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| − | {{出典の明記|date=2015年1月}}
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| − | '''公民館'''（こうみんかん）とは、現代の日本において[[住民]]のために、実際[[生活]]に即する[[教育]]・[[学術]]・[[文化]]に関する各種の[[事業]]を行う[[教育機関]]のことである。
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| − | 公民館は、[[市町村]][[その他]]一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術および文化に関する各種の事業を行い、もって住民の[[教養]]の向上、[[健康]]の増進、[[情操]]の純化を図り、[[生活文化]]の振興、[[社会福祉]]の増進に寄与することを目的とする（[[社会教育法]]第20条）。
| + | '''公民館'''（こうみんかん） |
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| − | == 歴史 ==
| + | 社会教育の中枢的な施設。他の専門的施設である図書館，博物館に対し，地域中心でかつ総合的性格をもつのが特徴。 1946年7月文部省が次官通牒を発し，町村民が常時集り，談論し，読書し，生活や産業上の指導を受け，相互に交友を深め，教養，文化を高めるための場所として設置することを奨励したのが始り。政府や占領軍の指導と地域住民の共感とによって急激に普及し，49年6月の「社会教育法」により法制化された。同法では公民館の目的を「市町村その他一定区域内の住民のために，実際生活に即する教育，学術及び文化に関する各種の事業を行い，もって住民の教養の向上，健康の増進，情操の純化を図り，生活文化の振興，社会福祉の増進に寄与すること」と定め，その事業として，青年学級の実施，定期講座の開設，討論会，講習会，展示会などの開催，図書や資料などの設備と利用，体育やレクリエーション関係の集会の開催，各種団体，機関などの連絡，施設の公共利用への提供などを掲げている。同法はそのほか公民館の運営方針，設置や運営の基準，職員，運営審議会，国の補助その他について定めている。全国市町村中の 90%以上が公民館を設置している。公民館の連絡団体として全国公民館連合会 (全公連) があり機関誌『公民館』を刊行している。 |
| − | [[明治維新]]以後、[[資本主義]]の発達に伴って都市部でも農村部でも様々な歪が生じるようになった。このため、[[地方改良運動]]及び社会教育の実施を目的として様々な名称を持った公共施設が建設された。旧来の村屋・行屋・若者宿に加えて、隣保館（りんぽかん）や労働福祉会館などの名称で呼ばれた施設がこれにあたる。昭和期に入ると、「公民館」と呼ばれる施設も登場し、大正後期から引き続き行われてきた社会教育の導入、[[関東大震災]]後の[[国民精神作興運動]]、[[昭和恐慌]]下の[[教化総動員運動]]や[[農山漁村経済更生運動]]など教化活動への住民導入体制の強化に伴って、その円滑な実施のための施設の必要が唱えられ、学校施設を舞台とした[[全村学校運動]]や図書館施設を舞台とした[[図書館附帯施設論争]]などが行われた。
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| − | [[画像:Kominkan.first2.JPG|thumb|日本初の公民館]]
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| − | [[画像:Kominkan.first1.JPG|thumb|後藤伯記念公民館の敷地内にある後藤新平（写真：左）正力松太郎（写真：右）両名の胸像。]]
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| − | [[1923年]]（[[大正]]12年）、[[正力松太郎]]が[[警視庁]]を辞め、[[読売新聞]]の[[経営]]に乗り出した際、[[後藤新平]]が資金面で援助をした。その後、正力松太郎はその[[恩返し]]として、後藤新平の故郷である[[岩手県]][[水沢町]]（現: [[奥州市]]）に資金を寄贈した。岩手県水沢町が正力松太郎から寄贈された資金を使い、[[1941年]]（[[昭和]]16年）に建設したのが、「後藤伯記念水沢公民館」である<ref>{{Cite web|title=岸信介とコンビ、戦時統制経済を担う 「飄逸とした仕事師」椎名悦三郎(2)|url= http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0602W_W2A800C1000000/?df=2 |work=政客列伝|publisher=[[日本経済新聞]]|author=安藤俊裕|page=2|date=2012-08-12|accessdate=2015-01-30}}</ref>。<!--建設から5年後の[[1946年]]（昭和21年）には、「公民館」に改称した。-->日本で公民館に類似する事業を行う施設は、第二次世界大戦前にもあったということができる。
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| − | 後に岩手県[[水沢市]]には新しい公民館が建設されたが{{要出典|date=2015年1月}}、[[2001年]]（[[平成]]13年）からは「後藤伯記念公民館」と改称されている<ref>{{Cite web|url= http://www.iwatetabi.jp/spot/detail/03215/194.html |title=後藤伯記念公民館|work=いわての旅|publisher=岩手県観光ポータルサイト|accessdate=2015-01-30}}</ref>。なお、同公民館の隣には「後藤新平記念館」がある<ref>{{Cite web|url= http://www.iwatetabi.jp/spot/detail/03215/210.html |title=後藤新平記念館|work=いわての旅|publisher=岩手県観光ポータルサイト|accessdate=2015-01-30}}</ref>。
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| − | 現在ある公民館は戦前に文部省の成人教育課長であった松尾友雄が唱えた「社会教育館」構想を母体として文部省の公民教育課長であった寺中作雄によって構想されたものが原型となっている。[[1946年]]より日本の民主化政策に伴って各地に公民館設置が行われ、[[1949年]]の[[社会教育法]]制定によって法的に位置づけられた。公民館制度は戦前からの地域施設設置運動と住民の参加システムを生かす形で住民の企画・運営への直接参加が行われるなど、地域における住民の学習権保障の場として評価されている。
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| − | == 公民館の設置 ==
