プレプス

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プレプス

plebs

ローマ共和政時代の平民。特権貴族パトリキと区別された一般市民。起源は不明であるが,古くから土地所有や家系においてパトリキより劣る存在であった。プレプスは,最初官職から除外され,パトリキとの通婚も禁じられていた。プレプスは自己の身分を守るため,護民官 (トリブヌス・プレビス ) を設置し (前 494) ,平民会を開いた。前 445年カヌレイウス法が成立して,パトリキ,プレプスの結婚が自由となった。次いで執政官 (コンスル ) のうち一名がプレプスから選ばれ (前 366) ,そのほかの官職もプレプスに開かれ,元老院議員にもなることができ,オグルニウス法 (前 300) で神官職につきうるようになった。ホルテンシウス法 (前 287) により,平民会の決議がパトリキをも拘束することとなり,200年にわたる身分闘争は一応解決した。プレプスが進出できたのは,重装兵戦術の採用により,中小農民の軍事的役割が重視されるようになったからとされる。共和政の後半には,プレプスの富裕者はパトリキとともに新貴族を形成し,それ以後はプレプスは下層市民を意味するようになった。