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[[ファイル:ニンニク.jpg|サムネイル]]
|名称 = ニンニク
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'''ニンニク'''(蒜、大蒜、葫、忍辱<ref>木村修次・黒澤弘光『大修館現代漢和辞典』大修館出版、1996年12月10日発行(436ページ)</ref>[[学名]]{{Snamei|Allium sativum}}
|色 = 植物界
 
|画像 = [[ファイル:Allium sativum Woodwill 1793.jpg |250px]]
 
|画像キャプション = ニンニク
 
|分類体系 = [[APG III]]
 
|界 = [[植物界]] {{Sname||Plantae}}
 
|門階級なし = [[被子植物]] {{Sname||angiosperms}}
 
|綱階級なし = [[単子葉類]] {{Sname||monocots}}
 
|目 = [[キジカクシ目]] {{Sname||Asparagales}}
 
|科 = [[ヒガンバナ科]] {{Sname||Amaryllidaceae}}
 
|亜科 = [[ネギ亜科]] {{Sname||Allioideae}}
 
|属 = [[ネギ属]] {{Snamei||Allium}}
 
|種 = '''ニンニク''' {{Snamei|A. sativum}}
 
|学名 = {{Snamei|Allium sativum}} {{AU|L.}}<ref name="YList">{{YList|id=6348|taxon=''Allium sativum'' L.|accessdate=2012-07-08}}</ref>
 
|英名 = [[:en:Garlic|Garlic]]
 
}}
 
{{栄養価 | name=にんにく りん茎 生<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =570| water=63.9 g| protein=6.4 g| fat=0.9 g| satfat=0.13 g| monofat = 0.03 g| polyfat =0.29 g| carbs=27.5 g| opt1n=[[食物繊維|水溶性食物繊維]]| opt1v=4.1 g| opt2n=[[食物繊維|不溶性食物繊維]]| opt2v=2.1 g| fiber=6.2 g| sodium_mg=8| potassium_mg=510| calcium_mg=14| magnesium_mg=24| phosphorus_mg=160| iron_mg=0.8| zinc_mg=0.8| copper_mg=0.16| Manganese_mg=0.28| selenium_ug =1| betacarotene_ug=2| vitE_mg =0.5| thiamin_mg=0.19| riboflavin_mg=0.07| niacin_mg=0.7| vitB6_mg=1.53| folate_ug=93| pantothenic_mg=0.55| opt3n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt3v=2.0 µg| vitC_mg=12| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。廃棄部位: 茎、りん皮及び根盤部| right=1 }}
 
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{| class="toccolours" style="float:right; clear:right; font-size:80%; margin:0 0 1em 1em;" cellpadding="0" cellspacing=0
 
|- bgcolor=#EEE9BF
 
| colspan="2" align="center" |'''Components of garlic'''
 
|- bgcolor=#F5F5DC
 
| '''[[Phytochemical]]s''' || &nbsp;&nbsp; '''[[Nutrient]]s'''
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Allicin]] || &nbsp;&nbsp; [[Calcium]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Beta-carotene]] || &nbsp;&nbsp; [[Folate]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Beta-sitosterol]] || &nbsp;&nbsp; [[Iron]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
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|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Chlorogenic acid]] || &nbsp;&nbsp; [[Manganese]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Diallyl disulfide]] || &nbsp;&nbsp; [[Phosphorus]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Ferulic acid]] || &nbsp;&nbsp; [[Potassium]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Geraniol]] || &nbsp;&nbsp; [[Selenium]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Kaempferol]] || &nbsp;&nbsp; [[Zinc]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Linalool]] || &nbsp;&nbsp; [[Thiamine|Vitamin B<sub>1</sub> (Thiamine)]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Oleanolic acid]] || &nbsp;&nbsp; [[Riboflavin|Vitamin B<sub>2</sub> (Riboflavin)]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[P-coumaric acid]] || &nbsp;&nbsp; [[Niacin|Vitamin B<sub>3</sub> (Niacin)]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Phloroglucinol]] || &nbsp;&nbsp; [[Vitamin C]]
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Phytic acid]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Quercetin]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Rutin]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[S-Allyl cysteine]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Saponin]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Sinapic acid]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Stigmasterol]] ||
 
