「ハーケンクロイツ」の版間の差分

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ja>タクナワン
(ハーケンクロイツに類似していることが理由で問題になった例)
 
 
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{{otheruses|ナチスのシンボル|他の卍(まんじ)|卍 (曖昧さ回避)}}
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'''ハーケンクロイツ'''({{lang-de|Hakenkreuz}}
{{複数の問題
 
| 出典の明記 = 2016年11月3日 (木) 11:27 (UTC)
 
| 脚注の不足 = 2016年11月5日 (土)
 
}}
 
{{特殊文字|説明=[[簡体字]]、[[ルーン文字]]}}
 
{{ナチズム}}
 
'''ハーケンクロイツ'''({{lang-de|Hakenkreuz}})は、[[鉤十字]]の[[ドイツ語]]。
 
  
== 概要 ==
+
(かぎ)十字。卍(まんじ)と同起源であるが、右鉤で、右まんじとも呼ばれる。ドイツ、ナチスの党章に用いられ、1935~1945年には、ドイツの国旗としても使われた。
[[ファイル:HinduSwastika.svg|upright|thumb|{{lang|zh|卐}}は[[ヒンドゥー教]]におけるシンボルでもある。]]
 
'''鉤十字'''('''[[卍|まんじ]]'''、{{lang-en|swastika}}、スヴァスティカ、スワスティカ)の[[図案]]は、[[古代]]より[[ヒンドゥー教]]や[[仏教]]、また[[西洋]]でも[[幸運]]の[[印]]として使用されており、[[キリスト教]]では[[十字]]の図案の1種でもあり、[[日本]]では[[家紋]]や[[寺]]を示す[[地図記号]]などで「卍」('''左まんじ''')が多く使われている。また逆向きの図案('''{{lang|zh|&#21328;}}'''<ref>この文字はまんじ「卍」の異体字として作字されたもので、ハーケンクロイツとして作字されたものではないが、便宜的に使用している。『[[大漢和辞典]]』([[諸橋轍次]], [[大修館書店]])を参照。</ref>)は'''逆鉤十字'''、'''逆まんじ'''、'''右まんじ'''とも呼ばれている。
 
 
 
しかし[[20世紀]]以降に[[ドイツ]]で民族主義運動の[[シンボル]]とされ、[[1920年]]に[[国家社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]が[[党]]のシンボルに、[[1935年]]には[[ナチス・ドイツ|ドイツ]]国旗に採用した影響により、[[ナチズム]]や[[ネオナチ]]のシンボルとも見なされる事が多い。なおナチスが使用したのは主に「{{lang|zh|&#21328;}}」だが、[[欧米]]などでは逆向きの「卍」も同様にみなされる場合が多く、[[法律]]で使用を禁止している国もある{{要出典|date=2015年8月}}。{{main|卍}}
 
 
 
== ドイツ ==
 
=== ナチスによる採用 ===
 
{{main|国家社会主義ドイツ労働者党#党のシンボル}}
 
 
 
ナチスがこのシンボルを採用した経緯は、[[ドイツ]]の[[考古学者]]、[[ハインリヒ・シュリーマン]]が[[イリオス|トロイ]]の[[遺跡]]の中で{{lang|zh|&#21328;}}を発見し、{{lang|zh|&#21328;}}を古代の[[インド・ヨーロッパ語族]]に共通の宗教的[[シンボル]]と見なしたためである<ref>{{ citation
 
| title=Troy and its remains
 
| last=Schliemann
 
| first=Heinrich
 
| place=London
 
| publisher=Murray
 
| year=1875
 
| pages=102, 119-120
 
}}</ref><ref>{{ citation
 
| title=One of the world's great symbols strives for a comeback
 
| last=Boxer
 
| first=Sarah
 
| year=2000
 
| url=http://faluninfo.net/displayAnArticle.asp?ID=606
 
| journal=The New York Times, 2000-07-29
 
}}</ref>。これに基づき、[[アーリアン学説]]のいう[[アーリア人]]の象徴として採用したものである。
 
 
 
