フィリップス

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コーニンクレッカ フィリップスKoninklijke Philips N.V. 、英文正式表記:Royal PhilipsEuronextPHIA , NYSE: PHG)は、ヘルスケア製品・医療関連機器を中心とする電気機器関連機器メーカーで、オランダアムステルダムに本拠を置く多国籍企業である。

日本法人である株式会社フィリップス・ ジャパンは、東京都港区港南に所在。(日本法人については、2017年10月に株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンから株式会社フィリップス・ジャパンに社名を変更した[1]。)

沿革

1891年に、オランダザルトボメル出身の創業者ヘラルド・フィリップスがアイントホーフェン[2]に従業員20名の電球工場を設立したのが源流である。1920年代にドゥカティの技術協力を受け[2]、その後押しで[2]電球を欧州各地に販売して成功し、その後はラジオ受信機、蓄音機、電気通信装置などに拡大し、家電製品から軍需産業まで関与する総合エレクトロニクスメーカーとなった。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍に工場を接収され、また英米連合軍の爆撃で大きな被害を受けた。戦後は一層の多角化を進めたものの、次第に不採算事業の赤字に苦しむようになった。その後、選択と集中による事業の再構築によって、ヘルスケア・医療機器に経営資源を集中した。その結果、世界の主要電器メーカーの中で最も利益率が高い企業になっている。

日本では、電気かみそり(シェーバー)や電動歯ブラシで知名度が高い。それ以外ではコンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)、自動体外式除細動器(AED)などの医療機器分野で高い技術力を持っている。かつては照明機器半導体音響映像(AV)機器分野で知られ、コンパクトカセットレーザーディスク(LD)、コンパクトディスク(CD)、DVD+R/RWBlu-ray Discなどの開発、提唱元の一つとして知られていた。

インダストリアルデザインに凝った製品が多く、その分野でも先駆的存在であり、デザイナーを社内に多く擁しているのも特徴であった。初期型CDプレーヤー「CD-34」は、独自開発のスイングアーム式ピックアップ(弧を描く形でCDを読み取る方式)と、4fsオーバーサンプリング左右独立14bitDAC+ノイズシェイパー+デジタルフィルタの構成であった。アナログ的なアプローチをした音作りがなされていたことから、特にクラシック音楽ファンに人気を呼び、ソニー製「D-50」と並んでコンパクトディスクの普及に大きな役割を果たした。

2006年8月、フィリップスは採算の不安定な半導体部門の株式の8割を投資会社に売却すると発表した。半導体部門は家電、モバイル、車載機器の開発も行っており、売却後の同部門は同年9月1日、新会社NXPセミコンダクターズとして独立した。オーディオ・ホームエンタテイメント事業は2014年以降、楽器メーカーのギブソンに売却[3]された。また、創業以来の照明事業について2016年5月、フィリップスライティングとして分社した[4](照明事業の日本法人は「フィリップスライティングジャパン合同会社」として分離)。この結果、現在のフィリップスは、ヘルスケア製品・医療関連機器に事業の大半が集中した企業へと変貌している[5][6]

現在、フィリップスはFIFAワールドカップの公式スポンサーで、オランダプロサッカーリーグPSVアイントホーフェンの冠スポンサーでもある。

星と波が描かれたフィリップスのシールドは、1934年にオランダで初めて登場して商標登録され、たちまち世界中で知られるシンボルマークとなった。星は電球を量産化し世界中に送り出したフィリップスの先駆的役割を表したものである。また、波は電波を表し、初期に無線通信プラットフォームを実現したフィリップスの高い貢献を示唆している。後に円がデザインに加わるが、これは世界と人々を象徴している。

日本における事業活動

1953年には松下電器産業(現・パナソニック)との合弁で松下電子工業(現在のパナソニック オートモーティブ & インダストリアルシステムズ社パナソニック コネクティッドソリューションズ社パナソニック ライティングデバイス)を設立した。

1980年代に入ると、経営が悪化した米スーパースコープ社を買収し、その関連会社の日本マランツも傘下にした(現在、マランツはフィリップスの資本から脱退)。マランツのブランドを利用しデジタルオーディオ製品に注力する。1980年代後半にはLHHシリーズという高級コンポーネントを自社ブランド(製造はマランツ)により、CDプレイヤーやアンプなどで発売した。そして最終的に高級オーディオはマランツ、ゼネラルオーディオはフィリップスとブランド分けし、1990年代中盤頃までは同社のデザイン技術を生かしたテレビラジカセビデオデッキといった民生品を国内向けに生産していた時期もあった。2006年11月、D&Mホールディングスデノン、マランツの持株会社)に、Hi-Fiオーディオ部門を買収され、完全子会社化された。子会社化後の社名は「D&M Premium Sound Solutions」と改められた。日本国内でのAV関連事業は一時撤退し、その後、ヘッドフォン・インナーイヤフォンが燦坤(サンクン)日本電器によって輸入され、2009年4月より日本市場へ参入した。

2008年、呼吸器、睡眠治療器などを扱うフジ・レスピロニクス株式会社を傘下に入れ、2010年に同社の社名変更を行って「フィリップス レスピロニクス合同会社」とした[1]

大学・研究機関との提携

人工知能(AI)など保有技術の医療や病気予防への活用のため、医学部を持つ大学や研究機関と相次ぎ提携している。

CM

1980年代にはイメージキャラクターに千葉真一を起用し、CM広告を展開した。

その他

出典

  1. 1.0 1.1 2017年10月1日社名変更のお知らせ”. PR TIMES (2017年9月27日). . 2018閲覧.
  2. 2.0 2.1 2.2 『クラシックカメラ専科No.43、Viva!イタリア コンタレックスのすべて』p.66-69。
  3. Gibson、Philipsのオーディオ/ホームエンターテイメント事業を買収”. AV Watch (2014年4月28日). . 2018閲覧.
  4. Philips Lighting Shares Pop on IPO Debut” (英語). フォーチュン (2016年5月27日). . 2018閲覧.
  5. ヘルスケア界の巨人フィリップスが仕掛けるビッグデータ戦争”. Wedge Infinity (2016年10月8日). . 2018閲覧.
  6. Annual Report 2017 (PDF)” (英語). フィリップス. . 2018閲覧.
  7. 「フィリップスと国循、医療AIを共同開発」『日本経済新聞』電子版(2018年5月10日)2018年7月12日閲覧
  8. 「名大がフィリップスと提携 認知症や生活習慣病で」『日本経済新聞』電子版(2018年6月25日)2018年7月12日閲覧
  9. 「フィリップスと東北大、企業も巻き込み病気予防」『日本経済新聞』電子版(2018年6月26日)2018年6月28日閲覧

参考文献

  • 『クラシックカメラ専科No.43、Viva!イタリア コンタレックスのすべて』朝日ソノラマ

関連項目

外部リンク

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