フリュクティドール18日のクーデターのソースを表示


'''フリュクティドール18日のクーデター'''（{{Lang-fr-short|Coup d'État du 18 fructidor an V}}）とは、[[1797年]][[9月4日]]（[[フランス革命暦]]V年フリュクティドール18日）に起きた、フランスの[[総裁政府]]が当時力をつけていた[[王党派]]からの権力奪取を目的とする[[クーデター]]である。

== 概要 ==
フランスの総裁の[[ポール・バラス|バラス]]、[[ジャン＝フランソワ・ルーベル|ルーベル]]、[[ルイ＝マリー・ド・ラ・ルヴェリエール＝レポー|ラ・ルヴェリエール]]たち三人は軍部の支持を得て、クーデターを起こした<ref name=Doyle330>{{Cite book |title=The Oxford History of the French Revolution |last=ドイル |first=ウィリアム |authorlink=ウィリアム・ドイル |year=2002 |page=330 |publisher=Oxford University Press |location=Oxford |isbn=978-0-19-925298-5 |url= }}</ref>。直近の[[1797年五百人会選挙]]で150人の議員が改選されたが、王党派の立候補者がほとんどの議席を得ていた。次の選挙で王党派が勝利すると、過半数を制することになるため、総裁たちは危機感を強めていた。

王党派に同情的とされる{{仮リンク|ジャン＝シャルル・ピシュグリュ|fr|Jean-Charles Pichegru|en|Jean-Charles Pichegru}}が[[五百人会]]の議長に当選した<ref name=Doyle330 />。[[ナポレオン・ボナパルト]]がピシュグリュの反革命活動の証拠を提出すると、総裁たちは五百人会全体が反革命の陰謀を企んでると疑い、選挙の無効と王党派の逮捕に踏み出た<ref name=Doyle330 />。

クーデター実行のために[[ルイ＝ラザール・オッシュ|ラザール・オッシュ]]将軍が軍を連れて[[パリ]]に到着し、一方ナポレオンは[[ピエール・オージュロー]]配下の軍を派遣した。総勢80,000人の軍に王党派の議員は成す術もなく、216人の議員が逮捕され、そのうち61人が[[フランス領ギアナ]]の[[カイエンヌ]]に追放された。追放された議員の多くが風土病で亡くなったため、この追放は「乾いたギロチン」と呼ばれた。他には18人が監禁され、最終的に逃げられたのは3人だけだった。反対派の新聞紙は42紙が発行禁止となり、選挙は取り消された。

1797年5月に総裁になったばかりの[[フランソワ・ド・バルテルミー]]はカイエンヌ行きとなり、もう一人の総裁である[[ラザール・カルノー]]は亡命して一命を取り留めた。二人の後任には[[フィリップ＝アントワーヌ・メルラン・ド・ドゥーエー|ドゥーエー]]と[[ニコラ＝ルイ・フランソワ・ド・ヌフシャトー|ヌフシャトー]]が就いた。政府要員は共和派が占め、亡命者の親類に対する法律も復活された。軍事法廷が設けられ、亡命者は有罪であるとして、フランスへの帰国を命じる判決が下された。

忌避僧侶は、再び虐げられることになった。何百人もがカイエンヌ送りとなり、あるいは[[レ島]]や[[オレロン島]]の廃墟に閉じ込められた。ラ・ルヴェリエールは自らの宗派を拡大し、多くの教会が[[敬神博愛教]]の施設に変えられた。政府は、十曜日（[[フランス革命暦|共和暦]]参照）を公的な祭礼の日として仕事を休むことを義務とし、これまで教会で行われていた日曜日の礼拝を禁じた。[[報道の自由]]は制限され、新聞は発行禁止処分、ジャーナリストは軒並み追放された。

旧貴族全員をフランスから追放することが提案された。その案は実現されなかったが、旧貴族は外国人扱いされ、市民権を得るためには帰化する必要ができた。さらに公債の利子の3分の2は無効扱いされた。

80門[[戦列艦]]である[[フードロワイヤン]]は一時「フリュクティドール18日」に改名された。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 関連項目 ==
* [[フロレアール22日のクーデター]]

{{フランス革命}}
{{DEFAULTSORT:ふりゆくていとおる18にちのくうてたあ}}
[[Category:フランス革命期の出来事]]
[[Category:1797年のフランス]]
[[Category:1797年の戦闘]]
[[Category:フランスにおけるクーデター]]
[[Category:パリの軍事史]]