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{{Otheruses}}
 
[[File:H-IIA F16 launching IGS-O3.jpg|thumb|200px|[[H-IIAロケット]]ロケット16号機の打ち上げ]]
 
[[File:H-IIB F2 launching HTV2.jpg|thumb|200px|[[H-IIBロケット]]2号機の打ち上げ]]
 
[[File:Lambda Rocket Launcher.jpg|thumb|200px|[[L-4Sロケット|ラムダ4Sロケット]]]]
 
'''ロケット'''({{lang-en-short|rocket}})は、自らの[[質量]]の一部を後方に射出し、その[[反作用]]で進む力([[推力]])を得る装置([[ロケットエンジン]])、もしくはその推力を利用して移動する装置である。外気から酸化剤を取り込む物([[ジェットエンジン]])は除く。
 
  
狭義にはロケットエンジン自体をいうが、先端部に[[人工衛星]]や[[宇宙探査機]]などの[[ペイロード (航空宇宙)|ペイロード]]を搭載して[[宇宙空間]]の特定の[[人工衛星の軌道|軌道]]に投入させる手段として使われる、ロケットエンジンを推進力とする[[ローンチ・ヴィークル]](打ち上げ機)全体をロケットということも多い。
+
'''ロケット'''({{lang-en-short|rocket}})
 
 
また、ロケットの先端部に[[核弾頭]]や爆発物などの軍事用のペイロードを搭載して標的や目的地に着弾させる場合には[[ミサイル]]として区別され、[[弾道飛行]]をして目的地に着弾させるものを特に[[弾道ミサイル]]として区別している。なお、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]による人工衛星の打ち上げは国際社会から事実上の[[北朝鮮によるミサイル発射実験|弾道ミサイル発射実験]]と見なされており[[国際連合安全保障理事会決議]][[国際連合安全保障理事会決議1718|1718]]と[[国際連合安全保障理事会決議1874|1874]]と2087でも禁止されているため、特に日本国内においては人工衛星打ち上げであってもロケットではなくミサイルと報道されている。
 
 
 
なお、推力を得るために射出される質量([[ロケットエンジンの推進剤|推進剤]]、[[プロペラント]])が何か、それらを動かすエネルギーは何から得るかにより、ロケットは様々な方式に分類されるが、ここでは最も一般的に使われている'''化学ロケット'''('''化学燃料ロケット''')を中心に述べる。
 
 
 
ロケットの語源は、1379年にイタリアの芸術家兼技術者であるムラトーリ<ref>{{lang-it-short|Muratori}}</ref>が西欧で初めて火薬推進式のロケットを作り、それを形状にちなんで『ロッケッタ<ref>{{lang-it-short|Rocchetta}}、小さな糸巻棒</ref>』と名づけたことによる。
 
 
 
== 概論 ==
 
ロケットの方式で良く知られているものとしては、その使用する[[エネルギー]]源から分類して、化学ロケット、[[電気推進|電気ロケット]]、[[原子力推進|原子力ロケット]]がある。
 
 
 
化学ロケットは、燃料の[[燃焼]]([[化学反応]])によって生じる[[熱エネルギー]]を利用し、燃料自体を推進剤として噴射するもので、効率は最も悪いが利用しやすい。また、短時間に大きな[[推力]]を発生させることができる。実用化されたロケットのほとんどは化学ロケットである。
 
 
 
電気ロケットは、[[イオンエンジン|イオン推進]]など、推進剤を電気的に加速して噴射するものである。[[人工衛星]]や[[宇宙探査機]]などの[[スラスター]]として実用化されている。大きい推力を得ることは難しいが、長期間の使用に向く。
 
 
 
原子力ロケットは、推進剤を[[原子炉]]で加熱して噴射するもの、ロケットの後方で[[核爆弾]]を爆発させて推進力を得るもの(パルス推進)など複数の種類があるが、安全性の問題はもちろん、[[核兵器]]の宇宙空間への持ちこみを禁じた[[宇宙条約]]や宇宙空間での核爆発を禁止する[[部分的核実験禁止条約]]の制限により実用化されていない。[[オリオン計画]]や[[ダイダロス計画]]といった構想が知られる。
 
 
 
なお、ロケットが推進する原理を「''噴射したガスがロケットの後方の空気を押すから''」と誤って考える人もいる。かつて[[ニューヨーク・タイムズ]]が、この誤解に基づき真空中でロケットは飛べないと主張して、ロケット工学開拓者の一人である[[ロバート・ゴダード]]を批判する記事を掲載したという逸話がある。実際にはロケットは真空中でも推進可能であり、明らかな誤解である。これは[[運動の第3法則|作用・反作用の法則]]において、ロケットを質点A、空気を質点Bとみなした事による。こういう解釈だと、ロケット推進の作用を空気が受け止め、その反作用で推進力が生まれるので、真空ではロケットは推進不可能という結論になる。実際にはロケットの推進を作用・反作用の法則で説明する場合は、ロケットを質点A、ロケットの噴射するガスを質点Bとみなすべきなのである。つまりロケットとロケットの噴射ガスを同一の質点Aだとみなした事による誤解である。あるいはロケット自体とロケットの噴射ガスに[[運動量保存の法則]]をあてはめれば、真空中でもロケットが推進できる事は容易に納得できるはずである。こうしたロケットの原理を示す式が、[[ツィオルコフスキーの公式]]である。
 
 
 
化学ロケットでは、その最大の[[貨物]]は自らを宇宙空間まで運ぶ推進剤である。これは地球から長距離を航行しようとする際に大変な非効率をもたらすが、宇宙空間に中継地点を設けることである程度緩和されるのではないかと考えられている。[[アポロ計画]]の月着陸船が月から帰還するときに必要としたロケットが、地球から打ち上げられた際の[[サターンロケット]]に比べて驚くほど小さかったことからわかるように、重力が小さい場所から発進すればそれほど多くのエネルギーは必要としないのである。[[人工衛星の軌道|衛星軌道]]上に基地([[宇宙ステーション]])を設け、そこまで分割運搬した部品を組み立てて大きなロケットを建造し、そこから出発させるという方法などが考案されている。
 
 
 
また、ロケットを使わない[[静止軌道]]までの運搬方法として[[軌道エレベータ]]などが実際に検討されている。
 
 
 
新型のロケットを開発する場合、成否は[[ロケットエンジン]]の開発にかかっていると言っても過言ではなく、計画遅延の原因はエンジン開発の難航が占める割合が大きい。
 
 
 
1960年代 - 80年代にかけて、米国は[[スペースシャトル]]のエンジン以外、新型の液体燃料ロケットエンジンの開発には消極的であり、欧州等に比べて出遅れた。その結果、1990年代からロシアが開発した液体燃料ロケットエンジンを導入して[[ライセンス生産]]している。
 
 
 
== 推進剤による化学ロケットの分類 ==
 
{{Main|ロケットエンジンの推進剤}}
 
化学ロケットは[[燃料]]と[[酸化剤]]を搭載しており、これらを燃焼させて高温・高圧のガスにして噴射する。燃料と酸化剤をあわせて[[ロケットエンジンの推進剤|推進剤]]という。この推進剤の形態から、ロケットは固体燃料ロケット、液体燃料ロケット、ハイブリッドロケットに大きく分類される。
 
 
 
=== 固体燃料ロケット ===
 
{{main|固体燃料ロケット}}
 
 
 
[[File:Solid_fuel_rocket_ja.png|thumb|230px|固体燃料ロケットの模式図]]
 
 
 
[[固体燃料ロケット]]とは、常温で[[固体]]の[[燃料]]と[[酸化剤]](の混合物)を用いるロケットで、古くは[[火薬]]、最近の例では[[合成ゴム]]と酸化剤を混合成型したものなどが使われている。
 
 
 
固体燃料は常温では飛散しないため管理(保管)が楽、構造が簡単な割に安価で大推力が得られる、体積が(液体燃料に比べ)小さいなどの利点を持つ。
 
反面、単位重量の推進剤で単位推力を発生させ続けられる秒数を示す[[比推力]]が悪いため効率が悪く、推力の制御が難しいこと、またいったん点火したら、燃料をすべて消費するまで燃焼を停止させるのはほとんど不可能であることなどの欠点を持つ。
 
 
 
こうした特性から、常に発射可能な状態で保管しておかなければならない軍事用途、大推力を求められる宇宙ロケットの一段目や補助[[ブースター]]に広く使用されている。
 
 
 
=== 液体燃料ロケット ===
 
{{main|液体燃料ロケット}}
 
 
 
[[File:Liquid_fuel_rocket_ja.png|thumb|230px|液体燃料ロケットの模式図]]
 
 
 
[[液体燃料ロケット]]は、[[液体]]の燃料と酸化剤を用いるロケットである。固体燃料ロケットとは違い、推力の制御が容易であること、いったん燃焼を停止させたものを再度点火するのが可能であることなどの長所を持つが、その反面、燃料を送り出すための高圧[[ポンプ]]や複雑な配管システムが必要とされるなど、構造が複雑になり、その分高価になるという欠点も持つ。
 
