プラグインハイブリッドカー

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ファイル:BYD 02.JPG
世界初の量産型プラグインハイブリッドカーBYD F3DM EV走行時の最大航続距離約96km(約60マイル

テンプレート:持続可能エネルギー プラグインハイブリッドカー (plug-in hybrid car) は、コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できるハイブリッド車であり、PHV (Plug-in Hybrid Vehicle) またはPHEV (Plug-in Hybrid Electric Vehicle) と略されるプラグインハイブリッド式輸送機器の一種。

概要

プラグインハイブリッドカーとは、直接コンセントから充電できるタイプのハイブリッドカーである。

プラグインとは電化製品と同様に、家庭用電源からプラグ(電気機器の電源コードの先に付いている差込器具)を利用して直接電力を供給し充電できるもので、プラグインハイブリッドカーは、非プラグインハイブリッドカーに比べ電池を多く搭載しているため、電気のみでより長距離を走行できる。ガソリンエンジン車の給油性能を残しながら電気自動車により近いタイプのハイブリッドカーである。

電気で走行するメリットは、エネルギー効率がガソリン車の数倍良く燃費が圧倒的に安い、走行時にCO2二酸化炭素)を車両から排出しないなどだが、電池がなくなるとガソリン車に比べ充電に時間がかかる。逆に内燃機関で発電して一部電動化した非プラグインのハイブリッドカーでは電池を内燃機関の補助と割り切っており、一般的なガソリン車に近い性質の自動車であった。双方の利点を取り込むため、従来のハイブリッド車に比べ多くのバッテリーと、内燃機関の両方を積むことによってエネルギー効率と給油速度を両立させたのが、プラグインハイブリッドカーである。外部電源(家庭用コンセントなど)から夜間電力などでバッテリーに充電し、モーターのみで電気自動車として走行できる。バッテリーの電力不足時には非プラグインのハイブリッドカー同様エンジンを用いて走行する。

海外では2008年に中国で政府機関向けに発売された比亜迪汽車BYDオート)のプラグインハイブリッドカー「F3DM」が世界初の量産型PHVとして発売された。F3DMの充電電池容量は20kWであり、最長60マイル(約96km)を電池のみで走行可能である。したがって片道40キロ程度の通勤や外出なら冷暖房を使わず、渋滞に巻き込まれなければガソリンを使わずに往復できる。F3DMの価格は14万9800(200万円弱)[1]と中国における一般的なガソリン車の2倍以上もするため、販売台数は2010年12月時点で500台未満にすぎない。 ゼネラルモーターズは、2010年12月よりシボレー・ボルト (ハイブリッドカー)をアメリカ市場に投入した。2011年10月までに5329台を販売している[2]。また、アメリカの新興自動車メーカーフィスカーは、2011年11月より100,000ドルを超える高級PHVスポーツカーフィスカー・カルマの一般顧客向け販売を開始した。

長所と短所

長所
  • バッテリーで走行可能な範囲で電気自動車としての使用が可能。
  • 燃料走行との併用で内燃機関自動車と同等の速度で給油が可能。
  • ガソリン代に比べ電気代は圧倒的に安い。
短所
  • バッテリーに加えエンジンと駆動系が必要なためコストや重量がかさむ。
  • 電気自動車に比べ内燃機関/HEVに比べより大型の電装品を積むため、車内空間やバッテリーサイズが犠牲になる。