|- bgcolor=#ffffff
 
| [[Alliin]] ||
 
|- bgcolor=#F5F5DC
 
| colspan="2" align="center"|''Source: Balch p 97''<ref>Balch, Phyllis A. (2000). ''Prescription for Nutritional Healing'', 3rd ed. New York: Avery. p. 97.</ref>
 
|} -->
 
  
'''ニンニク'''(蒜、大蒜、葫、忍辱<ref>木村修次・黒澤弘光『大修館現代漢和辞典』大修館出版、1996年12月10日発行(436ページ)</ref>、[[学名]]:{{Snamei|Allium sativum}})は[[ヒガンバナ科]][[ネギ属]]の多年草で、[[球根]](鱗茎)を[[香辛料]]として用いる。かつてクロンキスト体系による分類では[[ユリ科]]に属していた。
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[[ユリ科]]の多年草。古代からエジプト,ギリシアで栽培された。[[鱗茎]]は数個の小鱗茎に分かれ,白または帯紅色の共通の膜に包まれる。[[]]は直立し高さ 60cmぐらいとなり,桃色の[[]]をつける。花は[[不稔性]]で,小さい珠芽([[むかご]])がつくこともある。繁殖には小鱗茎を用いる。[[葉]]は広線形で扁平,まばらに互生([[葉序]])する。一般には成熟した鱗茎が生産の目的になるが,葉,茎などを利用することもある。全草に強烈な臭気があり古くから香辛料(ガーリック)として広く用いられるほか,薬用としての用途も広く殺菌・抗菌作用があるといわれ,利尿,健胃,駆虫,風邪,血圧降下,鎮静などに薬効がある。
  
日本ではニンニクや[[ノビル]](野蒜)など鱗茎を食用とする臭いの強い(ネギ属の)植物を総称して蒜(ひる)と呼んでいたが、特にノビルと区別する場合にはオオヒル(大蒜)とも称した。[[生薬]]名は大蒜(たいさん)。語源は困難を耐え忍ぶという意味の[[仏教]]用語の「[[忍辱]]」とされる。
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
5月頃に白い小さな花を咲かせるが、栽培時には鱗茎を太らせるために花芽は摘み取る。摘み取った茎は柔らかい物であれば野菜として利用される。
 
 
 
一般的に見かけるニンニクは分球ニンニクがほとんどであるが、一片種と呼ばれる中国の'''プチニンニク'''などの品種もある。
 
 
 
[[ジャンボニンニク]]あるいは無臭ニンニクと呼ばれるものはニンニクとは別種であり、[[リーキ]](ポロネギ)の1[[変種]]である。
 
 
 
== 歴史 ==
 
原産地は[[中央アジア]]と推定されるが、すでに[[紀元前4千年紀|紀元前3200年]]頃には[[古代]][[エジプト]]などで栽培・利用されていた。また、現存する最古の医学書『[[エーベルス・パピルス]]』には薬としても記載されている。[[中国]]には紀元前140年頃伝わり、[[日本]]には中国を経て[[8世紀]]頃には伝わっていたと見られる<ref name="kampoiyaku">林輝明「薬になる動植物:第38回葫(ニンニク)」『漢方医薬新聞』2009年12月10日、3面。</ref>。
 
 
 
