デルタ航空

提供: miniwiki
2018/7/22/ (日) 16:06時点における126.33.220.45 (トーク)による版 (日本路線)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索
ファイル:DeltaAirLinesHQAtlantaGA.jpg
デルタ航空アトランタ本社
ファイル:Shiroyama-Trust-Tower-01.jpg
日本支社が入居する
虎ノ門・城山トラストタワー

デルタ航空(デルタこうくう、英語: Delta Air Lines, Inc.)は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ市に本拠を置く航空会社[1]

概要

1929年コレット・E・ウールマンらがルイジアナ州モンローで「デルタ・エア・サービス」として旅客サービスを開始し(それまで農薬散布の会社)、1941年アトランタに移転する。社名は、ミシシッピ・デルタ[2]にちなんで付けられたものである。現存するアメリカ合衆国の航空会社では最長の歴史を持つ。

第二次世界大戦の際には他の航空会社と同様アメリカ軍への協力を余儀なくされたが、戦後になるとその規模を急速に拡大し始める。

1955年には早くも本拠地のアトランタを中心とする乗り継ぎ形態として「ハブ・アンド・スポーク」システムを構築している。 1960年代になるとDC-8をはじめとするジェット機を導入し、1970年代までにほぼジェット機に機材を統一した。

1953年にシカゴ・アンド・サザン航空と、1972年にノースイースト航空と、1987年にウエスタン航空と合併する。

1970年代半ばまでは中米路線はあったものの国内線が主であったが、1978年には規制撤廃に伴い太平洋路線を充実させていった[1]

1987年には、初の太平洋路線としてDC-10型機を使用してポートランド国際空港から東京へと就航、1991年には破産したパンアメリカン航空から大西洋ヨーロッパ路線を買収し、基本的には国内線及び近距離国際線、そして大西洋路線を重視したネットワークを形成していた。

2005年原油価格の高騰に伴う燃料費の増加によって収益が悪化。加えてハリケーン・カトリーナによって同社の地盤であるアメリカ南部が被害を受けたことなどから経営危機に陥り、同年9月14日ノースウエスト航空と同時期に連邦倒産法第11章の適用をニューヨークの連邦倒産裁判所に申請して経営破綻した。しかし飛行機の運行自体は継続しながら経営再建を行い、2007年5月1日に正式に連邦倒産法第11章から脱却して経営再建に成功した。これと同時に機体に新塗装が施され、新しいロゴマークも発表された。それに先立って、ニューヨーク証券取引所への再上場も果たしている。

2008年4月14日、全米5位のノースウエスト航空との合併を発表し[3]、同年10月29日アメリカ合衆国司法省による承認を経て、当時としては世界最大の航空会社「デルタ航空」が誕生。2010年1月31日をもって統合を完了した。

2012年シンガポール航空が保有していたヴァージン・アトランティック航空株式の49%を取得し、共同事業を行うと発表[4]。翌年9月に反トラスト法の適用除外認定を受けた[5]。また同年5月には日本市場における競争力・財務力を強化する為、日本支社長に、日本人実業家の森本大(もりもと まさる、同志社大学卒、元日本コカ・コーラ副社長)を起用した。

2018年2月、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件を契機に、全米ライフル協会会員に対して行ってきた運賃割引制度を廃止することを打ち出すと[6]、ライフル協会会員からボイコット運動を受けることとなった。同年3月、エド・バスティアンCEOは社内向けのメッセージで、ライフル協会に限らず政治的に異なる見解を持つ団体全てに対して、現在適用している運賃割引制度の見直しを進めていることを示唆している[7]

現在ではメインハブ空港であるアトランタ国際空港をはじめ、ハブ空港からアメリカ国内および世界各地に向け、1日に4900便を超えるフライトを運航している。 国際線は欧州アジアカナダラテンアメリカアフリカに就航している。また、2009年7月よりオーストラリアに新規就航を果たし、世界でも6大陸すべてに就航する数少ない航空会社となった[8]。 旅客運送数および旅客キロ数で、アメリカン航空に次ぐ世界第2位の大手航空会社である。航空連合スカイチーム創設メンバーであり、中心的な航空会社。