しかし、元々は[[エアハルト旅団]]([[コンスル (テロ組織)|コンスル]]の前身)などドイツの民族主義運動のシンボルとして、また詩的結社グループの[[シュテファン・ゲオルゲ|ゲオルゲ]]派においても使用されていた。[[アドルフ・ヒトラー]]は著書『[[我が闘争]]』の中で、支持者からの多くの提案で党旗の最終デザインを選ぶと述べた。ハーケンクロイツは歯科医フリードリヒ・クローンによって提案され、アーリア人優越論のシンボルとされた。一部オカルティストの間では、[[ルーン文字]] '''S'''({{Script/Runic|&#x16cb;}}) を重ねて作られたとする説が唱えられている。
 
 
ナチ党は赤地の上の白円の中に黒のハーケンクロイツが入ったデザインを使用した。[[黒]]、[[白]]、[[赤]]は帝政時代の国旗に使用されていた色である。ヒトラーは、赤は社会的理念、白は国家主義的理念、ハーケンクロイツはアーリア人種の勝利のために戦う使命を表しているとした。またナチ党は円や背景のないハーケンクロイツも使用した。ナチの鉤十字には二種類が生じた。右回りのものと、その鏡像である。ナチ党は二種類を象徴的に区別しなかったが、右回りのものが一般的に使用された。鉤十字は通常45°回転して描かれた。
 
 
 
ナチスが党のシンボルにハーケンクロイツを採用したことによって、{{lang|zh|&#21328;}}は幸運のシンボルからナチスの象徴とみなされるようになった。
 
 
 
=== ドイツ国旗としての使用 ===
 
[[ヒトラー内閣]]が成立した後の[[1933年]][[3月5日]]に総選挙が行われ、ナチ党が勝利した。この後、プロイセンの内相であった[[ヘルマン・ゲーリング]]は、支配下の公共建造物にハーケンクロイツ旗を掲げさせた。さらに、地方政府の実権をナチス党関係者が掌握する度に、その地方の公共物にハーケンクロイツ旗が掲げられた。こうしてハーケンクロイツを事実上の国旗とする既成事実が作られた。
 
 
 
1933年[[3月12日]]の大統領布告で国旗の改正が決まり、黒・白・赤の[[ドイツの国旗#ドイツ国(Deutsches Reich)|ドイツ帝国旗]]を暫定的な国旗とし、ハーケンクロイツ旗を国旗に準ずるものと定めた。[[1935年]]にはハーケンクロイツ旗が正式なドイツ国国旗となった。[[第二次世界大戦]]が勃発すると、連合国側の国々は{{lang|zh|&#21328;}}の使用を禁じるようになった(後述)。[[1945年]]にドイツは降伏し、ナチ党は解体され消滅した。ハーケンクロイツ旗は国旗として使用されることはなくなった。
 
 
 
=== 第二次世界大戦後 ===
 
[[画像:Bundesarchiv Bild 146-1971-041-10, Paris, der Kollaboration beschuldigte Französinnen.jpg|サムネイル|[[パリの解放]]時、ドイツと親しいと見なされた女性は、フランス市民により、丸刈りにされて鉤十字を書かれるなどの暴行を受けた。写真中央の女性は、額に鉤十字が書かれている。]]
 
[[第二次世界大戦後]]のドイツでは、学問的な理由を除き、ハーケンクロイツなどのナチスのシンボルを公共の場で展示・使用することは、[[民衆扇動罪]]で処罰される。ただし私有地や個人での所持、思想へ禁止はしていない。ドイツを含めて各国の[[ネオナチ]]の一部は、現在でも使用している。
 
 
 
