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{{出典の明記|date=2008年12月}}
 
{{人類学}}
 
'''人類学'''(じんるいがく、{{lang-en-short|anthropology}})とは、[[人類]]に関しての総合的な[[学問]]である。[[生物学]]的特性について研究対象とする学問分野を[[形質人類学]]もしくは[[自然人類学]]と呼び、[[言語]]や社会的慣習など[[文化]]的側面について研究する学問分野を[[文化人類学]]もしくは[[社会人類学]]と呼ぶ。さらに[[言語学]]や[[考古学]]、[[民俗学]]や[[民族学]]、[[芸能]]も包括する。
 
  
== 概要 ==
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'''人類学'''(じんるいがく、{{lang-en-short|anthropology}})
人類学は[[人文科学]]、[[社会科学]]、[[自然科学]]の全てに根を持つ。人類学は対象を人類に定めている以外には、特に固有の[[方法論]]を持っているわけではない。そのため、その内容は、生物学的な手法を用いた[[ゲノム]]研究や[[生理学]]的な研究から、社会科学や人文科学的な手法を用いてあるコミュニティの[[行動科学]]的な研究まで多岐に渡る。かつては自社会から遠く離れたコミュニティ、ないしは先史時代の人間を対象にすることが学問的な特徴とされていたが、現在ではそういった制約はない。つまり研究手法にとらわれない[[学際]]的な研究によって人類とは何かを全体として明かにしようとする学問分野である。
 
  
そのため、制度上の位置づけは下記のように複雑である。自然人類学は一般に生物学に属する動物学の下位分野と分類される一方、文化人類学は社会科学に、言語学と考古学は人文科学に分類される。
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人類に関する学問。広義には「文化をもつ動物」である人類を総体的に把握しようとするもので,人類を生物として研究する[[自然人類学]]と,文化的側面から研究する[[文化人類学]]とに分けられる。狭義には,自然人類学のみをさす。ヨーロッパ大陸諸国では主として狭義に用いられ,イギリスでは広義に用いられる。アメリカではイギリスと同じように用いられていたが,第2次世界大戦を契機として文化人類学者が急増し,それを単に人類学者と呼ぶことがある。人類学はヒトへの関心から生じたが,近代科学として成立したのは 18世紀で,人種分類の体系化を試みることから始り,19世紀後半の進化思想と結びついて,人類の進化と変異の体系化を目指して展開した。一方同時代の,異民族文化を研究する民族学,先史時代文化を研究する先史学は,今日では包括されて文化人類学と呼ばれることもある。日本における研究は 1884年に日本人類学会の母体となった東京人類学会の設立に始った。人類学としては広義に解釈される傾向が強いが,現在の日本学術会議では理学部門のなかの一分科である。
 
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人類学の範囲や制度上の位置づけは国によって異なっている。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では、文化人類学(民族学)、考古学、言語学の三分野をあわせて広義の文化人類学と呼び、これに自然人類学も含んだ総合的な[[人類学科]]が[[大学]]に設置されている。これに加えてこれら四分野は[[アメリカ人類学協会]]という統一学会を組織している。
 
 
 
これに対して、[[イギリス]]では社会科学的手法を用いる社会人類学と生物学の一分野である自然人類学、および考古学、言語学は分離されている。このイギリスの制度は、[[欧州統合]]前後から[[ヨーロッパ]]の人類学の発展に大きな影響を与えており、[[1990年代]]には社会・文化人類学に関する欧州統一学会として、[[ヨーロッパ社会人類学会]]が設立された。
 
 
 
=== 日本における人類学の下位分野 ===
 
[[日本]]では一般に[[理学部]]や[[医学部]]に属する生物学系の自然人類学を伝統的に人類学とすることが多く、社会科学系学部に設置された民族学(文化人類学)は制度上完全に分離されており、[[学会]]も自然人類学の[[日本人類学会]]<ref>[http://anthropology.jp/about.html 日本人類学会について]</ref>と文化人類学の[[日本文化人類学会]](旧称・日本民族学会)<ref>[http://www.jasca.org/ 日本文化人類学会とは]</ref>などに分かれている。また人類共通の基盤研究としての下位分野として[[霊長類学]]が位置づけられることもある<ref>分類群として逆転しているので、[[学者|研究者]]によっては霊長類学の下位分野としての人類学が主張される場合がある。</ref>。
 
