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'''テレビ'''は、'''テレビジョン'''及び「[[テレビ受像機]](テレビジョンセット、{{lang-en-short|television set}})」の略語。一般には次のような文脈で用いられる。<!-- (映像と音声がセットになって送られてくるため。← 左記のSet, セットは英語で備える、据え置きやその装置の意味であり、日本語の「組み合わせ」そのものの意味はない、 -->
 
  
*'''テレビジョン''':[[放送]]あるいは[[通信]]や[[監視カメラ|遠隔監視]]に使用される、遠方へ[[映像]]を送る技術([[映像機器]]を含む)。本項で詳述。
+
'''テレビ'''
*'''テレビジョン放送''':主として[[動画]]を[[電波]]を使って、不特定多数のために[[放送]]する仕組み。通常は動画に加えて音声、あるいはデータ等の付加情報を送ることができる。電波を使用せず有線で送出する[[ケーブルテレビ]](CATV)もある。本項で詳述。
 
*テレビジョン放送で送られる番組(プログラム)。⇒[[テレビ番組]]を参照。
 
*テレビジョン放送を視聴するための[[受信機]]。⇒[[テレビ受像機]]を参照。
 
==語源・定義==
 
「テレビジョン」はフランス語の[[wikt:télévision|{{lang|fr|télévision}}]]({{読み|テレヴィジオン|}})に由来し、「TV」と略されることも多い。なお、[[wikt:tele-|{{lang|en|tele-}}]]({{Lang|el|τηλε}})はギリシア語の「遠く離れた」、「{{lang|la|vision}}」はラテン語で「視界」の意味である。
 
  
日本の[[電波法]]では「テレビジョン」は「電波を利用して、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を送り、又は受けるための通信設備」と定義されている<ref>電波法施行規則2条1項22号</ref>。また[[放送法]]ではテレビジョン放送は「静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送(文字、図形その他の影像(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)」と定義されている<ref>放送法2条1項18号</ref>。
+
'''テレビジョン'''及び「[[テレビ受像機]](テレビジョンセット、{{lang-en-short|television set}})」
 
 
== テレビの歴史 ==
 
=== 1800年代 ===
 
*1843年 - スコットランドの[[アレクサンダー・ベイン]]、静止画像を走査し電気信号に変換して、電送する装置を開発([[FAX]]参照)。
 
<!--
 
*1864年 - スコットランドの[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]が電磁波の存在を理論的に予言。→これを書くなら、電子線の発見やセレンの光電現象の発見も書く必要がある。
 
-->
 
*1873年 - イギリスで明暗を電気の強弱に変えて遠方に伝えるテレビジョンの開発が始まる。
 
*1875年 - アメリカのジョージ・ケリー、並列式の機械走査の概念を提案。
 
*1877年 - アメリカのウィリアム・ソーヤー、直列式の機械走査の概念を提案。
 
*1884年 - ドイツの[[ポール・ニプコー]]、直列式の機械走査を実現する「[[ニプコー円板]]」の発明。
 
<!--
 
*1894年頃 - イタリアの[[グリエルモ・マルコーニ]]が電磁波の存在を実験により発見。→電磁波を最初に実験的に発見した人物は、ヘルツだと思います。
 
-->
 
*1896年 - イタリアの[[グリエルモ・マルコーニ]]が電磁波を使って、3km離れた地点間でモールス信号の無線通信実験に成功([[無線通信]]参照)
 
*1897年 - ドイツの[[フェルディナント・ブラウン]]、テレビの受像管に用いる[[陰極線管]]である[[ブラウン管]]の発明。
 
 
 
=== 1900年代 ===
 
*1907年 - ロシアの[[ボリス・ロージング]]、ブラウン管によるテレビ受像機を考案し特許出願。
 
*1908年 - イギリスのキャンベル・スウィントン、撮像側にも陰極線管を使った電子式走査法の概念を科学雑誌Natureに発表。全電子式テレビジョンを示唆。
 
*1911年 - ボリス・ロージング、世界で初めてブラウン管を用いたテレビの送受信実験を公開。撮像に機械式のニプコー円板と受像に電子式のブラウン管を用いた。簡単な図形の輪郭の受像に成功。しかし実用レベルの受像に至るには、映像を電気信号に変換する[[光電管]]や、その信号を増幅する[[真空管]]の発達を待たねばならなかった。
 
*1923年 - アメリカへ亡命したロシアの[[ウラジミール・ツヴォルキン]]、電子走査式撮像管[[アイコノスコープ]]を考案し特許出願。
 
*1925年 - スコットランドの[[ジョン・ロジー・ベアード]]、'''機械式テレビ'''の開発。撮像と受像に機械式のニプコー円板を用いた。見分けられる程度の人間の顔を送受信することに成功。
 
*1925年 - アメリカのチャールズ・フランシス・ジェンキンスが機械式テレビの画像を8km離れた地点間で無線送受信する公開実験を行う。
 
*1926年、ジョン・ロジー・ベアード、ロンドンの王立研究所で動く物体の送受信の公開実験に成功。同年12月25日 - [[浜松高等工業学校]]の[[高柳健次郎]]が'''電子式テレビ受像機'''(ブラウン管テレビ)の開発。撮像に機械式のニプコー円板を、受像に電子式のブラウン管を用いた。「イ」の字を表示させる。
 
<!--**この時期、テレビの本放送へ向けて各国で改良が活発となる。-->
 
*1927年 - アメリカの[[フィロ・ファーンズワース]]、'''電子式テレビ撮像機'''の開発。電子走査式の撮像管「イメージディセクタ」による映像撮影に成功。ブラウン管に「$$」を表示。同年、撮像・受像の全電子化が達成される。
 
*1928年 - ジョン・ロジー・ベアード、カラーテレビの公開実験に成功。
 
*1929年 - [[英国放送協会]](BBC)がテレビ実験放送開始。
 
*1931年 - NHK技術研究所でテレビの研究開始。
 
*1932年8月 - イギリスで世界初の定期試験放送(機械式、週4日)開始。
 
*1933年 - アメリカの[[ウラジミール・ツヴォルキン]]がアイコノスコープを開発、野外の景色を撮像することに成功。
 
*1935年 - ドイツで定期試験放送開始。[[ベルリンオリンピック]]のテレビ[[中継]]が行われる。
 
*1936年 - ハンガリーのKálmán Tihanyi、[[プラズマテレビ]]の原理を示す。世界初のフラットディスプレイの概念。
 
*1939年3月 - 日本でテレビ実験放送開始。
 
*1939年5月13日 - [[NHK放送技術研究所]]による公開実験。<ref>[http://cgi2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009060045_00000 テレビジョン実験放送開始 -NHKアーカイブス(動画・静止画)]</ref>
 