 
 
初期には常温保存が可能な[[ヒドラジン]](燃料)と[[四酸化二窒素]](酸化剤)、[[ケロシン]](燃料)と[[液体酸素]](酸化剤・極低温)、などが用いられたが、最近はより高い比推力が得られる[[液体水素]](燃料)と[[液体酸素]](酸化剤)の組み合わせが、各国の基幹ロケットの主流となっている(アメリカの[[スペースシャトル]]、ヨーロッパの[[アリアン5]]、日本の[[H-IIA]]など)。
 
 
 
このロケットの場合、酸素と水素を化合させるだけなので、排気ガスは有毒物質を一切含まない[[水蒸気]]だが、実際には、液体水素・液体酸素エンジンだけでは離床時の推力が不十分なので、固体燃料の補助ロケットを使用する。この固体燃料補助ロケットの排気にはオゾン層や環境に悪影響を及ぼすハロゲン化合物が含まれる。ロケット自体の開発も困難を極める。
 
 
 
また、人工衛星の軌道制御や[[姿勢制御]]のための小型ロケットには、[[過酸化水素]]や[[ヒドラジン]]を触媒で分解させて噴射する、構造が簡単な[[一液式ロケット]]も用いられる。
 
 
 
なお、一般に燃焼室の冷却には燃料自体が使用される。上記の液体酸素・液体水素の[[エンジン]]では、燃焼室の温度は三千度にも達するが、これだけの高温に耐えられる[[素材]]は現在のところない。その対策として、燃焼室の壁やノズルの中部には細いパイプや溝が何百本も張りめぐらされており、推進剤をその中を循環させることにより蒸発[[潜熱]]により熱を奪うというシステム([[再生冷却]])や推進剤の一部を燃焼室の内壁に沿って流す[[フィルム冷却]]や[[アブレーション]]冷却、[[ニオブ]]製の[[ノズルスカート]]による放射冷却が採用される。
 
 
 
=== ハイブリッドロケット ===
 
{{main|ハイブリッドロケット}}
 
[[Image:Hybrids big.png|thumb|ハイブリッド推進システムの模式図]]
 
[[ハイブリッドロケット]]は、化学ロケットの一種で、燃料と酸化剤がそれぞれ異なる相をもったロケットである。一般的には、固体の燃料と液体の酸化剤が用いられる。固体燃料ロケットの特徴である構造の簡易性と液体燃料ロケットの特徴である推力調整を可能とするが、同時に固体燃料ロケットと液体燃料ロケットの両方の欠点も併せ持つ。このため長らく実用化を見なかったが、[[スペースシップワン]]ではハイブリッド・ロケットエンジンが採用された。
 
 
 
このため現在宇宙ロケットの分野では、効率が良い液体燃料ロケットが主流であり、固体燃料ロケットは[[ブースター]]などの補助推力として用いられる。一方、定期的に打ち上げる高高度気象観測ロケットや、発射準備時間が短い[[ミサイル]]等では固体燃料ロケットが主流である。
 
 
 
== 原子力ロケット ==
 
{{main|原子力ロケット}}
 
原子力ロケットは[[原子炉]]で推進剤を加熱して噴射したり、[[核爆発]]による反動を利用して推進するロケットである。
 
かつてアメリカ合衆国で[[NERVA]]やソビエトで[[RD-0410]]が実験された例はあるが、実際に運用された例は無い。
 
原子力ロケットには{{仮リンク|核熱ロケット|en|Nuclear thermal rocket}}、{{仮リンク|核パルス推進|en|Nuclear pulse propulsion}}、{{仮リンク|核融合ロケット|en|Fusion rocket}}、{{仮リンク|量子真空プラズマ推進器|en|Quantum vacuum plasma thruster}}、{{仮リンク|核塩水ロケット|en|Nuclear salt-water rocket}}、{{仮リンク|核光子ロケット|en|Nuclear photonic rocket}}等がある。
 
[[推力重量比]]は化学ロケットよりも低いので宇宙空間に化学ロケットで打ち上げられてから上段として作動する。
 
 
 
== 形態によるロケットの分類 ==
 
以下に、燃料ではなく形態によるロケットの分類を示す。これらの方式の効率を計算するときは全て[[ツィオルコフスキーの公式]]に基づく。
 
 
 
=== 単段式ロケット ===
 
最初期のロケットの姿であり、ペイロードを必要な速度・高度まで1基の打ち上げロケット(段)で運んでしまうロケットのこと。下記の多段式ロケットの対になる方式である。
 
 
 
単段式ロケットは、多段式ロケットに必要な切り離し装置などがないため構造が簡単で、製作技術や制御技術があまり高くなくても作れる。またロケットが小型であれば多段式にするより単段式ロケットの方が効率も良い。しかし大型ロケットの場合、時間が経って不必要になった空の燃料タンクやエンジンもずっと輸送することになり、効率が劣る。
 
 
 
[[V2ロケット]]などの[[短距離弾道ミサイル]]や気象観測用ロケット、模型ロケットなど小型のロケットであれば、多段式にすると機構の複雑さから重量が増えてかえって非効率的になってしまうため、単段式ロケットが使われることも多い。
 
 
 
単段式ロケットの将来像として、[[単段式宇宙往還機]]も研究されている。
 
 
 
=== 多段式ロケット ===
 
[[Image:Delta IV Heavy rocket on launch pad.jpg|150px|thumb|[[デルタ IV]] ヘビーは、1段、2段を使用する多段式ロケットであり、1段に[[コモン・ブースター・コア]]3基を使用するモジュラーロケットでもある。中央の1本は1段目として使用され、両側の2本は補助ロケットとして使用される。]]
 
ロケットが十分な速度を得るためには、移動体本体の質量は全体に比してできるだけ小さいことが望ましい。このため、空になった推進剤タンクやそれを燃焼させるエンジンを収容する部分は必要ない質量として切り離すという仕組みが[[コンスタンチン・ツィオルコフスキー]]により考案され、現在も使われている。これを多段式ロケットという。
 
 
 
例えば人工衛星打ち上げ用の3段式ロケットの場合、最下部の1段目のエンジンを噴射させて1段目自身と2段目と3段目とそれに乗った衛星を上昇させ燃料を使い切ったら1段目を切り離す。その後2段目のエンジンを噴射して2段目自身と3段目と衛星をさらに上昇させて燃料を使い切ったら切り離す。その後3段目のエンジンを噴射して任意の地点で衛星を切り離して目的の軌道に投入することになる。人工衛星を軌道上で周回させ続けるには[[第一宇宙速度]]まで加速させる必要があるが、化学ロケットは技術的な制約により多段式でなければ第一宇宙速度を得ることは困難であり、現在の衛星打ち上げロケットはすべて多段式である。
 
 
 
この理屈で言うと、理論上は、非常に小さく区切られた燃料タンクと小型のロケットエンジンを、使い終わったら片っ端から切り離していくのが一番効率的になるのだが、実際には小型化にも限度があるし、あまり段数が多いと制御が難しくなり、切り離し装置の重量や容量も増えるため、構造効率が低くなり総重量全体に占める推進剤の割合が下がり、技術面で現実的ではない<ref>一時期[[OTRAG]]というこの種の概念のロケットが試みられたが資金調達、政治的理由等により頓挫した。</ref>。加えてロケットエンジンの数も段数に応じて増えるため、コストも上昇する。このため現在主流の人工衛星打ち上げ用ロケットは殆どが2 - 3段式の構成である。
 
 
 
無重力空間のみで動くロケットの場合、各々の段の比推力は目的に応じて推進剤を選択することにより自由に決められるために1段目や2段目が非力で3段目のみ強力なエンジンを積むといったことも問題なくできるが、地球など天体の引力圏内にあるロケットの場合は、下のロケットが非力(具体的に言うと、上に載っているペイロードおよび全てのロケットの重量と自分自身の重量の和未満)だと飛び上がることができない。
 
そのために、後述するクラスター方式などと併せ、下の段ほど強力にして、上の段に行くに従い出力も小さくなっていく。
 
 
 
また、離床時に大きな推力が必要なので、下段には推力が高いが[[比推力]]の低い推進剤を、上段には推力は低いが比推力の高い推進剤を用いる。
 
 
 
==== モジュラーロケット ====
 
{{main|モジュラーロケット}}
 
[[モジュラーロケット]]とは、打ち上げ用途に応じて構成する部材を交換できる多段式ロケットの形式である。規格化された[[モジュール]]を様々な打ち上げ需要に応じて組み合わせる事により、[[規模の経済]]により、量産効果による生産性の向上、価格低減が期待できるため製造費用、輸送費用、打ち上げ準備の支援費用、準備期間を最小に抑えることができる。代表的なモジュラーロケットには[[ユニバーサル・ロケット]]、[[アトラス V]]、[[デルタ IV]]、[[ファルコン9]]、[[アンガラ・ロケット]]がある。アトラス Vの第1段モジュールは[[コモン・コア・ブースター]]、デルタ IVの第1段モジュールは[[コモン・ブースター・コア]]と呼ばれている。
 