保有機材

デルタ航空の保有機材は700機を超え、単一の航空会社が保有する機材数では世界第1位である。その種類は旧デルタ航空保有のボーイング社製機材(旧マクドネル・ダグラス社製航空機を含む)中心のラインナップに加え、ノースウエスト航空から引き継いだエアバス機など、多岐にわたっている。そのため、様々な座席数を持つ機材が豊富に揃い、各路線に最適なサイズの機材を投入することが可能となっている。反面、機材の競合も多く、整備や部品管理などの効率が悪くなっている。

なお、デルタ航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は32で、航空機の型式名は767-332ER、777-232ERなどとなる。但し、ノースウエスト航空から引き継いだ機材は、ノースウエスト時代のカスタマーコード51が与えられており、航空機の型式名は747-451 757-251となる。

運用機材

デルタ航空機材(デルタコネクション機材を除く 2017年現在)
航空機 機数 発注 ビジネス・ファーストクラス エコノミークラス 座席数 備考
A319-100
57機
12-14
40-114
54-126
132席での標準化。
A320-200
69機
12
138
150
2017年から157席で標準化。
A321-200
12機
70機
20
172
192
2019年までに受領。
マクドネル・ダグラスMD-88、ボーイング757-200と767-300を更新中。
A330-200
11機
34
200
234
A330-300
31機
34
259
293
A330-900neo
25機
2019年から受領予定。ボーイング 767-300ERを更新予定。
A350-900
5機
20機
32
274
306
ボーイング 747-400を更新し、2017年から受領中。
717-200
91機
12
98
110
全機、サウスウエストからリース扱いで導入
エアトラン(旧バリュージェット)機。
737-700
10機
12
112
124
737-800
73機
4機
16
144
160
737-900ER
66機
54機
20
160
180
2019年までに受領。
古いボーイング757-200と767-300を更新。
757-200
112機
16-26
72
150-160
0
168-184
72
初期機材はエアバスA321-200とボーイング737-900ERへ更新
199席での標準化。11機はVIPチャーターとして運用される。
757-300
16機
24
200-210
224-234
767-300
6機
30
23
261
ボーイング737-900ERとエアバス A321-200に更新される。
767-300ER
58機
26-36
172-200
208-226
エアバス A330-900neo導入後、退役予定。
767-400ER
21機
40
206
246
同社とコンチネンタル航空(現ユナイテッド航空)しか運航していない、主に大西洋路線で運用
777-200ER
8機
37
254
291
機内仕様は777-200LRと統一
777-200LR
10機
37
254
291
機内仕様は777-200ERと統一
CS100
75機
同型機米国エアラインローンチカスタマー
2018年から受領し、MD-88と老朽化したCRJを更新予定。
MD-88
116機
16
133
149
エアバスA321とボンバルディアCS100に更新予定。
MD-90
65機
16
144
160

ギャラリー

発注機材

DC-9シリーズの退役によって、代替機としてエアトランで使用されていたボーイング717型機を中古機で導入し更新中。

現有保有機材数で一番の大所帯であるボーイング757-200型機は一つの機材でなく、エアバスA321及びボーイング737-900ER型機の二機種の新造機によって代替する予定。

ノースウエスト航空が発注していたボーイング787-8型機については注文一部取り消し、残りも納入が延期されていた。受領は2020年に延期していたが、2016年12月27日に発注キャンセルされ、発注取り消しについて契約の具体的な内容は非公表としている。なお、デルタは発注済みの737-900ERを2019年まで受領する予定で、計120機にのぼる。

ボーイング747-400及び767-300ER型機の代替を含めたワイドボディ50機程度[9]の導入を検討しており、エアバスA330シリーズやエアバスA350シリーズボーイング777-300ER及び777-8/-9ボーイング787シリーズなどが候補に挙がっていたが、2014年11月20日にエアバスA350-900型機とA330-900neoを25機ずつをボーイング747-400型機や767-300ER型機の後継機として発注し、A350 XWBは2017年、A330neoは2019年から受領する予定と発表された。このうちA350XWBは同年10月30日よりデトロイト - 成田線[10]でのデビューを果たしている。

2017年12月13日、エアバスのA321neoを約100機発注する計画を発表した。エンジンはプラット・アンド・ホイットニーの予定である[11]