[[欧州連合|EU]]においても、ドイツなどのようにハーケンクロイツを[[鎌と槌]]とともに公の場で使用することも禁止しようと提案がなされたことがあった(→[[ヴィータウタス・ランズベルギス]])。しかし、西欧各国の[[共産党]]や[[ロシア連邦]]の反発が強かったほか、ハーケンクロイツの禁止と鎌と槌の禁止の提案自体が盛り上がらず、結局、ハーケンクロイツの禁止提案も鎌と槌の禁止提案も実現しなかった。ドイツが主導する{{lang|zh|&#21328;}}禁止を[[欧州連合|EU]]全体に拡大する動きに対し、[[ヒンドゥー教]]団体は「{{lang|zh|&#21328;}}は伝統的に平和の象徴として使われてきた」としてこの拡大案を非難している。
 
[[ファイル:Hakenkreuz im Verbotsschild.svg|thumb|right|80px|鉤十字に禁止マークを重ねた反ネオナチのマーク]]
 
 
 
[[2007年]]3月17日、ドイツの連邦議会議員クラウディア・ロート(Claudia Roth)は公的な場で反ネオ・ナチ的にハーケンクロイツを扱い、ドイツ連邦裁判所に容認されたため、以後そのような形での鉤十字の使用が容認されることになった(禁止マークを重ねる、[[ゴミ箱]]に突っ込まれているなどのイラストで)。私的な場での利用は法的には禁止されていない。
 
 
 
== 史実の描写に対する影響 ==
 
ハーケンクロイツが使えないために、ドイツ軍の描写をする際に「史実を忠実に再現する」という意味では劣化させざるを得ない例が存在する。ドイツ軍兵器の[[プラモデル]]においてはハーケンクロイツが[[ボックスアート]]では省略されたり、田の字状になっている他、[[デカール]]の形状が2つに分けられ、接着しないとハーケンクロイツの形に見えないようにしている等の対策がされていることが多い。これは鉄道模型([[メルクリン]]など)でも同様である。その他、[[ウォー・シミュレーションゲーム]]などではハーケンクロイツそのものを削除してしまう(「Silent Hunter」シリーズほか)他に「二つに分割」、「十字に置き換え(「[[第三帝国興亡記]]」)」、「[[鉄十字]]に置き換え」、「オリジナルのシンボルに置き換える(近年の「[[Wolfenstein]]」シリーズ)」など規制をかわしている例も見られるが、日本で製作されたソフトの中にはハーケンクロイツがそのまま入っている作品も存在する。
 
 
 
== 20世紀のナチスドイツ以外の使用 ==
 
===ロシア===
 
ロシアではネオナチ政党である[[国家ボリシェヴィキ党]]が、ナチス旗を模した赤地に白丸の中に黒色の[[鎌と槌]]を配した党旗を使用している。
 
 
 
===満州===
 
[[ロシアファシスト党]]がシンボルに使用した。
 
<gallery widths="120px" heights="120px">
 
Image:Flag of Russian Fascist Party.svg|ロシアファシスト党の党旗
 
Image:Всероссийская фашистская партия.svg|ロシアファシスト党の紋章
 
</gallery>
 
 
 
===日本===
 
[[沢田研二]]は自身の楽曲である『[[サムライ (沢田研二の曲)|サムライ]]』をテレビで歌唱する際、衣装にハーケンクロイツの腕章(ナチス党員章)を使用していたが、テレビ局と事務所(当時所属だった[[渡辺プロダクション]])にクレームが入ったため、これ以降は衣装を変更して出演している。
 
 
 
[[池沢さとし]]の漫画『[[サーキットの狼]]』では、主要登場人物の一人・早瀬左近の愛車である[[ポルシェ・911#901型#Fシリーズ|ポルシェ・911カレラRS2.7]]の側面にハーケンクロイツのマークが描かれている(なお、自身が率いるポルシェ専門の暴走族も「ナチス軍」という名称である)。漫画には特にクレームは無く再版本でもマークは描かれているが、後年発売されているプラモデルやミニチュアカーでは省略、或いはハーケンクロイツのみ別シールで添付することが多い。
 
