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{{Infobox 国軍
 
|国 = 中華人民共和国
 
|名前 = 中国人民解放軍
 
|各国語表記 = 中国人民解放军
 
|画像 = [[File:People's Liberation Army Flag of the People's Republic of China.svg|300px]]
 
|画像説明 = 中国人民解放軍軍旗
 
|創設 = 1927年8月1日
 
|歴史 = [[中国工農紅軍]]<br>[[八路軍]]、[[新四軍]]<br>[[東北抗日聯軍]]<br>[[東北民主聯軍]]
 
|再組織 =
 
|解散 =
 
|派生組織 =[[File:Ground Force Flag of the People's Republic of China.svg|25px]] [[中国人民解放軍陸軍]]<br />[[File:Naval Ensign of the People's Republic of China.svg|25px]] [[中国人民解放軍海軍]]<br />[[File:Air Force Flag of the People's Republic of China.svg|25px|]] [[中国人民解放軍空軍]]<br />[[File:Rocket Force Flag of the People's Republic of China.svg|25px]] [[中国人民解放軍ロケット軍]]<br />[[File:People's Liberation Army Flag of the People's Republic of China.svg|25px|]] [[中国人民解放軍戦略支援部隊]]
 
|本部 = [[北京市|北京]]
 
|最高司令官 =  [[習近平]]
 
|最高司令官名 = [[中華人民共和国中央軍事委員会|中央軍事委員会主席]]
 
|参謀長 = [[李作成]]上将
 
|参謀長名=連合参謀長
 
|国防大臣=[[魏鳳和]]上将
 
|国防大臣名=[[中華人民共和国国防部|国防部長]]
 
|司令官 =[[許其亮]]上将、[[張又侠]]上将
 
|司令官名 =[[中華人民共和国中央軍事委員会|中央軍事委員会副主席]]
 
|兵役適齢 =
 
|徴兵制度 =
 
|情報年度 =
 
|適用年齢 =
 
|適齢総数 =
 
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|年間適齢到達人数 =
 
|年間女性適齢到達人数 =
 
|現役軍人数 =
 
|順位数 =
 
|軍事費 = 約6703億元(2012年・公式発表)<br/>約1661億ドル(2012年・[[ストックホルム国際平和研究所|SIPRI]]推定)
 
|軍事費/GDP = 2.0%(2012年・SIPRI推定)
 
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'''中国人民解放軍'''(ちゅうごくじんみんかいほうぐん、{{ピン音|Zhōngguó rénmín jiěfàngjūn}}
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|[[ファイル:Ground Force Flag of the People's Republic of China.svg|30px]][[中国人民解放軍陸軍]]<br/>[[ファイル:Naval Ensign of the People's Republic of China.svg|30px]][[中国人民解放軍海軍]]<br/>[[ファイル:Air Force Flag of the People's Republic of China.svg|30px]][[中国人民解放軍空軍]]<br/>[[中国人民解放軍ロケット軍]]<br/>[[中国人民解放軍戦略支援部隊]]
 
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|liststyle=|'''10大軍工集団'''<br/>[[中国兵器工業集団]]([[:zh:中国兵器工业集团|zh]])<br />[[中国兵器装備集団]]([[:zh:中国兵器装备集团|zh]])<br />[[中国航空工業集団公司|中国航空工業集団]]<br />[[中国航天科技集団公司|中国航天科技集団]]<br />[[中国航天科工集団]]([[:zh:中国航天科工集团|zh]])<br />[[中国船舶工業集団]]([[:zh:中國船舶工業集團公司|zh]])<br />[[中国船舶重工集団]]([[:zh:中國船舶重工集團公司|zh]])<br />[[中国核工業集団]]<br />[[中国核工業建設集団]]([[:zh:中国核工业建设集团|zh]])<br />[[中国電子科技集団]]([[:zh:中国电子科技集团公司|zh]])
 
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|[[:en:History of the People's Liberation Army]]<br/>[[国共内戦]]<br/>[[長征]]<br/>[[第二次世界大戦]]<br/>[[国共内戦]]<br/>[[朝鮮戦争]]<br/>[[チベット侵攻 (1950-1951)|チベット侵攻]]<br/>[[中印国境紛争]]<br/>[[中ソ国境紛争]]<br/>[[中越戦争]]<br/>[[中越国境紛争]]
 
}}
 
}}
 
'''中国人民解放軍'''(ちゅうごくじんみんかいほうぐん、{{ピン音|Zhōngguó rénmín jiěfàngjūn}})は、[[中国共産党]]が指導する中華人民共和国の[[軍隊]]である。<br />
 
(中国人民解放軍の中華人民共和国における公的・法的位置については後述の「[[#法的規定]]」を参照すること。)
 
  
単に、日本などでは「'''中国軍'''」、中国国内では「'''解放軍'''」<ref>{{Cite web|url=http://www.mod.gov.cn/jmsd/2017-03/13/content_4775379_4.htm|title=连续五年习总书记在解放军代表团谈“军民融合”|author=[[中華人民共和国国防部]]|date=2017-03-13|accessdate=2017-05-22}}</ref>と略されて呼ばれている。
+
中華人民共和国の正規軍。中国共産党によって強力に指導され,祖国防衛と建設にあたっている。 1927年8月1日の南昌暴動を建軍の日とし,[[中国工農紅軍]],八路軍および新四軍と呼ばれていたが,47年3月以来現在名に改称された。軍民一致,将兵一致を原則とし,戦闘工作とともに,政治工作,生産工作が重視され,治水灌漑工事や道路・鉄道建設,農業生産活動などにも大規模に参加してきた。階級のない軍隊として,毛沢東軍事思想に基づくゲリラ型の戦略,戦術を基礎にしてきたが,朝鮮戦争に人民志願軍として参加したあと,彭徳懐国防部長は 55年には元帥以下の階級制を設け,装備の近代化と兵士の職業軍人化をはかった。 59年8月彭が失脚したあと林彪が国防部長として「毛沢東思想」に基づく軍の政治・思想工作を進め,65年には階級制が廃止された。文化大革命では奪権闘争に指導的な役割を演じ,全国的な軍事管制が実現して軍幹部が革命委員会,党委員会の重要ポストを占めた。
<!--
 
[[中国共産党]]の政党[[軍隊]]。対外的には共產党の最高軍事指導機関である[[中国共産党中央軍事委員会]]の指揮を受ける。
 
-->
 
[[中国人民解放軍陸軍|陸軍]]・[[中国人民解放軍海軍|海軍]]・[[中国人民解放軍空軍|空軍]]・[[中国人民解放軍ロケット軍|ロケット軍]]・[[中国人民解放軍戦略支援部隊|戦略支援部隊]]の5軍を軍種とする。
 
  
また、正規軍たる人民解放軍とは別に、[[中国民兵]]・[[中国人民武装警察部隊]]が中国共産党および中華人民共和国の[[中華人民共和国武装力量|武装力量]]に定められている。
+
71年9月林彪事件が生じ,林彪以下黄永勝総参謀長をはじめ,大量の軍首脳が失脚した。人民解放軍は,事実上,中国共産党中央軍事委員会の統率下にあり,機構上は総参謀部,総政治部,総後勤部の3幕僚機構に分れ,全国を7大軍区 (85年以前は 11大軍区)に分けている。陸海空三軍の総兵力は約 320万 (1990) といわれる。なお一時廃止されていた階級制は 88年に復活した。
 
+
   
== 兵力 ==
 
{{中華人民共和国の軍事}}
 
[[File:PLA soldiers.jpg|right|250px|thumb|行進する中国人民解放軍の兵士]]
 
中国人民解放軍の人員・装備数・組織構成等は、中国政府あるいは人民解放軍自身が情報公開に積極的でないために、外部の者は推定によりその趨勢を把握する外はない。各国政府の情報機関のように人的物的資源が潤沢であるならば確度の高い情報を得ることも可能かもしれないが、そうでない者は民間シンクタンクあるいは各国政府機関が公開する文書から得る以外にない。
 
 
 
イギリス[[国際戦略研究所]]が発行した『2013年ミリタリーバランス』によると、2012年11月時点の人民解放軍の人員数は、現役兵は228万5千人、[[予備役]]51万人と推定されており、このことから世界最大の常備軍とされている。この他に[[準軍事組織]]の人民武装警察(武警)が66万人と推定されている。これらの数は2000年の値と比較すると現役兵は2万5千人減、予備役は+1万~-9万人である。武警は84万人減であった。1982年に現在の武警が設置されてまもない時期は、人民解放軍が大規模な人員数の削減を行った頃と一致する。武警は、削減された人民解放軍兵士を受け入れ、一時は人員が増加したものの、その後に隊員の定年が進み自然減になったものと推察する。準軍事組織には他に[[中国民兵]]があり、2011年の中国共産党の発表によると過去には3000万人が所属しており、削減された2011年においても人員800万人を誇る<ref>{{Cite web|url=http://jpn_cpc.people.com.cn/69773/7691616.html|title=国防部:民兵は過去30年間で3000万人から800万人に削減|author=中国共産党ニュース|date=2011-12-18|accessdate=2014-10-19}}</ref>。
 
 
 
なお2013年4月に[[中華人民共和国国務院|中国国務院]]は『中国国防白書:中国の武装力の多様な運用』を発表して、陸軍機動作戦部隊が85万人、海軍23万5千人、空軍39万8千人とする兵員数の概要を公表した。陸軍機動作戦部隊は、18個集団軍および軍区直轄の独立[[諸兵科連合]]師団(旅団)に該当し、[[国境警備隊|国境警備部隊]]・海岸防衛部隊・[[守備隊|軍事施設警備部隊]]は含まないとしている。陸軍機動作戦部隊に該当しない前記の各部隊の兵員数は公表されず、したがって現役陸軍全体の兵員数は明らかにされていない。また第二砲兵、予備役の兵員数も公表されず、したがって人民解放軍全体の現役・予備役を含めた総兵員数も本国防白書では明らかにされていない。
 
 
 
== 装備等 ==
 
中国政府は[[湾岸戦争]]、[[アフガニスタン紛争 (2001年-)|アフガニスタン戦争]]、[[イラク戦争]]などでの[[アメリカ合衆国軍]]による軍事的成果に影響されて、近年は軍事兵器や軍事システムや戦闘スタイルの革新に力を入れ、通常兵器による軍事力も強力になりつつある。ロシアの専門家によれば[[2015年]]頃には[[第5世代戦闘機]]が配備されるのではないかと指摘している<ref>http://mil.news.sina.com.cn/p/2008-01-07/0921479956.html</ref>。また、ロシアの兵器輸出企業の重役によれば中国はインドとは違い陸上兵器の近代化が進んでいるため、陸上兵器は[[地対空ミサイル]]以外はほとんど輸入してくれないと語っている<ref>{{cite web|url=http://mil.news.sina.com.cn/p/2008-12-09/0745533854.html |title=专访俄武器出口公司高管:中国很少进口陆战武器_新浪军事_新浪网 |publisher=Mil.news.sina.com.cn |date= |accessdate=2012-11-08}}</ref>。そして新式装備の絶対数は多く、[[Su-27 (航空機)|Su-27]]/[[Su-30 (航空機)|Su-30MKK]]シリーズは300機以上ある。これは[[日本]]や[[大韓民国|韓国]]の[[F-15 (戦闘機)|F-15]]保有機数を凌駕している。また、空軍兵器の取引においては完成した機体を購入する時代は終わり、エンジンやレーダーなどのような装備単位で買う段階になったと言われている。その象徴が[[J-10 (航空機)|J-10]]である<ref>{{cite web|url=http://mil.news.sina.com.cn/p/2008-12-01/0741532593.html |title=俄专家称军工能力提升使中国减少购买俄武器_新浪军事_新浪网 |publisher=Mil.news.sina.com.cn |date= |accessdate=2012-11-08}}</ref>。
 