退役機材

ボーイング747の運用

ノースウエスト航空と合併後、ボーイング747貨物機を含め20機以上の747シリーズを保有し、同社最大機材として太平洋路線中心に運航された。

まず、ボーイング747貨物機を中心とした貨物専用機の運用を2010年1月末をもって終了し、退役した。

ボーイング747-400型機は引退間際まで以遠権を有していても成田空港の発着枠に限りがあり、多頻度の運用が不可能といった事情により需要旺盛な日本とアジア市場への一定の座席供給、輸送力を保つにはボーイング777型機では容量不足かつ、成田空港内の整備工場でボーイング747型機の高度な整備が可能なことも運用続ける理由となっていた。 しかし、初期に就航した機体は25年以上運用していることもあり、ボーイング777型機が長距離ETOPS運用可能なLR型が就航し性能を生かしたことや日本に提携できるカウンターパートナーが確保できないなど日本におけるハブ機能価値が低下したことからデトロイトからソウル(仁川)上海(浦東)などの同社の他国提携先がある米本土アジア間の直行便化などの運用が可能になってきたので、同型機について2014年第3四半期の業績発表時に2017年に完全退役する予定を発表した。

2015年9月8日(ハワイ時間)のホノルル発アトランタ行836便をもって引退[12]した、同社保有の「N661US」(製造番号23719/696ノースウェスト航空85便緊急着陸事故当該機)は747-400型機のプロトタイプの1機のため、2016年4月にアトランタ本社の付属施設であるデルタ航空博物館に寄贈され、2017年3月28日より一般公開されている[13]

2017年同社同型機は運用6機となり、デトロイト発着便アジア便を中心に運航され、「N669US」で運航された10月29日発デトロイト→成田DL275便と翌30日成田→デトロイトDL276便をもって日本の定期路線から同社同型機は引退[14]したが、11月28・29日にかけて「N668US」が、アメリカ軍パトリオット・エクスプレス仙台嘉手納へ飛来している[15]

12月に運用4機になり当初、現地時間で12月15日発デトロイト→仁川DL159便と12月17日発仁川→デトロイトDL158便往復便で定期便ラストフライトとしていたが[16]、12月12日になって17日発デトロイト→仁川DL159便と19日発仁川→デトロイトDL158便往復便が追加[17]、さらに17日発デトロイト発が当日になりパイロットを4名確保できず、翌18日にデトロイト→仁川DL9859(159A)便が設定され「N666US」が18日午前9:18デトロイト発19日13:11仁川着で運航折返し仁川→デトロイトは12日に設定された19日仁川発でDL158便を約2時間半の遅延で運航した[18]

定期運航便とは別に18日から自社社員向けのフェアウェル・ツアーを以下で運航

「N674US」11日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、18日デトロイト→エバレットシアトル、19日シアトル→アトランタ
「N670US」17日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、18日デトロイト→シアトル
「N669US」18日上海浦東→デトロイト着後ラインアウト、19日デトロイト→アトランタ、20日アトランタ→ミネアポリス
「N666US」19日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、20日デトロイト→ロサンゼルス

また、12月31日迄年内はスポーツ団体向けを含むチャーター便を運航し、2018年1月3日までに全機アリゾナ州マラナ回送された。デルタはこれらイベントをSNSで「#DL747Farewell」のハッシュタグで情報発信するとしている[19]

就航都市

就航都市は全世界にわたり、350都市を超える。

日本路線

1987年3月に日本乗入れを開始した。旧社時代は成田国際空港からポートランドロサンゼルスニューヨークアトランタの各路線を運航していたが、2001年の9.11同時多発テロの直後、成田 - アトランタ便を除いたアジア路線から一時撤退した。

ファイル:4x Delta (4489588160).jpg
成田国際空港に駐機するデルタ機

その後のノースウエスト航空との統合により、2009年から成田でのハブ機能を充実させた。2013年には外国航空会社として同空港で最多の運航便数を誇り、その便数は日本航空全日本空輸に次いで3番目となっていた[31]

なお2017年ウィンタースケジュールでは、旧ノースウエスト航空の路線と合わせ、アトランタ、デトロイトミネアポリスシアトル、ロサンゼルス、ポートランド、ホノルルアメリカ7都市とグアムから成田、及び成田-コロールに向けて運航を行っている。