日本では[[禅宗]]で「不許葷酒入山門」とされたように、強壮作用が[[煩悩]](淫欲)を増長するとされて[[仏教]]の[[僧侶]]の間では[[ニラ]]、[[ネギ]]等とともに[[禁葷食|五辛]]の1つとして食が禁じられた。漢字表記の「蒜」「大蒜」は漢語に由来する一方、仏教用語の「忍辱(にんにく)」がニンニクの語源となったとされる<ref name="kampoiyaku"/>。『[[大和本草]]』巻之五 草之一 菜蔬類では、悪臭甚だしくとも効能が多いので人家に欠くべからざるものと評価された。
 
 
 
== 生産地==
 
[[中国]]が世界のニンニク生産量の8割を占めている。
 
 
 
日本国内の流通においては、国産ニンニクの80%を[[青森県]]産が占め(市町村別では、[[十和田市]]<ref> {{Cite web|url=http://www.maff.go.jp/tohoku/nouson/kokuei/kitaouu/syoukai.html|title=東北農政局 青森県内にんにく生産ベスト5市町村(平成21年)|accessdate=2012-03-21}}</ref>が最も多く生産している)、次いで[[香川県]]の出荷が多い。青森県[[田子町]]<ref>「ニンニクの町」としてPRしている {{Cite web|url=http://www.town.takko.aomori.jp/000000ke1ma000101.pdf|title=にんにくについて|format=PDF|publisher=田子町|accessdate=2010-01-26}}</ref>は早くからブランド化に取組んだ。
 
 
 
=== 栽培 ===
 
暖地の場合、秋に鱗片を畑地に軽く植え付け、翌年の梅雨に入る前に収穫する。ニンニクの栽培は比較的簡単なことから、畑作のほか、[[家庭菜園]]や[[アパート]]・[[マンション]]の[[ベランダ]]での[[プランター]][[菜園]]でも栽培できる。
 
 
 
== 食材 ==
 
=== 食材としての活用 ===
 
[[肉]]の臭みを消し、料理に食欲をそそる香味を付与する。香味野菜の代名詞的存在であり、[[中国料理]]、[[韓国料理]]、[[イタリア料理]]、[[フランス料理]]など、さまざまな料理に用いられる。
 
 
 
中華料理・イタリア料理などでは、調理油でまず最初にニンニクのみじん切りを炒め、油に香りを移す調理法が多用される。油が冷たいうちにニンニクを入れ、弱火で炒めるのがコツである。火を強くするとすぐに黒く焦げて、苦く、又焦げ臭くなる。
 
 
 
中華料理では、球根のみならず葉(葉ニンニク)や茎(いわゆる「ニンニクの芽」)も香味[[野菜]]として利用される。皮をむいたニンニクの球根を乾燥させ、粉末状にした「'''ガーリックパウダー'''」もある。乾燥させることで生よりも臭気を抑えられることもあり、[[ガーリックトースト]]をはじめとする各種料理に用いられている。ガーリックパウダーは吸湿性が高く、開封後は乾燥状態を保持できる環境で保管する必要がある。逆に、わざと少量の水分を加えておろしニンニク代わりに使う例もある。
 
 
 
日本では[[餃子]]の具として多く使用される。また香辛料として[[焼肉]]などのタレに使用する事も多い。ラーメンの具や香辛料としてもポピュラーであるほか、皮付きのまま丸ごと揚げたり焼いたりして提供されることもある。高知県の一部地域では葉ニンニクも使われている。
 
 
 