 
 
== 徽章の由来 ==
 
[[1927年]][[8月1日]]の[[南昌起義]]を建軍記念日とし、軍の徽章には紅星に「'''八一'''」の字が、軍旗は紅地に黄色で星と「八一」の字があしらわれている。
 
 
 
中国人民解放軍空軍の[[曲技飛行隊]]は[[八一飛行表演隊]](August 1st)、軍のスポーツチームは[[八一足球隊]]、[[八一ロケッツ]]、[[八一女子排球]]など、象徴的な名称としても利用されている。
 
 
 
なお公式サイトのURLも'''www.81.cn/'''である。
 
 
 
== 法的規定 ==
 
[[中華人民共和国憲法]]第93条には[[中華人民共和国中央軍事委員会]]が全国の武力(武装力量)を領導するとの記載はあるが、中国人民解放軍のみを国軍と規定した条文はない。[[中華人民共和国国防法]]第22条では中国の武装力量を構成するのは中国人民解放軍現役部隊と予備役部隊、中国人民武装警察部隊、民兵組成と規定され、その中で中国人民解放軍現役部隊については国家の常備軍であると規定されている。
 
 
 
憲法第93条第1項では国家中央軍事委員会が「全国の武装力を領導する」としているが、一方で憲法前文に中国共産党が国家を領導することが謳われており、また国防法では、「中華人民共和国の武装力は中国共産党の領導を受ける」「武装力の中の共産党組織は、党規約に従って活動する」とあるため、中国共産党が軍事を支配することになっている。中国共産党中央軍事委員会と国家中央軍事委員会の構成員は同一であり、中国人民解放軍は「'''[[中国共産党]]の軍隊'''」ともいわれる。
 
{{main|中華人民共和国武装力量}}
 
 
 
== 軍事予算 ==
 
{{脚注の不足|date=2015年7月}}
 
2013年3月5日に、[[中華人民共和国国務院|中国国務院]][[中華人民共和国財政部|財政部]]は第12期第1回[[全国人民代表大会|全人代]]に提出され審議された2012年支出実績と2013年度予算案を公表した<ref>[http://www.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/caizhengxinwen/201303/t20130319_782332.html 关于2012年中央和地方预算执行情况与2013年中央和地方预算草案的报告]中華人民共和国国務院財務部</ref>。その後支出実績と予算案は全人代に承認された。それによれば2012年度(1 - 12月)軍事支出実績額は6506億300万人民元であった。2013年度の国防予算は7201億6800万人民元であり、2012年度支出実績に比べ10.7%増である。<!--[[西側諸国]]の見解によれば後述の通り実際の軍事費はさらに莫大であるとみられるが、公表額においても[[アメリカ合衆国|アメリカ]]、[[イギリス]]に次ぐ世界3位の軍事費である。中国は1989年度以降21年間連続で軍事支出を20%以上拡大させ続けていることになる。-->
 
 
 
このような「公表額」に対して、世界各国の政府や軍事研究機関は、「中国政府が、いわゆる[[中国脅威論]]によって軍備拡張が抑え込まれることを警戒して、軍事支出が小さく見えるように操作している」との見解を持っている。[[ストックホルム国際平和研究所]]の推定による、[[2012年]]度の中国の軍事支出実績額は為替レートベースで1660億ドル<ref>{{Cite web|last=SIPRI|title=Military Expenditure and Arms Production&gt;data on military expenditure&gt;The 15 major spender countries in 2012(table)|url=http://www.sipri.org/research/armaments/milex/Top%2015%20table%202012.pdf|accessdate=2013年6月3日}}{{リンク切れ|date=2017年9月 |bot=InternetArchiveBot }}</ref>で、アメリカ合衆国に次いで世界で2位(世界シェア9.5%)であり、[[2003年]] - 2012年の10年間で175%増加した。また[[購買力平価]]ベースでは軍事支出実績額は2490億ドルで世界第2位である。
 
中国の軍事支出を国際比較する場合、時価為替レートベースと購買力平価ベースでは相対関係が異なってくる。物価の安い国は同等の予算金額で物価の高い国の数倍の軍備が購入可能という問題を指す。例えば、日本の[[陸上自衛隊|陸上]][[自衛官]]1人の給与金額で中国兵20人が雇用可能であり、物価の相違を修正せずに単純に金額を比較しても実際の単年度軍事資産購入量と乖離してしまう。[[アメリカ中央情報局|CIA]]の各国国力・[[国内総生産|GDP]]分析は購買力平価で比較されている。
 
 
 
<!--[[アメリカ国防総省]]/台湾国防部の議会への報告によれば、中国の為替換算「軍事支出」は2007年で1100億ドル前後で、世界的に一般的な軍事費の範囲定義をあわせた中国の実態「軍事支出」は中国政府発表の公称「軍事予算」の2-3倍であるとしている。2009年秋に作成された人民解放軍の内部報告書によって、「軍事費」が公表されている「国防費」の1.5倍と記載されていることが[[2010年]]7月に明らかになった<ref>{{citenews|url=http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070801000220.html|title=中国軍事費は公表の1・5倍 軍幹部、初めて認める|publisher=47NEWS|date=2010-7-8|accessdate=2010-7-8}}</ref>。-->
 
<!-- 2012年度SIPRI推定値は購買力平価ベースで2位であり以前と状況が異なった。なのでフェードします。 なお、購買力平価軍事支出で中国が世界1位になったといっても、それは新興中国軍が「単年度の増加量」では世界1位になったというだけにすぎず、過去の膨大な軍事資産蓄積がある米露両国に軍事資産蓄積=軍事力で追いつくには時間を要する事はいうまでもない。一般的には現在の購買力平価軍事支出順位が続けば[[ロシア]]には2015年前後、米国には2030年 - 2045年に追いつく可能性があると見られている。--->
 
中国の軍事支出が明確でないという見解の論拠の一般論としては、民主的政治制度が確立している国では、政府の収入と支出の予算案も、立法過程も、可決された予算も、予算の執行も、今年度および過去年度も含めて書籍とウェブで公表され、誰でも閲覧できるが、独裁政権が統治している国は、民主国家と比較して政府の情報公開度が低く、公開された情報には隠蔽・歪曲・誇張された情報が含まれているので、公開された情報の信用性は低いということが指摘される。
 
<!-- 中国の軍事支出が明確でないという見解の論拠の具体論としては、中国の予算制度は、ミサイル開発費などの国防科学研究費や軍事教育費用が文教科学予算項目に分類されていたり、戦略核[[弾道ミサイル|弾道弾]]部隊([[中国人民解放軍第二砲兵部隊|第二砲兵部隊]])の維持費が[[宇宙開発]]予算に分類されている。また、沿岸・国境警備や内部防衛を担当する[[中国人民武装警察部隊|武装警察]]部隊の費用も[[中華人民共和国公安部|公安]]予算に計上され、[[民間防衛]]や[[民兵]]予備役の費用も国防予算の項目に含、民主国家の軍事予算や、世界的に一般的な定義の軍事予算と比較することは、統計比較手法としては不正確である。ただし、軍事も他の分野も、統計や分類の方法は個々の国や研究機関により異なるので、軍事予算の範囲としてどこまで含めるかは各国政府や軍事研究機関により異なる。統計を国際比較する場合は各国政府や個々の研究機関により異なる統計や分類の方法を、何らかの基準(通常は一般的な定義、多数派の定義)に補正・整合して比較する。軍事予算の一般的な(多数派の)定義で軍事予算に含む経費とは、人件費、組織の運営費(食料・飲料費、水道・電気・燃料(石油・ガス・ウラン・プルトニウム)費、通信費、医薬品の購入費、軍の医療施設の運営費、軍事施設の運営費)、武器の購入費や補修費(外国からの輸入分も含む)、軍事目的の研究開発費、軍事施設の建設費、沿岸警備隊や国境警備隊の経費、軍人の教育研修費、軍人や家族の住宅の建設費や運営費である。軍事予算の一般的な(多数派の)定義で軍事予算に含まない経費とは、政治・軍事目的の対外的な資金援助は外交予算、退役軍人に対する医療費・老齢年金・遺族年金・障害者年金は社会保障予算、軍歴に対する報奨としての奨学金は教育予算に分類するので、軍事予算には含まない。--->
 
 
 
[[2000年代]]に入ってからアメリカやイギリス、日本などは中国に対して国防予算の内訳の透明性を向上させることを求めている。2008年(平成20年)3月4日には、日本の[[町村信孝]][[官房長官]]が中国の国防予算について「とても周辺の国々、世界の国々には理解できない。その中身がはっきりせず、透明性の欠如は大きい」とし、さらに「[[2008年北京オリンピック|五輪]]を開き、平和的に発展していこうというお国であるならば自らの努力で(中身を)明らかにしてもらいたい」と批判した。また、2009年(平成21年)3月4日には[[河村建夫]]官房長官が「発表されたものは依然として不透明な部分があり、国防政策、軍事力の透明性を一層高めていただくことが望ましい」と中国の国防予算の内訳について透明性の向上を求めた。
 
 
 
中国人民解放軍には他国の軍隊には見られない「[[自力更生]]」と呼ばれる独特のシステムが存在した。これは要するに、「国家などの公的予算に頼らず軍が自分で自分の食料や装備を調達する」ということである。元々は軍人が自力で耕作して食料を調達して戦闘に従事し続けたことを意味するが、[[1980年代]]になると軍事費の削減によって「軍事費は軍自らが調達する」という方針を共産党が打ち出したことにより、[[改革開放]]政策による国の[[近代化]]と[[資本主義]]経済の導入が開始されたことにあわせ、軍の近代化に伴う人員削減で必然に出る失業対策も含めて、各部隊が幅広く企業経営へ乗り出していた。これは[[1998年]]に中国共産党が人民解放軍の商業活動を禁止するまで続いた。実際には現在も一般人も利用できる又は一般人向けの各種学校、食堂やクラブなどの飲食店、射撃場など娯楽施設、病院、宿泊施設、食品加工や機器製造等の工場、農牧場、養殖場、炭鉱など鉱山、出版社などあらゆる企業、施設、設備を運営している。イギリス[[英国放送協会|BBC]]の報道によると、「食料の90%を外部からの調達に依存している」ということである。人員規模を考慮すると、およそ20万人以上の食料を自給できているということであり、他の軍隊に見られない驚異的な特徴の一つとなっているといえる。
 
 
 
== 歴史 ==
 
1921年に設立された中国共産党は、一時は[[中国国民党]]と協力したが(第一次[[国共合作]])、その後の対立し、事実上の内戦に突入した<ref>ただし、国共両者だけが戦闘行為をしていたわけではなく、中国大陸全体が軍閥の群雄割拠による争乱状態であった</ref>。基本的に共産党は国民党に対して劣勢であり、のちに「[[長征]]」と呼称する大撤退行動などを強いられたりもした。しかし1937年に国民党政府と日本の間で戦争が起こると([[日中戦争]]、[[支那事変]])、再び国民党と手を結び([[第二次国共合作]])、[[国民革命軍|国府軍]]に編入された[[八路軍]]や[[新四軍]]として日本軍と戦った。しかし、[[第二次世界大戦]]後の1946年には [[国共内戦]]が再開される。日本との戦いで疲弊した国府軍は米国の[[ハリー・S・トルーマン]]政権の援助停止や[[ソビエト連邦|ソ連]]の[[ヨシフ・スターリン]]による共産党軍への支援で劣勢となった。共産党軍が初めて保有した戦車[[功臣号]]はソ連[[赤軍]]が占領した満州で日本軍から接収したものだった。中国人民解放軍空軍は捕虜となった日本軍人、整備士が満州の日本軍機を修理、中国兵を訓練することで設立された(-1949)。また、捕虜となった日本の技術者や看護婦も多数参加している(-1950)。
 