また、共通の仕様の小規模のロケットを大量生産して束ねる事により価格低減を意図した例としてCommon Rocket Propulsion Units (CRPU) と呼ばれる同一の規格化された小型ロケットを束ねた[[OTRAG]]や[[:en:Interorbital Systems|Interorbital Systems]]の"common propulsion modules"(CPM)を束ねた[[:en:Interorbital Systems#Orbital spaceflight program|Neptune]]の例がある。
 
{{-}}
 
 
 
=== クラスターロケット ===
 
[[ファイル:Soyuz tma-3 transported to launch pad.jpg|thumb|right|230px|[[レール]]上を発射台に向かう[[ソユーズTMA-3]]打ち上げ用の[[ソユーズFG]]。クラスター化された5基のエンジンの計20個の[[ノズル]]が見える。1段と2段を使用する多段式ロケットでもある。]]
 
{{main|クラスターロケット}}
 
[[クラスターロケット]]とは、多数の[[ロケットエンジン]]を束ねて構成されるロケットのこと。多段式ロケットと共に[[コンスタンチン・ツィオルコフスキー|ツィオルコフスキー]]により考え出された方式。
 
 
 
エンジン1基あたりの出力は高いほど望ましいのだが、新しい大型のエンジンを開発するには燃焼室の振動、耐久性、エンジン自体の質量増加、エンジンを作るのに必要なコストなどの問題を解決するため、莫大な時間と費用がかかる。
 
クラスター方式は手持ちの信頼性の高いエンジンを流用して推力を増やせる堅実な方法であり、ソ連がアメリカに先んじて[[スプートニク計画|スプートニク]]や[[ボストーク]]を打ち上げるのを可能とした。
 
しかしエンジンの数が増えると制御が困難になり、[[N-1|N1ロケット]](一段目は30基のエンジン)の失敗は、[[ソ連の有人月旅行計画]]の失敗へとつながった。
 
 
 
旧ソ連の[[R-7 (ロケット)|R-7]](現在も直系の子孫である[[ソユーズ]]ロケットが使われている)が代表的なもので、一段目は5基のエンジン(ノズルは20個)を持つ。他のクラスターロケットには同じく旧ソ連製の[[プロトン (ロケット)|プロトン]](一段目に6基)や[[エネルギア]]、アメリカの[[サターンロケット|サターンIおよびIB]](1段目に8基)、[[ファルコン9]](1段目に9基)日本の[[H-IIBロケット]](1段目に2基)などがある。
 
 
 
また、この方法を発展したロケットとして1970年代にドイツで[[民間宇宙飛行#OTRAG|OTRAG]]が検討されたが技術的、射場の選定に関する政治的理由により中止された。
 
 
 
== 使い方によるロケットの分類 ==
 
=== ローンチ・ヴィークル ===
 
日本語では[[ローンチ・ヴィークル|打ち上げロケット]]と呼ばれ、地球から宇宙空間に人工衛星や宇宙探査機などのペイロードを輸送するのに使用されるロケット。打上げ機と呼ばれることもある。ペイロードが[[第一宇宙速度]]や[[第二宇宙速度]]を超え[[地球周回軌道]]や[[太陽周回軌道]]に投入される。打ち上げ能力が低軌道へ100kg未満の人工衛星を打ち上げる能力を有する概ね10トン未満の人工衛星打上げ機は[[超小型衛星打上げ機]]に分けられる。
 
 
 
=== 観測ロケット ===
 
[[観測ロケット]]は科学観測・実験のために[[弾道飛行]]を行うロケット。研究ロケットやサウンディングロケットとも呼ばれる。通常は高度50kmから1500kmへ打ち上げられる。
 
 
 
=== 使い捨て型ロケット ===
 
[[使い捨て型ロケット]]は一度のみしか実使用できない打ち上げロケット・システムのこと。
 
 
 
=== 再使用型打ち上げシステム ===
 
[[再使用型宇宙往還機]]、[[単段式宇宙輸送機]]、[[スペースプレーン]]の開発が各国で進行中である。[[スペースシャトル]]や[[ブラン (オービタ)|ブラン]]等一部が成功した。
 
 
 
== 歴史 ==
 
=== 前近代 ===
 
[[File:Tipu Sultan, Fath Ali Khan.jpg|thumb|right|[[ティプー・スルターン]]]]
 
[[File:Rocket_warfare.jpg|thumb|right|[[:en:Mysorean rockets |マイソール・ロケット]]]]
 
ロケットの歴史は古く、西暦[[1000年]]頃には[[中国]]で、今の[[ロケット花火]]の形態が発明され武器として利用されていた。[[1232年]]、[[モンゴル]]との戦いで使用されたという記録がある。その後、モンゴル人の手に渡り各地で実戦に投入された。[[14世紀]]半ばには中国の焦玉により多段式ロケットが作られた。
 
 
 
[[1792年]]には[[インド]]の[[マイソール王国]]の支配者[[ティプー・スルターン]]によって対英国、[[イギリス東インド会社|東インド会社]]との[[マイソール戦争]]で鉄製のロケットが効果的に使用された(→{{仮リンク|マイソール・ロケット|en|Mysorean rockets}})。マイソール戦争終結後、このロケットに興味を持った英国は改良を加え、[[19世紀]]初頭までに[[コングリーヴ・ロケット]]を開発した。開発の中心人物は{{仮リンク|ウィリアム・コングリーヴ|en|Sir William Congreve, 2nd Baronet}}であった。
 
 
 
[[1814年]]の米国における[[ボルティモアの戦い]]では英国艦エレバス([[:en:HMS Erebus|HMS Erebus]])から[[フォートマクヘンリー]]にむけてロケットが発射され、観戦していた弁護士[[フランシス・スコット・キー]]によってアメリカの国歌[[星条旗 (国歌)|星条旗]]に歌われるに至った。同様に[[1815年]]の[[ワーテルローの戦い]]でも使用された。
 
 
 
初期のロケットは回転せず、[[誘導装置]]や[[推力偏向]]を備えていなかったので、命中精度が低かった。初期の[[コングリーヴ・ロケット|コングリーヴのロケット]]では長い棒をつけた。(現代の[[ロケット花火]]に似ている)大型のコングリーヴのロケットは重量14.5kg、棒の長さは4.5mだった。1844年に{{仮リンク|ウィリアム・ヘール|en|William Hale (British inventor)}}(William Hale)によって改良されたロケットでは噴射孔に弾体を回転するための偏流翼が備えられ、回転するようになり安定棒が無くても命中精度は向上したものの、改良された大砲に射程距離、命中精度が劣ったので下火になった。
 
 
 
徐々に改良が加えられたが、ライフリングや鋼鉄製砲身等の[[大砲]]の改良により射程距離、精度が高まってくると、誘導装置のないロケットの使用は[[信号弾]]等、限定的なものになっていった。後年、[[カチューシャ (兵器)|カチューシャ]]、[[バズーカ]]、[[MLRS]]などの形で復活する。
 
 
 
日本でも、[[鎌倉時代]]に元が攻めて来た([[元寇]])時に元軍により使用されたという。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には[[狼煙]]として使われ、[[江戸時代]]に入ると各地で伝承されてきた。[[埼玉県]][[秩父市]]の[[椋神社]]で毎年10月に行われる[[ロケット祭り]]([[龍勢祭り]])や[[静岡県]][[藤枝市]][[岡部町 (静岡県)|岡部町]][[朝比奈村 (静岡県志太郡)|朝比奈]]、同[[静岡市]][[清水区]][[草薙 (静岡市)|草薙]]、[[滋賀県]][[米原市]]等、各地で古くから[[龍勢]](流星)の打ち上げが行われてきた。現在でも打ち上げられる龍勢は木材を竹タガで締め、内部に[[黒色火薬]]をつき固めた端面燃焼ロケットである。この龍勢祭りの起源は明確な記録がなく明かではないが、鉄砲伝来後の戦国時代以降の狼煙が、その後の平和な時代になって龍勢(流星)となって農村の神事・娯楽に転化したという説が有力である。
 
 
 
=== ツィオルコフスキー以後 ===
 
[[File:Tsiolkovsky.jpg|thumb|150px|right|[[コンスタンチン・ツィオルコフスキー]]]]
 
近代のロケット、すなわち宇宙に行けるロケットが研究・開発されたのは、[[19世紀]]後半から[[20世紀]]である。
 
 
 