*1940年4月13日 - 日本初のテレビ[[ドラマ]]「[[夕餉前]]」の実験放送。
 
*1941年3月 - [[アメリカ合衆国|米国]]で[[NTSC]]方式の[[白黒テレビ]]放送開始<ref name="USAstopNTSC">{{Cite web|date=2009-06-12|url=http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|title=ATSC SALUTES THE ‘PASSING’ OF NTSC|publisher=[[NTSC]]|language=[[英語]]|accessdate=2009-06-13|deadlinkdate=2011-10-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090620084429/http://www.atsc.org/communications/press/2009-06-12-NTSC_End_Final.php|archivedate=2009年6月20日|deadurldate=2017年9月}}</ref>。
 
*1945年 - 「日本のテレビの父」と言われる[[高柳健次郎]]らによって戦前より始められていた日本のテレビ研究が敗戦直後に[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]により禁止される<ref name=okuda>[http://tdl.libra.titech.ac.jp/hkshi/recordID/dissertation.bib/TT00007991?caller=xc-search 冷戦期のアメリカの対日外交政策と日本への技術導入 : 読売新聞グループと日本のテレビジョン放送及び原子力導入 : 1945年~1956年]奥田謙造、東京工業大学、2007/03/26  </ref>。
 
*1946年 - 7月に禁止令が解除され、11月よりNHKがテレビ研究を再開<ref name=okuda/>。
 
*1950年代 [[有馬哲夫]]の『テレビの夢から覚めるまで』<ref name="arima1997">{{Cite book |和書 |author=有馬哲夫 |authorlink=有馬哲夫 |title=テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史 |accessdate=2017-06-24 |date=1997-02-15 |publisher=国文社 |url=http://www.kokubunsha.co.jp/archives/ISBN4-7720-0429-7.html |language=日本語 |isbn=4772004297 }}</ref>によれば、50年代に米国でテレビが一般家庭に普及し始めた頃、米国の人々は大真面目に以下のように思っていたという<ref name="kayama2006">{{Cite book |和書 |author=香山リカ |authorlink=香山リカ |title=テレビの罠-コイズミ現象を読み解く |accessdate=2017-06-23 |date=2006-03-10 |publisher=株式会社筑摩書房 |location=東京都 |series=ちくま新書588 |language=日本語 |isbn=4480062963 |page=202 }}</ref>。
 
 
 
{{Quotation|テレビは、神からのクリスマス・プレゼントだ。われわれは、このプレゼントを手にして娯楽のことばかりを考えるのではなく、人類の善意と地上の平和のことを、そして、それにいかに役立てるかをも考えなければならない。テレビを通じて、いかにひとびとの蒙を啓き、偏見を根絶し、理解を深めるかに心くだかなければならない。テレビこそ、その未来を開いてくれるだろう。|有馬哲夫|『テレビの夢から覚めるまで アメリカ1950年代テレビ文化社会史』(1997年/国文社)}}
 
 
 
*1950年 - [[電波法]]、[[放送法]]、[[電波監理委員会設置法]]の電波3法施行。
 
*1951年 - GHQの要請により電波監理委員会メンバーが視察のため渡米<ref name=okuda/>。アメリカから3人のコンサルタントが来日。軍事戦略のひとつとして占領国でのテレビ放送利用を重要視していたアメリカの圧力によりアメリカ式(NTSC方式)の技術標準が日本で採用される<ref name=okuda/>。
 
*1952年
 
**松下電器産業(現[[パナソニック]])が日本初の民生用テレビを発売。白黒台付<ref>https://panasonic.jp/viera/history/1950.html</ref>
 
*1953年
 
**1月 - [[シャープ]]が国産第1号のテレビTV3-14Tを発売<ref>[http://www.sharp.co.jp/corporate/info/history/only_one/av/av_w8.html 国産第1号テレビ]</ref>。価格は175,000円。
 
**2月1日 - [[日本放送協会]](''''NHK JOAK-TV''')のテレビ放送開始(日本での地上波テレビ放送の開始)。
 
**8月28日 - [[日本テレビ放送網|日本テレビ]]、(略称'''NTV JOAX-TV''')テレビ放送開始(民放での初のテレビ放送の開始)。また日本初のテレビCMを放送したがテレビ画面が裏返しに映る日本初の[[放送事故]]が発生した。
 
*: 当時の主な番組は[[大相撲]]、[[プロレス]]、[[日本プロ野球|プロ野球]]などのスポーツ中継や、記録映画など。白米10kgが680円、銭湯の入浴料が15円程度であった当時、テレビ受像機の価格が非常に高価(20万〜30万円程度)で一般人には買えないため、多くの大衆は繁華街や主要駅などに設置された[[街頭テレビ]]や、土地の名士などの一部の富裕世帯宅、喫茶店、そば屋などが客寄せに設置したテレビを見ていた。
 
**12月 - [[アメリカ合衆国|米国]]でNTSC方式の[[カラーテレビ]]放送規格の成立<ref name="USAstopNTSC" />。
 
*1954年1月23日 - アメリカNBCが、NTSC方式によるカラー本放送開始。
 
*1955年4月1日 - ラジオ東京('''KRT・KRテレビ JOKR-TV'''、現:[[TBSテレビ]])がテレビ放送開始。
 
*1956年12月 - NHKのカラーテレビ実験放送開始(UHF帯を使用)。
 
[[ファイル:Old_tvset.jpg|250px|right|thumb|1955年 三菱電機TV受像機の広告]]
 
[[ファイル:OTVbelweder-front.jpg|250px|right|thumb|1958年の14インチTVセット]]
 
*1957年
 
**11月1日 - 日本教育テレビ('''NET'''現:[[テレビ朝日]])設立。
 
**11月18日 - 富士テレビジョン(開局前の1958年12月に[[フジテレビジョン]]に改称)設立。
 
**12月28日 - NHK東京、日本テレビがカラー試験放送開始(通常テレビのVHF帯)。
 
*1958年12月23日 - [[東京タワー]]から放送開始。
 
*1959年
 
**1月10日 - [[NHK教育テレビジョン]]開局。
 
**2月1日 - 日本教育テレビ('''NET JOEX-TV'''現:[[テレビ朝日]])開局。
 
***日本では[[教育]]分野へのテレビ利用が検討され始め、教育局、準教育局として開設される局が多くなる。
 
**3月1日 - フジテレビ(略称:'''CX JOCX-TV''')開局。
 
***前年1958年からこの年にかけて多くの局が開設され、4月10日の[[皇太子]][[明仁|明仁親王]]([[今上天皇]])御成婚の中継をきっかけにテレビ受像機が一般に普及し始める。同時期に、[[TBSテレビ|KRT(当時)]]と系列局が形成した[[Japan News Network|JNN]]を始めとする[[ニュースネットワーク]]が結成される。
 