 
 
[[1947年]]9月に「人民解放軍総反抗宣言」を発表し初めて人民解放軍の名称を使用。
 
 
 
1949年 [[蒋介石]]が[[南京]]を脱出し[[中華民国国軍]]とともに[[台北]]へ移動することで[[国共内戦]]が終了(休戦)し、[[中華人民共和国]]の建国が宣言された。以降、中共政権下、[[国共内戦]]で功績のあった軍の長老が長く君臨し、今の政治人脈に引き継ぐこととなる。
 
 
 
* 1949年 [[蒋介石]]、[[台北]]へ。[[国共内戦]]の休戦。
 
** 同年[[アメジスト号事件]]。[[長江]]で[[イギリス海軍]]の[[フリゲート]]「アメジスト」と交戦。
 
* 1950年 [[チベット侵攻]]
 
* 1950年10月 一部は中国人民志願軍として[[朝鮮戦争]]に参戦。1953年まで ([[中国人民志願軍]]も参照)
 
* 1954年 - 1955年 第一次[[台湾海峡危機]]
 
* 1958年 第二次台湾海峡危機 ([[金門砲戦]])
 
* 1959年3月 [[チベット蜂起]]
 
* 1959年9月 - 1962年11月 [[中印国境紛争]]
 
* 1969年 - 1978年 [[中ソ国境紛争]]([[中ソ対立]]も参照)
 
* 1974年 [[南ベトナム]]と[[西沙諸島の戦い|西沙海戦]]、[[沙甸事件]]
 
* 1979年 [[中越戦争]]
 
* 1984年 [[中越国境紛争]]
 
* 1986年 - 1988年 [[ベトナム]]と国境紛争、[[赤瓜礁海戦]](南沙海戦)
 
* 1989年 [[六四天安門事件]]、[[ラサ市|ラサ]]暴動
 
* 1995年 - 1996年 第三次台湾海峡危機([[:en:Third Taiwan Strait Crisis]]、[[台湾有事]]も参照)
 
* 2013年 総参謀部が全軍に対し[[戦争]]の準備を指示<ref>[http://sankei.jp.msn.com/world/news/130114/chn13011419050004-n1.htm 「戦争の準備をせよ」対日想定…中国軍指導部が全軍に指示]</ref>
 
 
 
=== 国共合作から国共内戦時の構成 ===
 
* 第1野戦軍(司令員・政治委員:[[彭徳懐]])
 
* 第2野戦軍(司令員:[[劉伯承]]、政治委員:[[鄧小平]])
 
* 第3野戦軍(司令員・政治委員:[[陳毅]])
 
* 第4野戦軍(司令員:[[林彪]]、政治委員:[[羅栄桓]])
 
* 華北軍区(司令員:[[聶栄臻]])
 
元老には[[中華人民共和国元帥|十大元帥]]と呼ばれる[[軍閥]]代表者がいる。[[朱徳]]・[[彭徳懐]]・[[林彪]]・[[劉伯承]]・[[賀竜]]・[[陳毅]]・[[羅栄桓]]・[[徐向前]]・[[聶栄臻]]・[[葉剣英]]で、老総(ラオゾン)とも呼ばれる。
 
 
 
各軍管区へは、軍閥の影響力を削ぐ為に各野戦軍より選出した部隊で混成される。主力に位置される部隊は、権力闘争に勝ち残った第3野戦軍系部隊があげられる。
 
 
 
== 組織・機構 ==
 
最高軍事指導機関である中国共産党中央軍事委員会の内部に弁公庁をはじめとする15の機関があり、その下に[[中国人民解放軍陸軍|陸軍]]、[[中国人民解放軍海軍|海軍]]、[[中国人民解放軍空軍|空軍]]、[[中国人民解放軍ロケット軍|ロケット軍]](元第二砲兵部隊)、[[中国人民解放軍戦略支援部隊|戦略支援部隊]]<ref>日本経済新聞「中国、ロケット軍など新設 軍改革が具体化へ」[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK01H1P_R00C16A1000000/]</ref>および[[戦区|五大戦区]]が置かれている。
 
 
 
中央軍事委員会直属部門は、[[2016年]][[1月11日]]に15個の内部機関が発足したことで大幅に改編された。これらは七大部・三箇委員会・五箇直属機構と分けて呼ばれる。また、五大戦区も[[2月1日]]に新しく発足したもので、それまでは軍区制に従い七つの大軍区が置かれていた。
 
 
 
七大部は弁公庁・連合参謀部・政治工作部・後勤保障部・装備発展部・訓練管理部・国防動員部の七部局をさす。弁公庁は日常業務、連合参謀部は作戦指揮や[[戦略]]、政治工作部は[[政治宣伝]]、後勤保障部は[[兵站]]計画や政策、装備発展部は[[武器]]の開発や調達、訓練管理部は[[訓練]]や体育、国防動員部は有事のための[[動員]]準備を担当する。
 
 
 
三箇委員会は紀律検査委員会・政法委員会・科学技術委員会の三委員会をさす。紀律検査委員会は綱紀の[[監察]]、政法委員会は軍の[[司法]]機関への指導、科学技術委員会は[[科学技術]]指導を担当する。
 
 
 
五箇直属機構は戦略規画弁公室・改革編制弁公室・国際軍事合作弁公室・審計署・機関事務管理総局の五部門をさす。戦略規画弁公室は組織の[[建設]]戦略、改革編制弁公室は組織[[改革]]と[[管理]]、国際軍事合作弁公室は軍の[[国際協力]]、審計署は[[財務]][[監査]]、機関事務管理総局は内部機関の[[事務]]管理を行う。
 
 
 
五軍は軍組織の運営維持や[[軍事行政]]を担当し、五大戦区は割り振られた地域別に軍種の別なく部隊の[[統合作戦]][[指揮]]を担当する。また[[中国人民解放軍国防科学技術大学|国防科学技術大学]]、[[中国人民解放軍軍事科学院|軍事科学院]]、[[中国人民解放軍国防大学|国防大学]]などが中央軍事委員会直属の軍区級組織である。
 
 
 
かつては中央軍事委員会の下に、[[作戦]]や[[指揮]]を担当する[[中国人民解放軍総参謀部|総参謀部]]、[[人事]]や[[政治教育]]を担当する[[中国人民解放軍総政治部|総政治部]]、[[補給]]を担当する[[中国人民解放軍総後勤部|総後勤部]]、[[武器]]の調達を担当する[[中国人民解放軍総装備部|総装備部]]の四総部があり、その下に各軍・七大軍区が位置していた。現在の中央軍事委員会内部機関は、これらの四総部を直轄化したうえで解体・再編制したものである。
 
 
 
[[中華人民共和国国務院|国務院]]の[[中華人民共和国国防部|国防部]]は外国との軍事交流などを担当しているだけで、人民解放軍に対する指揮権を持っていない。国務院の管轄下にない解放軍はあくまで党の軍隊であり、国家の軍隊ではないとする。党と軍の関係については、憲法で中央軍事委員会の指導下にあると規定されているが[[中国共産党中央委員会主席|党主席]]とは記載されていない。そのため、[[毛沢東]]など歴代の[[中華人民共和国の最高指導者一覧|最高指導者]]は中央軍事委員会主席を兼任している。
 
 
 
中国人民解放軍が党の軍である、という立場をとるのは[[暴力の独占|暴力装置]]である国家を操作する立場である中国共産党が、国家の最大の暴力装置である軍隊を管理するのは当然であると考えられたからである。建前上、中国人民解放軍は人民の軍隊であり、革命を遂行・防衛するための軍隊であるとされている。なお、[[ソビエト連邦]]では第二次世界大戦後の1946年に[[赤軍]]を国家の軍隊である[[ソビエト連邦軍]]に改組している。
 
 
 
[[六四天安門事件|第二次天安門事件]]が発生した時に、中国人民解放軍が、民主化勢力(民主化運動に理解を示していた一部の政府中枢を含む)と共産党保守派のどちらかに付くかを、全世界が注視したが、中央軍事委員会主席である鄧小平の命令によって民主化勢力の[[弾圧]]を行った。人民解放を冠した軍隊が人民を弾圧した光景は[[四五天安門事件|第一次天安門事件]]の時に[[四人組 (中国史)|四人組]]からの命令を最後まで無視した姿とは余りにも対照的であったが(四人組は最終的には民兵を動員した)、中国人民解放軍の行動は中央軍事委員会主席の一言に左右されている事を知らしめた。この弾圧によって、国際社会の中国人民解放軍を見る目がいっそう厳しくなり、中国人の中にも「人民を抑圧している軍隊」という印象を持ち、人民解放軍に失望した人がいた。そのため、[[災害派遣]]や[[国連平和維持活動]]等での活躍と党を挙げた宣伝活動等により、イメージの改善が行われた<ref>災害派遣の映像[http://jp.youtube.com/watch?v=d1-oCt0_Bz4 災害派遣の特集番組]</ref>。
 
 
 
=== 中国共産党中央軍事委員会 ===
 
[[ファイル:Xi Jinping Sept. 19, 2012.jpg|125px|thumb|主席: [[習近平]]]]
 
{{main|中国共産党中央軍事委員会}}{{seealso|中華人民共和国中央軍事委員会}}
 
* 軍委主席:[[習近平]](党総書記、国家主席、党中央政治局常務委員)
 
* 軍委副主席:
 
** [[許其亮]](空軍上将、党中央政治局委員)
 
** [[張又侠]](上将、党中央政治局委員)
 
* 軍委委員:
 
** [[魏鳳和]](上将、前ロケット軍司令員)
 
** [[李作成]](上将、聯合参謀部参謀長)
 
** [[苗華]](海軍上将、政治工作部主任)
 
** [[張昇民]](上将、紀律検査委員会書記)
 
<!--※ 習近平以外は、第17期党中央委員会第1回全体会議(2007年10月22日)において選出。-->
 
 
 
* 指導機構({{Lang|zh|领导机构}})
 
**中央軍委七大部・庁
 
*** 中央軍委弁公庁、主任:
 
*** 中央軍委聯合参謀部、参謀長:李作成
 
*** 中央軍委政治工作部、主任:苗華
 
*** 中央軍委後勤保障部、部長:宋普選、政治委員:張書国<ref>http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1635342</ref>
 
*** 中央軍委装備発展部、部長:李尚福、政治委員:安兆慶<ref>http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1605134</ref>
 
*** 中央軍委訓練管理部、部長:黎火輝<ref>http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1611081</ref>
 
*** 中央軍委国防動員部、部長:盛斌<ref>http://news.sina.com.cn/o/2016-01-12/doc-ifxnkkux1187407.shtml</ref>
 
**中央軍委三大委員会
 
*** 中央軍委紀律検査委員会、書記:張升民<ref>http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1629201</ref>
 
*** 中央軍委政法委員会、書記:宋丹
 
*** 中央軍委科学技術委員会、主任:劉国治
 
**五大弁公室・署・局
 
*** 中央軍委戦略規画弁公室、主任:王輝青
 
*** 中央軍委改革・編制弁公室、主任:
 
*** 中央軍委国際軍事合作弁公室、主任:関友飛<ref>http://news.ifeng.com/a/20160115/47091082_0.shtml</ref>
 
*** 中央軍委審計署、審計長:郭春富<ref>http://china.caixin.com/2015-12-30/100894352.html</ref>
 
*** 中央軍委機関事務管理総局、局長:劉志明<ref>http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1419810</ref>
 
<!--
 
<div style="text-align:center">
 
<gallery>
 
ファイル:Xi Jinping VOA.jpg|副主席:[[習近平]]
 