=== 球根の緑変 ===
 
ニンニクの球根を摺り下ろしたり酢漬けにしたりすると、乳白色から緑色に変色する場合がある<ref>[http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000049510 国産のニンニクを生の状態ですりおろし、すぐに冷凍凍結させると緑色に変色するケース、変色しないで乳白色... | レファレンス協同データベース]</ref>。この変色はニンニクに含まれる[[アリイン]]と、低温(3℃)貯蔵中に生成される[[イソアリイン]]とが反応した場合に起こる<ref>『農産加工だより』第50号 平成22年9月30日 - 地方独立行政法人 青森県産業技術センター[http://www.aomori-itc.or.jp/assets/files/nousankako/dayori/dayori50.pdf PDF]</ref>。ニンニクは気温が下がると発芽準備に伴いイソアリインを蓄積するため、特に冬から春にかけて収穫されたニンニクは緑変しやすい。逆に25℃以上の環境ではイソアリインが[[シクロアリイン]]へと代謝されるため、夏季に収穫されたものはこの反応を起こしにくい<ref>{{cite journal | author = Yamazaki Y, Yamamoto T, Okuno T| title = Causes and Remedies for Green Discoloration of Processed Garlic Puree : Effects of Storage Conditions on Ingredient Bulbs| journal = Food science and technology research | year = 2012| volume = 18| issue = 2| pages = 187-93| naid = 10030917829| doi = 10.3136/fstr.18.187}}</ref>。緑変したものを食べても人体には影響はない。なお一度緑変したニンニクは、1ヶ月ほど放置すると緑色が目立たなくなる。
 
 
 
== 身体への影響 ==
 
=== 栄養学的要素 ===
 
<!--栄養表とも合致せず、信憑性に乏しいので以下をコメントアウト「糖度が35〜40程と高く、糖質を豊富に含む。また」-->糖質の分解を促す([[ビタミンB1]]の効果を高める)アリシンも含む。実験室レベルでは各種の薬理作用等が報告されており[[栄養ドリンク]]や[[健康食品]]にも使われているが、ヒトでの有効性について信頼できるデータは十分でない。[[ビタミンB6]]の含有量が全食品の中で非常に多い部類に入る<ref>七訂増補日本食品標準成分表:文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会</ref>。
 
 
 
[[ビタミンB1]]を豊富に含む[[豚肉]]はニンニクと一緒に食べるとビタミンB1が吸収されやすくなると言われている。ニンニク、ビタミンB1、関連製剤について次のような歴史が存在する。1952年(昭和27年)3月8日に京都大学衛生学の藤原元典は、[[武田薬品工業]]研究部と提携してニンニクとビタミンB1が反応するとニンニクの成分[[アリシン]]がB1([[チアミン]])に作用して「[[アリチアミン]]」ができると報告した。そのアリチアミンは、体内でB1にもどり、さらに腸管からの吸収がきわめてよく、血中B1濃度の上昇が顕著で長時間つづく、という従来のビタミンB1製剤にはない特性があることを報告した。また、武田薬品工業は、アリチアミンの製剤化に力を入れ(製品開発のきっかけは、旧陸軍から[[脚気]]の治療薬開発を依頼されたこと)、1954年(昭和29年)3月、アリチアミンの誘導体である[[プロスルチアミン]]の内服薬「[[アリナミン]]錠」が発売され、従来のビタミンB1剤に見られない優れた効果を示した<ref>山下政三『鴎外森林太郎と脚気紛争』日本評論社、2008年、459-460頁</ref>。
 
 
 
===ニンニクの強壮・強精作用===
 
上記のようにアリシンはビタミンB1の吸収・保持を高め、加えてニンニクの無臭の[[スコルジニン]]には、強力な[[酸化還元]]作用があり、民間伝承では体組織を若返らせ、[[新陳代謝]]を盛んにし、疲労回復に役立ち、強壮・強精作用を有するとされる。この反面、強壮・強精作用と臭いが[[インド]]起源の[[仏教]]界で「[[煩悩]]をかきたて修行の妨げになる」として「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」のように忌み嫌われた<ref>[http://dx.doi.org/10.11468/seikatsueisei1957.28.51 ニンニク]、神戸 保、生活衛生、Vol. 28 (1984) No. 1</ref>。
 
 
 