 
 
== その他 ==
 
===マイクロソフトの対応===
 
[[マイクロソフト]]はハーケンクロイツと[[ダビデの星]]を共に不適切な記号とし、[[Microsoft Office|Microsoft Office 2003]]に付属の[[フォント]][[ファイル (コンピュータ)|ファイル]]「Bookshelf Symbol 7」からそれらの記号を削除するツールを[[2004年]][[2月11日]]に配布した。
 
 
 
==ハーケンクロイツに類似していることが理由で問題になった例==
 
[[画像:Japanese Crest Maru ni Hidari Mannji.svg|thumb|right|80px|徳島藩・蜂須賀家の家紋である「蜂須賀万字」]]
 
*世界
 
**第二次大戦の直後、いくつかの[[インディアン|アメリカインディアン]]の種族は、美術品に卍を使用しないとする法令に署名した。卍がナチスをイメージすることによるものだった。
 
**[[セリエA (サッカー)|セリエA]]のサッカークラブ、[[ACFフィオレンティーナ|フィオレンティーナ]]は[[ユニフォーム]]柄の一部が卍に見える箇所が有るとのクレームで変更に至った。
 
*日本 - 特に「[[卍]]」が混同されることや、[[誤植|「卍」を表示しようとして誤ってハーケンクロイツを表示してしまった]]ことによるものが目立つ。
 
**[[少林寺拳法]]は[[1947年]]の創設以来、シンボルマークや胸章に[[卍]]を使用してきたが、[[ヨーロッパ]]での普及にあたってハーケンクロイツとの混同を避けるため、[[2005年]]から新しいシンボルマークに変更している。
 
**[[ポケットモンスターカードゲーム]]のカードに卍が印刷されていたが、欧米の[[ユダヤ人]]団体の抗議によりデザインが変更された。
 
**また、全国各地のイベントで卍が印刷されたのぼりやポスターが外国人観光客にハーケンクロイツが印刷されていると勘違いされ問題になることが近年の外国人観光客増加により問題化している。
 
***1970年代には[[青森県]][[弘前市]]で市章の[[卍]]をマンホールのふたに印字する際、間違えてハーケンクロイツを印字してしまい、しかも発注した市役所もふたが設置された道を散策する市民も全くハーケンクロイツが印字されていることに気づかず、市内を散策していたドイツ人の指摘によりふたが回収される事件が発生している。
 
***2006年には、[[徳島市]]の[[阿波踊り]]がドイツで披露された際、[[浴衣]]の卍文様を自粛した([[徳島藩]]の藩主である[[蜂須賀氏]]の[[家紋]]が卍であったため、今でも阿波踊りでは卍をあしらった浴衣がよく見られる)。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
==関連項目==
 
{{Commons|Swastika}}
 
* [[卍]]
 
* [[法輪]]
 
* [[運命の輪]]
 
* [[十字]]
 
* [[国家社会主義ドイツ労働者党]](ナチス)
 
 
 
==外部リンク==
 
*[http://heathenworld.com/swastika/ Heathen World's "I'm Not a Nazi Swastika Gallery"]
 
 
 
{{ナチス・ドイツ}}
 
{{ナチ党}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:はあけんくろいつ}}
 
{{デフォルトソート:はあけんくろいつ}}
 
[[Category:十字架]]
 
[[Category:十字架]]
 
[[category:ナチ党]]
 
[[category:ナチ党]]
 
[[category:シンボル]]
 
[[category:シンボル]]

2018/10/7/ (日) 09:26時点における最新版

ハーケンクロイツドイツ語: Hakenkreuz

鉤(かぎ)十字。卍(まんじ)と同起源であるが、右鉤で、右まんじとも呼ばれる。ドイツ、ナチスの党章に用いられ、1935~1945年には、ドイツの国旗としても使われた。



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