ファイル:Guo-Boxiong.jpg|副主席:[[郭伯雄]]
 
ファイル:Xu-Caihou-01.jpg|副主席:[[徐才厚]]
 
ファイル:Liang Guanglie.jpg|委員: [[梁光烈]]
 
ファイル:|[[李継耐]]
 
ファイル:|[[廖錫竜]]
 
ファイル:General Bingde with Admiral Keating.jpg|委員: [[陳炳徳]]
 
ファイル:Wu Shengli.jpg|委員: [[呉勝利]]
 
ファイル:|[[靖志遠]]
 
ファイル:|[[常万全]]
 
</gallery>
 
</div>-->
 
 
 
=== 戦域統合作戦指揮組織 ===
 
==== 戦区 ====
 
[[File:China theater command map JMOD.svg|thumb|right|250px|
 
戦区の管轄域<ref name= "ref1">{{Cite web
 
|url= http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/pdf/28010203.pdf
 
|title=2016年度版防衛白書
 
|page=49
 
|accessdate= 2016-08-05
 
|author= [[日本国]][[防衛省]]
 
|date= 2016-08-02
 
|publisher=
 
}}
 
</ref>
 
]]
 
 
 
[[File:Major Ground Force Units.png|250px|thumb|旧七大軍区(2016年1月まで)]]
 
{{Main|戦区}}
 
[[2016年]][[2月1日]]に新設された組織。これまであった七つの「大軍区」を、戦略正面と民族分布を考慮して五つに整理統合するとともに名称を「戦区」に変更した。その機能も「大軍区」では[[軍令]]・[[軍政]]の両方を兼ね備えていたのに対し、「戦区」では[[軍令]]の機能のみを有する。一方、これまで海軍司令員・政治委員や空軍司令員・政治委員などは隷下の部隊に対して指揮・指導する権限を有していたために、指揮系統に不明瞭な部分があった。今回の戦区新設によって、各[[軍種]]司令部は軍種内組織の運営事務や人事管理、教育訓練などの[[軍事行政]]に専念し、戦区の連合指揮部が戦域別に[[統合作戦]]指揮を執ることになった<ref>{{cite news |title=習近平主席、中国人民解放軍の5つの「戦区」発足宣言|newspaper=産経新聞 |date=2016-02-01 |url=http://www.sankei.com/world/news/160201/wor1602010037-n1.html |accessdate=2016-02-08}}</ref>。
 
 
 
五つの戦区はそれぞれ東部戦区、南部戦区、西部戦区、北部戦区、および中部戦区と名づけられ、それぞれの戦区内の各軍種の各部隊は戦区連合指揮部の指揮下に入るとしている。例えば海軍においては、[[北海艦隊]]は北部戦区の、[[東海艦隊]]は東部戦区の、[[南海艦隊]]は南部戦区の連合指揮部の指揮下に入るとしている。空軍においては、五つの戦区毎に戦区空軍が新たに新設され、それぞれの戦区連合指揮部の指揮下に入るとしている<ref>[http://www.81.cn/kj/2016-02/03/content_6887955.htm 战区成立后,这才是大国空军该有的样子!]、中国军网、2016年2月10日閲覧</ref><ref>{{cite news |title=国防部新闻发言人就战区调整组建有关问题答记者问|newspaper=新華網 |date=2016-02-01 |url=http://news.xinhuanet.com/politics/2016-02/01/c_1117961211.htm |accessdate=2016-02-08}}</ref>。
 
 
 
=== 軍種 ===
 
==== 陸軍 ====
 
[[File:Ground Force Flag of the People's Republic of China.svg|thumb|50px|left|軍旗]]
 
[[File:Self-propelled artillery of PLA.jpg|thumb|250px|07式自走榴弾砲]]
 
 
 
{{Main|中国人民解放軍陸軍}}
 
[[1927年]][[8月1日]]の[[南昌蜂起]]をもって創立とする。兵力160万人(2010年度)だが、近代化のため兵力削減傾向にある。最新鋭戦車の生産数よりも旧式の[[59式戦車]]などの退役数が上回っているため、世界で最も多かった[[主力戦車|MBT]]保有数も段階的に縮小している。兵役は事実上の[[志願兵]]制をしいている。法律では不足に応じて、[[徴兵制|選抜徴兵制]]を実施することになっているが、不足した事は今までにない。
 
 
 
全体として近代化を進めつつある。陸軍は地域別の軍区に区分されていたが、軍近代化により多くの軍区が削減され、現在は軍区制そのものが陸軍から独立し五大戦区となっている。陸軍時代の軍区司令官は管内所属の空軍および海軍部隊の指揮権を有していたが、[[2015年]][[12月31日]]に「陸軍司令部」が新設され、陸軍は海軍・空軍と同列の組織として位置付けられた。
 
 
 
{{clear}}
 
==== 海軍 ====
 
[[File:Naval Ensign of the People's Republic of China.svg|left|50px|thumb|軍旗]]
 
[[ファイル:USNWC Varyag01.jpg|250px|thumb|中国に売却された[[空母]][[ヴァリャーグ (空母)|ヴァリャーグ]](現・[[遼寧 (空母)|遼寧]])]]
 
{{Main|中国人民解放軍海軍}}
 
[[1949年]][[4月23日]]創立。2011年時点で、現役兵力約250,000人、うち海軍航空隊約26,000人、沿岸防衛陸上部隊約28,000人、[[海兵隊]]に相当する[[中国人民解放軍海軍陸戦隊]]24000-40000人を有する。世界最多の艦艇保有数を持ち<ref>{{cite news |title=中国の軍艦数は世界最多なのに米露にかなわない理由―米華字メディア |newspaper=[[Record China]] |date=2017-05-19 |url=http://www.recordchina.co.jp/b178502-s0-c10.html |accessdate=2017-10-09}}</ref><ref>{{cite news |title=中国軍 総兵力は229万人、艦艇数は1088隻で米抜き世界1位 |newspaper=週刊ポストセブン |date=2013-03-15 |url=http://www.news-postseven.com/archives/20130315_175827.html |accessdate=2017-10-09}}</ref>、[[駆逐艦]]26隻、[[フリゲート]]54隻、[[弾道ミサイル]]搭載原子力潜水艦3隻([[夏型原子力潜水艦|夏級]]を1隻と[[晋型原子力潜水艦|晋級]]を2-4隻)、攻撃型[[原子力潜水艦]]の[[091型原子力潜水艦|漢級]]を3隻、[[商型原子力潜水艦]]を2-4隻、[[通常動力型潜水艦]]54-60隻を保有する(旧式の明型が19隻)。また、海軍航空隊は、5個海航師(海軍航空師団)、4個独立飛行団から成り、各種軍用機571機を保有する。沿岸防衛陸上部隊として、35個岸防導弾砲兵団(海岸防衛ミサイル砲兵団。65,300人)が存在する。
 
 
 
当初はソ連より艦艇およびその技術を導入していたが、1960年代以降の中ソ対立によって新技術の提供が打ち切られたことから、これらをベースとして独自に設計した艦艇の開発に転じ、[[旅大型駆逐艦]]や[[091型原子力潜水艦]]を就役させた。しかしこれらは、技術的に見て当時の一級品とは言いがたいものであった。現在は、ロシアとの関係改善や中国自身の経済発展などを背景に、ロシアより[[ソヴレメンヌイ級駆逐艦|駆逐艦]]や[[キロ級潜水艦|潜水艦]]を購入したほか、[[ヨーロッパ]]やロシアの技術を導入した国産艦艇の設計・配備を進めており、戦力の質的向上を図っている。
 
 
 
中国人民解放軍海軍は、その艦艇部隊に航空援護を提供するため、ある程度の規模の戦闘用航空機部隊を有している。艦艇部隊の外洋志向に呼応して、航空部隊はその覆域を広げる努力を続けており、空中給油による航続距離の延伸のほか、国産空母の導入も模索していると伝えられている。空母の技術を研究するため、中国は[[オーストラリア]]、[[ウクライナ]]、ロシアの中古ないし建造途中の[[航空母艦]]を計3隻購入した。このうち、75%まで完成した状態でウクライナより購入した[[ヴァリャーグ (空母)|ヴァリャーグ]]を、大連において建造を再開した。完成を疑問視されることもあったが2009年の5月には機関部の修復が完了し、ドックに移されたことが確認された<ref>朝日新聞「中国の訓練用空母、主要部分が完成 旧ソ連艦を改修」(2009年5月1日/峯村健司)</ref>。2012年には[[遼寧 (空母)|遼寧]]として就役させている。
 
 
 
{{clear}}
 
==== 空軍 ====
 
[[File:Air Force Flag of the People's Republic of China.svg|thumb|50px|left|軍旗]]
 
[[ファイル:Chinese Su-27.JPG|thumb|250px|J-11戦闘機]]
 
 
 
{{Main|中国人民解放軍空軍}}
 
 
 
[[1949年]][[11月12日]]創立。総兵力38万人([[空挺部隊]]を含む)。作戦機約1950機。このうち、数における主力は、中国が[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]を国産化した[[J-7 (航空機)|J-7]]、およびこれをベースに開発した拡大改良版の[[J-8II (航空機)|J-8II]]、また[[Su-27 (航空機)|Su-27]]、さらに旧式の[[Q-5 (航空機)|Q-5]]などである。以前数千機という多数を保有していた[[MiG-19 (航空機)|MiG-19]]の国産型機J-6は既に退役している。
 
 
 
設立時には満州で捕虜となった日本軍人や整備士が中国兵を訓練している。ソ連からの軍事援助を受けるまでの訓練機及び主力機は日本軍が満州に残した日本軍機であった。
 
 
 
当初はソ連から航空機およびその技術を導入していたが、1960年代以降の中ソ対立によって新技術の提供が打ち切られたことから、これらをベースとして発展させた航空機の開発に転じた。現在は、ロシアとの関係改善や中国自身の経済発展などを背景に、ロシアからの完成機の購入およびライセンス生産、また国産の航空機に西側の技術を導入することによって、保有する航空機の質的向上を図っている。戦闘機については、ロシア製の[[Su-27 (航空機)|Su-27]]および[[Su-30 (航空機)|Su-30]]の導入、および国産の[[J-10 (航空機)|J-10戦闘機]]の量産が進められている。その第4世代戦闘機勢力は、現時点では海軍機とあわせ383機と全体の2割程度であるが、将来的には増勢が確実視されている。
 
近代化のペースは非常に早く、米国国防省の[[QDR]]では、すでに中台海峡は中国圧倒的有利、さらに周辺先進国への重大な脅威となりつつあるという判定を下している。実際、人民解放軍空軍の実質的な空軍力は、日本、韓国、在日在韓米軍をあわせたものに匹敵し、インドを含むアジアの空軍で最強であり、その急激な近代化がアジアの軍拡を誘発しているとされる。<ref>http://www.nids.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary016.pdf</ref><ref>http://www.nids.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary017.pdf</ref>
 
 
 
空輸戦力としては、旧ソ連の[[An-12 (航空機)|An-12]]を国産化した[[Y-8 (航空機)|Y-8]]を主力とする。また、大型の戦略[[輸送機]]として、1990年代前半より[[Il-76 (航空機)|IL-76MD]]を調達しているほか、これをベースとした[[空中給油機]]である[[Il-78 (航空機)|Il-78]]の購入も予定されている。また、ロシアの[[Il-76 (航空機)|Il-76]]をもとに開発し、[[イスラエル]]製の早期警戒装置を搭載した[[KJ-2000 (航空機)|空警2000]]の導入により、[[早期警戒管制機|空中早期警戒能力]]の獲得を図っている。
 