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| − | 公民館は、市町村ないしは[[特別区]]が設置する（社会教育法第21条第1項）。市町村（特別区を含む）が設置する場合を除くほか、公民館の設置を目的とする[[一般社団法人及び一般財団法人に関する法律|一般社団法人・一般財団法人]]でなければ設置することができない（社会教育法第21条第2項）。
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| − | より気軽に住民が利用でき、高齢者の孤立を避けるなどの目的を兼ねた集いの場として、個人が「Co-Minkan」を開く運動もある。いわば「私設公民館」で<ref>[https://www.co-minkan.org/ Co-Minkan公式サイト]</ref>、デンマークの教育施設[[フォルケホイスコーレ]]を参考にしている<ref>[http://www.sankei.com/politics/news/171118/plt1711180009-n1.html 【地方再考】住民つなぐCo-Minkan／デンマーク参考 新しい「茶の間」目指す]『産経新聞』朝刊2017年11月18日（各地域面）</ref>が、社会教育法が定める公民館とは異なる。
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| − | == 公民館の事業 ==
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| − | 公民館は、目的達成のために、おおむね、次に掲げる事業を行う（社会教育法第22条本文）。
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| − | # 定期講座を開設すること。
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| − | # 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。
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| − | # 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。
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| − | # 体育、[[レクリエーション]]等に関する集会を開催すること。
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| − | # 各種の団体、機関等の連絡を図ること。
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| − | # その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。
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| − | == 公民館の運営方針 ==
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| − | 公民館は、公共の施設であることから、次の行為を行ってはならない（社会教育法第23条第1項参照）。
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| − | # もっぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事業に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
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| − | # 特定の政党の利害に関する事業を行い、または公私の[[選挙]]に関し、特定の候補者を支持すること。
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| − | また、市町村の設置する公民館は、特定の[[宗教]]を支持し、または特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない（社会教育法第23条第2項）。
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| − | == 公民館以外の呼称 ==
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| − | より多くの人々が施設で交流を深めてもらうよう、公民館を「生涯学習センター」、「交流館」、「地域交流センター」などと言い換える設置者（市町村など）もある。改称を機に、地域の自治組織の活動拠点として住民に運営を委託するケース<ref>{{cite web|url=http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161102_73014.html|title=<道しるべ探して>住民組織で多機能自治|publisher=[[河北新報]]|date=2016-11-02|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227054541/http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161102_73014.html|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>や、公民館と同等の機能を持ちながらも法律上の「公民館」に該当しないようにすることで営利目的での利用<ref>{{cite web|url=http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2011012100068/files/101115_06_07.pdf|title=地域交流センターってどんな建物?公民館との違いってなに?|publisher=[[瀬戸市]]|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227060115/http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2011012100068/files/101115_06_07.pdf|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、[[企業]]や[[特定非営利活動法人]]による利用を解禁するケースがある<ref>{{cite web|url=http://call.city.shizuoka.jp/wcgfaqpub/qa_detail/000035/DTL000035200.htm|title=生涯学習施設（生涯学習センター/生涯学習交流館）とこれまでの公民館との違いを教えてください。