[[コンスタンチン・ツィオルコフスキー]]({{年|1857}}–{{年|1935}})はロケットで宇宙に行けることを計算で確認し、液体ロケットを考案した。このため彼は「'''宇宙旅行の父'''」と呼ばれている。[[ロバート・ゴダード|ロバート・ハッチンス・ゴダード]]({{年|1882}}–{{年|1945}})は、[[1926年]]に世界初の液体ロケットを打ち上げた。このため「''近代ロケットの父''」と呼ばれている。世界初の液体ロケットエンジンはツィオルコフスキーの[[OR-2]]から[[セルゲイ・コロリョフ]]([[1907年]]-[[1966年]])が中心となったソ連の[[GIRD-09]]の開発とされている。実用的な液体ロケットは、[[ヴェルナー・フォン・ブラウン|ウェルナー・フォン・ブラウン]]([[1912年]]-[[1977年]])が中心となって[[ナチス・ドイツ]]で開発した、[[V2ロケット]]がはじめとされている。
 
1920年代から1930年代にかけて各国で民間の宇宙開発グループが形成された。それらのグループには後に宇宙開発で著名な功績を残す者も多く含まれた。ドイツでは[[宇宙旅行協会]]に所属した[[ヴェルナー・フォン・ブラウン]]達やソビエトでは[[反動推進研究グループ]]に所属した[[セルゲイ・コロリョフ]]達がいた。やがて第二次世界大戦の勃発と共に彼らは否応なく歴史の荒波に巻き込まれていく事になる。
 
{{-}}
 
 
 
=== 第二次世界大戦後 ===
 
[[File:Sputnik 1.jpg|thumb|right|150px|[[スプートニク (ロケット)|スプートニクロケット]]により打ち上げられた[[スプートニク1号]]]]
 
[[ファイル:Apollo 11 Saturn V lifting off on July 16, 1969.jpg|thumb|right|150px|発射台から離れる[[アポロ11号]]を乗せた[[サターンV 型ロケット]]。[[1969年]][[7月16日]]]]
 
[[ファイル:Shuttle_delivers_ISS_P1_truss.jpg|thumb|right|210px|[[国際宇宙ステーション]]の構造物を運ぶ[[スペースシャトル]]]]
 
ナチス・ドイツの崩壊前後、V2の開発に関わった人材の多くが[[アメリカ合衆国|アメリカ]]に亡命した([[ペーパークリップ作戦]])。またこの混乱期にソ連もV2の技術を接収していた。また、アメリカ初の弾道ミサイルである[[MGM-5 (ミサイル)|コーポラル]]の基盤をつくった[[銭学森]]は[[中華人民共和国]]の宇宙開発とロケット開発を担うことになる。[[冷戦]]に入り、[[1958年]]にソ連が[[スプートニク (ロケット)|スプートニクロケット]]によって世界初の[[人工衛星]]を打ち上げたことで[[スプートニク・ショック]]が起き、[[宇宙開発競争]]が始まる。[[1961年]]にはソ連が[[ボストーク (ロケット)|ボストークロケット]]により[[ユーリイ・ガガーリン]]が搭乗した[[ボストーク]]の打ち上げを成功させ、世界初の[[有人宇宙飛行]]を成し遂げた。一方、[[1969年]]にはアメリカが[[サターンV 型ロケット]]により[[アポロ11号]]を打ち上げて世界で初めて人類を[[月]]に到達させた。
 
 
 
宇宙開発競争初期のロケットは、アメリカの[[PGM-11 (ミサイル)|レッドストーン]]やソビエトの[[R-7 (ロケット)|R-7]]のように弾道ミサイルから弾頭を外し、代わりに人工衛星や宇宙船を取り付けたものであり、ロケットの打ち上げ技術はミサイル技術と等価であり、[[威嚇]]も含めた軍事的価値も高いために、抜きつ抜かれつの開発競争であった。
 
 
 
1960年代から1970年代までに[[日本]]、[[欧州]]、中国も人工衛星の打ち上げに成功し、世界の宇宙開発のプレイヤーはソ連(後のロシア)とアメリカと合わせて5極体制となった。日欧が先進的な[[宇宙探査機]]や人工衛星を打ち上げて[[宇宙科学]]分野で実績を積み上げていった一方、中国は1990年代以降に有人宇宙開発と宇宙の軍事利用に邁進し、[[2003年]]に[[長征2号F]]により[[神舟5号]]の打ち上げに成功し、ソ連とアメリカに次いで世界で3番目となる有人宇宙飛行に成功した。
 
 
 
[[冷戦]]以後はアメリカとロシアの[[宇宙船]]は宇宙空間でドッキングを行ったり、協力して[[国際宇宙ステーション]]の建設にあたるなど[[宇宙開発]]や[[惑星]]・[[衛星]]探索への利用が進んだ。また、[[軍事]]や[[情報]]における利用価値が認知され、現在に至るまで[[国家機密]]に属する非常に重要な技術として取り扱われている。特に[[偵察衛星]]の打ち上げは[[諜報活動]]において革新的な出来事であり、これまで[[スパイ|諜報員]]や[[偵察機]]を送り込んで危険を覚悟で行ってきた諜報活動のリスクを大幅に削減する成果をあげた。
 
 
 
1990年以降、打ち上げ能力は質、量共に向上している背景には[[ソ連崩壊|ソビエト連邦の崩壊]]後、冷戦期の宇宙開発競争を支えた経験豊富な旧ソビエトの技術者達が世界各地での宇宙開発に携わり、各国のロケットの開発、改良を支えている事が挙げられる。これに対して[[大量破壊兵器の運搬手段であるミサイル及び関連汎用品・技術の輸出管理体制|ミサイル技術管理レジーム]]があるものの、一部において形骸化している。
 
 
 
また、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]衛星の打ち上げ後は比較的正確な位置測定の手段として[[カーナビゲーションシステム]]などに応用され、宇宙ロケット関連技術は現代人の生活を支えるために欠かせない。
 
 
 
国家ないし国家連合による政策としての宇宙開発が財政面で苦しい局面に立たされている反面、民間によるロケット開発も盛んである。例えば[[スペースX]]と[[オービタル・サイエンシズ]]は[[商業軌道輸送サービス]]の一環としてそれぞれ、[[ファルコン9]]で[[ドラゴン (宇宙船)|ドラゴン宇宙船]]を打ち上げて[[2012年]]から、同様に[[アンタレス (ロケット)|アンタレス]]で打ち上げて[[シグナス (宇宙船)|シグナス]]で[[2013年]]から国際宇宙ステーションへの商業補給サービスを開始しており、[[ヴァージン・ギャラクティック]]は[[スペースシップツー]]の弾道飛行による民間宇宙旅行を計画している。今後は宇宙飛行士の輸送も含めて徐々に民間企業の自主開発したロケットによる輸送が主流になりつつある。
 
 
 
さらに規模は小さくなるが、アマチュアによるロケット打ち上げの試みもある。[[2004年]][[5月17日]]には20人ほどのアメリカ人による組織「Civilian Space eXploration Team」(CSXT)によって打ち上げられた<ref>[[:en:Amateur_rocketryl|アマチュアロケット]]</ref>「GoFast」が、高度115 kmに到達しアマチュアロケット史上最高高度を記録した。一般人によるロケットとして歴史に名を残した。また、同様にアマチュアの開発によるロケットでの[[人工衛星]]の打ち上げ計画もあるが、資金、技術の両面において苦戦している。<ref>そもそも、第二次世界大戦前の各国のロケット開発の多くは[[宇宙旅行協会]]に所属した[[ヴェルナー・フォン・ブラウン]]や[[反動推進研究グループ]]に所属した[[セルゲイ・コロリョフ]]を含む民間の[[好事家]]達による開発によるものだった。</ref>
 
 
 
現在、各国で次世代の打ち上げの主力となるロケットの開発が進行中である。それらは既存のエンジン等の部材を活用しつつこれまでの技術革新の成果を取り入れつつある。
 
{{-}}
 
 
 
== ローンチ・ヴィークル ==
 
{{See|ローンチ・ヴィークル|ローンチ・ヴィークルの一覧}}
 
これまで、各国が独自で開発したロケットによって衛星を軌道投入した例は10カ国であり、ソ連(ロシア)、アメリカ、フランス、日本、中国、イギリス、インド、イスラエル、イラン、北朝鮮となっている。
 
 
 
現在、軌道投入能力を保有するのはロシア、アメリカ、欧州、日本、中国、ウクライナ、インド、イスラエル、イラン、北朝鮮の9カ国と1機関である。
 
 
 
{{Main|各国初の軌道投入の年表}}
 
 
 
<!--=== 自国が開発したローンチ・ヴィークルによる初の人工衛星の打ち上げ ===
 
このリストは、自国が開発した[[ローンチ・ヴィークル]](打ち上げ機)で人工衛星を軌道上に到達させる能力を有したことがある国のリストである。多くの国は人工衛星を設計・製造する能力を有するが、自国が開発した打ち上げ機で人工衛星を打ち上げることができる国は、2012年12月時点で'''太字'''で示した9カ国(ロシア、ウクライナ、アメリカ、日本、中国、インド、イスラエル、イラン、北朝鮮)と1機関([[欧州宇宙機関]](ESA))のみであり、大多数の国々はこれら少数の国と機関に打ち上げ業務を依存することになる。
 