 
 
==== ロケット軍 ====
 
{{Main|中国人民解放軍ロケット軍}}
 
[[1966年]][[7月1日]]に独立[[兵種]]'''第二砲兵'''として創立される。[[1984年]][[10月1日]]の建国35周年記念軍事パレードにおいて、部隊の装備する弾道ミサイルが初めて公開された。地上発射長距離[[巡航ミサイル]]、[[短距離弾道ミサイル]]から[[大陸間弾道ミサイル]]まで幅広く保有している。設立当初は、[[核弾頭]]を搭載した弾道ミサイルによる先制不使用の核反撃力としての性格が強かったが、[[第三次台湾海峡危機]]の頃から命中精度の高い[[通常弾頭]]搭載の短距離弾道ミサイル、[[準中距離弾道ミサイル]]の開発、大量保有を志向し急激に戦力を増強している。2000年代以後は、長距離巡航ミサイルもラインナップに加わっている。兵員数は約10万人以上と推定されている。[[2015年]][[12月31日]]、第二砲兵からロケット軍へ改称。
 
 
 
==== 戦略支援部隊 ====
 
{{main|中国人民解放軍戦略支援部隊}}
 
[[2015年]][[12月31日]]に新設された。中身は明らかにされていないが、[[習近平]]主席は「国の安全を守るための新型戦力だ」とし、サイバー攻撃や宇宙の軍事利用を担う部隊が含まれると考えられている<ref>日本経済新聞「中国、ロケット軍など新設 軍改革が具体化へ」[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK01H1P_R00C16A1000000/]</ref>。
 
 
 
==== 特殊部隊 ====
 
旧来の[[人民戦争理論]]からハイテクノロジーを背景とした近代戦への移行という思想のもと、[[特殊部隊]]の育成も進んでおり、緊急展開作戦、対テロ作戦、情報収集を任務とし、7つの軍区に数万人の特殊部隊員が在籍している。最近では世界最難関の特殊部隊育成機関である[[Army international Bootcamp]]の合格者も輩出している<ref>[[瀋陽軍区]]所属の将校が合格した。この時の詳細については[[瀋陽軍区#Army international Bootcampの合格者輩出]]にある、中国中央テレビの番組で、Youtubeなどでも公開されている動画を参照。</ref>。
 
 
 
部隊の編成については「[[特殊部隊の一覧#中華人民共和国]]」を参照。
 
 
 
===準軍事組織===
 
==== 人民武装警察部隊 ====
 
{{Main|中国人民武装警察部隊}}
 
名目的には[[中華人民共和国公安部|公安部]](警察担当省庁)に所属し、非武装の公安警察とともに警察活動を行うほか、重要施設の警備や辺境警備にも従事する、[[準軍事組織]]である。しかし解放軍部隊を国内治安維持に転用したものであり、各軍区ごとに編成されており、戦時には人民解放軍の指揮下に入る。[[1982年]]の創設時の兵力は40万人だったが、人民解放軍の近代化による兵力削減にともない人民武装警察に転用される部隊が増え、現在の兵力は66万人と発表されている。[[北京市|北京]]の武警総隊が主管している。
 
 
 
== 諜報活動・政治工作 ==
 
=== 三戦(世論戦・心理戦・法律戦) ===
 
{{Main|中国人民解放軍政治工作条例}}
 
2003年12月5日、[[中国人民解放軍政治工作条例]]が修正され、解放軍に「三戦」の任務を与えることが明記された。三戦とは、世論戦、[[心理戦]]、法律戦の3つの[[戦術]]を指す。経済・文化交流を通じて[[世論]]誘導あるいは分断をし、敵の戦闘意思を削ぎ、戦わずして中国に屈服するよう仕向けるものを目的としている<ref>参照[http://www.rips.or.jp/from_rips/special_issue/si005.html 一般財団法人 平和・安全保障研究所 小谷 哲男]</ref>。
 
 
 
* '''輿論戦'''は、中国の軍事行動に対する[[大衆]]および[[国際社会]]の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とする<ref>防衛白書は、[[アメリカ国防総省|米国防省]]「中華人民共和国の軍事力に関する年次報告」を元に記載している。</ref>。[[ニュース]]・[[メディア]]などの[[報道]]、[[映画]]、[[テレビ]]番組、[[書籍]]などによる世論形成が手段とされる<ref name="okazaki"/>。世論戦の特徴としては中国共産党上層部からの[[上意下達|トップダウン]]方式による指令<ref name="okazaki"/>、敵の意思を削ぐためにメッセージを先取りして「兵馬の動く前に世論はすでに動いている」という形をとって提示するのが目指され<ref name="okazaki"/>、放送局から[[インターネット]]ユーザーまで利用できる手段をすべて使うこと<ref name="okazaki"/>などが挙げられる。
 
* '''心理戦'''は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとする<ref>{{Harvnb|防衛省|2009|loc=第I部 2節|Ref=MOD_WP2009}}</ref>。
 
* '''法律戦'''は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処する<ref>{{Harvnb|防衛省|2009|Ref=MOD_WP2009}}</ref>。
 
 
 
心理戦も法律戦も効果を高めるために世論戦が利用される<ref name="okazaki"/>。
 
 
 
三戦については情報の流出が少なく、具体的な事例は明らかにされていないが、[[同志社大学]]教授の[[浅野亮]]は[[尖閣諸島問題|尖閣諸島]]への進出は三戦の一環としている<ref>{{Cite news|newspaper=[[WEDGE Infinity]] |date=2010-10-12 |title=南シナ海に先例 中国“実効支配”の手法 今後の対中外交に求められる大局観 |url=http://wedge.ismedia.jp/articles/1082}}</ref>。また[[岡崎久彦]]は日本に対して中国が[[歴史認識]]、特に[[日中戦争]]・[[太平洋戦争]]などの[[戦争]]認識に関して宣伝工作が行われているとして、「日本は昔、中国に悪いことをした」という戦争に結びついた主張は中国国民に訴えやすく、また[[第二次世界大戦]]での「反[[ファシズム]]戦争の勝利」という図式を強調することで連合国であったアメリカに「第二次大戦中の連帯意識を思い起こさせる効果を狙ったもの」と指摘している<ref name="okazaki"/>。ただし、当時アメリカと連合していたのは[[蒋介石]]らの[[中華民国]]である。
 
 
 
[[2012年]]11月にアメリカの[[ヘリテージ財団]]研究員ディーン・チェン(Dean Cheng)はこのような中国の戦略に対抗して[[アメリカ合衆国]]も世論外交をさらに行うべきであるとして、中国へ外国人記者に対して[[相互主義]]にもとづいてビザ提供するよう要求することを提案している<ref name="okazaki">[http://megalodon.jp/2013-0118-0119-22/wedge.ismedia.jp/articles/-/2482][http://megalodon.jp/2013-0118-0122-14/wedge.ismedia.jp/articles/-/2482?page=2] 岡崎研究所「中国の「世論戦」に対抗せよ」WEDGE2013年01月11日。ディーン・チェン論文は2012年11月26日付[[ヘリテージ財団]]公式HPで発表された。</ref><ref>[http://www.heritage.org/research/reports/2012/11/winning-without-fighting-chinese-public-opinion-warfare-and-the-need-for-a-robust-american-response]Dean Cheng,Winning Without Fighting: Chinese Public Opinion Warfare and the Need for a Robust American Response,November 26, 2012,The Heritage Foundation.</ref>。アメリカでは中国人記者が数百人活動しているのに対して、中国ではアメリカ人記者は大きく規制されている<ref name="okazaki"/>。
 
 
 
=== サイバー攻撃 ===
 
{{See|サイバー戦争|中国サイバー軍}}
 
中国政府は人民解放軍がサイバー攻撃に関与していることを繰り返し否定しているが、複数のメディアにより以下の事件が報じられている([[:en:Chinese intelligence activity in other countries]]も参照)。
 
 
 
* [[2007年]]、[[ドイツ]]首相府、経済省、外務省、教育研究省へのサイバー攻撃<ref>2007年シュピーゲルの発表による。</ref>。
 
* [[2007年]][[6月]]、[[アメリカ国防総省]]にある[[ロバート・ゲーツ]][[アメリカ国防長官|国防長官]]のコンピューター・システムへの[[クラッキング (コンピューター用語)|不正侵入]]が確認された<ref>[[2007年]][[9月4日]]付の[[イギリス]]、[[フィナンシャル・タイムズ]](なお、電子版では[[9月3日]]に発表)。</ref>。
 
* [[2007年]]、[[イギリス]]外務省ら複数の政府機関へ不正侵入の可能性<ref>9月4日英[[ガーディアン]]紙による報道。英国政府は犯人が中国人民解放軍の可能性があるとして捜査中。</ref>。
 
* [[2013年]]、アメリカの情報セキュリティ会社であるマンディアントは人民解放軍の「61398部隊」がサイバー攻撃に関与しているという報告書を発表した<ref>[http://www.cnn.co.jp/tech/35028448.html 「ハッカー攻撃の背後に中国軍」 米企業が報告書] cnn.co.jp 2013年2月19日</ref><ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130220/457341/ 「大規模サイバー攻撃は中国人民解放軍の[[61398部隊]]が関与」、米セキュリティ会社が報告書公開] ITpro 2013年2月20日</ref>。
 
 
 
==== 陸水信号部隊の関与 ====
 
2010年7月6日に、米国の調査機関メディアス・リサーチは、「中国・サイバー・スパイと米国の国家安全保障」を発表、同報告書のなかで、2009年から2010年にかけて米国の政府・軍機関や民間企業に対して頻発したサイバー攻撃の発信源は中国人民解放軍[[海南島基地]]の[[陸水信号部隊]](隊員数は約1100人)であるとした<ref>産経新聞2010年7月10日記事</ref>。IPアドレスをはじめ、各種データの分析より分析され、発信源は「海南テレコム」と認定されたが、この海南テレコムは事実上、陸水信号部隊と同一である<ref>産経新聞2010年7月10日記事</ref>。サイバー攻撃の標的は米国や台湾の軍事関連施設、チベット関連施設であった。また同報告書は、[[陸水信号部隊]]は中国人民解放軍総参謀部第3部の指揮下で育成されたサイバー戦争用部隊とした。
 
 
 
中国政府は政府は無関係と主張したが、中国政府に自国内からのサイバー攻撃の調査を実施し、その結果を米国に伝えるよう求める決議案が米国議会上院に提出された。<ref>産経新聞2010年7月10日記事</ref>
 
 
 
==== 日本へのサイバー攻撃 ====
 
また、[[2010年]]9月に日本の政府系機関に対して行われた中国からのサイバー攻撃について、[[警察庁]]は「[[サイバーテロ]]の脅威はますます現実のものになっている」と警戒感を示し<ref>平成22年版の「治安の回顧と展望」</ref>、日本だけでなく米国などの各国機関に対して行われた一連のサイバー攻撃に関して、「米国の民間機関が、単一で最大の発信源は中国の[[海南島]]に拠点を置く中国人民解放軍の部隊と断定した」と指摘した。更に、中国の情報収集活動について、「諸外国にて違法な活動を行っている」と言及した。「日本国内でも防衛関連企業や先端科学技術保有企業、研究機関に中国人留学生や中国人研究者を派遣するなどして、巧妙かつ多様な手段で情報収集活動を行っている」と警戒感を示した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101209/crm1012090500003-n1.htm 「サイバーテロの発信源は中国人民解放軍と米機関断定」 22年治安の回顧と展望 - MSN産経ニュース]</ref>。
 
 
 