歴史

  • 1997年3月、トヨタ自動車コースター ハイブリッドEVを市販。
  • 2003年、ヨーロッパでルノーからカングーのプラグインハイブリッドカー仕様elect'road発売。
  • 2004年頃、アメリカで既存の自動車の電池を大容量の物に載せ替えてプラグインハイブリッドカー化するキットがベンチャー企業で開発され、現在では数社から販売され補助金も出ている。
  • 2007年5月、日本でZEVEXが手作りのプラグインハイブリッドカーで日本列島縦断の旅を開始。
  • 2007年7月、トヨタ自動車のプラグインハイブリッドカーが国土交通省から大臣認定を受け公道テストを開始。
  • 2008年1月13日、北米国際オートショーにて中国・比亜迪汽車BYDオート)が低価格プラグインハイブリッドカーBYD F3DMを発表[3]
  • 2008年1月13日、北米国際オートショーにてトヨタが2010年までにプラグインハイブリッドカーを企業や官公庁などに対して販売する方針を発表[4]
  • 2008年1月14日、ゼネラルモーターズが2010年までにプラグインハイブリッドカーを完成させる方針を発表。
  • 2008年12月15日、中国でBYDが世界初の量産型プラグインハイブリッドカー「F3DM」を政府機関向けに発売開始[5]。価格は2万2000ドル(1ドル90円の場合約244万円)。家庭用電源で充電でき、100%の充電で60マイル(約96.56km)走行可能とされる。
  • 2009年6月3日、トヨタ自動車が2009年度中に日本、米国、欧州でプラグインハイブリッドカー500台をリース販売すると発表。電気のみで約20km走行可能とされる[6]。日本200台、米国約150台、フランス約100台、英国やポルトガルには50台以上を導入する計画である[7]
  • 2009年8月11日、ゼネラルモーターズが2010年後半にプラグイン式ハイブリッド車シボレー・ボルト (ハイブリッドカー)(Chevrolet Volt)の生産を開始し、2011年に市場投入すると発表した。市街走行時の燃費は、米基準で少なくとも1リットルあたり97キロとなる見通し。ガソリン1米ガロン当たり100マイル(1リットルあたり42.51km)以上の走行が可能な低燃費車としては、世界初の量産車だとしている[8]アメリカ環境保護局の調査では1ガロン当たり93マイルとなった[9]
  • 2009年10月21日、東京モーターショーにて三菱自動車工業がプラグインハイブリッドSUV「コンセプトPX-MiEV」を初公開。
  • 2009年11月18日、トヨタ自動車は、プリウスPHVのリース販売につき、経済産業省のモデル事業であるEV・PHVタウンに選定された官公庁自治体などの特定利用者との商談を開始。リース会社を通じて約200台をリースする。
  • 2009年11月20日、BYDはF3DMの一般消費者向け販売を2010年まで延期すると発表した。BYDはF3DMの価格が14万9800元(200万円弱)と一般的な中国のガソリン車に比べて高額のため、市販には政府の補助金提供が必要と主張している。F3DMの販売台数は2009年11月現在約100台程度にとどまっている[10]
  • 2009年12月4日、トヨタ自動車はプラグインハイブリッドカーを2011年末から一般向けに発売すると発表。価格は300万円台の見通し。100%の充電で約20km走行可能とされる[11]
  • 2010年2月9日、トヨタ自動車はプリウスプラグインハイブリッドなどハイブリッド車4車種のリコール届出を国土交通省に提出[12]
  • 2010年12月、シボレー・ボルト (ハイブリッドカー)がアメリカで正式発売。
  • 2011年11月29日、トヨタ自動車がプリウスPHVの受注を開始。価格は320万円から。
  • 2012年1月30日、トヨタ自動車がプリウスPHVを発売。
  • 2012年3月6日、ジュネーブモーターショーにて三菱自動車が次期アウトランダーをベースとしたプラグインハイブリッドカーを開発中と発表。
  • 2012年12月26日、三菱自動車がアウトランダーPHEVを発表、2013年1月24日発売。
  • 2013年10月1日、日野自動車が中型バス「メルファプラグインハイブリッド」を開発、翌月の東京モーターショーで公開[13]
  • 2015年9月8日、フォルクスワーゲンが「Golf GTE」を、BMWが「BMW X5 xDrive40e」を日本で発売開始[14]

関連項目

参照・脚注

外部リンク

テンプレート:Alternative propulsion