 
 
{| class="sortable wikitable"
 
|+ '''自国が開発したローンチ・ヴィークルによる初の人工衛星の打ち上げ'''
 
|- bgcolor=#efefef
 
! 順位
 
! 国 || 年 || ロケット || 人工衛星 || 重量 (kg) ||特記事項
 
|-
 
| scope="row" | 1
 
|align="left"| {{flag|Soviet Union}} || 1957 || [[スプートニク (ロケット)|スプートニク-PS]] || ''[[スプートニク1号]]'' || 83.6 ||[[ソ連崩壊]]により打ち上げシステムはロシアとウクライナに継承。
 
|-
 
| scope="row" | 2
 
|align="left"| '''{{flag|United States}}''' || 1958 || [[PGM-11 (ミサイル)#派生|ジュノーI]] || ''[[エクスプローラー1号]]'' || 13.7 ||
 
|-
 
| scope="row" | 3
 
|align="left"| {{flag|France}} || 1965 || [[ディアマンロケット|ディアマン]] || ''[[アステリックス (人工衛星)|アステリックス]]'' || 42 ||外国([[アルジェリア]]の[[アマギール|アマギール射場]])から初打ち上げ。<br />打ち上げ時のアンテナ破損により衛星との交信は確立出来なかった。<br />打ち上げシステムは[[欧州宇宙機関|ESA]]に継承。
 
|-
 
| scope="row" | 4
 
|align="left"| '''{{flag|Japan}}''' || 1970 || [[L-4Sロケット|L-4S]] || ''[[おおすみ]]'' || 23. 8 ||
 
|-
 
| scope="row" | 5
 
|align="left"| '''{{flag|China}}''' || 1970 || [[長征1号]] || ''[[東方紅1号]]'' || 173 ||
 
|-
 
| scope="row" | 6
 
|align="left"| {{flag|United Kingdom}} || 1971 || [[ブラック・アロー]] || ''[[プロスペロ (人工衛星)|プロスペロ]]'' || 65.8 ||外国([[オーストラリア]]の[[ウーメラ試験場]])から初打ち上げ。<br>後に[[欧州ロケット開発機構|ELDO]]を経て[[欧州宇宙機関|ESA]]に参加したが、打ち上げシステムの提供はELDO時代のみ。<br>独自の打ち上げシステムを構築しながら、それを放棄した<ref>[http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/uksa.html JAXA宇宙情報センター イギリス宇宙庁]</ref>唯一の国である。
 
|-
 
| scope="row" | -
 
|align="left"|[[ファイル:ESA logo.svg|30px]] '''[[欧州宇宙機関|ESA]]''' || 1979 || [[アリアン1]] || ''CAT-1'' || 1,602 ||[[欧州ロケット開発機構|ELDO]]を発展的解消、仏・独・伊が中心となり10カ国により設立。<br>打ち上げシステムは主にフランスから継承。<br>海外領土([[フランス領ギアナ]]の[[ギアナ宇宙センター]])から打ち上げ。
 
|-
 
| scope="row" | 7
 
|align="left"| '''{{flag|India}}''' || 1980 || [[SLV]] || ''[[ロヒニ (人工衛星)|ロヒニ]]'' || 35 ||
 
|-
 
| scope="row" | 8
 
|align="left"| '''{{flag|Israel}}'''|| 1988 || [[シャヴィト]] || ''[[オフェク|オフェク1号]]'' || 155 ||
 
|-
 
| scope="row" | -
 
|align="left"| '''{{flag|Ukraine}}''' || 1991 || [[ツィクロン|ツィクロン3]] || ''[[ストレラ (人工衛星)|ストレラ3]](6機, ソ連製)'' || 1,350 ||ソ連から打ち上げシステムを継承。<br>独立後の初打ち上げを記載しているが、ソ連時代のロケットを継続使用しているため順位には含めていない。<br>外国(ロシアの[[プレセツク宇宙基地]])から初打ち上げ。
 
|-
 
| scope="row" | -
 
|align="left"| '''{{flag|Russia}}''' || 1992 || [[ソユーズ-U]] || ''[[コスモス2175号]]'' || 6,600 ||ソ連から打ち上げシステムを継承。<br>ソ連の直接的な継承国家扱いとして順位には含めていない。
 
|-
 
| scope="row" | 9
 
|align="left"| '''{{flag|Iran}}'''|| 2009 || [[サフィール (イランのロケット)|サフィール-2]] || ''[[オミード]] || 27 ||北朝鮮から技術提供を受けた可能性が指摘されている。
 
|-
 
| scope="row" | 10
 
|align="left"| '''{{flag|North Korea}}'''|| 2012 || [[銀河3号 (ロケット)|銀河3号]] || ''[[光明星3号2号機]] || 100 ||北朝鮮の主張によれば、初めての軌道投入成功は1998年の[[テポドン1号|白頭山1号]]による[[光明星1号]]の打上げであるが、この時は他国機関は軌道上の衛星を確認していない。<br>フランスのアステリックスと同様、軌道到達後の運用には失敗<ref>ワシントン時事「北朝鮮『衛星』機能せず=落下まで数年―米専門家」(2012年12月18日)</ref>。
 
|-
 
| scope="row" | -
 
|align="left"| {{flag|South Korea}}|| 2013 || [[羅老 (ロケット)|羅老]] ||  ''[[STSAT-2C]]'' || 100 || ロシアの全面的な技術支援の下で開発・製造されたロケットを使用。第1段は[[アンガラ・ロケット]]の第1段を輸出用に仕様変更した純ロシア製の機体で、技術移転を一切伴わない[[ブラックボックス]]での提供・運用である。<br>第2段などは韓国が開発しているが、輸入品と同等能力の国産第1段を保有しておらず自国単独では打ち上げができないため、自国開発の順位には通常含まない。<br>[[羅老 (ロケット)|羅老]] はロシアから購入した第1段3機を全て使用したため既に退役しており、自国開発での打ち上げ能力の獲得は2021年に初打ち上げ予定の後継機[[KSLV-2]]が成功するまで持ち越しとなる予定。
 
|}
 
イタリア、カザフスタンを追加せず、フランス、イギリス、ウクライナを削除しないでください。また、並びを変えたり、ウクライナやロシアに番号を振り当てないでください。詳細は[[:en:Talk:Satellite]]と[[:en:Timeline of first orbital launches by nationality]]を見てください。
 
 
 
; 注釈
 
# [[欧州ロケット開発機構]](ELDO)はイギリス・フランスなどの打ち上げシステムを継承して、1968年から人工衛星を搭載した[[ヨーロッパ (ロケット)|ヨーロッパ1]]を、1971年に[[ヨーロッパ (ロケット)|ヨーロッパ2]]を打ち上げたが全て失敗している。<br>この時の教訓は[[欧州宇宙機関|ESA]]の[[アリアン]]ロケットに活かされている。<br>なお、イギリス由来の主要技術は[[欧州宇宙機関|ESA]]には継承されずに断絶した。
 
# [[イラク]]は1989年に最初の人工衛星の打ち上げに成功したと主張したが、軌道上に衛星は確認されていない。
 
# [[ブラジル]]は1997年と1999年、2003年に[[VLS-1]]で人工衛星の打ち上げを試みたが失敗した。<br>[[ブラジルロケット爆発事故|2003年の失敗]]が死傷者を出す事故となったため計画が大幅に遅延したが、現在ではウクライナの協力で2016年に[[ツィクロン (ロケット)|ツィクロン4]]ロケットによって最初の衛星の打ち上げを目指していたが中止され、未定。
 
# [[イタリア]]が開発を主導した[[ヴェガロケット]]が2012年に人工衛星の軌道投入に成功したが、欧州宇宙機関の中で開発・運用されているためリストに含めていない。
 
{{-}}
 
 
 
=== 2011年までの人工衛星打ち上げ実績 ===
 
{| class="wikitable sortable" style="text-align:center"
 
|-
 
! 打ち上げ国 !! 打ち上げ回数 !! 成功数 !! 成功率
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{RUS}}<br/>{{UKR}}<br/>({{SSR}}) || 2,962 || 2,762 || 93.2%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{USA}} || 1,482 || 1,313 || 88.6%
 
|-
 
| style="text-align:left" | [[ファイル:ESA logo.svg|27px]] [[欧州宇宙機関]] (ESA) || {{0}}210 || {{0}}195 || 92.9%
 
|-
 
| style="text-align:left" | [[多国籍企業]] || {{0}}202 || {{0}}193 || 95.5%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{CHN}} || {{0}}164 || {{0}}149 || 90.9%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{JPN}} || {{0|00}}88 || {{0|00}}76 || 86.4%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{IND}} || {{0|00}}35 || {{0|00}}25 || 71.4%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{FRA}} || {{0|00}}12 || {{0|000}}9 || 75.0%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{ISR}} || {{0|000}}8 || {{0|000}}6 || 66.7%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{IRN}} || {{0|000}}3 || {{0|000}}2 || 66.7%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{GBR}} || {{0|000}}2 || {{0|000}}1 || 50.0%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{BRA}} || {{0|000}}2 || {{0|000}}0 || 0.0%
 
|-
 
| style="text-align:left" | {{KOR}} || {{0|000}}2 || {{0|000}}0 || 0.0%
 
|-
 
|}
 
* [[1957年]]から[[2011年]]までの人工衛星打ち上げ実績による。
 
* 多国籍企業は[[インターナショナル・ローンチ・サービス]]、[[ISCコスモトラス]]、[[シーロンチ]]、[[スターセム]]、[[ユーロコット]]の5社。
 
* 打ち上げられた人工衛星の状態は問わない。
 
出典<ref>{{Cite book|和書|author=[[宇宙航空研究開発機構]](JAXA)有人宇宙ミッション検討のミエル化チーム|date=2012-03-08|title=日本の宇宙探検|publisher=JAXA|page=14-15|isbn=978-4-905427-06-3}}</ref>
 
