共同使用駅

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ファイル:Union station Indianapolis.jpg
北米のユニオンステーションのひとつ、インディアナ州インディアナポリスインディアナポリス駅。現在は原則としてアムトラックの列車が専ら乗り入れ使用する。

共同使用駅(きょうどうしようえき)は、同一構内を複数の鉄道事業者が共用する鉄道駅である[1]共同駅とも呼ぶ[2]

概要

同一地点に複数事業者の駅が設けられた場合、事業者側から見れば各駅で業務が重複して無駄が発生すること、乗客からみれば両事業者の路線を乗り継ぐ場合にそれぞれの改札を一度ずつ通らなければならないなど、不都合が発生する。そのため、一つの駅の管理を協定で複数の事業者が分担する、ないしは特定の一事業者にその他の事業者が委託する事例が生まれる。これが共同使用駅である。

共同使用駅は、直通運転を行う事業者の接点となる駅や、複数の事業者による線路共用区間の駅でも見られる(例:東京メトロ南北線都営地下鉄三田線白金高輪駅 - 目黒駅間、北総鉄道北総線京成成田空港線の一部の駅)。直通運転における会社境界駅では、駅の管理をいずれか一方の会社に委託する形がほとんどである。

共同使用駅の管理は、複数ある改札口を別の事業者が管理する(例:桑名駅伊勢市駅)場合や、事業者ごとに区画を設けて、実質的に別の駅として管理する場合がある。その中には連絡改札口が存在する駅、改札口のみ異なるが改札内は共同である駅(大鰐温泉駅大鰐駅など)もある。

なお、事業者ごとの区画分けがなされない共同使用駅では、改札を通らない、ノーラッチでの列車乗り換えが可能となる。入場券については、概ね最低料金の事業者のものに統一されている[3]が、一部例外もある。

一例として、改札分離前の三国ヶ丘駅和歌山市駅では、南海電気鉄道の券売機と出札窓口しかなく、自動券売機では南海の料金で、窓口ではデザインは南海様式ながら、南海より安いJR西日本の料金で入場券が発売されていたが、前者の場合西口からJR構内へ入場する場合に南海の構内を通らなければならず、後者は改札そのものが1ヵ所だったため、南海扱いとJR扱いで料金が違うにもかかわらず効力が同じという現象が起きていた。

ユニオンステーション

アメリカ合衆国およびカナダでは、複数の鉄道事業者が共同で利用するターミナル駅合同駅ユニオンステーション(union station、ユニオン駅)またはユニオンターミナル(union terminal)と呼ぶ。ユニオンディーポ(union depot)と称するところもある。

北米の多くの都市には都市名を冠さない「ユニオンステーション」という名の駅が存在し、通常はその都市に発着するすべての旅客列車が発着する。ただしこれには例外もあり、シカゴにはユニオン駅を含め4つのターミナル駅がある[4]

北米のユニオンステーションは駅に乗り入れる鉄道事業者が共同出資した企業が所有しているのが一般的であり、各社はこの企業に線路使用料を払って乗り入れる。

ただし今日では鉄道会社の統廃合や旅客列車本数の削減が進み、また長距離旅客列車の運行元がアムトラックに統合されたこともあって、「ユニオン駅」を名乗っているからといって必ずしも乗換駅や共同ターミナル駅となっているとは限らない。中にはナッシュビルのユニオン駅のように、既に廃駅となった旧い駅舎の建物自体が「ユニオン駅」という名前とともに残っている場合もある。

脚注

  1. 共同使用駅 | 鉄道用語辞典 日本民営鉄道協会
  2. 列車種別・停車駅 (PDF) 阪神電気鉄道株式会社
  3. 日本においては旧国鉄・JR線が経営移管された第三セクターのローカル線などで駅の構造上、中間改札を設けることのできない駅に多くみられる。
  4. ユニオン駅のほか、オギルビー・トランスポーテーション・センターミレニアム駅ラサール・ストリート駅がある。

関連項目

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