「ポリュペーモス」の版間の差分

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'''ポリュペーモス'''({{lang-grc-short|'''Πολύφημος'''}}, {{ラテン翻字|el|Polyphēmos}}, {{lang-la|Polyphemus}})は、[[ギリシア神話]]の[[巨人 (伝説の生物)|巨人]]または人物である。[[長母音]]を省略して'''ポリュペモス'''あるいは'''ポリュフェモス'''とも表記する<ref>{{Cite web |url = https://kotobank.jp/word/ポリュフェモス-134434 |title = ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 |publisher = コトバンク |accessdate = 2018-03-17 }}</ref>。ポリュペーモスとは「名の知られた」という意味である。
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'''ポリュペーモス'''({{lang-grc-short|'''Πολύφημος'''}}, {{ラテン翻字|el|Polyphēmos}}, {{lang-la|Polyphemus}}
神話では、一つ目の人食い巨人と、[[アルゴナウタイ]]の一員である人間、ふたりのポリュペーモスが登場する。
 
  
== 単眼の巨人 ==
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ギリシア神話で、
=== 『オデュッセイアー』でのポリュペーモス ===
 
[[File:Jakob Jordaens 009.jpg|thumb|ポリュフェモスの洞窟にいる[[オデュッセウス]]、[[ヤーコブ・ヨルダーンス]]、17世紀初頭]]
 
[[ポセイドーン]]と[[ネーレイデス]]のトオーサの息子。[[キュクロープス]]のひとりとされる。[[ホメーロス]]の[[叙事詩]]『[[オデュッセイアー]]』第9書で、[[オデュッセウス]]が語る航海譚に登場する。
 
  
ポリュペーモスはキュクロープスたちの中でも最も大きい体を持ち、キュクロープスたちの島の洞窟に住んでいた。[[オデュッセウス]]が[[トロイア戦争]]からの帰途、この島に立ち寄った際、12人の部下とともにポリュペーモスの洞窟に閉じ込められた。
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(1)一つ目の巨人族キクロペスの一人で、ポセイドンの子。海のニンフのガラテイアに恋するが、醜怪な顔のため相手を怖がらせるばかりであった。その思いの丈をせつせつと歌っているのを、彼女とその恋人アキスに聞かれていることを知った彼は、岩を投げつけてアキスを殺した。のちに、漂流中のオデュッセウスとその部下が彼の洞穴に迷い込むと、その部下を何人も食い殺したが、オデュッセウスの差し出すぶどう酒に酔っぱらい、一つ目を焼け杭(ぐい)でつぶされた。
  
部下たちが2人ずつ食べられていくうち、オデュッセウスは持っていた[[ワイン]]をポリュペーモスに飲ませて機嫌を取った。これに気をよくしたポリュペーモスは、オデュッセウスの名前を尋ね、オデュッセウスが「ウーティス」(ギリシア語で「誰でもない」の意)と名乗ると、ポリュペーモスは「おまえを最後に食べてやろう」といった。
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(2)ラピタイ人で、エラトスとヒッペの子。アルゴ船に乗り組んで金の羊毛皮を探しに出かけたが、ミシアでヒラスが泉のニンフたちにさらわれ行方不明になったとき、ヘラクレスとともにヒラスを探しに出たままミシアに置き去りにされた。彼はその地にキオスの町を建設した。
  
ポリュペーモスが酔いつぶれて眠り込んだところ、オデュッセウスは部下たちと協力して巨人の眼を潰した。ポリュペーモスは大きな悲鳴を上げ、それを聞いた仲間のキュクロープスたちが集まってきたが、だれにやられたと聞かれてポリュペーモスが「ウーティス(誰でもない)」と答えるばかりであったため、キュクロープスたちはみな帰ってしまった。
 
 
オデュッセウスたちは羊の腹の下に隠れて洞窟を脱出し、船に戻って島から離れた。このとき、興奮したオデュッセウスが本当の名を明かして嘲笑したため、ポリュペーモスはオデュッセウスに罰を与えるよう父ポセイドーンに祈り、以後ポセイドーンはオデュッセウスの帰還を何度も妨害することになった。ポリュペーモスがオデュッセウスによって眼を潰されることは、エウリュモスの子テーレモスによって[[予言]]されていたという。
 
 
=== ポリュペーモスとガラテイア ===
 
''詳細は[[ガラテイア]]を参照。''
 
 
[[古代ローマ]]の詩人[[オウィディウス]]はポリュペーモスが[[ガラテア]]という名の[[ニュムペー]]に恋をした逸話を伝えている。
 
 
== アルゴナウタイの一員 ==
 
[[エラトス]]とヒッペアの息子で[[アルカディア]]人。[[カリュドーンの猪]]狩に参加した[[カイネウス]]とは兄弟。
 
[[イアーソーン]]が率いる[[アルゴナウタイ]]に参加した。[[コルキス]]をめざす途中、[[アルゴー船]]が[[ミューシア|ミューシアー]]に立ち寄った際、[[ヘーラクレース]]の愛していた少年[[ヒュラース]]が水のニュムペーにさらわれてしまった。ポリュペーモスがヘーラクレースとともにヒュラースを探している間に船は出航し、二人は置き去りとなった。ポリュペーモスはミューシアーに[[キオス]]市を創建したという。
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{reflist}}
 
 
== 参考図書 ==
 
{{Commonscat|Polyphemus}}
 
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』([[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]])
 
* ホメーロス『オデュッセイアー』((上)、[[呉茂一]]訳、岩波文庫)
 
* [[ロバート・グレーヴス]]『ギリシア神話』(上・下、[[高杉一郎]]訳、[[紀伊國屋書店]])
 
* [[カール・ケレーニイ]]『ギリシアの神話』(「神々の時代」・「英雄の時代」、[[高橋英夫 (評論家)|高橋英夫]]訳、[[中央公論社]])
 
* B.エヴスリン『ギリシア神話小事典』(小林稔訳、[[現代教養文庫]]) (ISBN 4-390-11000-4)
 
  
 
{{ギリシア神話}}
 
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[[Category:ギリシア神話の巨人]]
 
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2018/10/25/ (木) 12:51時点における最新版

ポリュペーモス古希: Πολύφημος, Polyphēmos, ラテン語: Polyphemus

ギリシア神話で、

(1)一つ目の巨人族キクロペスの一人で、ポセイドンの子。海のニンフのガラテイアに恋するが、醜怪な顔のため相手を怖がらせるばかりであった。その思いの丈をせつせつと歌っているのを、彼女とその恋人アキスに聞かれていることを知った彼は、岩を投げつけてアキスを殺した。のちに、漂流中のオデュッセウスとその部下が彼の洞穴に迷い込むと、その部下を何人も食い殺したが、オデュッセウスの差し出すぶどう酒に酔っぱらい、一つ目を焼け杭(ぐい)でつぶされた。

(2)ラピタイ人で、エラトスとヒッペの子。アルゴ船に乗り組んで金の羊毛皮を探しに出かけたが、ミシアでヒラスが泉のニンフたちにさらわれ行方不明になったとき、ヘラクレスとともにヒラスを探しに出たままミシアに置き去りにされた。彼はその地にキオスの町を建設した。





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