 
 
=== 主なローンチ・ヴィークル ===
 
{{see|ロケット一覧}}
 
{{see|ローンチ・ヴィークルの一覧}}
 
 
 
==== 歴史的なローンチ・ヴィークル ====
 
* [[V2ロケット]]
 
* [[PGM-11 (ミサイル)|レッドストーン]]
 
* [[サターンロケット|サターンV]]
 
* [[エネルギア]]
 
* [[N-1]]
 
* [[タイタン (ロケット)|タイタン]]
 
* [[スペースシャトル]]
 
 
 
==== 現代のローンチ・ヴィークル ====
 
* [[アメリカ合衆国]]
 
** [[デルタ II]]
 
** [[デルタIV]]
 
** [[アトラスV]]
 
** [[ペガサス_(ロケット)|ペガサス]]
 
** [[ファルコン9]]
 
** [[ミノタウロス (ロケット)|ミノタウロス]]
 
** [[アンタレス (ロケット)|アンタレス]]
 
* [[ロシア]]・[[ソビエト連邦|ソ連]]
 
** [[ソユーズ]]
 
** [[プロトン_(ロケット)|プロトン]]
 
** [[モルニヤ_(ロケット)|モルニヤ]]
 
** [[アンガラ・ロケット|アンガラ]]
 
** [[ロコット]]
 
** [[シュチーリ]]
 
** [[スタールト1]]
 
** [[ストレラ]]
 
** [[ヴォルナ (ロケット)|ヴォルナ]]
 
* [[ウクライナ]]
 
** [[ドニエプル_(ロケット)|ドニエプル]]([[R-36_(ミサイル)|R-36Mミサイル]])
 
** [[ゼニット_(ロケット)|ゼニット]]
 
* [[日本]]
 
** [[H-IIAロケット]]
 
** [[H-IIBロケット]]
 
** [[イプシロンロケット|イプシロン]]
 
* [[欧州連合|欧州]]
 
** [[アリアン]]
 
** [[ヴェガロケット|ヴェガ]]
 
* [[中華人民共和国|中国]]
 
** [[長征_(ロケット)|長征]]
 
** [[快舟]]
 
** [[開拓者1号]]
 
* [[インド]]
 
** [[PSLV]]
 
** [[GSLV]]
 
* [[イスラエル]]
 
** [[シャヴィト]]
 
* [[イラン]]
 
** [[サフィール (イランのロケット)|サフィール]]
 
* [[シムルグ (ロケット)|シルムグ]]
 
* [[朝鮮民主主義人民共和国]]
 
** [[銀河3号 (ロケット)|銀河]]
 
* [[大韓民国]]
 
** [[羅老 (ロケット)|羅老]]-->
 
 
 
== 大気圏内でのロケット ==
 
[[File:Bundesarchiv Bild 102-06122, Burgwedel, Raketenwagen auf Eisenbahnschienen.jpg|thumb|250px|ロケット推進の鉄道車両であるOpel-Sander Rak.3]][[File:Goodwood2007-121 The Blue Flame.jpg|thumb|250px|right|1970年10月23日に1014.513 km/hの世界記録を樹立した'''[[:en:Blue Flame (car)|ブルー・フレーム]]''']]
 
ロケットは推進力が強力であり、[[大気圏]]内において物体を飛行させるための推進力としても利用される。その最も一般的な適用例は気象[[観測ロケット]]で、高層大気の状態を観測するためにしばしば打ち上げられる。[[気象庁]]でも定期的に気象観測ロケット ([[MT-135ロケット|MT-135]]) を打ち上げていたが、[[2001年]] に運用を終了させた。
 
 
 
他に無重力実験や各種実験、[[天体観測]]用の試験装置を搭載したロケットが打ち上げられる場合もある。
 
 
 
=== ロケット飛行機 ===
 
{{main|ロケット飛行機}}
 
[[飛行機]]への適用としては、1928年6月11日に[[:de:Fritz Stamer|Fritz Stamer]]の操縦により[[:en:Lippisch Ente|Lippisch Ente]]が飛行し、1929年9月30日に"ロケットフリッツ"("Rocket Fritz")の異名を持つ[[フリッツ・フォン・オペル]]の操縦により[[:en:Opel RAK.1|Opel RAK.1]]が飛行に成功、その後、第二次大戦前夜の1939年6月20日にErich Warsitzの操縦により[[ヴァルター機関|液体燃料ロケットエンジン]]を搭載した[[He 176 (航空機)|He 176]]が飛行に成功して、[[第二次世界大戦]]末期に盛んな研究・開発がなされたが、その典型例がナチスドイツの[[要撃機|迎撃戦闘機]][[Me163]]といえる。Me163 は推力1,700kgの[[ヴァルター機関|ヴァルターロケット]]1基により亜音速飛行を実現した。この戦闘機を参考に日本でも類似した局地戦闘機「[[秋水]]」が試作されたが、試験飛行中に墜落して終わった。ソビエトでは1942年に[[:en:Bereznyak-Isayev BI-1|BI-1]]が飛行した。他にも[[:en:Mikoyan-Gurevich I-270|ミグI-270]]、[[:en:DFS 40|DFS 40]]、[[:en:DFS 194|DFS 194]]、[[Ba 349 (航空機)|Ba 349]]、[[Go 242 (航空機)|Go 242]]、[[DFS 228 (航空機)|DFS 228]]、[[DFS 346]]等があった。
 
 
 
また、固体燃料式のロケットも[[プロペラ機]]の離陸促進用補助ロケットとして各国で多数利用されたが、純然たる推進力として採用した[[航空機]]として有名なのが第二次世界大戦において使用された日本海軍の人間爆弾([[特攻兵器]])「[[桜花 (航空機)|桜花]]」である。本機はまずグライダーとして母機から切り離された後、攻撃を回避しながら敵艦へ体当たりするため推力800kgの火薬式ロケット3本を順次燃焼させながら最終的に時速800km程度で突入するというものであった。他にロケット推進グライダーの[[K1号 (航空機)|K1号]]や[[神龍 (航空機)|神龍]]が試作された。
 
 
 
ドイツでは無線誘導ロケット爆弾[[Hs 293 (ミサイル)|Hs 293]]などが開発され、実戦投入された。
 
 
 
その後、米軍の[[超音速]]実験機[[X-1 (航空機)|X-1]]においてロケットが推進力として使用されて飛行速度1.06マッハを実現した。「[[桜花 (航空機)|桜花]]」と同じく、航空機から小型航空機を発射するという方法がとられているが、これはロケットエンジンの燃料消費量があまりにも大きく、戦闘機サイズの燃料搭載量では自力で飛行目標を達成できないからであった。燃費が悪いロケットは大気圏内の航空機用推進力としてはあまり用いられなくなり、航空機の推進力は次第に[[ジェットエンジン]]へと遷移していった。その後、一部の愛好家によって、実用機ではないが[[:en:XCOR Aerospace|XCOR Aerospace]]社の[[:en:XCOR EZ-Rocket|XCOR EZ-Rocket]]のようなロケット飛行機が開発、飛行されている。他に地球以外の惑星でも類似の動力による飛行が検討されている。<ref>[http://www.mech.tohoku.ac.jp/sena/series20/vol2/vol2-2.html 火星飛行機を実現する!]</ref><ref>[http://www.repository.lib.tmu.ac.jp/dspace/bitstream/10748/.../1/10134-001.pdf 火星探査航空機翼型の設計探査]</ref>
 
 
 
しかし、その後も宇宙ロケットと構造が類似している[[弾道ミサイル]]には液体燃料ロケットが採用され、瞬発力と大推力を有する固体燃料ロケットは弾道ミサイルのほか、前述の通り短射程のミサイルや[[気象観測]]、[[無重力実験]]、[[射出座席]]や[[ゼロ距離発進]]、[[MLRS]]、[[無反動砲]]等にも多用されている。
 
 
 