***この頃より、[[東映]]を除く[[映画]]会社が、テレビへの作品販売や所属[[俳優]]の出演を拒否したため、代替としてアメリカ製のホームドラマや[[西部劇]]などの[[テレビ映画]]が大量に輸入され、各局の主力番組として放送された。この状況は1970年頃まで続き、高い人気を得た作品も少なくない。
 
*1960年9月10日 - '''カラー本放送'''開始(NHK=東京、大阪の総合、教育両テレビ、日本テレビ、TBS、[[讀賣テレビ放送|読売テレビ]]、[[朝日放送テレビ|朝日放送]])。[[日立製作所]]、国産カラーテレビ「[[ポンパ]]」を発売。[[キャッチコピー]]は「色は日立の御家芸」。[[パナソニック|松下電器産業]]、カラーテレビ発売。<ref>https://panasonic.jp/viera/history/1960.html</ref>
 
*1964年4月12日 - 財団法人日本科学技術振興財団テレビ局開局('''通称:東京12チャンネル、別名:科学テレビ、略称:TX JOTX-TV''')、後に東京12チャンネルを経て[[テレビ東京]])。
 
*1967年 - PAL・SECAM方式によるカラー放送開始。
 
*1968年
 
**2月20日 - 日本初のUHF局として[[NHK徳島放送局|NHK徳島]]教育テレビ運用開始。
 
**5月5日 - [[琉球放送]]・[[沖縄テレビ放送|沖縄テレビ]]がカラー放送開始。
 
<!-- **7月1日 - 財団法人日本科学技術振興財団テレビ局に専属する番組制作会社として東京12チャンネルプロダクション設立(現:テレビ東京の会社設立)。 -->
 
**8月12日 - 日本初の[[全国独立UHF放送協議会|独立UHF局]]として[[岐阜放送]]がテレビ放送開始。
 
<!-- **10月1日 - [[福島テレビ]]のカラー放送開始により民放テレビ先発局のカラー化が完了。それ以降に開局する民放テレビ局は[[福島中央テレビ]]を除き開局当初からカラー放送を開始することになる。 -->
 
*1969年 - 日本のテレビ受像機生産台数が世界1位になる。
 
*1970年 - NHK、東京と大阪で[[NHK UHFテレビ実験局]](UHFテレビ放送の試験運用)を開始(1975年4月まで)。
 
<!--*1973年10月31日 - 財団法人日本科学技術振興財団テレビ局が閉局。翌日から東京12チャンネルプロダクション改め東京12チャンネルが受け持って開局(後の[[テレビ東京]])。-->
 
*1973年11月1日 - NETテレビ(日本教育テレビ。後の[[テレビ朝日]])と東京12チャンネル(後のテレビ東京)が総合テレビ局化。
 
<!-- *1975年3月31日 - [[近畿地方]]の[[キー局|準キー局]]、[[毎日放送]](MBS)と[[朝日放送]](ABC)が[[ネットチェンジ]](『[[腸捻転]]』解消)。NET(現・テレビ朝日)系列だったMBSがTBS系列に、TBS系列だったABCがNET系列に変更。
 
*1977年4月1日 - NETテレビ(日本教育テレビ)が社名を全国朝日放送に社名変更。社内公募により愛称を'''[[テレビ朝日]]'''にする。-->
 
*1978年9月28日 - 日本テレビが'''世界初の音声多重実用化試験放送を開始'''(その後、NHK、読売テレビ、他の在京民放等が続き、後にNHKは1986年までに全国へ 民放は北海道の一部地域を除いて全国へ拡大。なお、民放各局でもこれまでアナログ放送で行われていなかった北海道の一部地域(札幌圏以外の残りの地域)でも2007年10月1日以降の地上デジタル放送の中継局開設によりNHKだけでなく、地上デジタル放送のみだが、民放各局でも音声多重放送が受信可能となった)。
 
*1982年 - [[エプソン]]がテレビ付き腕時計「テレビウオッチ」を開発。
 
*1983年 - エプソンが液晶ポケットカラーテレビ「ET-10」を開発。'''世界初のTFT液晶テレビ。'''
 
*1984年5月12日 - [[日本放送協会|NHK]]が[[衛星放送]](BS)の試験放送を開始。1989年6月1日から本放送を開始。
 
<!--*1989年10月1日 - [[平成新局]]の開局がスタート。-->
 
*1990年11月30日 - 日本初の民間衛星放送局である[[日本衛星放送]](JSB・WOWOW)が試験放送を開始。翌年4月1日より有料の本放送を開始。
 
*1991年11月25日 -''' BS[[ハイビジョン試験放送]]開始。'''
 
<!-- *1995年11月1日 - [[東京都]]初の民放UHF局、[[東京メトロポリタンテレビジョン]](東京MXテレビ)が開局。
 
*1997年4月1日 - [[高知さんさんテレビ]]、[[さくらんぼテレビジョン|さくらんぼテレビ]]が開局(全国ネットワークを組む地上波テレビ局では最後の開局)。
 
*1999年4月1日 - [[とちぎテレビ]]('''略称GYT 旧TTV JOGY-TV''')が開局(民放地上波テレビ局では最後の開局)。 -->
 
 
 
=== 2000年代 ===
 
*2000年12月1日 - 11:00、[[BSデジタル放送]]が放送を開始。
 
<!-- *2003年10月1日 - ''全国朝日放送株式会社'''が社名を'''株式会社[[テレビ朝日]]'''に。また、略称をANBからEXに変更。-->
 
*2003年12月1日 - 11:00、[[東京]]、[[名古屋市|名古屋]]、[[大阪]]を中心に[[地上デジタルテレビ放送|地上デジタル放送]]を開始。
 
*2006年4月1日 - 11:00、地上デジタル放送が既に開始されている地域を中心に移動体受信機向けの地上デジタル放送、通称「[[ワンセグ]]」開始。
 
*2007年10月1日 - BSアナログハイビジョン放送終了。
 
*2009年6月12日 - [[アメリカ合衆国|米国]]でほとんどのNTSC方式の放送停止。[[ATSC]]方式[[デジタルテレビ放送]]へ全面移行<ref name="USAstopNTSC" />し68年間の歴史に幕を降ろす。
 
*2011年7月24日 - 12:00、[[東日本大震災]]の被災3県(岩手、宮城、福島)を除く44都道府県で地上アナログ放送終了。
 
*2012年3月31日 - 12:00、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)が地上アナログ放送終了し、日本全国で[[地上デジタルテレビ放送|完全デジタル化]]が完了した。これで、日本のアナログ放送は'''完全に'''廃止され、1926年の開発開始から86年の歴史に幕を閉じた。
 