名古屋/中部発着のデトロイト線では、デルタ航空が運航する日本路線としては初めて日本の特定地域の特産物を取り入れた限定機内食松阪牛使用)の提供をビジネスクラス以上の乗客を対象に実施しているなど[32]、近年では日本人向けの機内サービス向上に努力していると評価されている。

また、既得の旧ノースウエスト航空の以遠権を生かすことで、成田国際空港をハブ空港の一つとし、同空港からシンガポールマニラ上海/浦東へのネットワークを形成している。かつては関西国際空港からマニラ、台北、高雄クアラルンプールジャカルタ、中部国際空港からマニラへ向かう以遠権ルートもあった。なお旧社時代では、名古屋/小牧 - ポートランド線・ロサンゼルス線を運航しており、11ヶ月だけだが福岡 - ポートランド線を運航していたこともある。2011年2月19日から、東京/羽田の発着枠拡大に伴いロサンゼルス[33]便を開設し、1日1便を通年で運航している。

ファイル:A350- Exterior (37250461841).jpg
成田テクニカルオペレーションセンター

デルタ航空は、従前の成田乗り継ぎ便よりも、アメリカ本土からアジア各国への直行便を重視しており、実際太平洋路線の内、日本路線の占める割合は、2009年の72%から2013年の49%にまで下落している。

日本国内線でコードシェア便相手を確保できなかった(日本航空はワン・ワールド、全日空はスターアライアンスに加盟しており、スカイチームには日本の航空会社は加入していない為、国内での地方空港からの旅客を取り込めないでいる)[34]ことや、アメリカ本土とアジア各国を結ぶ路線が増加したことから、日本経由の路線を減らす方針であると発表しており、2011年には成田空港で週196便があったが、2018年に入ってからは、1月8日にグアム便、5月6日に唯一の直行便だったサイパン便パラオ便を運休し、7月には上海/浦東便を撤退することで、成田空港発は週53便まで減る[35]

その一方、成田空港内にある格納庫の賃貸借契約に2014年10月1日からの使用開始で合意し、12月1日より「成田テクニカルオペレーションセンター」を開設した[36][37]。同空港をアジア地域の拠点として活用する動きも出ている[38]

2015年頃、日本市場での提携先を模索しているとき、スカイマーク民事再生法を申請し、債権者集会で再建案を決議することが決定し、当初ANAホールディングスを中心とする案が無決議で採択される予定であったが、ANA側が提示した再建案で民生法申請前運航されていたエアバス機材を排除した再建案に、債権者であるエアバスと航空機リース会社のイントレピッドが反発し[39]、イントレピッド側はデルタ航空を担ぎ出し、デルタ航空にしてみれば欲しかった日本市場での航空会社を傘下に出来、日本で加盟航空会社が無いスカイチームへの加盟可能性があったので、ANAとデルタが相対する構図となり、決議はANA側がエアバスに将来的機材計画でエアバス機を優先的に採用する取引を持ちかけANAの再建案へ賛成させた[40]

上記のような騒動後、2015年末頃に日米航空交渉の目途がつき羽田空港の昼間発着枠が新規割り当てされる可能性が出てきたがデルタは従来の成田空港の地位低下を危惧し、羽田空港発着枠新規割当をするなら成田発着枠の移行を要求した[41]。 2016年1月13日、東京/成田からミネアポリス線の運航を廃止する可能性があることが報道された[42]

しかし、2016年2月18日に日米航空交渉が合意に達し、2016年10月末からの冬期スケジュールから、アメリカ線の羽田発着枠は、昼間時間帯に日米双方5便、深夜早朝時間帯に双方1便の1日計12便で合意された。

これを受けデルタ航空は「羽田空港の昼間の発着枠の部分的な開放に合意したことを非常に残念に思います。羽田空港では引き続き競争が制限され、厳しく規制された空港となると思われます」と言う立場を公表[43]したが、新規枠に対し米運輸省にロサンゼルス、ミネアポリス、アトランタ線の就航希望を申請したと発表し[44]、2016年7月20日、米運輸省によりデルタのロサンゼルス線とミネアポリス線の割当決定を発表された[45]