=== ロケット自動車 ===
 
{{main|ロケット自動車}}
 
比較的簡易な構造で急加速、高速が出せるので、[[1928年]][[5月23日]]にベルリン郊外の[[アヴス]]サーキットで[[フリッツ・フォン・オペル]]の運転により[[:de:Opel RAK2|Opel RAK2]]が時速238kmの世界記録を樹立したり、その後も[[:en:Blue Flame (car)|ブルー・フレーム]]、[[:en:Budweiser Rocket|Budweiser Rocket]]等、[[ロケット自動車|ロケットエンジンを動力とする自動車]]が速度記録に挑んでいる。但し、[[ロケットエンジン]]の作動時間は限られているので近年の[[自動車の速度記録]]では推力の持続する[[ジェットエンジン]]を動力とする車両が記録を樹立している。
 
 
 
=== その他 ===
 
また[[ロケットスレッド]]や1975年に[[ヴァルター機関|水蒸気ロケット]]を用いたドイツの[[磁気浮上式鉄道]]KOMET(Komponentenmeßtrager)による401.3km/hの記録の樹立や1978年には固体燃料ロケットを搭載した[[HSST#HSST-01|HSST-01]]による307.8km/hの達成等で使用された。
 
 
 
== 趣味・教材用のロケット ==
 
=== モデルロケット ===
 
[[File:Kluft-photo-dual-hpr-launch-Sep-2004-Img 2757c.jpg|thumb|モデルロケット発射の様子]]
 
{{main|モデルロケット}}
 
一般人が趣味として気軽に打ち上げられる本格的なロケットとして[[モデルロケット]]がある。これは燃料に小型のものは[[黒色火薬]]、中・大型のものは[[コンポジット推進薬]]を使用したもので、コンポジット推進薬はスペースシャトルやH2-Aロケットのブースターに使用される燃料と同じ燃料である。高度は百メートルから数十キロに達するものもある。
 
 
 
=== 教材用ロケット ===
 
また、最近(1990年代ごろから?)では、[[ペットボトル]]に水と圧縮空気を充填し、水を圧縮空気の圧力で噴射する事によって推力を得る[[ペットボトルロケット]]が、[[科学教材]]として広く利用されている。また、[[火薬]]を使って飛ばす[[モデルロケット]]も普及し始め、各地の中学校で「総合教育」として取り入れられている。また、[[JETEX]]や[[タイガーロケッティ]]のような模型飛行機向けのロケットエンジンもあった(JETEXは現在も継続中)。また、国内外の一部の愛好家の間では[[ハイブリッドロケット]]や[[液体燃料ロケット]]も打ち上げられる。
 
 
 
=== 航空法の適用 ===
 
日本国内では[[航空法]]に基づき、ロケットを打ち上げる空域によっては、打ち上げる事が禁止される場合、または打ち上げる場合に事前に国土交通大臣への届出が必要な場合がある。
 
{{see also|制限表面}}
 
 
 
== 出典 ==
 
{{Refbegin|2}}
 
* {{Citation |last1=Allen |first1= H. Julian |last2=Eggers |first2=A. J. |url=http://naca.central.cranfield.ac.uk/reports/1958/naca-report-1381.pdf |title=A Study of the Motion and Aerodynamic Heating of Ballistic Missiles Entering the Earth's Atmosphere at High Supersonic Speeds |publisher= NACA |year=1958 |oclc=86134556}}
 
* {{Citation | last = Baker | first = A. D. | title = Combat Fleets of the World 2000-2001 | publisher = US Naval Institute Press | location = Annapolis | year = 2000 | isbn = 978-1-55750-197-4 }}
 
* {{Citation |last=Béon|first=Yves |others=translated from the French '''La planète Dora''' by Béon & Richard L. Fague |title=Planet Dora: A Memoir of the Holocaust and the Birth of the Space Age|year=1997 |publisher=Westview Press, Div. of Harper Collins|isbn=0-8133-3272-9 }}
 
* {{Citation | last = Buchanan | first = Brenda | title = Gunpowder, Explosives and the State |url= http://books.google.com/?id=7n6Cg9znFrUC&printsec=frontcover | publisher = Ashgate | location = Aldershot | year = 2006 | isbn = 978-0-7546-5259-5 }}
 
* {{Citation | first = David W. | last = Callaway | title = Coplanar Air Launch with Gravity-Turn Launch Trajectories | journal = Masters Thesis | date = March 2004 | url = https://research.maxwell.af.mil/papers/ay2004/afit/AFIT-GAE-ENY-04-M04.pdf | format = PDF | archiveurl = https://web.archive.org/web/20071128105951/https://research.maxwell.af.mil/papers/ay2004/afit/AFIT-GAE-ENY-04-M04.pdf | archivedate = 2007年11月28日 | deadlinkdate = 2017年9月 }}
 
* {{Citation | last = Chase | first = Kenneth | title = Firearms : A global history to 1700 | url=http://books.google.com/?id=esnWJkYRCJ4C&printsec=frontcover |publisher = Cambridge University Press | location = Cambridge | year = 2003 | isbn = 978-0-521-82274-9 }}
 
* {{Citation | last = Clary | first = David | title = Rocket Man | publisher = Theia | location = New York | year = 2003 | isbn = 978-0-7868-6817-9 }}
 
* {{Citation | last = Crosby | first = Alfred W. | title = Throwing Fire: Projectile Technology Through History | year = 2002 | publisher = Cambridge University Press | location = Cambridge | isbn = 0-521-79158-8}}
 
* {{Citation |last=Esnault-Pelterie |first=Robert |title=Considerations sur les resultats d'un allegement indefini des moteurs |journal=Journal de physique theorique et appliquee |location=Paris |year=1913 |oclc=43942743 |language=French }}
 
* {{Citation |author=GAO |title= Cost Benefit Analysis Used in Support of the Space Shuttle Program |url=http://archive.gao.gov/f0302/096542.pdf |location= Washington, DC |publisher= General Accounting Office, US Government |year= 1972 }}
 
* {{Citation | last = Glasstone | first = Samuel | title = Sourcebook on the Space Sciences | publisher = D. Van Nostrand Company | year = 1965 |oclc=232378}}
 
* {{Citation | last = Goddard | first = Robert |title = A Method of Reaching Extreme Altitudes |url= http://www.clarku.edu/research/archives/pdf/ext_altitudes.pdf |year=1919 |oclc=3430998 |authorlink=Robert Goddard}}
 
* {{Citation | last = Goddard | first = Robert | title = Rockets | publisher = Dover Publications | location = New York | year = 2002 | isbn = 978-0-486-42537-5 }}
 
* {{Citation |last=Hansen |first=James R. |year=1987 |url=http://history.nasa.gov/SP-4305/sp4305.htm |title=Engineer in Charge: A History of the Langley Aeronautical Laboratory, 1917-1958. |work=The NASA History Series, sp-4305 |publisher=NASA |oclc=246830126}}
 
* {{Citation |last=Harford |first=James |authorlink= |others= |title=Korolev: How One Man Masterminded the Soviet Drive to Beat America to the Moon |year=1997 |publisher=John Wiley & Sons |location= |isbn=0-471-14853-9 }}
 
* {{Citation |last=Hassan |first=Ahmad Y |url= http://www.history-science-technology.com/Articles/articles%202.htm |title=Gunpowder Composition for Rockets and Cannon in Arabic Military Treatises In Thirteenth and Fourteenth Centuries |accessdate=2008-03-29 |authorlink=Ahmad Y Hassan |work=History of Science and Technology in Islam |year=a}}
 
* {{Citation |last=Hassan |first=Ahmad Y |url=http://www.history-science-technology.com/Articles/articles%2072.htm |title=Transfer Of Islamic Technology To The West, Part III: Technology Transfer in the Chemical Industries |accessdate=2008-03-29 |authorlink=Ahmad Y Hassan |work=History of Science and Technology in Islam |year=b |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080309003120/http://www.history-science-technology.com/Articles/articles%2072.htm |archivedate=2008年3月9日 |deadlinkdate=2017年9月 }}
 
* {{Citation |last=Houchin |first=Roy |title=U.S. Hypersonic Research and Development: The Rise and Fall of Dyna-Soar, 1944–1963 |year=2006 |publisher=Routledge |location=New York |isbn=0-415-36281-4}}
 
* {{Citation |last=Hunt |first=Linda |title=Secret Agenda: The United States Government, Nazi Scientists, and Project Paperclip, 1945 to 1990 |year=1991 |publisher=St.Martin's Press |location=New York |isbn=0-312-05510-2}}
 
* {{Citation|last1=Huzel |first1=D. K. |last2=Huang |first2=D. H. |title=NASA SP-125, Design of Liquid Propellant Rocket Engines |edition=2nd |publisher=NASA |year=1971 |url=http://ntrs.nasa.gov/search.jsp?Ntt=sp-125&Ntk=all&Ntx=mode}}
 