=== ニンニクの癌予防効果 ===
 
初期調査では、ニンニクの摂取が、いくつかの[[癌]]、特に[[消化器]]管系の癌の[[リスク]]を減少させる可能性が示唆されている<ref>[http://dx.doi.org/10.11288/mibyou1998.12.56 食品成分による癌予防]、矢野 友啓、日本未病システム学会雑誌、Vol.12 (2006) No.1 P56-58</ref>。これらの研究は、さまざまな種類と量のニンニクで調査されている。ただし、仮にニンニクの摂取が一部の癌の発生を減少させているとしても、それ以外の癌のリスクがどの程度残っているかは分かっていないものの、このように[[アメリカ国立癌研究所]]は[[ホームページ]]のファクトシートで明らかにしている<ref name=cancer>{{Cite web|url=http://www.cancer.gov/cancertopics/factsheet/Prevention/garlic-and-cancer-prevention|title=Garlic and Cancer Prevention: Questions and Answers|publisher=National Cancer Institute|accessdate=2010-07-24}}</ref>。
 
 
 
ニンニクは、[[結腸癌]]、[[直腸癌]]の予防の観点でリスク低下がほぼ確実とされている<ref>{{cite book|author=World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research|url=http://wcrf.org/int/research-we-fund/continuous-update-project-cup/second-expert-report |title=Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective|year= 2007|publisher=Amer. Inst. for Cancer Research|isbn= 978-0972252225}} 日本語要旨:[http://www.wcrf.org/sites/default/files/SER-SUMMARY-(Japanese).pdf 食べもの、栄養、運動とがん予防]、[[世界がん研究基金]]と[[米国がん研究機構]]</ref>。
 
 
 
ニンニクは、[[デザイナーフーズ計画]]で最も癌予防効果が高い食材であると位置づけられていた<ref>[http://dx.doi.org/10.2740/jisdh.20.11 がん予防と食品]、大澤 俊彦、日本食生活学会誌、Vol.20 (2009) No.1</ref>。
 
 
 
=== ニンニクの殺菌力 === 
 
ニンニクの持つ[[O157]]菌等の[[腸管出血性大腸菌]]に対する殺菌力は、試験管やシャーレを使った実験、動物実験などでの実証が論文発表されている。1%のニンニク粉末水を[[マウス]]に経口投与した際に腸管内の生菌数の減少が報告されている。このことは、ニンニクの摂取が消化器系の感染予防に寄与できることを示唆している<ref>佐々木甚一「[http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/kouhou/yonen/pdf/HEALTHSCIENCESHIROSAKI_Vol5.pdf 食材が持つ生物機能の開発]」『弘前大保健紀』5、2006年、pp145―156</ref>。
 
 
 
=== ニンニク臭 ===
 
ニンニクのある種の細胞には、[[アリイン]]という無臭の[[化合物]]が含まれる。一方、ニンニクの別の細胞には[[アリナーゼ]](またはアリイナーゼ)という[[酵素]]が含まれる。ニンニクを切るとこれら細胞が壊れ、アリナーゼとアリインは細胞外に出てお互いに接触する。アリナーゼの作用によりアリインは[[アリシン]]に変化する。そのアリシンがニンニクの独特な臭いのもとである。アリシンは抗菌作用がある。
 
 
 
[[エジプト]]産のニンニクを品種改良をして、臭いが少ないと宣伝されている「無臭ニンニク」も流通しているが、ニンニク臭は口内に残った食べカスからだけではなく、体内に取り込まれて体臭の原因となる<ref>体中からアリルメルカプタンの臭いを消し去る効果的な方法は発見されていない</ref>。またニンニクとは別種の[[リーキ]] (ポロネギ) の球根を「無臭ニンニク」として販売している場合もある<ref>NHK「趣味の園芸 やさいの時間」2011年10月号 p.37</ref>。
 
また、[[デカフェ]]と同様に高圧の[[二酸化炭素]]による[[超臨界流体]]でニンニクの臭気成分を抽出する方法も使用される<ref>[http://www.chorinkai.co.jp/older/chorinkai.html 超臨界研究所]</ref>。
 
 
 