デルタは今回の羽田発着枠の配分で、スカイマーク債権者決議によって日本に共同事業パートナーを持つデルタ以外のアメリカ系の航空会社は、日本航空と提携するアメリカン航空、全日空と提携するユナイテッド航空で、羽田空港から日本国内、アジアへの乗り継ぎ便を提供でき、日米両国に割り当てられた計12枠のうち8枠を、JALやANAが展開するアジア・ネットワークに簡単につなげられると説明。 成田と羽田の2つの「東京」空港で運航を強いられた場合、重要な顧客層の流れは、デルタ航空の既存の成田発着便から、地理的優位性の高い競合他社の羽田発着に移るとし、2016年秋から、成田/ニューヨーク・JFK線とその接続便の成田/関空線、成田/バンコク線の運休を決定(再開未定のため事実上撤退)した[46]。 今後、デルタは成田を経由せずに東南アジアの就航先へ北米からの直行便への切換を促進するため、羽田や上海/浦東、仁川、シアトルなどへのシフトチェンジが急速に進み、シアトルをアジア太平洋路線の拠点としたことから、成田ハブとしての役割を事実上終えることになる。[6]

デルタ航空 日本発着路線 2017年ウィンタースケジュール
アジア・
オセアニア方面
日本側 米国方面
上海/浦東 東京/成田 アトランタ
マニラ デトロイト - オーランド
シンガポール シアトル
  ポートランド - ソルトレイクシティ
ホノルル
  東京/羽田 ロサンゼルス - ラスベガス
ミネアポリス - ニューヨーク/ラガーディア
  大阪/関西 ホノルル
  名古屋/中部 デトロイト - アトランタ
ホノルル - ロサンゼルス
  福岡 ホノルル

※アジア方面と米国方面の組み合わせは同一通し便名

サービス

座席

長距離国際線では、デルタ・ワン(ビジネスクラス、旧名:ビジネスエリート)とデルタ・コンフォートプラス(プレミアムエコノミークラス、旧名:エコノミーコンフォート)およびメインキャビン(エコノミークラス)の実質3クラス制をとる。

コンフォートプラスはマイルではなく金額でアップグレードできることなどから、いわゆるプレミアムエコノミークラスに分類されることもある。シートそのものは基本的にメインキャビンと同じだが、10番台の列など機体前方に位置しており、前後座席感を10cm強広くとり、さらにリクライニング角度を約1.5倍増やしたもので、スペースにゆとりがある。また優先搭乗やスターバックスのコーヒーや上質なスナックが楽しめるといった特典がある[47]

その他のアメリカ国内線や近距離国際路線ではファーストクラスとコンフォートプラス、メインキャビンの3クラス制で運航されている(ごく一部のデルタ・コネクション便に限り全席メインキャビンを採用している)。例外的に、一部の米国内横断路線(ニューヨーク/JFK - サンフランシスコロサンゼルス間)においては長距離国際線同様にデルタ・ワンの座席をファーストクラスに替えて運航する。

近年は中長距離国際線やアメリカ国内線の長距離路線に使用するB747-400、B767(-300ER/-400ER)、B777(-200ER/-200LR)、B757を中心に機内全面リニューアルを進めており、デルタ・ワンにフルフラットベッドシートの装着、コンフォートプラスとメインキャビンでは、最新のオンデマンドエンターテイメントシステム搭載を行なっている。

2017年10月30日よりデトロイト - 成田線に導入されるエアバスA350は、新仕様のビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」を32席搭載。世界初の個室スライドドアを設置して個室空間を提供し、全席通路アクセスができるフルフラットシートとなる。そのほかプレミアムエコノミークラスでは「デルタ・プレミアムセレクト」を48席搭載するほか、メインキャビン226席を搭載した計306席仕様になる[48]。なお、新仕様のビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスは、既存のボーイング777-200ER/LR型機にも搭載される。

機内サービス

長距離国際線では全席で機内食やアメニティを提供する。デルタ・ワンは、TUMI製ポーチのアメニティセット、コース料理や様々なアルコール類を含めた飲料が無料で提供される。メインキャビンにおいては飲料は原則としてノンアルコール飲料のみ無料であるが、例外的に日本発着便を中心とした一部路線でビールやワインを無料としている。また2016年7月より、日米路線(日本発ホノルル行を除く)にて、メインキャビンを含む全座席でアイスクリームを提供。9月15日以降は従来のアメニティに機内用スリッパを全座席で提供する[49]