* {{Citation |last=Johnson |first= |title=Contents and commentary on William Moore's a treatise on the motion of rockets and an essay on naval gunnery |journal=International Journal of Impact Engineering |volume=16 |issue=3 |date = June 1995|oclc=105570427}}
 
* {{Citation | last = Marconi | first = Elaine M. | date = April 12, 2004 | url = http://www.nasa.gov/missions/research/f_sounding.html | title = What is a Sounding Rocket? | work = Research Aircraft | publisher = NASA | accessdate = October 10, 2006}}
 
* {{Citation |author=NASA |url=http://exploration.grc.nasa.gov/education/rocket/rktstage.html |title=Rocket staging |accessdate=2009-06-28 |publisher=NASA |work=Beginner's Guide to Rockets |year=2006}}
 
* {{Citation | last = Needham | first = Joseph | title = Science and Civilisation in China |url=http://books.google.com/?id=BZxSnd2Xyb0C&printsec=frontcover | publisher = Cambridge University Press | location = Cambridge | year = 1986 | isbn = 978-0-521-30358-3 }}
 
* {{Citation |last=Nowak |first=Tadeusz |title=Kazimierz Siemienowicz ok.1600-ok.1951 |year=1969 |publisher=MON Press |location=Warsaw |oclc=254130686 |language=Polish}}
 
* {{Citation | last = Polmar | first = Norman | title = Cold War Submarines | publisher = Brassey's | location = Washington | year = 2004 | isbn = 978-1-57488-594-1 }}
 
* {{Citation |last1=Potter |first1=R.C |last2=Crocker |title=Acoustic Prediction Methods for Rocket Engines, Including the Effects of Clustered Engines and Deflected Exhaust Flow, CR-566 |url=http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/19660030602_1966030602.pdf |location=Washington, D.C. |publisher=NASA |year=1966 |oclc=37049198|first2=M.J }}
 
* {{Citation |author=Space History Division |url=http://www.nasm.si.edu/research/dsh/artifacts/RM-Hale24pdr.htm |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070818125248/http://www.nasm.si.edu/research/dsh/artifacts/RM-Hale24pdr.htm |archivedate=2007-08-18 |title=Hale 24-Pounder Rocket |publisher=Smithsonian National Air and Space Museum |year=1999}}
 
* {{Cite DNB|authorlink=Henry Morse Stephens|first=Henry Morse|last=Stephens|wstitle=Congreve, William (1772-1828)|volume=12|page=9|ref=harv}}
 
* {{Citation | last = Sutton | first = George | title = Rocket Propulsion Elements |edition=7th |url=http://books.google.com/?id=LQbDOxg3XZcC&printsec=frontcover | publisher = John Wiley & Sons | location = Chichester | year = 2001 | isbn = 978-0-471-32642-7 }}
 
* {{Citation | last = Van Riper | first = A Bowdoin | title = Rockets and Missiles | publisher = Greenwood Press | location = Westport | year = 2004 | isbn = 978-0-313-32795-7 }}
 
* {{Citation |last1=von Braun |first1=Wernher |last2=Ordway |first2=Frederick Ira |title=History of rocketry & space travel |authorlink=Wernher Von Braun |year=1966 |publisher=Crowell |location=New York |oclc=566653}}
 
* {{Citation |last1=von Braun |first1=Wernher |editor= Emme, Eugene Morlock |title=The History of Rocket Technology: The Redstone, Jupiter and Juno |journal=Technology and Culture |volume=IV |issue=4 |date=Autumn 1963 |oclc=39186548 |pages=452–465 |doi=10.2307/3101379}}
 
* {{Citation | last = Zaloga | first = Steven | title = V-2 ballistic missile 1942-52 |series=New Vanguard |volume=82 | publisher = Oxford University Press | location = Oxford Oxfordshire | year = 2003 | isbn = 978-1-84176-541-9 }}
 
* {{Citation |url=http://history.msfc.nasa.gov/rocketry/tl1.html |title=Rockets in Ancient Times (100 B.C. to 17th Century) |accessdate=2009-06-28 |publisher=NASA |work=A Timeline of Rocket History |author=MSFC History Office}}
 
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'''脚注'''
 
{{Reflist|2|group=nb}}
 
 
 
'''引用'''
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Rockets|ロケット}}
 
* [[宇宙開発]]
 
* [[宇宙旅行]]
 
* [[射場]]
 
* [[ツィオルコフスキーの公式]]
 
* [[モデルロケット]]
 
* [[スペースプレーン]]
 
* [[ロケット・ミサイル技術の年表]]
 
* [[ロケット一覧]]
 
* [[ミサイル一覧]]
 
* [[ローンチ・ヴィークルの比較]]
 
* [[ローンチ・ヴィークルの一覧]]
 
* [[固体燃料式軌道投入用打ち上げシステムの比較]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://skyrocket.de/space/space.html Gunter's Space Page]
 
* [http://www.russianspaceweb.com/index.html Russian Space Web]
 
* {{PDFlink|[http://www.jaxa.jp/missions/projects/rockets/h2a/img/roc_guide-book.pdf ロケットガイド]}}
 
* [http://www.jaxa.jp/about/centers/tnsc/ JAXA 種子島宇宙センター]
 
 
 
'''政府機関'''
 
* [http://www.sderotmedia.com/ about the rocket in israel]
 
* [http://ast.faa.gov/ FAA Office of Commercial Space Transportation]
 
* [http://www.nasa.gov/ National Aeronautics and Space Administration (NASA)]
 
* [http://www.nar.org/ National Association of Rocketry (USA)]
 
* [http://www.tripoli.org/ Tripoli Rocketry Association]
 
* [http://www.acema.com.ar/ Asoc. Coheteria Experimental y Modelista de Argentina]
 
* [http://www.ukra.org.uk/ United Kingdom Rocketry Association]
 
* [http://www.modellraketen.org/ IMR - German/Austrian/Swiss Rocketry Association]
 
* [http://www.canadianrocketry.org/ Canadian Association of Rocketry]
 
* [http://www.isro.org/ Indian Space Research Organisation]
 
 
 
'''情報サイト'''
 
* [[Encyclopedia Astronautica]] - [https://web.archive.org/web/20040514103554/http://www.astronautix.com/lvs/ Rocket and Missile Alphabetical Index]
 
* [http://www.braeunig.us/space/index.htm Rocket and Space Technology]
 
* Gunter's Space Page - [http://space.skyrocket.de/ Complete Rocket and Missile Lists]
 
* [https://web.archive.org/web/20070521025308/http://www.pwrengineering.com/data.htm Rocketdyne Technical Articles]
 
* [http://www.relativitycalculator.com/rocket_equations.shtml Relativity Calculator - Learn Tsiolkovsky's rocket equations]
 
* [http://sites.google.com/site/rgoddardsite Robert Goddard--America's Space Pioneer]
 
  
 +
噴流を後方に押出す力の反作用によって推進する飛行体で,宇宙開発の基本的な道具である。第2次世界大戦中に,ドイツで近代的な液体燃料ロケットV-2号が発明され,戦後,アメリカとソ連はこれをもとにして次々と大型のロケットを開発した。[[化学ロケット]]と非化学ロケットに大別されるが,通常は化学ロケットを意味する。化学ロケットは,推進剤の消費量は多いが,推力対装置重量比が著しく大きい特徴をもち,非化学ロケットは推力対装置重量比は非常に小さいが推進剤の消費量が非常に少くてすむ特徴をもつ。したがって,宇宙船や人工衛星などの打上げやミサイルのように,地球の重力による損失を極力減らすために急速な加速を必要とする場合は化学ロケットが適しており,惑星間航行のように長期間の航行には低推力ではあるが[[比推力]]の大きな非化学ロケットが望ましい。非化学ロケットでは,[[原子力ロケット]],[[電気ロケット]],[[イオンロケット]],[[プラズマロケット]],[[光子ロケット]]などの開発が進められている。
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2018/10/9/ (火) 10:46時点における最新版

ロケット: rocket

噴流を後方に押出す力の反作用によって推進する飛行体で,宇宙開発の基本的な道具である。第2次世界大戦中に,ドイツで近代的な液体燃料ロケットV-2号が発明され,戦後,アメリカとソ連はこれをもとにして次々と大型のロケットを開発した。化学ロケットと非化学ロケットに大別されるが,通常は化学ロケットを意味する。化学ロケットは,推進剤の消費量は多いが,推力対装置重量比が著しく大きい特徴をもち,非化学ロケットは推力対装置重量比は非常に小さいが推進剤の消費量が非常に少くてすむ特徴をもつ。したがって,宇宙船や人工衛星などの打上げやミサイルのように,地球の重力による損失を極力減らすために急速な加速を必要とする場合は化学ロケットが適しており,惑星間航行のように長期間の航行には低推力ではあるが比推力の大きな非化学ロケットが望ましい。非化学ロケットでは,原子力ロケット電気ロケットイオンロケットプラズマロケット光子ロケットなどの開発が進められている。





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