 
 
== テレビの技術 ==
 
<!--
 
===テレビジョンの特許===
 
本来、テレビジョンの[[特許]]は開発した日本が取っているはずだったが、開発者の[[高柳健次郎]]が特許を取らなかったため[[アメリカ]]に[[特許]]を取られる悲劇が起きた。
 
-->
 
=== 媒体 ===
 
*地上放送:地上の送信所から放送する放送方式。
 
**日本で[[NTSC|地上アナログテレビ放送]]:1953年から放送されていた方式。[[東日本大震災]]の被災3県を除き2011年7月24日に、被災3県では8か月遅れとなる2012年3月31日に停波され、日本全国で完全デジタル化が完了した。
 
**[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタルテレビ放送]]:日本で2003年12月1日より本放送を開始した現在の方式。
 
*[[衛星放送]]:[[人工衛星]]([[放送衛星|直接放送衛星]](DBS)、[[通信衛星]](CS))から放送する放送方式。
 
*[[ケーブルテレビ]](CATV)
 
 
 
=== 伝送方式 ===
 
*アナログ放送:カラー方式やパラメータに違いはあるが、[[衛星放送]]以外は基本的にどれも、アナログ[[コンポジット映像信号]]をアナログ変調([[振幅変調#残留側波帯]]、VSB)で、アナログ音声信号をアナログの[[周波数変調]](FMラジオ放送と基本的に同様の方式)で伝送する放送方式(衛星放送は映像はFM、音声はデジタル)。
 
*[[世界の放送方式]]
 
**[[NTSC]]
 
**[[PAL]]
 
**[[SECAM]]
 
**[[ハイビジョン#MUSE方式の概要|MUSE]]:アナログハイビジョンのディジタル圧縮アナログ伝送方式。
 
*デジタル放送:すべての映像・音声・付加情報を[[デジタル変調]]方式([[直交周波数分割多重方式|OFDM]]、Q[[位相偏移変調|PSK]]、[[直交振幅変調|QAM]]など)で伝送する放送方式。日本では[[ISDB]](統合デジタル放送)とも呼ばれる。
 
 
 
=== 放送機器 ===
 
; テレビ受信機
 
: [[TVチューナー]]のようなコンポーネント型の機器もあるが、基本的に複合型の機器が多い。
 
*[[テレビ受像機]] - いわゆる「テレビ」。[[受信機]]ないし[[TVチューナー]]と、[[ビデオモニター]]が一体化した機器。
 
*[[ビデオレコーダ]] - 家庭用のレコーダの大半がテレビ受信機能を持っており、放送映像の記録に便宜を図っている。
 
*[[TVチューナー]]
 
; 送信所設備
 
*[[テレビ送信機]]
 
*テレビ送信[[アンテナ]]
 
*[[STL (放送局)|STL]](Studio-Transmitter Link)
 
; 演奏所設備
 
: 演奏所設備をスタジオ機器と言うこともある。この場合撮影スタジオに置かれる機器だけを指すのではなく局舎内の放送関連機器全般を指す。主な物を以下に示す。
 
*[[主調整室]](マスター)
 
**マトリクススイッチャー(ルーティングスッチャー)
 
**多重化装置(MUX)
 
**[[限定受信システム]]
 
**データ放送システム
 
**[[CMバンクシステム]]
 
**[[自動番組制御装置]](APS, APC)
 
**番組バンクシステム
 
**ビデオサーバ
 
**[[ビデオテープレコーダ]]
 
**[[緊急警報放送システム]]
 
**回線システム
 
*[[副調整室]](サブ)
 
**[[映像編集#プロダクションスイッチャー|プロダクションスイッチャー]]
 
**[[ビデオカメラ]]
 
**[[スーパーインポーズ (映像編集)|テロップ挿入装置]]
 
**照明装置
 
*営業放送システム
 
*[[FPU (放送)|FPU]](Field Pickup Unit/マイクロ波中継装置)
 
 
 
=== 画質 ===
 
*[[標準テレビジョン放送]]([[SDTV]])
 
**従来のアナログテレビ放送([[NTSC]]・[[PAL]]・[[SECAM]])
 
**[[クリアビジョン]]([[EDTV]]):画質改良版NTSC放送。暗部画質の改善、重畳された[[ゴーストクリア基準信号]]を元に演算を行いゴーストを低減させる。
 
**[[ワイドクリアビジョン]](EDTV-II):画質改良版クリアビジョン放送。水平・垂直・時間軸の情報量を増やすことで画質を改善。16:9放送、NTSCと順次走査を両立。
 
*[[高精細度テレビジョン放送|高精細度テレビジョン放送(HDTV)]]
 
**デジタルハイビジョン([[ISDB]]):日本で2000年12月1日より実施された衛星デジタル放送、2003年12月1日より実施された[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタル放送]]におけるデジタル方式のHDTV放送方式の愛称。
 
**ハイビジョン:放送衛星による[[ハイビジョン#アナログハイビジョン|アナログ]](MUSE)方式のHDTV放送の愛称。日本で2007年9月30日に放送(番組送出)終了し、同年10月31日に完全停波となった。
 
 
 
=== 音量 ===
 
*音量の平均化
 
**[[デジタルテレビ放送]]は[[ダイナミックレンジ]]が広く高品質な伝送が可能であり、[[コマーシャルメッセージ|CM]]放送時の[[音量]]が前後の番組より大きくなる場合があるとされるが、[[日本民間放送連盟]]は2012年10月1日から番組とCMの全体の音量を平均値として一致させる基準を採用する。CMと番組それぞれの[[音の大きさ]]として感じる[[ラウドネス]]の[[数値]]をラウドネス[[メーター]]で測定し平均値を揃える<ref>[[読売新聞]] 2011年12月18日 首都圏12版37面「[[放送塔]]」から</ref><ref>{{Cite web|date=2011-05|url=http://nab.or.jp/loudness/T032-2011.pdf|title=NAB技術規準、テレビ放送における音声レベル運用規準、T032‐2011|format=PDF|publisher=[[日本民間放送連盟]]|accessdate=2011-12-18}}</ref>。
 
 
 
=== 付加情報 ===
 
*[[音声多重放送]]:[[ステレオ]]音声、あるいは2言語(例・日本語と英語)の音声を流す。[[識別信号|コールサイン]]はJOAX-TAM(日テレの場合)のように"''-TAM''"がつく。
 
*[[文字多重放送]]:画面上部の見えない部分([[垂直帰線期間]]内)に文字情報や簡易図形情報を重畳。コールサインはJOCX-TCM(フジの場合)のように"''-TCM''"がつく。
 
