫県)|豊岡駅]]~[[コウノトリの郷駅]]間)
 
 
 
=== 道路 ===
 
* [[国道312号]]
 
* [[播但連絡道路]]
 
* [[国道9号]](国道312号との重複区間)
 
 
 
==その他==
 
=== 流域の観光地 ===
 
* [[玄武洞]](兵庫県豊岡市赤石)
 
* [[城崎温泉]](兵庫県豊岡市城崎町湯島)
 
* [[生野銀山]]跡 (兵庫県朝来市生野町)
 
 
 
=== イメージキャラクター ===
 
豊岡河川国道事務所では、「ぷるるん」と名づけられた円山川の精霊のキャラクターを子供向けの河川PR事業に利用している。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.kkr.mlit.go.jp/toyooka/ 豊岡河川国道事務所](国土交通省近畿地方整備局)
 
** [http://www.kkr.mlit.go.jp/toyooka/river.html 但馬の川]
 
*** [http://www.kkr.mlit.go.jp/toyooka/data/data-river-tajima2007.html 但馬地域河川データ]
 
 
 
{{日本のラムサール条約登録湿地}}
 
{{一級水系}}
 
{{Normdaten}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:まるやまかわ}}
 
{{デフォルトソート:まるやまかわ}}
 
[[Category:兵庫県の河川]]
 
[[Category:兵庫県の河川]]
 
[[Category:円山川水系|*]]
 
[[Category:円山川水系|*]]
 
[[Category:日本のラムサール条約登録地]]
 
[[Category:日本のラムサール条約登録地]]

2019/4/28/ (日) 21:55時点における最新版

円山川.jpg

円山川(まるやまがわ)

兵庫県北部を流れる川。朝来川(あさごがわ)ともいう。中国山地東部の播但国境山地付近に発し,途中で大屋川,八木川,出石川などを合わせ,豊岡市の津居山港付近で日本海に注ぐ。全長 68km。下流部の勾配はきわめてゆるやかで,河口から 12km上流の豊岡付近でも標高 1.2m。そのため満潮時の海水はさらに上流の出石川との合流地点にまで及び,1923~37年の治水工事が完了するまでは水害が絶えなかった。下流域には玄武洞城崎温泉などの観光地がある。河口の上流に広がる汽水域とその周辺の水田および人工湿地にはコウノトリや水生植物のヒメシロアサザなど希少な動植物が数多く生息し,2012年ラムサール条約に登録された。



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