短距離国際線およびアメリカ国内線ではユナイテッド航空アメリカン航空、などの競合他社と同様、ファーストクラスでは食事・アルコール類を含めた飲料を無料とし、メインキャビンではノンアルコール飲料およびスナックが無料で提供される。なお、「EATS」という名称で有料で機内食を販売するサービスもある。

2016年、競合各社との差別化を図るため、ニューヨーク/JFK - ロサンゼルス、サンフランシスコ間で、エコノミークラスの乗客に対しても無料の機内食提供を試験的に開始。2017年3月1日からは、北米大陸横断路線の12路線に拡大することとしている[50]

機内インターネット

Gogo Inflight Internetの技術を使用した無線インターネットサービスを有料で提供している。国内線のみならず、2018年現在は長距離国際線の全ての路線でも使用可能である。
対象となる機材は以下の通り
【Ku技術を使用】ボーイング747-400/ボーイング757-200/ボーイング767-300/ボーイング767-400/ボーイング777-200/エアバスA330
【2Ku技術を使用】ボーイング737-800/ボーイング737-900/ボーイング757-200/エアバスA319/エアバスA320/エアバスA321
【2Ku技術導入予定】ボーイング737-700/ボーイング757-300/エアバスA350XWB

機内誌

機内誌は「Sky」(スカイ)を月刊で発行する。

Sky』(スカイマガジン)は、アメリカ合衆国の大手航空会社デルタ航空機内誌である。毎月60万部以上が発行され、デルタ航空の全路線、全便の機内に搭載される。デルタ航空が2010年買収を完了したノースウエスト航空の機内誌「World Traveler」も「Sky」に統合された。

その日本語版は、毎年6回奇数月に発行され、デルタ航空の日本路線全便(成田アトランタシアトルデトロイトポートランドホノルルマニラシンガポール 羽田ロサンゼルスミネアポリス 中部関西福岡=ホノルル 中部=デトロイト)の機内に搭載される[51]。華報社が出版、2010年より販売取扱も行われている[52]

スカイマイル

スカイマイル(SkyMiles)はデルタ航空のマイレージサービスである[53]。 2009年10月にノースウエスト航空のワールドパークスと統合され、提携航空会社が大幅に増えた[54]。 また、2011年1月1日よりマイル有効期限が廃止された[55]

スカイチーム加盟各社のほか、下記の航空会社と相互提携している。

アジア太平洋地域在住会員のみ、下記の航空会社の特典航空券が得られる[56](搭乗した場合の加算はできない)。

なおシンガポール航空はアライアンスが異なるにも関わらずスカイマイルと提携していた時期があり、ワールドパークスとの統合後もマイルの加算・利用ができたが、2010年5月15日にこの提携が解消されている。[58]

空港ラウンジ

米国内の空港を中心に、「SKY CLUB(スカイクラブ)の名称で空港ラウンジを提供している。利用対象はビジネスエリート・ファーストクラスの乗客やスカイマイルのメダリオン会員(上級会員)およびスカイチーム加盟航空会社の上級会員の一部を中心とするが、それ以外の乗客でも利用料を支払うことで入場できる。サービス内容はラウンジによってそれぞれ異なるが、飲料・軽食・雑誌・新聞類の提供はほぼ共通してなされる。日本においては、ハブ空港である成田空港において、第1サテライトと第2サテライトの二箇所でスカイクラブラウンジを運営していた。しかし、成田発着便の減便に伴い、第1サテライトのラウンジは2017年5月15日で営業終了した[59]。一方、ミネアポリス線など就航した羽田空港では、提携ラウンジという形で成田ラウンジの削減を羽田でのラウンジ提供強化(以前は、上級会員でもエコノミーシートでは羽田の提携ラウンジは利用不可となっていた。これは成田ラウンジと異なる運用で、上級会員から不満が出ていた。現在は、成田ラウンジと同様、エコノミーでも上級会員であれば羽田の提携ラウンジが利用可能となっている)という形で補っている[60]

コードシェア

スカイチーム以外では下記の航空会社とコードシェア便を運航している。

なお、大西洋路線ではエールフランスKLMオランダ航空アリタリア-イタリア航空及びヴァージン・アトランティック航空と共同事業を行っており、どの会社がいずれの会社の運航便を販売しても利益とコストを分割し運営を効率化している。