*[[クローズドキャプション]]:広義には文字多重放送全般。狭義には米国の文字放送のことで、中大型テレビには法律でデコーダの内蔵を義務づけられている。
 
*[[緊急警報放送|緊急警報放送システム]]:災害時に専用の受信機を起動、停止させる特殊信号。
 
 
 
=== 視聴方法 ===
 
放送の受信は[[アンテナ]]またはケーブルテレビ局などから信号を受け取り[[TVチューナー|チューナー]]で選局され映像信号に変えられて、テレビ受像機や[[DVDレコーダー]]等の録画機に導かれる(一般に録画機は再生機能も持つが、ここでは録画機と表記する)。
 
 
 
アナログ放送もデジタル放送も次の機能や機器によって受信し視聴や録画を行うのは同じことである。
 
*チューナーから映像・音声信号をテレビに接続し視聴する。
 
*チューナーから映像・音声信号を'''録画機'''を経由してテレビに接続し視聴、録画する。
 
*チューナーから映像・音声信号を'''録画機'''に接続し録画のみを行う。
 
*チューナー内蔵録画機から映像・音声信号をテレビに接続し視聴、録画する。
 
*チューナー内蔵テレビで直接視聴する。
 
*チューナー内蔵録画機で録画のみを行う。
 
 
 
かつては[[NTSC|地上アナログ放送]]専用の'''チューナー'''と呼ばれる単体商品も存在した。これは[[ゴースト障害|ゴースト]]キャンセル機能の強化や、[[音声多重放送|音声多重]]機能のないテレビやビデオデッキに対しその機能を提供する目的で製造されていた。エントリークラスでもテレビで5万円、家庭用ビデオデッキで10万円を下らなかった時期に登場したものだが、[[日本電気|NEC]]等1990年代に入っても生産していたメーカーも存在する。<!--その後の録画機器や薄型テレビ等の広い普及の後に、新たな[[地上デジタル放送]]が現れたのである{{要出典}}。-->
 
 
 
== 視聴時間 ==
 
2005年度のフランス・カンヌで開催されたテレビ番組の国際見本市「MIPTV」で発表された統計によると、世界で最もテレビを見る時間が長いのは日本人で、1日のテレビ視聴時間は平均5時間1分だった。2位は米国で4時間46分。世界平均は米国より90分少ない。最下位は中国とスウェーデンの2時間30分だった。
 
=== テレビ離れ ===
 
{{Main|テレビ離れ}}
 
; 日本
 
: NHKの行った「国民生活時間調査」によると、日本人のテレビ視聴時間は平均4時間、日曜日は5時間以上。70代以上は平日でも男女共に5時間以上テレビを見ている。一方、20代男性だけはテレビを見る割合が5年前と比べてはじめて8割を下回り、「全く見ない」という人も20%存在した。10代から20代の若年層については、テレビの視聴時間は年ごとに減少している<ref>http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/003268.html</ref>。
 
; 米国
 
: 米国の大学生で1週間に10時間以上テレビを見る割合は17%。一方で1週間にインターネットを10時間以上利用する人の割合は43%だった<ref>米国調査会社MediaPostの調査による</ref>。
 
 
 
== テレビ番組の制作 ==
 
[[テレビ番組]]の制作に関連する項目には次のようなものがある。詳しくは制作[[スタッフ]]を参照。
 
*[[テレビジョン放送局]]
 
*[[放送作家]]
 
*[[制作プロダクション]]
 
*[[番組コーディネーター]]
 
*[[プロデューサー]]
 
*[[ディレクター]]
 
*[[アシスタントディレクター]]
 
*[[日本のアナウンサー|アナウンサー]]
 
*[[俳優]]
 
*[[タレント]]
 
*[[アイドル]]
 
*[[歌手]]
 
 
 
== 身体と精神の健康に与える影響 ==
 
=== 心疾患 ===
 
*オーストラリア、[[メルボルン]]のベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のデビッド・ダンスタンによると、テレビの視聴が1日2時間未満の人と比べて、4時間以上の人は、あらゆる要因によって死亡する危険性が46%高い<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2681857/5157038 毎日4時間以上のテレビ視聴は死亡の危険性高い、豪研究] AFPBB News 2010年7月18日閲覧。</ref>。また、[[心疾患]]にかかる危険性は80%高い。また、小型モニターの長時間視聴は[[心臓]]の負担になる。調査は8,800人を対象に6年間にわたって行った。年齢や性別、喫煙、体重、運動などの影響は除かれている<ref>この研究結果は''Journal of the American Heart Association''に掲載された。</ref>。
 
 
 
=== 肥満・食生活 ===
 
*米国ハーバード公衆衛生大学栄養学部のフランク・B・ルー<ref>{{lang-en-short|Frank B. Lu}}</ref>らの研究グループが5万人以上の女性[[看護師]]を対象に行った2004年の調査によると、テレビの視聴時間が多いほど、肥満と糖尿病のリスクが高い<ref>研究結果は2004年に、{{lang|en|Journal of American Medical Association}}(4月9日号)にて発表。{{Cite web|url=http://www.nikkeibp.co.jp/archives/342/342081.html|title=「1日2時間以上のテレビ」で肥満の危険|publisher=nikkei BPnet|accessdate=2010-06-15}}</ref>。一日の視聴時間が2時間増えるごとに、肥満の相対リスクは23%、2型糖尿病の発症は14%、統計的に有意に増える(95%信頼区間)。調査において、年齢、喫煙、飲酒、食事の影響は調整している。
 
*[[ハーバード大学]]医学部のソニア・A・ミラー<ref>{{lang-en-short|Sonia A. Miller}}</ref>によると、テレビを長く見る幼児ほど、食生活が悪い<ref>[http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=101 テレビの見すぎは幼児の食生活を悪化させる(2007.3.12掲載)] ヘルスデージャパン 2010年7月21日閲覧。</ref>。研究結果では、テレビの視聴時間が1時間長くなる度に、1日の摂取カロリーが46カロリー増えていた。実際にテレビが食生活を悪くさせるのかどうかは明らかではないがソニア・A・ミラーは、コマーシャルやテレビを見ながらの食事が、悪い食生活を招くとしている。調査は平均年齢3歳の幼児を対象に行われ、母親達からテレビの視聴時間と食事内容を聞いた。
 
*カナダのトロント大学の栄養士ハービー・アンダーソン<ref>{{lang-en-short|Harvey Anderson}}</ref>による小児肥満症の研究において、子供がテレビを見ながら食事をすると肥満になる可能性が高まることが分かった。研究結果によると、テレビを見ながら昼食を食べる子供は、テレビを見ない子供に比べて228カロリー余分に多く摂取している<ref>[http://www.reuters.com/article/idUSPER95653920080709 {{lang|en|Turn off TV during meals or kids may get fat-study}}] ロイター誌、2010年6月14日閲覧。</ref>。テレビを見ながら食事をすると、いつ食事を止めるべきかの判断力が奪われてしまうからである。
 