|publisher=静岡市コールセンター「市役所いつでも電話サービス」|date=2011-04-01|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227060708/http://call.city.shizuoka.jp/wcgfaqpub/qa_detail/000035/DTL000035200.htm|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。また公民館の名称を維持しつつ、[[住民票]]や税務書類の発行などの行政サービスが提供できるように「市民センター」などを併設する（という形にして公民館職員が兼務する）ケースもある<ref>{{cite web|url=http://kasanui.net/simin/otazune/otazune.html|title=同じ建物に「公民館」と「市民センター」二つの名前があるのは…?|publisher=笠縫学区まちづくり協議会|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227061124/http://kasanui.net/simin/otazune/otazune.html|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
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| − | 社会教育法に基づかない学習のための集会施設は[[公民館類似施設]]として位置づけられ、また各地には自治会館等を公民館と称する例があり、これは[[自治公民館]]や[[部落公民館]]と名付けられている。
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| − | ただし自治体によっては、「交流センター」などの名称を公民館の代替名称ではなく、公民館を含む複合施設の名称としている場合がある<ref>{{cite web|url=http://www.minyu-net.com/news/senkyo/FM20160718-109287.php|title=須賀川市長3選・橋本克也氏に聞く 複合施設を核にまちづくり|publisher=[[福島民友新聞]]|date=2016-07-08|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227062040/http://www.minyu-net.com/news/senkyo/FM20160718-109287.php|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.city.ogi.lg.jp/main/5379.html|title=小城市芦刈地域交流センター「あしぱる」|publisher=小城市役所生涯学習課芦刈公民館係|date=2016-09-21|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227061818/https://www.city.ogi.lg.jp/main/5379.html|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
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| − | == 公民館図書室 ==
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| − | 図書室が設置されている公民館も存在する{{sfn|和田|2014|p=17}}。[[2011年]]（平成23年）度の社会教育調査によると、日本全国の公民館数は14,681館で、そのうち図書室を有するのは5,858館と設置率は4割程度であった{{sfn|和田|2014|p=17}}。公民館図書室の数は、[[公共図書館]]の整備の進行や公民館の統廃合により減少傾向にある{{sfn|和田|2014|p=17}}。公民館図書室と一口に言っても、「図書室」という専用の部屋を持たずに公民館内のオープンスペースで本を並べている施設もあれば、図書館と同様の水準で貸し出しを行っている施設もあり、公民館職員が運営するところもあれば、同一自治体内の公共図書館から職員の派遣を受けているところもあるなど、実態は公民館によって異なる{{sfn|和田|2014|p=17}}。
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| − | 公民館図書室は[[1946年]]（昭和21年）に[[文部次官]]が発表した「公民館の設置運営について」の中で示された、公民館の実践部隊としての「図書部」に起源を持ち、[[1959年]]（昭和34年）の「公民館の設置及び運営に関する基準」第3条で公民館に設置する施設の例として「資料の保管及びその利用に必要な施設（図書室）」と記載されたことで設置が奨励された{{sfn|松下|1992|pp=161-162}}。しかし同基準では公民館図書室の役割を規定しておらず、現場では、公民館の活動を補助するための資料の保管や貸し出しを行う施設として認識された{{sfn|松下|1992|p=162}}。[[図書館法]]との関連で見れば、公民館図書室は第29条の「図書館同種施設」ということになるが、同法は図書館同種施設の役割を具体的に示していない{{sfn|松下|1992|p=163}}。
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| − | === 図書館と公民館図書室の違い ===
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| − | [[ファイル:Owase City Central Community Center 20100322.jpg|thumb|<center>尾鷲市立中央公民館</center><br />2階に[[尾鷲市立図書館]]がある<ref>{{cite web|url=http://www.city.owase.lg.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=769|title=中央公民館利用の案内|publisher=尾鷲市役所教育委員会生涯学習課中央公民館|date=2008-01-18|accessdate=2016-11-23|archiveurl=http://megalodon.jp/2016-1123-1559-04/www.city.owase.lg.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=769|archivedate=2016-11-23}}</ref>。[[2001年]]（平成13年）に中央公民館図書室から市立図書館に組織変更されたが、施設はそのままである<ref>「情報システム取り入れ稼働 尾鷲市立図書館」朝日新聞2001年7月5日付朝刊、三重版22ページ</ref>。]]