==== グーグル攻撃 ====
 
{{See|Google}}
 
2010年1月13日、[[中華人民共和国|中国]]で中国政府に批判的な政治活動家が所有するGMailアカウントに対して中国国内から[[Internet Explorer]]の脆弱性を利用した攻撃を受けていたことを[[Google]]が公式ブログで告白、攻撃した一部ユーザーが中国政府であったため中国政府の検閲についても反発し中国から検索事業の撤退を示唆した<ref>[http://jp.techcrunch.com/archives/20100112google-china-attacks/ Google、中国からの大型サイバー攻撃に中国市場撤退も]</ref><ref name="autogenerated1">[http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/series/infostand/20100125_344668.html IEを使わないよう政府機関が呼びかけ-Google中国攻撃に使われた脆弱性の波紋 - Enterprise Watch]</ref>。
 
 
 
中国外務省スポークスマンは「国内の法律に従うしかない」と述べるも、[[ヒラリー・クリントン]]アメリカ合衆国国務長官は「サイバー攻撃に対して説明を求める」とした<ref>[http://ascii.jp/elem/000/000/489/489979/ ASCII.jp:米国務長官、中国政府に説明求める - Google中国へのサイバー攻撃に関して]</ref>。なお、Internet Explorerはこの攻撃に使われた脆弱性が問題となり、[[オーストラリア]]政府機関が同攻撃に対する脆弱性が無い他[[ブラウザ]]への推奨を進めるといった異例の事態に発展、特にGoogleは中国ユーザーに利用者が多いInternet Explorer 6のブラウザに対してのサポートを同年3月で打ち切った<ref name="autogenerated1"/>。
 
 
 
Google社は中国政府と交渉を重ねたが<ref name="autogenerated2">[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/16/news037.html Google、中国と協議を継続中 撤退の可能性も濃厚 - ITmedia News]</ref>、2010年3月23日にGoogleは中国国内から検索事業を撤退、中国(google.cn)にアクセスすると検閲のない[[香港]](google.com.hk)に飛ぶようになった。ただし、中国国内から香港の当該サイトで中国政府の規制しているキーワードを検索すると接続が出来なくなるなど、中国当局による規制が行われていると一部のメディアで報道された<ref>[http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003230002.html CNN.co.jp:グーグルが中国でのネット検閲中止、事実上の撤退表明] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20100324191336/http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003230002.html |date=2010年3月24日 }}</ref><ref name="autogenerated2"/>。
 
{{seealso|{{仮リンク|ゴーストネット|en|GhostNet}}}}
 
 
 
2010年12月には、[[ウィキリークス]]が公開をした米外交公電により、一連の[[グーグル]]攻撃は中国政府が行ったもので、攻撃を統括したのは[[周永康]]と[[李長春]]であったことが判明した<ref>{{cite news |title=流出の米公電、グーグル攻撃「中国共産党指導部が指示」=報道 |newspaper=ロイター |date=2010-12-05 |url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18478520101205 |accessdate=2011-02-08}}。2010年12月4日の米ニューヨーク・タイムズ紙による。</ref>。
 
 
 
==== 中国国防部による認知 ====
 
[[2011年]][[5月25日]]、[[中華人民共和国国防部]]の耿雁生報道官は、定例記者会見において[[広東省]][[広州]]軍区のサイバー軍に関する質問を受け、その存在を認め<ref>{{Cite news
 
|url=http://www.xinhua.jp/socioeconomy/politics_economics_society/275438/
 
|title=中国国防省、広州でサイバー軍創設「ネット安全向上」目的に
 
|newspaper=[[毎日中国経済]]
 
|date=2011-05-27
 
|accessdate=2011-06-05
 
}}</ref>
 
<ref>{{Cite news
 
|url=http://www.theaustralian.com.au/australian-it/chinas-blue-army-could-conduct-cyber-warfare-on-foreign-powers/story-e6frgakx-1226064132826
 
|title=China's Blue Army of 30 computer experts could deploy cyber warfare on foreign powers
 
|newspaper=THE AUSTRALIAN(英語)
 
|date=2011-05-27
 
|accessdate=2011-06-05
 
}}</ref>、中国軍のインターネットセキュリティーの水準向上が目的と説明した。
 
 
 
また、[[新唐人電視台|新唐人テレビ]]によれば「中国のネット上には当局にとり有利な発言を書き込む“五毛”(ウーモ)と呼ばれる“世論誘導役”がおり、その数約30万人」<ref>{{cite web|url=http://www.ntdtv.jp/ntdtv_jap/other/2011-06-02/544842864448.html |title=新唐人テレビ日本 |publisher=Ntdtv.jp |date=2010-10-11 |accessdate=2012-11-08}}</ref>としている([[五毛党]]<ref>1件当たり5毛(約6円)の報酬で、中国政府に有利な発言をインターネット上に書き込むといわれる。2010年12月14日、朝日新聞 朝刊 オピニオン1</ref>)。
 
 
 
中国網は「国防部は「『ネット藍軍』はいわゆる『ハッカー部隊』ではなく、国防当局が自らの必要に基づき臨時創設したネット防衛訓練機関だ。国際社会は行き過ぎた解釈をすべきでない」と回答した。」とし、あくまでアメリカが設立した点と防衛用である点を強調する事で、アメリカ側の攻撃用だと示唆した。なお、アメリカ側は中国側からの攻撃に対応するために米サイバー軍を立ち上げている<ref>{{cite news|url=http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062401000263.html |title=米国防長官がサイバー軍創設指示 中国など念頭に |publisher=共同 |date=2009-06-24}}</ref>と主張している。
 
 
 
2011年11月3日、米国の国家防諜局は報告書「サイバー空間で米国の経済機密を盗む外国スパイ」を議会に提出し、そのなかで[[中華人民共和国]]は「世界で最も活発かつ執拗な経済スパイ」とし、他ロシアを含め、スパイ活動の実行者として非難した<ref>2011年11月7日 読売新聞</ref>。
 
 
 
== 軍事戦略・軍事外交・発言 ==
 
=== 台湾問題と核攻撃発言 ===
 
{{Main|台湾問題|米中関係}}
 
[[1989年]]に発生した[[六四天安門事件]]で米国をはじめとした主要国はこぞって[[中国の人権問題|中国の人権状況]]を非難し、米国は高レベル交流を中止し、対中武器禁輸及び[[経済制裁]]を課した。こうした[[米中関係]]の悪化をうけて、[[1995年]]、中国軍部副参謀総長[[熊光楷]]は「もし米国が台湾に介入したら、中国は核ミサイルでロサンゼルスを破壊する。米国は台北よりロサンゼルスを心配した方がよい」と、[[台湾海峡危機|台湾海峡での武力紛争]]に米国が介入した場合、中国はロサンゼルスに対して核攻撃する可能性があると表明した<ref>[http://www.epochtimes.jp/jp/2005/07/html/d47136.html][[大紀元]]日本語版2005年7月18日</ref>。
 
 
 
翌[[1996年中華民国総統選挙]]に際して、中国は[[台湾海峡]]において[[ミサイル]]演習を行い、台湾を恫喝した。米国は2つの[[航空母艦|空母]][[機動部隊]]を派遣、[[台湾有事#台湾有事を巡る動き#台湾海峡ミサイル危機|第三次台湾海峡危機]]が危ぶまれたが、1997年に[[江沢民]]の訪米が実現し、1985年に結ばれた平和的な核協力協定で合意<ref>U.Hawaii, 1997</ref>。1998年には[[ビル・クリントン]]大統領が訪中したことで台湾海峡の緊張は緩和された。その後、[[人権]]・[[核拡散防止条約|核不拡散]]などの協議が行われ、米中関係は改善した。
 
 
 
2001年4月1日、米軍偵察機と中国の戦闘機が空中衝突事故([[海南島事件]])が発生するが、米中関係は緊張するものの悪化しなかった。
 
 
 
=== 上海協力機構 ===
 
2001年6月15日に中国は、[[西側諸国]]を警戒する[[ロシア]]や[[中央アジア]]諸国とともに[[安全保障]]機関「[[上海協力機構]]」 ([[:en:Shanghai Cooperation Organisation|SCO]]) を発足させて、西側を牽制。その後、上海協力機構には中立国の[[モンゴル]]や米国の同盟国である[[パキスタン]]と友好国インドも参加、米国と対立する[[イラン]]も参加した。同機構加盟国はしばしば共同軍事演習を行い、2005年には中ロ共同軍事演習、露印共同軍事演習を行い、同[[2005年]]には、米軍が中央アジアから撤退するように要求した。
 
 
 
2007年に中印共同軍事演習が実施されたものの、インドと米国は[[2006年]]に、パキスタンが中国の技術提供により核武装を進めつつあるため、[[米印原子力協力|米印原子力協力協定]] ([[:en:Indo-US civilian nuclear agreement|Indo-US civilian nuclear agreement]]) を締結している。日本も西側陣営として2006年11月には[[麻生太郎]]外相が「[[価値観外交|自由と繁栄の弧]]」政策を打ち出し、2007年8月には[[安倍晋三]]首相が訪印して日印の安全保障・防衛分野での協力を確認している<ref>{{cite press release|url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe/iim_07/india_rm.html |title=外務省: 新次元における日印戦略的グローバル・パートナーシップのロードマップに関する共同声明(仮訳) |publisher=外務省 |date= |accessdate=2012-11-08}}</ref>。
 
 
 
=== 台湾問題の再燃と朱成虎発言 ===
 
2005年にもし[[台湾]]が公式に独立宣言をするならば中国は武力を用いてそれを阻止する事を述べた[[反国家分裂法]]が中国で制定された。
 
 
 
同[[2005年]][[7月6日]]には、[[朱成虎]]少将が「米国政府が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、核攻撃も辞さない」と海外メディア[[記者会見]]において発言した<ref name="epochtimes2005">[http://www.epochtimes.jp/jp/2005/07/html/d47136.html][[大紀元]]日本語版2005年7月18日中国語では「核武制美(=核の武で[[アメリカ合衆国|美国]]を制圧する)」などとも表現される。</ref>。発言は以下の通り。
 
 
 
{{Squote|
 
我々(中国)は[[核兵器]]の[[先制攻撃]]により中国以外の人口を減らすと共に自民族を温存させる事に力を注ぐべきで、この核戦争後に百年余りの屈辱に満ちた歴史を清算し未来永劫この地球を支配する様に成るだろう。世界人口の総数は既に地球資源と生態環境の許容能力を超えており、これを解決する為に戦争、疫病或いは飢饉などの手段を用いて大量に人口を消滅させ、人類を引き続き生存させるべきである。中国政府は全力で核兵器の開発に取り組んでおり、10年以内には地球上の半数以上の人口を消滅させるだけの核兵器を装備することが可能である。中国は[[西安市|西安]]以東の全都市が焦土となる事を覚悟している。米国も数百の都市が破壊される事を覚悟しなければならない。
 
--''朱成虎発言,2005年7月6日''<ref>[http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/03/][[ウォールストリート・ジャーナル]]アジア版副編集長のダニー・ギティングス記者による報道</ref>。}}
 
 
 
この朱成虎発言に対して[[アメリカ国家安全保障会議]]報道官の[[ショーン・マコーマック]]は7月15日、朱成虎発言は「極めて無責任で、中国政府の立場を代表しないことを希望する。非常に遺憾」と非難し、7月22日には[[アメリカ下院議会]]は、発言撤回と朱成虎少将の罷免を求める決議を採決した。中国政府はのちに公式見解ではないと発表したが、これについて[[台湾高等政策研究協会]]執行長官[[楊念祖]]は朱成虎の発言はアメリカ合衆国と日本に向けられたもので、中国政府は米日両国の反応を試しているとした<ref name="epochtimes2005"/>。
 