*テレビを見て過ごすことは、体重増加、過体重、肥満の危険因子として指摘されている<ref>[http://www.wcrf.org/sites/default/files/SER-SUMMARY-(Japanese).pdf 食べもの、栄養、運動とがん予防(日本語要約)]、[[世界がん研究基金]]と[[米国がん研究機構]]</ref>。
 
*韓国のテレビ番組の実験ではテレビの視聴をやめることは、夫婦間の関係を改善するなどの利点があった<ref>テレビ番組『リアル実験プロジェクトX』。『[[東亜日報]]』による。[http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2366631/2752063 テレビを消したら夫婦仲が改善、韓国の離島で実験] AFPBB News 2010年6月15日閲覧。</ref><ref>[http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008031872738&path_dir=20080318 テレビを消しただけで…「生活が楽しくなった」ある離島の実験] 東亜日報 2010年6月19日閲覧。</ref>。実験は、[[ケーブルテレビ]]の教育チャンネル「EBSテレビ」が韓国南部の離島、多浪島で3週間にわたって行った。同島の村に住む全28人の住民を対象に、各家庭には監視カメラを設置し、テレビの視聴を禁じた。実験終了後のアンケート調査では、大半の被験者は以前よりもテレビの視聴時間を減らし、読書や夫婦間の対話、宗教活動が増え、精神的に豊かになったと感じていた。
 
 
 
=== 注意欠陥障害 ===
 
* [[ワシントン大学 (ワシントン州)|ワシントン大学]]小児科学部のディミトリ・クリスタキス博士によると、乳幼児期にテレビの視聴が多いほど、注意欠陥障害になる可能性が大きい<ref>[http://www.47news.jp/CN2/200404/CN2004040501000802.html 乳幼児期、米学会が報告 TV見すぎると注意散漫] 47NEWS</ref>。1歳と3歳の2,623人を調査した。視聴時間が1時間増えるごとに、7歳時に注意欠陥障害になる可能性が10%増えた。
 
 
 
=== 暴力の誘発 ===
 
*メアリー・G・バーク医学博士によると、テレビ、[[ビデオグラム|ビデオ]]、[[コンピュータ・ゲーム]]といった'''映像メディア'''と子供の行動の関係についての数々の研究において、映像メディアの視聴時間と子供の暴力性は関連があり<ref name="crn">[http://www.crn.or.jp/LIBRARY/NEWS/2003/0307.HTM#1 テレビと映像メディアが脳の発達に与える影響] チャイルド・リサーチ・ネット(CRN) 2010年6月24日閲覧。</ref>、映像メディアを見る時間が少ないほど子供の攻撃性は弱まる。映像メディアの過剰な視聴は子供の行動を堕落させることが示されている。過剰な映像メディアの視聴が原因で精神障害が起きたあるいは悪化した事例もあり、メアリー・G・バーク医学博士が治療に当たった6歳の子供は衝動的攻撃性を持ち、在学に支障を来すほど症状は深刻で、最初は[[注意欠陥・多動性障害]](ADHD)と診断された。この児童は就学前から毎日3、4時間テレビを見ていたが、見ていたのは一般向け番組だけであった。この児童は感情を表すことがなく、特に楽しいという気持ちが欠如していた。しかしバークが遊技治療を行い、6か月にわたりテレビ視聴時間を週4時間に減らした結果、この児童は喜びの感情を表すようになり、攻撃的な行動は減った<ref name="crn" />。
 
*日本の1998年の[[内閣府]]調査<ref>[[内閣府]]政策統括官(共生社会政策担当)が1998年10月〜12月に実施した「青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究」</ref>では、テレビの暴力シーンを多く見る子供ほど暴力を振るいやすいなどといった影響があると結論づけている<ref>[http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/tv/tv.htm 青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究の概要] 青少年育成ホームページ 2010年7月6日閲覧。</ref>。調査対象となった子供は小学6年生と中学2年生、3,242人だった。この調査では、テレビの暴力シーンを見た量を「上位群」「中位群」「下位群」に分け、暴力シーンを多く見た量が多いほど、最近1年間で暴力行為を経験した子供の割合が多かった。一方、暴力被害に遭った子供の数は暴力シーンを見た量との関連は見られなかった。また[[非行]]・不良行為の経験と暴力シーンを見た量に関連が見られた。暴力シーンを見る量が多いほど非行・不良行為の経験をした子供の割合は多かった。「相手からやられたら、やりかえしてもよい」「男がケンカをするのはあたりまえだ」といった「暴力の許容性」についての調査は、調査項目7項目中5項目において、暴力シーンを見る量が多い子供ほど、暴力を許容する内容に賛成する子供の割合が多かった。「被害者への共感性」の調査では、暴力シーンを多く見る子供ほど、暴力被害者のつらさに対する共感性が低かった。また保護者への同[[内閣府]]調査で「[[Vチップ]]」制度について聞いたところ、「積極的に導入すべきである」と「導入を検討すべきである」を合わせて、父親が42%、母親が45%だった。「導入の必要はまったくない」と「あまり導入の必要はない」は、父親が46%、母親が34%だった。
 
{{See|Vチップ}}
 
*科学誌[[サイエンス]]に載ったマックス・ワイス<ref>{{lang-en-short|Max Weis}}</ref>らの研究によると、テレビ番組で[[黒人差別]]をする発言があからさまに言われなくとも、テレビで描かれるふるまいや行動が、視聴者の黒人に対する差別的な見方や行動を生み出すという<ref>[http://www.sciencemag.jp/highlight/index.jsp?pno=190 {{lang|en|Science}} <nowiki>|</nowiki> ハイライト] {{lang|en|Science}}  <nowiki>|</nowiki> サイエンスジャパン 2010年6月18日閲覧。</ref>。すなわち言葉の情報ではなく非言語的な情報が、人々の思考や行動に影響を及ぼしていることになる。バイスブーフ<ref>{{lang-de-short|Weisbuch}}</ref>らの研究では、偏見の非言語的な描写を含む番組を見る頻度と個人が持つ偏見に関連があることが分かった。
 
 
 