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| − | 図書館は[[図書館法]]で具体的に規定された施設であるが、公民館図書室は図書館法と社会教育法に挟まれたあいまいな存在である{{sfn|松下|1992|p=163}}。公民館の現場では、図書の収集・貸し出しや[[レファレンスサービス]]を提供することを使命とするのが図書館、公民館の活動を補助するために図書の収集・貸し出しを行うことを使命とするのが公民館図書室と認識されてきた{{sfn|和田|2014|p=21}}。平たく言えば「本と人との関係を作る」のが図書館、「本を媒介として人と人の関係を作る」のが公民館図書室となる{{sfn|和田|2014|p=21}}。[[久繁哲之介]]は図書館法に基づいて「設置」されるのが図書館、社会教育法に基づいて公民館サービスの1つとして「運営」されるのが公民館図書室であるとし、業務内容や機能に大差はなく、実質的には独立した建物ないし複合施設内で中核施設となるような規模の大きいものが図書館、施設内の1室など規模の小さいものが公民館図書室である、と解説している{{sfn|久繁|2016|p=88}}。サービス面から言えば、公民館図書室は図書館ではないため、所蔵資料の[[複写]]サービスを提供できない一方、図書館無料の原則に縛られないので（実際に徴収するかは別として）入室料・利用カード作成料・貸出料などを徴収することができる、という違いがある<ref>{{cite web|url=http://toshorin.jugem.jp/?eid=5|title=【図書館とは〜（1）図書館と公民館図書室の違い】|date=2016-09-16|publisher=[[東川町]] こんな図書館がいいな♪クラブ『としょりん』|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227083045/http://toshorin.jugem.jp/?eid=5|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
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| − | 公民館図書室の起源である「公民館の設置運営について」で示された図書部の精神に則るのであれば、人間形成と地域づくりに資するために図書の収集・貸し出しを行うことが公民館図書室の役割であるので図書館とは大差ないと言え、公民館活動のための図書だけを収集・貸し出しすることは当初の精神からずれることになる{{sfn|松下|1992|pp=161-163}}。実際、図書館の代替施設ないし図書館ネットワークのサービスポイントとして機能する公民館図書室は多く<ref name="ut">{{cite web|url=http://klis.tsukuba.ac.jp/assets/files/s0711591-2011010617091603241A.pdf|title=図書館未設置町村における公民館図書館|author=黒澤温子|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227115042/http://klis.tsukuba.ac.jp/assets/files/s0711591-2011010617091603241A.pdf|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、小規模な自治体では将来的に公共図書館へ発展することが期待されていることも多い<ref name="ut"/>{{sfn|松下|1992|p=177-178}}。また公民館図書室でありながら、各都道府県の図書館協会に加盟する公民館図書室も存在し{{sfn|松下|1992|p=163}}<ref name="ej">{{cite web|url=http://ejiten.javea.or.jp/content.php?c=TWpZM09EQXdNUT09|title=秋田県立図書館の公民館図書館支援|date=2013-12-23|author=山崎博樹|accessdate=2017-02-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170227114733/http://ejiten.javea.or.jp/content.php?c=TWpZM09EQXdNUT09|work=生涯学習研究e事典|publisher=日本生涯教育学会|archivedate=2017年2月27日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、[[秋田県立図書館]]のように公民館図書室の積極的な支援を打ち出している図書館もある<ref name="ej"/>。
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| − | 一般市民にとって、図書館と公民館図書室の違いはよく分からないもので、公民館図書室は公共図書館ができるまでの代替施設、ないし「未熟な公共図書館」として受け止められることが多い{{sfn|和田|2014|p=17, 21}}。すなわち狭い、暗い、蔵書が少ない、蔵書が古いというハード面の問題と[[レファレンスサービス|レファレンス]]非対応、専任職員の不在ないし短期間の交代、利用手続きの煩雑性というソフト面の問題を抱えた施設と見なされてきたのである{{sfn|松下|1992|p=164}}。公民館の現場でも図書の収集・貸し出し・整理など手間がかかる「お荷物施設」と見なされ、十分に活用されていない場合は単なる「お飾り」になっている{{sfn|松下|1992|pp=162-164}}。そのため公共図書館が開館すると同時に閉鎖される公民館図書室も多い{{sfn|和田|2014|p=17}}。他方で、住民が図書館と公民館図書室の役割の違いを認識し積極的に公民館図書室が存置される事例{{sfn|和田|2014|p=22}}や、複数の小規模な公民館図書室を1つの大規模な図書館へ統合しようとするも住民の反対で消極的に公民館図書室が存置される事例もある{{sfn|久繁|2016|pp=88-89}}。
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| − | [[日本の市町村の廃置分合#平成の大合併|平成の大合併]]では公民館図書室から図書館に組織変更する事例（綾歌町公民館図書室→[[丸亀市立図書館#綾歌図書館|丸亀市立綾歌図書館]]<ref>「丸亀市立綾歌図書館 広くなってオープン 旧館の8倍以上に」朝日新聞2005年7月5日付朝刊、香川版33ページ</ref>など）や公民館図書室を既存の図書館の分館に変更する事例（[[伊賀市上野図書館]]の分館{{sfn|伊賀市上野図書館|2016|p=2}}など）が多く見られた。
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| − | == 脚注 ==
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| − | {{Reflist}}