=== 悪臭源 ===
 
ニンニクは強い悪臭(口臭・体臭)の原因となる。
 
 
 
=== 赤血球破壊 ===
 
個体によるが、[[赤血球]]を破壊することにより、[[血尿]]、[[血便]]、急性[[貧血]]の原因になる。{{要出典|date=2012年7月23日|title=詳細を知りたいです。}}
 
 
 
=== 胃腸障害 ===
 
生のニンニクの強烈な香りと辛味は、刺激が強過ぎて胃壁などを痛める場合がある<ref>[http://co-4gun.eiyo.ac.jp/food%20database/spice_herb/foods-dic-sh-garlic.html ニンニク(葫、大蒜 Garlic)] KNUダイエット 食材百科事典 2007</ref>。
 
 
 
ニンニクの過剰な摂取は[[胃腸]]障害を含めた[[副作用]]を起こしうる<ref name=cancer/>。
 
 
 
=== アレルギー ===
 
調理などで{{仮リンク|ニンニクアレルギー|en|Garlic allergy}}となるケースがある。
 
 
 
== 伝承・逸話 ==
 
ニンニクにまつわる伝承は世界各地に伝えられている。独特の香気は[[香辛料]]として用いられるほか、[[魔除け]]としても用いられてきた。
 
; 古代エジプト
 
: 古代[[エジプト]]では[[ピラミッド]]の建設のさい、労働者に[[タマネギ]]や[[ハツカダイコン|ラディッシュ]]とともにニンニクが与えられた。[[古代ギリシア]]でも徴集の際に兵士が持参する食料品の一つとして数えられている。
 
; ドラキュラ
 
: [[吸血鬼]][[ドラキュラ]]がニンニクを嫌うというのは有名な話である。
 
; 日本神話
 
: 日本では[[古事記]]の小碓命([[ヤマトタケル]])東征の逸話に、[[足柄山]]で白鹿に化けた坂の神を蒜(ひる)で打ち殺したと記されている。同じ逸話が[[日本書紀]]では、信濃坂(現在の[[神坂峠]])で白鹿に化けた山の神を蒜で打ち倒したところ、霧が立ちこめ道を見失ったが、白い犬が出てきて導いた。以前は旅人が信濃坂で神気に当たり病になることがあったが、この後蒜を嚼んで体に塗ると神気に当たらなくなったと記されている。ただし、この蒜はニンニクではなく[[ノビル]](野蒜)である可能性が高い。
 
: 長野県にある [[昼神温泉]]は、この神話(蒜嚼み→昼神)にもとづく名前である。
 
[[ファイル:All Garlic Ail Ajo.jpg|thumb|200px|左・中央はニンニクの鱗茎・鱗片。右はみじん切りにされたニンニク]]
 
; 源氏物語
 
: [[源氏物語]]にもニンニクが登場する。第2帖帚木の巻で藤式部の丞が女性を訪ねたさい「極暑の薬草を用いて臭いので会えませんが、ご用は承りましょう」といわれた。そこで「ささがにのふるまひしるき夕暮れにひるますぐせと言うがあやなさ」と詠んだ。女性は「あうことの夜をし隔てぬ仲ならばひるまも何かまばゆらかまし」と返した(「ひる」が昼と蒜の掛け詞になっていて「極暑の薬草」が蒜だと判る)。
 
; 徳川家康
 
:[[元和_(日本)|元和]]2年(1616年)1月21日[[徳川家康]]は、[[駿府]]の城内で豪商の[[茶屋四郎次郎]]が献上した、[[上方]]で当時流行の珍味、ニンニクのすりおろしをつけた[[鯛]]の[[天ぷら]]の食べ過ぎで起きた食中毒が死因となったとの俗説がある。ただし、実際に徳川家康が死去したのは、上方の珍味を食した3ヶ月後の元和2年4月17日であり、因果関係を立証し難く、現在はむしろ[[胃癌]]が死因と推測する仮説が最も流布している。
 