=== こどもへの影響 ===
 
米国のこどもは1日平均3時間テレビを見ており、高校卒業までに合計3年間テレビ視聴に費やしていることになる<ref name="kodomo">[http://megalodon.jp/2013-0306-0039-53/medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/298860.html]日経メディカルオンライン2004.03.30「【ピックアップ】子どもたちへ、健康に悪いからテレビばかり見ないで」</ref>。また近年は[[生活習慣病]]の低年齢化も進行しており、[[I型糖尿病]]だけでなく小児でも[[II型糖尿病]]が増加し、小児肥満も増加している<ref name="kodomo" />。米国の調査ではテレビの視聴時間が長い小児ほど肥満の率が高い<ref name="kodomo" />。テレビの長時間視聴によって運動時間が減り、野菜や果物の摂取量が少なくなるという報告がなされている<ref name="kodomo" />。[[コマーシャルメッセージ|CM]]や番組等での[[ハンバーガー]]や[[スナック菓子]]や[[ソフトドリンク]]の映像による刺激がそうした症状の原因のひとつともなっている<ref name="kodomo" />。[[エレン・ラペル・シェル]]は[[食品業界]]にとって小児が大きなターゲットとなっており「家族の食費の鍵を握るのは子供である」といっている<ref> エレン・ラペル・シェル著、栗木さつき訳「太りゆく人類 肥満遺伝子と過食社会」早川書房、2003年</ref>。
 
 
 
[[心理学者]]のAric Sigmanはテレビの視聴は子供の健康に悪影響を与え<ref name="eikoku">[http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2184304/1352241 予想以上?テレビが及ぼす子供への悪影響 - 英国] AFPBB News 2007年02月20日[http://megalodon.jp/2013-0306-0102-42/www.afpbb.com/article/life-culture/health/2184304/1352241]</ref>、幼児期におけるテレビの視聴が多いほど、睡眠時間も不規則になり、免疫システムにも悪影響をおよぼし<ref name="eikoku" />、[[自閉症]]や視力低下、肥満を引き起こす。また、テレビの視聴は[[ホルモン]]「[[メラトニン]]」の分泌を抑制し、その結果[[DNA]]変形を引き起こし、[[悪性腫瘍|癌]]の原因になる可能性がある<ref name="eikoku" />。そのため、3歳未満の子供はテレビを観るべきではないと言っている<ref>[http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/1549500/Children-under-three-should-not-watch-TV.html Children under three 'should not watch TV'] Telegraph 2010年6月14日閲覧。</ref><ref name="eikoku" />。また毎日視聴する場合は[[アルツハイマー]]疾患の可能性も高くなる<ref name="eikoku" />。またテレビ視聴を減らすことで、[[国民健康保険制度]](National Health Service、NHS)の負担を減らすこともできると提言している<ref name="eikoku" />。
 
 
 
カナダの[[モントリオール大学]]と米国[[ミシガン大学]]の研究<ref>カナダの[[モントリオール大学]]、セント・ジャスティン大学病院研究センター、米国[[ミシガン大学]]の小児科専門医たちが、カナダのケベック州で生まれた1314人の子供を対象に行った研究</ref>では、幼児期にテレビを長時間見ていた子供は、学校での適応能力の欠如、いじめに遭いやすい、数学などの学力低下、運動不足、[[ジャンクフード]]の過食、肥満度([[ボディマス指数|BMI]])が高いといった問題が起きると発表した<ref>[http://www.epochtimes.jp/jp/2010/05/html/d73551.html カナダ研究:長時間のテレビ視聴 幼児の健康に悪影響] 大紀元 2010年6月14日閲覧。</ref>。
 
 
 
[[日本小児科学会]]こどもの生活環境改善委員会は、乳幼児にテレビを長時間見せると、言語発達が遅れる危険性があるとして、2歳以下の子供にテレビを長時間見せないことを提言している<ref>[http://www.jpeds.or.jp/saisin.html#67 乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です] 日本小児学会 2010年6月14日閲覧。</ref><ref name="medical">[http://megalodon.jp/2013-0306-0034-02/medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/300721.html]日経メディカルオンライン、2004.04.08。「日本小児科学会が緊急提言 「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」」</ref>。同委員会によると、子供に知識を教えるためにテレビを見させる親もいるが、言語能力は大人との双方向の関わりが必要であり、一方的に聞くだけでは発達しない。同委員会の調査結果では、子供の長時間視聴は、1歳6か月の時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があった<ref name="medical" />。
 
 
 
日本の[[文部科学省]]は2003年から2004年にかけての調査で[[TVゲーム]]が予想以上に暴力性を誘発すること、視力低下などは確認されたが、社会的不適応といった問題については有用性も認められるともし、今後、悪影響とよい影響の双方から多角的に研究すべきとした<ref>[http://megalodon.jp/2013-0306-0110-53/www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/04033001/003.htm 「子どもとテレビゲーム」に関するNPO等についての調査研究-米国を中心に-(報告書概要)]</ref>。
 
{{See|ゲーム脳}}
 
 
 
アメリカの[[ランド研究所]]の研究によると、10代の男女は、性描写のあるテレビ番組を見る子供ほど[[妊娠]]する・させる可能性が高い<ref>論文執筆者は、行動学研究者のAnita Chandra。研究チームは12歳から17歳までの2000人を対象に聴き取り調査を行った。</ref>。また性描写を含むテレビ番組を最も多く見る子供は、最も見ない子供と比べて妊娠する・させる可能性が2倍だった<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2535238/3494992 性描写含むテレビ番組、10代の妊娠に影響 米研究] AFPBB News</ref>。
 
 
 
中国の「華西都市報」によると、14歳の少年がアニメ『[[トランスフォーマー]]』に影響されて[[ガソリン]]を5年間飲み続けていたことで、知能障害に陥っていることが分かった。同作品のキャラクターがガソリンの補給でパワーアップする姿に感化されたという。少年は以前、ガスを吸い込んでいたという経緯もあった<ref>[http://www.narinari.com/Nd/20090711987.html 「トランスフォーマー」に影響され5年間ガソリンを飲み続けた少年。] Narinari.com 2010年6月29日閲覧。</ref>。
 
 
 
=== 行政の対応 ===
 
*[[鳥取県]][[西伯郡]][[南部町 (鳥取県)|南部町]]では、南部町教育振興会が毎月1日と15日に、テレビを見ないよう町民に呼びかける「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーンを実施している<ref>[http://www.town.nanbu.tottori.jp/p/admin/kyouikuiinkai/17/ 「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーン] 鳥取県西伯郡・南部町(なんぶちょう)行政サイト 2010年6月24日閲覧。</ref>。生活習慣の改善や親子のふれあいを増やすことなどを目的としている。また、テレビを長時間視聴すると[[前頭葉]]が働かなくなり、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下などの症状がでると警告している。
 
 
 
== テレビに関する啓発映画 ==
 
1950年代から1960年代にかけて、テレビの構造や原理などを紹介するための短編映画が2本制作されている。
 
 
 