その他

広告、宣伝活動

アトランタオリンピックソルトレイクシティオリンピックコパ・アメリカ・センテナリオなどのオフィシャルを務め、
MLBアトランタ・ブレーブスシンシナティ・レッズデトロイト・タイガース
ニューヨーク・ヤンキースニューヨーク・メッツセントルイス・カージナルスピッツバーグ・パイレーツサンディエゴ・パドレスや,
NFLバッファロー・セイバーズNHLロサンゼルス・キングスNBAロサンゼルス・レイカーズイングランドプレミアリーグチェルシーFCなどのスポンサーを務めていて
選手移動などで協力していて、同社機材ボーイング757-200などではVIP(オールファースト72席)仕様の機材などで運用されていて、
2016年リオデジャネイロオリンピックでは同社本拠地アトランタで事前合宿していた出場予定のU-23サッカーナイジェリア代表がチーム内不手際で
前日までの現地(マナウス)乗り入れ出来ていない状況でチーム移送依頼があり、チームからの支払いの保証をとらずに6時間以内で手配し、
救援チャーター便を仕立て、チームを試合開始6時間前までに現地へ輸送したりしている[62][63]

予約システム

デルタ航空は「deltamatic」と呼ばれる予約システムを使用している。

航空事故

デルタ航空が起こした主な事故

関連項目

脚注

  1. 1.0 1.1 吉田力『図解入門 業界研究最新航空業界の動向とカラクリがよーくわかる本 第2版』秀和システム、2014年、56頁
  2. 「ミシシッピデルタ」(Mississippi Delta)はミシシッピ州の北西地域で、地形学上この地域はミシシッピ川の沖積平野である。ミシシッピ川河口部の鳥趾状三角州である「ミシシッピ川デルタ」(Mississippi River Delta)とは異なる。
  3. アーカイブされたコピー”. 2008年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2008年4月15日閲覧.
  4. デルタ航空、英ヴァージン株49%を取得 大西洋路線で共同事業へ”. フライチーム (2012年12月11日). . 2014-9-11閲覧.
  5. デルタと英ヴァージン、独禁法適用除外の認定を受ける”. フライチーム (2013年9月24日). . 2014-9-11閲覧.
  6. 全米ライフル協会への優遇措置、撤廃する企業が相次ぐ理由”. CNN (2018年2月26日). . 2018閲覧.
  7. デルタ航空、政治的に異なる見解持つ団体との関係見直し”. 朝日新聞 (2018年3月6日). . 2018閲覧.
  8. その他に6大陸すべてに定期便を運航するのは、ユナイテッド航空ブリティッシュ・エアウェイズエミレーツ航空大韓航空カンタス航空カタール航空シンガポール航空南アフリカ航空など少数の航空会社にとどまる。
  9. Delta seeks up to 50 widebody aircraft
  10. デルタ航空のA350、成田へ10月就航 ビジネスはドア付き個室
  11. Delta set to place huge order with Airbus CNN Money 2017年12月13日
  12. デルタ航空のボーイング747-400型1号機が引退、来年本社の博物館に展示予定 - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2015年9月10日
  13. デルタ航空博物館に歴史的な展示「747エクスペリエンス」がオープン - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2017年3月29日
  14. ノースウエスト時代から日米便支えたジャンボ 写真特集・デルタ航空747日本退役
  15. N668USの航空フォト
  16. デルタ航空の747、12月退役 最終便はソウル発デトロイト行き
  17. デルタの747-400、デトロイト/仁川線で定期便ラストフライトを追加
  18. デルタ、デトロイト/仁川線で747-400の定期便ラストフライトがキャンセル
  19. デルタ航空の747-400、完全退役前に誕生地のペインフィールドへ
  20. 米デルタ航空 、メンフィス空港のハブ使用を9月で終了 ロイター 2013年6月5日
  21. デルタ航空、アメリカ/ハバナ間の3路線で定期便運航権を取得 FlyTeam 2016年7月13日
  22. 22.0 22.1 デルタ航空、ボストン、ニューヨーク、ポートランド発着で欧州5路線に就航 FlyTeam 2017年6月1日
  23. デルタ、2018年5月からニューヨーク/ポンタ・デルガダ線に季節便で就航 FlyTeam 2017年9月30日
  24. デルタ航空、シアトル/香港線の直行便を運休へ 最終便は10月4日 FlyTeam 2018年6月15日
  25. デルタ航空、ニューヨーク/イスタンブール線を運休 需要減や安全性懸念で FlyTeam 2016年4月21日