 
 
以下に日本の人類学関連学会協議会に参加する学会を記述する。
 
*文化人類学
 
*生理人類学
 
*霊長類学
 
*人類学
 
*民俗学
 
 
 
なお、文化人類学や自然人類学は方法論や具体的な現象名に応じて細分化する傾向にあるため、それぞれの下位分野についてはリンク先を参考にすること。
 
 
 
== 歴史 ==
 
もともと、集団ごとの差異を論じるのは[[エジプト]]の古代絵画にも見える。「アンスロポロジー」という言葉を最初に使ったのは[[アリストテレス]]であったが、その意味は「人の噂をする人、あるいは自慢話をする人」という意味であって、直接的な関係はない。[[古代ローマ]]の医師[[ガレノス]]が動物と人類の解剖学的な比較を行った記録が、自然人類学的な最初の報告だろう{{要出典|date=2011-11}}。アンスロポロジーを現代的な用法で使ったのは、[[マグヌス・ハント]]だと言われている。E・タイソンはヒトを含む霊長類の比較解剖を行ったことで記録に残っている。
 
 
 
[[カール・フォン・リンネ]]は『自然の体系』第10版において[[ヒト]]、[[有尾猿]]、[[キツネザル]]、[[コウモリ]]を霊長目の4属とし、ヒト属の中に[[ホモ・サピエンス]]と[[類人猿]]をおいた。一方で[[ビュフォン]]は機能的な分析をし、[[人類の進化]]や[[人種]]に影響を持った。
 
 
 
[[1856年]]、[[ホモ=ネアンデルタレンシス]]の[[化石]]が発見され、[[1859年]]に[[チャールズ・ダーウィン]]が『[[種の起源]]』を発行した。この年には[[パリ]]で世界初の人類学会が結成された。
 
 
 
== 人類学を学べる大学 ==
 
*[[琉球大学]][[琉球大学 国際地域創造学部|国際地域創造学部]](地域文化科学プログラム 人類学コース) 
 
 
 
==脚注==
 
<references/>
 
 
 
== 関連項目 ==
 
*[[特別:検索/intitle:人類学|「人類学」を含む記事名の一覧]]
 
*[[日本の人類学者の一覧]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [https://web.archive.org/web/20060618155854/http://www.movinganthropology.org/ The Moving Anthropology Student Network/Moving Anthropology Social Network (MASN)] is the largest international network of anthropology students and young academics, connecting people from all over the world
 
* [http://homepage.uibk.ac.at/~c720126/humanethologie/ws/medicus/block1/MappingISBN1-59454-212-0.pdf Mapping Transdisciplinarity in Human Sciences]
 
* [http://homepage.uibk.ac.at/~c720126/humanethologie/ws/medicus/block1/TheoryHumanSci.ppt Fundamental Theory of Anthropology]
 
 
 
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2018/11/13/ (火) 08:37時点における版

人類学(じんるいがく、: anthropology

人類に関する学問。広義には「文化をもつ動物」である人類を総体的に把握しようとするもので,人類を生物として研究する自然人類学と,文化的側面から研究する文化人類学とに分けられる。狭義には,自然人類学のみをさす。ヨーロッパ大陸諸国では主として狭義に用いられ,イギリスでは広義に用いられる。アメリカではイギリスと同じように用いられていたが,第2次世界大戦を契機として文化人類学者が急増し,それを単に人類学者と呼ぶことがある。人類学はヒトへの関心から生じたが,近代科学として成立したのは 18世紀で,人種分類の体系化を試みることから始り,19世紀後半の進化思想と結びついて,人類の進化と変異の体系化を目指して展開した。一方同時代の,異民族文化を研究する民族学,先史時代文化を研究する先史学は,今日では包括されて文化人類学と呼ばれることもある。日本における研究は 1884年に日本人類学会の母体となった東京人類学会の設立に始った。人類学としては広義に解釈される傾向が強いが,現在の日本学術会議では理学部門のなかの一分科である。