一つは日本に於けるテレビ本放送が始まる前の年(1952年)に[[日本放送協会|NHK]]の協力を得て[[日映科学映画製作所]]が制作した『'''テレビジョン'''』で、テレビ(受像器)及びテレビカメラの原理の紹介の他、本放送開始を前にしてNHKのテレビ実験局で行われた[[スタジオ]]収録の様子なども紹介されている。
 
 
 
もう一つはカラー本放送開始の翌年(1961年)に松下電器産業(現・[[パナソニック]])の企画の下で東京シネマが制作した『'''電子の技術-テレビジョン-'''』で、こちらはテレビを一電化製品として捉え、その原理や構造を細かく紹介しているほか、テレビの製造現場の様子も映し出されている。
 
 
 
これら2本の短編映画は、現在、[[科学映像館]](NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。
 
 
 
== 脚注と資料 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{ウィキポータルリンク|テレビ|[[ファイル:Crystal128-tv.svg|none|32px]]}}
 
{{Sisterlinks|commons=Television}}
 
*[[薄型テレビ]]
 
*[[機械式テレビジョン]]
 
*[[放送法]]
 
*[[有線テレビジョン放送|有線放送]]
 
*[[インターネットテレビ]]
 
*[[SMPTE]]
 
*[[欧州放送連合]]
 
*[[全米放送事業者協会]]
 
*{{lang|en|[[The Society for Information Display]]}}
 
* [[アッシジのキアラ]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
*[http://www.nhk.or.jp/strl/aboutstrl/evolution-of-tv/index.html テレビは進化する -日本放送技術発達小史-]([[日本放送協会]] NHK)
 
*[http://www.novia.net/~ereitan/ Ed Reitan's Color Television History アメリカのカラーテレビの歴史(英文)]
 
*[http://www.kingoftheroad.net/colorTV/index.html カラーテレビ革命(英文、カラーテレビの初期の事柄が中心)]
 
*テレビに関する啓発[[映画]](『[[科学映像館]]』より)
 
**[http://www.kagakueizo.org/movie/industrial/347/ 『テレビジョン』]《[https://www.youtube.com/watch?v=TdAV1ApSs2M →YouTube版]》 - 1952年、NHK協力、[[日映科学映画製作所]]制作
 
**[http://www.kagakueizo.org/movie/industrial/303/ 『電子の技術-テレビジョン-]』]《[https://www.youtube.com/watch?v=AlvRzQr3ts4 →YouTube版]》 - 1961年、松下電器産業(現・[[パナソニック]])企画、東京シネマ制作
 
*放送博物館所蔵資料([[NHK放送博物館]]Webサイトより)
 
**[http://www.nhk.or.jp/museum/book/kiki100sen04.html テレビ受信機の資料一覧]
 
**[http://www.nhk.or.jp/museum/book/kiki100sen07.html テレビカメラの資料一覧]
 
*[http://konsu.sakura.ne.jp/whats/analogtv.html アナログ各TV方式のチャンネルと周波数対照表](TV-FM DX)
 
*[https://www.youtube.com/watch?v=n7T1TY6HbLQ Fernsehbildmaschine von Peter Schmalenbach]<!-- Television with 4 rotating LED - Strips -->(ドイツ語?、英語字幕、[[YouTube]])
 
*[http://www.j-ba.or.jp/index.php 日本民間放送連盟のサイト]([[日本民間放送連盟]])
 
*[http://www.ite.or.jp/index.php 映像情報メディア学会のサイト]([[映像情報メディア学会]])
 
*[http://www.bpo.gr.jp/index.html 放送倫理番組向上機構のサイト]([[放送倫理番組向上機構]])
 
*スマートフォン対応テレビサイト
 
**『[http://tv.yahoo.co.jp/ ヤフーテレビ]』([[Yahoo! JAPAN]])
 
**『[http://tv-docomo.ggmobile.jp/dmtv/top.action dメニューテレビ]』([[NTTドコモ]])
 
*[http://www.nhk.or.jp/archives/search/special/comic/?movie#vol05 それは「イ」の字から始まった 〜テレビのはじまり〜 - マンガで読むNHKヒストリー]
 
  
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映像と音声を離れた場所に送り,再現する仕組み([[放送]]),およびその受像機器。原理は電送写真([[ファクシミリ]])と似ているが,眼の光に対する残像を考えて,1枚の絵を 1/50~1/60秒程度で送らなければならない。送信側では,分解走査,および光学像を時間的に連続した電気信号に変換することが必要である。受信側では,時間連続を空間的配列に組み立てる組み立て走査,分解走査と組み立て走査との同期を保つ同期装置,電気信号を光学像へ転換する変換装置が必要である([[走査線]])。テレビの開発は 1872年,イギリスのジョゼフ・メイが[[セレン]]の光電現象を見出したことによって始まった。1925年にはイギリスのジョン・L.[[ベアード]]が,受像機にはっきりと人の顔を映し出すことに成功,日本では 1926年に初めて[[高柳健次郎]]が「イ」の文字を伝送する実験に成功した。1953年[[日本放送協会]] NHKが本放送を開始し,1960年にはカラー放送が始まった([[カラーテレビジョン]])。2012年に地上波のアナログテレビ放送は完全終了し,すべて[[地上デジタルテレビ放送]]に切り替わった。([[ケーブルテレビ]])
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:てれひ}}
 
{{デフォルトソート:てれひ}}
 
[[Category:テレビ|*てれひ]]
 
[[Category:テレビ|*てれひ]]

2018/10/30/ (火) 08:37時点における版

テレビ

テレビジョン及び「テレビ受像機(テレビジョンセット、: television set)」

映像と音声を離れた場所に送り,再現する仕組み(放送),およびその受像機器。原理は電送写真(ファクシミリ)と似ているが,眼の光に対する残像を考えて,1枚の絵を 1/50~1/60秒程度で送らなければならない。送信側では,分解走査,および光学像を時間的に連続した電気信号に変換することが必要である。受信側では,時間連続を空間的配列に組み立てる組み立て走査,分解走査と組み立て走査との同期を保つ同期装置,電気信号を光学像へ転換する変換装置が必要である(走査線)。テレビの開発は 1872年,イギリスのジョゼフ・メイがセレンの光電現象を見出したことによって始まった。1925年にはイギリスのジョン・L.ベアードが,受像機にはっきりと人の顔を映し出すことに成功,日本では 1926年に初めて高柳健次郎が「イ」の文字を伝送する実験に成功した。1953年日本放送協会 NHKが本放送を開始し,1960年にはカラー放送が始まった(カラーテレビジョン)。2012年に地上波のアナログテレビ放送は完全終了し,すべて地上デジタルテレビ放送に切り替わった。(ケーブルテレビ



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