  26. デルタ航空、東京/成田〜台北/桃園線から撤退 最終運航日は5月24日 Traicy 2017年1月14日付
  27. デルタ航空、成田/バンコク線を10月30日に運休へ 成田路線の再編で FlyTeam 2016年8月13日
  28. ユナイテッド航空、ワシントンDC/ドバイ線を運休 米系の中東路線ゼロに Flyteam 2015年12月11日付
  29. デルタ航空、東京/成田〜グアム線を運休 需要低下で路線維持難しく Traicy 2017年9月20日付
  30. 30.0 30.1 デルタ航空、東京/成田〜サイパン・コロール線を運休Traicy 2018年2月6日
  31. 成田空港会社 2013年夏ダイヤ 定期航空会社別スケジュール発着回数(PDF)
  32. デルタ航空、名古屋発デトロイト便の機内食で松阪牛と奥三河どりを提供 - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2015年4月1日
  33. ロサンゼルス便の他にデトロイト便も1日1便運行していたが、東日本大震災の影響による需要減や燃料価格の高騰に伴い一時運休となったのち、2012年4月27日から運航再開された。しかしながら既存の東京/成田発着便との重複により搭乗率は低く、同年の9月30日をもってデトロイト便は廃止された。このデトロイト便の枠を翌日の10月1日以降、シアトル便に変更したうえで運航される予定であったが、アメリカン航空やユナイテッド航空の反対により、仮申請に止まりだったが、結果として申請は認可され、2013年6月1日にB767-300ER使用での運航が開始された。
  34. [1]
  35. 中村宰和 (2018年5月17日). “成田空港開港40年 日本の表玄関は今/1 米航空大手デルタの成田離れ 相対的な地位低下懸念 /千葉”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/articles/20180517/ddl/k12/020/027000c . 2018閲覧. 
  36. [2]
  37. デルタ航空、成田空港に「成田テクニカルオペレーションセンター」をオープン - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2014年12月1日
  38. [3]
  39. スカイマークの再建計画、イントレピッドに続きエアバスも不満か
  40. スカイマークの再生、投票結果を受けデルタとイントレピッドがコメント
  41. デルタ航空CEO、羽田発着枠「JAL/ANAがJFKに着陸できないのと同じ」不快感示す
  42. Delta may drop Minneapolis flights to Tokyo(英語)
  43. デルタ航空、日米航空交渉でコメント 「部分的な開放は非常に残念」
  44. デルタ、羽田発着枠でロサンゼルス、ミネアポリス、アトランタ線を申請
  45. 米運輸省、羽田昼間発着枠の割当決定 深夜からの移行とミネアポリス線
  46. デルタ航空、羽田発着枠配分の影響で成田/JFK線などを運休 秋から
  47. http://www.delta.com/content/www/en_US/traveling-with-us/onboard-experience/delta-comfort-plus.html#relax
  48. [4]
  49. デルタ航空、日本人旅客向けのサービス向上戦略を推進 - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2016年9月14日
  50. 米デルタ航空、無料の機内食復活 CNN(2017年2月19日)2017年2月25日閲覧
  51. 取扱媒体『SKY』(華報社)
  52. SKY(スカイ)(華報社)について
  53. 吉田力『図解入門 業界研究最新航空業界の動向とカラクリがよーくわかる本 第2版』秀和システム、2014年、83頁
  54. DELTA SKY MAGAZINE September 2009
  55. スカイマイルについて
  56. 提携航空会社の特典 - デルタ航空
  57. 日本在住、かつメダリオン会員または提携クレジットカード会員に限られる。
  58. シンガポール航空サイトでの告知
  59. デルタ航空、成田空港第1サテライトの「デルタ スカイクラブ」の営業終了 5月15日で Traicy 2017年5月4日
  60. スカイチーム特典 デルタ航空
  61. デルタ航空とウェストジェットがコードシェア-29路線で実施”. フライチーム (2012年1月20日). . 2014-9-11閲覧.
  62. デルタ航空、ナイジェリア男子サッカーチームをマナウスへ757で輸送
  63. [5]

外部リンク



テンプレート:Airline-stub