 
 
=== 太平洋分割管理構想 ===
 
2007年5月に[[アメリカ太平洋軍]]総司令官、[[ティモシー・J・キーティング]]<ref>Navy Admiral Timothy J. Keating</ref>海軍大将が訪中した際、中国海軍幹部から、[[ハワイ]]を基点に米中が[[太平洋]]の東西を「分割管理」する構想を提案されていた事が2008年の上院軍事委員会公聴会で明らかにされた<ref name="tai">産経新聞2008年3月12日記事「中国海軍、米軍に「太平洋分割管理」提案 露骨な野心」</ref>。中国海軍幹部は、中国が[[航空母艦]]を保有した場合、ハワイ以東を米国が、ハワイ以西を中国が管理する事で合意したいと申出た<ref name="tai"/>。キーティング司令官は「冗談だとしても、[[中華思想|人民解放軍の戦略構想]]を示すもの」とした。なおキーティング司令官は提案者を伏せたが、2007年5月時点で中国海軍の[[呉勝利]]司令官と会談している<ref name="tai"/>為、この発言は呉司令官に可能性が高い。
 
 
 
また[[2007年]]8月には、中国軍による太平洋分割管理提案について、米政府内の[[親中派]]内で提案に前向きな姿勢を示す者も有ったと報道されている<ref>2007年8月の米紙ワシントン・タイムズの報道。</ref><ref name="tai"/>。
 
 
 
[[2012年]]11月、[[ヒラリー・クリントン]][[アメリカ合衆国国務長官|米国務長官]]は中国と[[南シナ海]]の[[領有権]]問題について協議した際、中国側の高官の1人が「(中国は)[[ハワイ]]の領有権を主張する事もできる」と発言し、これに対してヒラリー長官は「やってみてください。我々は[[国際司法裁判所|仲裁機関]]で領有権を証明する。これこそ貴方がたに求める対応だ」と応じた事を明らかにした<ref name="clinton">[http://megalodon.jp/2013-0118-0221-25/sankei.jp.msn.com/world/news/121130/chn12113020080006-n1.htm]『中国 ハワイ領有権も主張できる」 米国務長官、協議の一幕明かす』産経新聞2012.11.30。[http://www.state.gov/secretary/rm/2012/11/201235.htm Remarks at the Foreign Policy Group's "Transformational Trends 2013" Forum]The Newseum
 
Washington, DC,November 29, 2012</ref>。
 
 
 
=== オバマ政権 ===
 
[[2008年アメリカ合衆国大統領選挙]]に[[民主党 (アメリカ)|民主党]]候補で勝利し、第44代[[アメリカ合衆国大統領]]に就任した[[バラク・オバマ]]は外交政策では当初「親中派」と見られていたため、米中両国の友好関係の緊密化が期待された。
 
 
 
オバマ大統領は、同年11月に訪中して[[胡錦濤]]主席と会談、共同声明で「米中の戦略的相互信頼の構築と強化」を謳い、[[G2]]([[チャイメリカ]])という二大大国を意味する言葉が謳われ<ref>[http://kkmyo.blog70.fc2.com/blog-entry-482.html 辻本貴一2009/08/03ブログ記事]</ref>、米中接近が演出された。この当時は、オバマ大統領は会談などで[[中国の人権問題|中国国内の人権問題]]や[[チベット自治区]]、[[新疆ウイグル自治区]]、国内における[[中国の少数民族|少数民族]]への弾圧や民族浄化政策などへの批判を控え、中国側の自制を期待していた。
 
 
 
しかし中国はその後も、[[南沙諸島]]問題などで周辺諸国に積極的な軍事行動をとり、中国におけるアメリカ寄りの民主化活動家[[劉暁波]]への[[ノーベル平和賞]]授与への妨害介入など、毅然とした態度を取り続けた。
 
 
 
アメリカ側も、2010年以降台湾への兵器売却の決定、[[ダライ・ラマ14世]]とオバマとの会談を実施するなど、方向転換しつつあるという見方も有る。
 
 
 
ただし、オバマは中国を経済的なパートナー国であるとも宣言しており、[[米中関係]]の緊密化は必要だとも述べていた。
 
 
 
==== 米中関係の緊張 ====
 
[[2011年]][[1月14日]]には米紙[[ワシントン・ポスト]]においてアメリカ政界の重鎮である[[ヘンリー・キッシンジャー]]元米国務長官が「米中は冷戦を避けなければならない」と述べ、米中が冷戦状態に入りつつあると警鐘を鳴らす記事が掲載された。キッシンジャーは米中が冷戦状態に入った場合、「核拡散や環境、エネルギー、気候変動など、地球規模で解決が必要な問題について、国際的に(米中の)どちらに付くかの選択を迫ることになり、各地で摩擦が発生する」と述べた<ref>{{citenews|url=http://sankei.jp.msn.com/world/america/110115/amr1101151347007-n1.htm|title=「米中は冷戦を避けなければならない」 キッシンジャー元国務長官|publisher=産経新聞|date=2011-1-15|accessdate=2011-1-15}}</ref>。
 
 
 
[[2011年]][[11月9日]]、[[アメリカ国防総省]]は「[[エア・シーバトル]]」(空・海戦闘)と呼ばれる特別部局の創設、中国の軍拡に対する新たな対中戦略の構築に乗り出していることが明らかとなった。この構想には中国以外の国は対象に入っていないとアメリカ側は事実上認めており、米政府高官は「この新戦略は米国の対中軍事態勢を東西冷戦スタイルへと変える重大な転換点となる」と述べた<ref>{{cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/world/news/111111/amr11111101180001-n3.htm|title=米が対中新部局「エア・シーバトル」空・海戦闘一体…高官「南シナ海脅威座視しない」|publisher=産経新聞|date=2011年11月11日|accessdate=2011年11月11日}}</ref>。
 
 
 
[[2014年]]には[[環太平洋合同演習]]([[リムパック]])に参加して米中合同演習を行うも、中国から情報収集艦「[[東調級情報収集艦|北極星]]」が派遣されたことは物議を醸した<ref name=JBP20160804>北村淳、「リムパックで海上自衛隊を露骨に侮辱した中国海軍 海軍の信義を再びないがしろに」『JBpress』、2016年8月4日、日本ビジネスプレス [http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47516]</ref>。
 
 
 
==== 米軍のオーストラリア駐留 ====
 
[[アジア太平洋経済協力]](APEC)首脳会議の3日後の[[2011年]]11月16日、オバマ米大統領は[[オーストラリア]]北部への[[アメリカ海兵隊|米海兵隊]]駐留計画を発表し、2012年から米軍が[[ダーウィン]]などに半年交代で駐留、[[オーストラリア国防軍|豪州軍]]と共同訓練や演習を実施し、最終的に2500人の駐留を目指すとし、海上交通路([[シーレーン]])確保を狙った米軍配備を進め、中国への牽制を行った<ref name="nikkei20111116a">{{cite news |title=米海兵隊、豪州に2500人駐留へ 中国けん制 |newspaper=日本経済新聞 |date=2011-11-16 |url=http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE3E4E2E79A8DE3E4E3E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2}}</ref>。
 
 
 
豪州は米国が[[東アジア]]有事として想定していた[[台湾海峡]]や[[朝鮮半島]]などから距離があり、これまで拠点としての重要度は低かったが、中国から直接の軍事攻撃は受けにくいこと、また南シナ海、インド洋へのアクセスにおいて戦略的な位置付けが高まったとされる<ref name="nikkei20111116a"/>。
 
 
 
これに対して中国政府は中国共産党機関紙・[[人民日報]]系の英字紙『グローバル・タイムズ』を通じて「豪州は中国をバカにしてはならない。中国の安全保障を弱体化させているのに、それと切り離して経済協力を進めることはできない。越えてはならない一線がある」と批判した<ref>{{cite news |title=米軍の豪駐留に中国反発 「時代に適さない」 |newspaer=日本経済新聞 |date=2011-11-16 |url=http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381959FE3E4E2E6968DE3E4E3E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E2;bm=96958A9C9381959FE3E4E2E79A8DE3E4E3E3E0E2E3E39F9FEAE2E2E29}}</ref>。
 
 
 
また[[インドネシア]]のマルティ・ナタレガワ外相は、米軍の豪州駐屯について、中国の反発を生むとして危険性を指摘した<ref>{{cite news |title=アジア太平洋地域、激動の1カ月=米国の対中戦略を振り返る―SP英字紙 |publisher=レコードチャイナ |date=2011-12-01 |url=http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=56492 |accessdate=2012-01-09}}</ref>。
 
 
 
=== 「第一列島線」構想 ===
 
[[File:Geographic Boundaries of the First and Second Island Chains.png|thumb|350px|左が第一列島線、右が第二列島線]]
 
{{See|第一列島線}}
 
米議会諮問機関「米中経済安全保障見直し委員会」年次報告書は2011年11月16日、中国が東アジアにおける[[有事]]の際、[[奇襲攻撃]]や先制攻撃で米軍の戦力を低下させ、日本周辺を含む東シナ海までの海洋権益を支配する戦略を中国軍は持っていると指摘した<ref name="yomiuri20111116">{{cite news |title=米委、有事の際の中国軍事行動を予測…日本周辺 |newspaper=読売新聞 |date=2011-11-16 |url=http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111116-OYT1T01119.htm}}</ref>。また中国軍は、指揮系統をコンピューターに依存する米軍の弱点を突く形でサイバー攻撃を仕掛ける作戦や、南シナ海や東シナ海での紛争では対艦弾道ミサイルや巡航ミサイルによって、九州―沖縄―台湾―フィリピンを結ぶ[[第一列島線]]<ref>[http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/070523-China-Military-Power-final.pdf Military Power of the People’s Republic of China 2007] P16 ほかに宝島社『自衛隊vs中国軍』 ISBN 479664802X p.55では千島列島を起点としスラベシ島・ジャワ島までいたるとしている</ref>を規準に防衛[[戦線]]をとり、かつ米軍等を含む他国の介入を阻害する作戦があるとも指摘した<ref name="yomiuri20111116"/>。
 
 
 
第一列島線はもともと1982年に[[鄧小平]]の意向を受けて、'''中国人民解放軍'''海軍司令官・[[劉華清]](1989年から1997年まで[[中国共産党中央軍事委員会|党中央軍事委員会]]副主席)が打ち出した構想で、2010年までに第一列島線内部(近海)の[[制海]]確保をし、[[2020年]]までに[[第二列島線]]内部の制海権確保をし、[[2040年]]までに航空母艦建造によって、米海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止し、米海軍と対等な海軍を持つというものであった<ref>[http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/070523-China-Military-Power-final.pdf 米国防総省2007年議会報告書「中国の軍事力」]</ref>。
 
 
 
2011年12月25日の日中首脳会談では、中国側が中国包囲網を切り崩すために懐柔するとみられ<ref>{{cite news |title=中国、包囲網切り崩し狙う 対日外交で主導権 |newspaper=産経新聞 |date=2011-12-24 |url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111224/plc11122419560015-n1.htm |accessdate=2012-01-09}}</ref>、実際、日中で高級事務レベル海洋協議の開設と海上捜索・救助協定([[SAR協定]])の締結で合意した<ref>{{cite news |title=中国、首相歓待し日米分断狙う |newspaper=産経新聞 |date=2011-12-27 |url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111227/plc11122706550005-n1.htm |accessdate=2012-01-09}}</ref>。なお12月17日(発表は19日)には北朝鮮の[[金正日]]書記の死去をうけて、周辺諸国は緊張していた。
 
 
 