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| − | == 参考文献 ==
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| − | * {{cite journal|和書|author=久繁哲之介|title=まちづくりに、図書館が果たす役割を、シェアリング・エコノミーから考える〜図書館で、まちを創る「NPO情報ステーション」を事例に（1）〜|journal=Urban study|publisher=民間都市開発推進機構都市研究センター|date=2016年12月|volume=63|pages=83-107|ref={{sfnref|久繁|2016}}}}{{NAID|40021039418}}
| |
| − | * {{cite journal|和書|author=松下尚明|title=公民館図書室の発見―社会教育行政の現場から―|journal=地域生活と生涯学習―中野哲二教授退任記念論文集―|publisher=[[鉱脈社]]|date=1992年9月25日|pages=159-178|ref={{sfnref|松下|1992}}}}{{全国書誌番号|93041846}}
| |
| − | * {{cite journal|和書|author=和田正子|title=公民館図書室について―東京都国立市公民館を事例として―|journal=[[明治大学]]図書館情報学研究会紀要|volume=5|pages=17-23|date=2014年3月|ref={{sfnref|和田|2014}}}}{{NAID|120005448073}}
| |
| − | * {{cite book|和書|title=平成27年度図書館要覧|publisher=伊賀市上野図書館|date=2016年|pages=36|ref={{sfnref|伊賀市上野図書館|2016}}}}
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| − | == 関連項目 ==
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| − | * [[公民館主事]]
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| − | <!--* [[公民館学]] - [[日本公民館学会]]-->
| |
| − | * [[全国公民館連合会]]
| |
| − | <!--* [[公民館の設置及び運営に関する基準]]-->
| |
| − | * [[町内会]] - 町内会の管理運営する集会所を「公民館」と称しているところもある。
| |
| − | * [[特定建築物]] - 公民館施設の環境衛生等に関する規定
| |
| − | * [[教育機関]]
| |
| − | * [[全国公民館連合会]]
| |
| − | <!--* [[日本公民館学会]]-->
| |
| − | * [[貸し会議室]]
| |
| − | * [[貸出文庫]]
| |
| − | * [[同和教育集会所]]
| |
| − | * [[番屋]]
| |
| − | * [[社会教育施設]]
| |
| − | * [[社会教育主事]]
| |
| − | * [[社会教育]]
| |
| − | * [[社会教育法]]
| |
| − | * [[教育関係職員]]
| |
| − | * [[青年の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|非宿泊型の公的な集団対応型研修施設]]（いわゆる[[少年自然の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|都市青年の家]]などの日帰り型青少年教育施設） - 特に、'''[[少年自然の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|専用の宿泊施設が併設されていない青少年教育施設]]は[[青年の家#非宿泊型の公的な集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|公民館並みの施設の機能にとどまる公的な集団対応型研修施設]]'''であるととらえられる。また、近年の行政改革等により、施設の形態を'''[[少年自然の家|公的な集団対応型研修施設]]（いわゆる[[青年の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|都市青年の家]]などの日帰り型青少年教育施設）から[[少年自然の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|公民館]]'''に変えた[[少年自然の家#非宿泊型の集団対応型研修施設（日帰り型青少年教育施設）|施設]]もある。
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| − | * [[箱物行政]]
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| − | == 外部リンク ==
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| − | * [http://www.kominkan.or.jp/ 公益社団法人 全国公民館連合会]（全公連）
| |
| − | * [http://www1a.biglobe.ne.jp/kominkan/ 日本公民館学会]
| |
| − | * [http://koshinren.jp/ 全国公民館振興市町村長連盟]
| |
| − | * [http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/15/06/03060602.htm 公民館の設置及び運営に関する基準（平成15年文部科学省告示第112号）]（[[文部科学省]]）
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| | + | {{テンプレート:20180815sk}} |
| | {{デフォルトソート:こうみんかん}} | | {{デフォルトソート:こうみんかん}} |
| | [[Category:社会教育施設]] | | [[Category:社会教育施設]] |
| | [[Category:日本のコミュニティセンター|*こうみんかん]] | | [[Category:日本のコミュニティセンター|*こうみんかん]] |
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| − | {{education-stub}}
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| − | {{Authority control}}
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