ヒマラヤ山脈

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ヒマラヤさんみゃく、Himalayan Range

インド中国チベット高原の間に西から東に走る山脈。山名はサンスクリット語の himaālaya(雪のすみか)を意味し,中国では喜馬拉雅の字をあてる。西はインダス川から東はブラマプトラ川にいたる全長約 2500km,南北の幅は 200~400kmの山地。世界の最高峰エベレストをはじめ多くの 7000m級,8000m級の高峰を含む。主脈の大ヒマラヤは,パキスタンとインドが管理するカシミール地方から中国のチベット自治区,ネパール,ブータン,インドのアッサム州との国境地帯に連なっている。北西に連なるカラコルム山脈も世界第2の高峰 K2などを含み,大ヒマラヤの一部とされることが多い。大ヒマラヤの南に中央盆地帯を挟んで小ヒマラヤが連なり,さらに南には外ヒマラヤ(シバーリク山脈)が連なる。南麓はタライと呼ばれる広大な低湿地である。大ヒマラヤの北はチベット高原であるが,ヤルン川を隔てて連なるカンティセ(岡底斯)山脈ニェンチェンタンラ(念青唐古拉)山脈をトランスヒマラヤと呼ぶこともある。地質は,大ヒマラヤと小ヒマラヤの大部分は先カンブリア系(先カンブリア時代)から中生界(中生代)の堆積岩変成岩と,それらを貫く貫入岩体からなり,褶曲衝上断層のため,複雑な構造をもつ。また,外ヒマラヤは大ヒマラヤと小ヒマラヤの隆起運動により,その前面に堆積した内陸成の堆積物(シワリク層)からなる。季節風により南斜面は湿潤で,東部では熱帯雨林から高山植物にいたる植生の垂直分布が顕著である。降水量は西に向かうにつれて減少する。北斜面は乾燥しており,植生は草原にかぎられる。雨季は通常 7月から 9月末,乾季は 1月頃である。盆地や谷底,緩傾斜地で農業と牧畜が行なわれる。高地にはチベット系の諸民族が住み,標高 5000mに成立している集落もある。19世紀初めからイギリス領インドの測量局が調査,探検を始め,1850年代から 6000m級,20世紀に入ると7000m級の登頂に成功するようになった。8000m級は 1950年フランス隊によるアンナプルナ登頂を皮切りに,1953年イギリス隊がエベレスト,1956年日本隊がマナスルと続き,1964年シシャパンマに中国隊が登頂したことによって未登峰はなくなった。また 110座をこえる 7000m級も,1970年代末にはほとんどが登頂された。