; 沖縄[[ムーチー]](鬼餅)伝説
 
:1745年沖縄歴史書『[[球陽]]』本巻の中で、「附 首里内金城邑の鬼人」とあり、文章内に鬼餅由来の伝説が記載されている。昔、首里金城に兄と妹がいた。兄は鬼と化して家畜や人を食うようになった。そこで妹は鬼と化した兄を招いて崖の上に坐らせ、兄に鉄餅と蒜を与えた。鬼人は鉄餅を食おうとしても食うことができなかった。時に妹は、兄の前に前裾を開いて、[[箕踞]](キキョ)していた。兄が怪しんで問うた。妹は答えた。「私の身には口が二つあります。下の口はよく鬼を喰い、上の口はよく餅を喰うのです。」 と言って、自分の餅と蒜を食べてしまった。これを見た兄は、あわてふためいた。そのため足を踏み外し、崖下に転げ落ちて死んでしまった。
 
 
 
== にんにくの日 ==
 
日本では[[日本記念日協会]]が鹿児島県の健康食品メーカーの申請を認可し、2月29日を「にん(2)に(2)く(9)の日」として登録した。4年に1度だけの記念日で、日本各地でにんにくに関するイベントが催される<ref>{{cite web|title=2月29日 ニンニクの日|なるほど統計学園|publisher=総務省統計局|url= http://www.stat.go.jp/naruhodo/c3d0229.htm|accessdate=2014-10-02}}</ref>。
 
 
 
== にんにくイベント ==
 
* 生産量が国内2位の香川県では、消費量拡大のための普及イベント「[http://www.garlicfes.jp/ ガーリックフェスティバル]」を行っている。
 
* [[茨城県]][[つくば市]]の[[一ノ矢八坂神社]]ではニンニク祭りと呼ばれる祇園祭を開催している<ref>{{cite book|和書|author=佐野春介|title=大穂町の昔ばなし|series=ふるさと文庫|publisher=[[筑波書林]]|date=1980年9月15日|page=41}}{{全国書誌番号|81024355}}</ref><ref>{{cite book|和書|editor=「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編|title=[[角川日本地名大辞典]] 8 茨城県|publisher=[[角川書店]]|date=1983年12月8日|page=1253}}{{全国書誌番号|84010171}}</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Allium sativum}}
 
{{Wikispecies|Allium sativum}}
 
* {{仮リンク|S-アリルシステイン|en|S-Allyl cysteine}} - [[アリイン]] - [[アリシン]] - [[アホエン]]
 
* [[禁葷食]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
*{{PaulingInstitute|mic/food-beverages/garlic Garlic}}
 
* {{hfnet|71|ニンニク}}
 
{{Herbs & spices|state=collapsed}}
 
  
 
{{DEFAULTSORT:にんにく}}
 
{{DEFAULTSORT:にんにく}}

2019/6/16/ (日) 11:52時点における最新版

ニンニク.jpg

ニンニク(蒜、大蒜、葫、忍辱[1]学名Allium sativum

ユリ科の多年草。古代からエジプト,ギリシアで栽培された。鱗茎は数個の小鱗茎に分かれ,白または帯紅色の共通の膜に包まれる。は直立し高さ 60cmぐらいとなり,桃色のをつける。花は不稔性で,小さい珠芽(むかご)がつくこともある。繁殖には小鱗茎を用いる。は広線形で扁平,まばらに互生(葉序)する。一般には成熟した鱗茎が生産の目的になるが,葉,茎などを利用することもある。全草に強烈な臭気があり古くから香辛料(ガーリック)として広く用いられるほか,薬用としての用途も広く殺菌・抗菌作用があるといわれ,利尿,健胃,駆虫,風邪,血圧降下,鎮静などに薬効がある。



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  1. 木村修次・黒澤弘光『大修館現代漢和辞典』大修館出版、1996年12月10日発行(436ページ)