[[2012年]][[1月5日]]、オバマ大統領は5日、アジア太平洋地域での軍事的なプレゼンスを強化する内容の新国防戦略「米国の世界的リーダーシップの維持と21世紀の国防の優先事項」を発表した<ref name="mainichi20120106">{{cite news |title=米国:中国とイラン名指し脅威指摘 新国防戦略 |newspaper=毎日新聞 |date=2012-01-06 |url=http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20120106k0000e030152000c.html |accessdate=2012-01-09}}</ref>。新戦略文書では中国とイランを名指し、[[サイバー攻撃]]やミサイル開発などの非対称的手段で米国に対抗していると指摘、中国について軍事力増強の意図の透明化を求めたうえで、オバマ大統領は演説で「第二次大戦やベトナム戦争の後のように、軍を将来への準備もない状態にする失敗は許されない。米軍を機動的かつ柔軟に、あらゆる有事に対応できるようにする」と述べ、米国が[[安全保障]]を主導する決意を示した<ref name="mainichi20120106"/>。これに対して中国政府系メディアは警戒感を示した<ref>{{cite news |title=米国防新戦略 中国メディア警戒感 |publisher=NHK |date=2012-01-06 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120106/t10015099861000.html |accessdate=2012-01-09}}{{リンク切れ|date=2017年9月}}</ref>。
 
 
 
== その他 ==
 
=== 日中交流 ===
 
[[1977年]]から鄧小平の提唱により元[[陸将]]の[[三岡健次郎]]が[[中国政経懇談会]]を設立して以来、[[自衛隊]]OBと中国人民解放軍の間では交流事業が中断なく続いている<ref>Willマンスリーウイル『自衛隊OB・人民解放軍交流会報告 中国の狙いは「尖閣に五星紅旗」』 2013年9月</ref>。
 
 
 
また、毛沢東の要請<ref>呉学文,王俊彦『廖承志与日本』,北京:中共党史出版社、 2007年,222頁.</ref>を受けて元[[大日本帝国陸軍]][[中将]]の[[遠藤三郎 (陸軍軍人)|遠藤三郎]]が創設した「日中友好元軍人の会」<ref>遠藤三郎『日中十五年戦争と私』五、十二年ぶりの中国(一九七二年七月十五日稿)</ref>や中国人民解放軍に属した元日本人兵士<ref>{{Cite web|url=http://japanese.cri.cn/881/2010/07/29/162s161704.htm|title=元解放軍の日本人兵士 戦友と北京で懇談|date=2010-07-29|accessdate=2017-11-02|publisher=[[中国国際放送]]}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zrdt/t521337.htm|title=梁光烈国防相、日本人元解放軍兵士訪中団と会見|date=2008-11-07|accessdate=2017-11-02|publisher=[[駐日中華人民共和国大使館]]}}</ref>による中国人民解放軍関係者との交流活動もかねてからあった。
 
 
 
[[日本財団]]初代会長の[[笹川良一]]が設立<ref>[https://www.spf.org/sjcff-j/projects/summary2016.html 2016年度事業紹介笹川日中友好基金 THE SASAKAWA JAPAN-CHINA FRIENDSHIP FUND]</ref>した[[笹川日中友好基金]]による佐官級の交流は2001年から始まっている。
 
* 中国人民解放軍中青年将校研修団の受け入れ(2005年8月22日)
 
* 中国人民解放軍[[交響楽団]]日本初公演(2007年10月7日)
 
* 中国人民解放軍[[佐官]]級訪日研修団の受け入れ(2007年10月25日)
 
* 中国人民解放軍[[ミサイル駆逐艦]]「[[深セン (駆逐艦)|深{{lang|zh|圳}}]]」[[東京湾]]に親善入港(2007年11月28日)
 
 
 
=== 中台交流 ===
 
国共内戦で対峙した台湾の中華民国国軍OBと人民解放軍の間では[[黄埔軍校同学会]]などを通じて活発に交流が行われており、2011年6月6日に北京で両軍の交流行事が行われた際に出席した{{仮リンク|夏瀛洲|zh|夏瀛洲}}ら台湾の退役将校が「われわれ国軍も共産党軍もともに同じ中国軍」「歴史的任務と使命である中台統一のためにともに頑張ろう」と席上で発言してこれを人民解放軍少将の[[羅援]]が称賛したことは台湾で当時の[[馬英九]][[中華民国総統]]が「困惑してる」とする声明を出すに至る大きな騒ぎとなった<ref>『台湾軍元将官の「同じ中国軍」発言に馬総統が「困惑」と声明』産経新聞2011年6月10日</ref><ref>{{cite news | url =http://news.ltn.com.tw/news/focus/paper/499155| title =「國軍共軍都是中國軍」退役將領敵我不分| publisher =[[自由時報]]| date= 2011-06-09| accessdate =2017-10-10}}</ref>。2016年11月11日にも北京で開催された[[孫文]]生誕150周年記念式典に招かれた中華民国国軍の退役将校団が中華人民共和国の国歌である[[義勇軍行進曲]]の演奏の際に起立したことが台湾で物議を醸し、羅援少将は「先祖を忘れ、国家を分裂させ、統一という歴史の流れに逆らう者は罰すべきだ」とこれを擁護した<ref>{{cite news | url =http://news.china.com/domesticgd/10000159/20161118/23898966.html| title =解放军少将:两岸军人打断骨头还连着筋| publisher =中华网| date= 2016-11-18| accessdate =2017-11-19}}</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist|3}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite book|和書|author=浅野亮|authorlink=浅野亮|year=2009|month=3|title=中国の軍隊|publisher=[[創土社]]|isbn=978-4-7893-0003-2|url=http://www.soudosha.jp/search/books/300/202.html|ref=浅野2009}}
 
* {{Cite book|和書|author=[[茅原郁生]]編著|year=2006|month=11|title=中国軍事用語事典|publisher=[[蒼蒼社]]|isbn=4-88360-067-X|url=http://www.mmjp.or.jp/sososha/hon/gunji/index.html|ref=茅原2006}}
 
* {{Cite book|和書|author=[[茅原郁生]]編著|year=2008|month=10|title=中国の軍事力 2020年の将来予測|publisher=蒼蒼社|isbn=978-4-88360-080-9|url=http://www.mmjp.or.jp/sososha/hon/gunji/gunjiryoku_2020.html|ref=茅原2008}}
 
* {{Cite book|和書|author=平松茂雄|authorlink=平松茂雄|year=1999|month=1|title=中国の軍事力|series=[[文春新書]]|publisher=[[文藝春秋]]|isbn=4-16-660025-7|url=http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166600250|ref=平松1999}}
 
* {{Cite book|和書|author=平松茂雄|authorlink=平松茂雄|year=2005|month=12|title=中国の安全保障戦略|publisher=[[勁草書房]]|isbn=4-326-35136-5|url=http://www.keisoshobo.co.jp/book/b27361.html|ref=平松2005}}
 
* {{Cite book|和書|author=米国防総省|authorlink=アメリカ国防総省|year=2009|title=ペンタゴン報告書 中華人民共和国の軍事力|edition=2009年版|publisher=[[国際情報センター]]|isbn=978-4-9904741-0-2|ref=米国防総省2009}}
 
* {{Cite book|和書|editor=[[防衛省防衛研究所]]編|year=2011|month=3|title=中国安全保障レポート|publisher=[[防衛省防衛研究所]]|isbn=978-4-939034-79-4|url=http://www.nids.go.jp/publication/chinareport/index.html|ref=防衛省2011}}
 
* {{Cite book|author=David Shambaugh|authorlink=:en:David Shambaugh|year=2004|origyear=2002|month=April|title=Modernizing China's Military: Progress, Problems, and Prospects|series=A Philip E. Lilienthal Book in Asian Studies|publisher=University of California Press|isbn=0520242386|ref=Shambaugh2004}}
 
* {{Cite report |last=防衛省 |authorlink=防衛省|date=2009 |title=平成21年版 [[防衛白書]] |url=http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/ |publisher=日本国 |ref=MOD_WP2009}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{commons|People's Liberation Army (China)}}
 
* [[軍服 (中華人民共和国)]]
 
* [[八路軍]]
 
* [[戦備等級 (中国人民解放軍)]]
 
* [[中国人民解放軍陸軍]]
 
* [[中国人民解放軍海軍]]
 
* [[中国人民解放軍空軍]]
 
* [[中国人民武装警察部隊]]
 
* [[中華人民共和国の大量破壊兵器]]
 
* [[中国人民解放軍進行曲]]
 
* [[中国人民解放軍ロケット軍]]
 
* [[中国人民解放軍の教育機関一覧]]
 
* [[中国の宇宙開発]]
 
* [[中国脅威論]]
 
* [[中国北方工業公司]]
 
* [[六四天安門事件]]
 
* [[八一足球隊]] - 中国人民解放軍により結成されていた[[サッカー]]クラブ
 
* [[:en:Military budget of the People's Republic of China]]
 
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.81.cn/ 中国军网 - 中国人民解放军官方军事新闻门户] - 公式サイト
 
* [http://www.81.cn/ 中国军网 - 中国人民解放军官方军事新闻门户] - 公式サイト
** [http://english.chinamil.com.cn/ China Military Online] - 英語版の公式サイト
+
{{テンプレート:20180815sk}}
* [http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2007/2007/html/j1231100.html 第3節 中国] - 平成19年版[[防衛白書]](日本語)
 
* [https://web.archive.org/web/20080724074825/http://report.mnd.gov.tw/ 中華民国九十五年国防報告書](繁体字、英語)
 
* [http://japanese.china.org.cn/ri-zhengzhi/7.htm 中国の政治制度(軍事)] - [[中国網]](日本語)
 
* [http://www.china7.jp/bbs/board.php?bo_table=2_1&wr_id=8 CHINA7-中国の軍事](日本語)
 
* [http://www.globalsecurity.org/military/world/china/pla.htm Globalsecurity.org/China](英語)
 
* [http://cpc.people.com.cn/GB/64150/64154/4511199.html 中国人民解放軍軍歌(音声ファイルと歌詞)] - 中国共産党新聞網(中国語)
 
 
 
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中国人民解放軍(ちゅうごくじんみんかいほうぐん、拼音: Zhōngguó rénmín jiěfàngjūn

中華人民共和国の正規軍。中国共産党によって強力に指導され,祖国防衛と建設にあたっている。 1927年8月1日の南昌暴動を建軍の日とし,中国工農紅軍,八路軍および新四軍と呼ばれていたが,47年3月以来現在名に改称された。軍民一致,将兵一致を原則とし,戦闘工作とともに,政治工作,生産工作が重視され,治水灌漑工事や道路・鉄道建設,農業生産活動などにも大規模に参加してきた。階級のない軍隊として,毛沢東軍事思想に基づくゲリラ型の戦略,戦術を基礎にしてきたが,朝鮮戦争に人民志願軍として参加したあと,彭徳懐国防部長は 55年には元帥以下の階級制を設け,装備の近代化と兵士の職業軍人化をはかった。 59年8月彭が失脚したあと林彪が国防部長として「毛沢東思想」に基づく軍の政治・思想工作を進め,65年には階級制が廃止された。文化大革命では奪権闘争に指導的な役割を演じ,全国的な軍事管制が実現して軍幹部が革命委員会,党委員会の重要ポストを占めた。

71年9月林彪事件が生じ,林彪以下黄永勝総参謀長をはじめ,大量の軍首脳が失脚した。人民解放軍は,事実上,中国共産党中央軍事委員会の統率下にあり,機構上は総参謀部,総政治部,総後勤部の3幕僚機構に分れ,全国を7大軍区 (85年以前は 11大軍区)に分けている。陸海空三軍の総兵力は約 320万 (1990) といわれる。なお一時廃止されていた階級制は 88年に復活した。


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