テイチクエンタテインメント

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株式会社テイチクエンタテインメント英語TEICHIKU ENTERTAINMENT, INC.)は、日本レコード会社である。エクシングブラザー工業)の連結子会社。

社名の「テイチク」は設立時に用いていた「音機商会(ていこくちくおんきしょうかい)」の略称である。

概要

民族資本のレコード会社としてキングレコードと並ぶ老舗である。演歌歌謡曲の売上が過半数以上を占め、日本コロムビアと並び同ジャンルが主力商品となっている。1999年までにワーナーポニーキャニオンソニーBMG JAPANなど有力レコード会社が演歌部門を閉鎖し多くの演歌歌手が移籍したこともあり、NHK紅白歌合戦出場の歌手が多数所属している。歌う俳優である石原裕次郎が歌手デビュー時から終身所属していた。

落語軍歌カラオケソフト(DVD/LD)を豊富に所有しているほか、2000年代以降は発車メロディや鉄道関連のソフト、沖縄音楽のアーティストも売り出している。海外レーベルとの結びつきは大きくないが、近年では映画『20世紀少年』のテーマソングを歌うT.REXなどの洋楽アーティストも扱っている。

1990年代前半に看板であった八代亜紀が移籍するとヒット曲に恵まず赤字決算が続くようになり、1996年に当時の親会社である松下電器産業ビデオ事業部長を務めた三浦一光が社長に就任。1997年より松下流の構造改革に打ち出し、BEGINを移籍により獲得。1998年にJ-POP系のgo-toレーベル、2000年にインペリアルレコードを立ち上げる一方、アニメ部門のワンダーエンターテイメント・プレス工場・レコーディングスタジオの清算による160人の希望退職など大規模なリストラを実施した。1997年から1999年にかけて天童よしみ川中美幸のヒットと、素人であった大泉逸郎の『』がミリオンセラーを達成したことで2000年に業績が回復した。

1999年5月には松下電器の意向でビクターエンタテインメント(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)役員の飯田久彦が歌手経験者初となる社長に就任。1999年10月に松下電器が保有する当社全株式をビクターエンタテインメントに譲渡し、松下グループのコンテンツ事業は当時松下電器子会社であった日本ビクターJVCケンウッド)傘下に集約させた。2008年(平成20年)に親会社が日本ビクターJVCケンウッド)に異動した。

2010年(平成22年)4月16日 一部報道で「ソフトバンクが5月を目処にJVCケンウッドの子会社である当社とビクターエンタテインメントを過半数の株式を取得し子会社化、年内に残りの株式も取得し完全子会社化することで大筋合意した[1]」と報じられたが、両社共にニュースリリースで否定した[2][3]。しかし、29日に交渉が打ち切られたと報じられた[4]

2015年(平成27年)、ブラザー工業子会社で通信カラオケ・音楽事業を担うエクシングJVCケンウッドが保有する全株式を取得して子会社化し[5]、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントとの「兄弟会社」関係は解消。同年、松下優也率いる音楽グループ「X4」による新レーベル「XVISION」設立。

2017年(平成29年)に本社をエクシング東京本社が入居する東京都港区芝パークビルB館8階へ移転した。

沿革

南口重太郎が大阪に「スタンダード・レコード」設立。のちにテイチクの一工場となる。南口は忠臣楠木正成を崇拝しており、このとき「楠公印」のレーベルマークを商標登録、のちにテイチクでも使われる。

1931年(昭和6年)2月、吉川島次と南口重太郎が合資会社帝国蓄音器商会を設立。本社・工場を奈良県奈良市に、事務所・録音スタジオを兵庫県川辺郡川西町(現在の川西市)花屋敷においた。当時、吉川は奈良県生駒郡郡山町(現在の大和郡山市)で農業を営みながら蚊帳などの問屋をしており、副業として蓄音器(ハードウェア)の販売を始めた。

なお、東京に同名の帝国蓄音器商会(ヒコーキレコード)というレコード会社があったが、1925年(大正14年)には他社と合併して合同蓄音器となっており奈良の帝国蓄音機とは無関係である。

  • 1932年(昭和7年)5月 新譜を第一回発売とし、1枚80銭の黒盤(5000番台)を標準規格商品とする。
  • 1934年(昭和9年)2月 株式会社に改組して「帝国蓄音器株式会社」に商号変更し本社を奈良市に移した。1枚1円の緑盤(15000番台)を発売。
  • 1934年(昭和9年) 日本コロムビアから作曲家の古賀政男を抜擢して重役に任用し、同社から録音技師と社員も呼び寄せた。東京進出に際して文芸部を銀座に、録音スタジオを杉並堀之内に置く。文芸部は、後に録音スタジオの地へ移転。楠木繁夫、松島詩子を専属として主力歌手とし、年末にはディック・ミネも専属とした。
  • 1936年(昭和11年) 藤山一郎、美ち奴が入社。本社を奈良市肘塚町へ移転し、工場も設備拡大を行う。
  • 1938年(昭和13年) 古賀政男退職。満洲国の新京に録音スタジオを新設して11月15日から録音を開始する。
  • 1943年(昭和18年) 10月6日に工場を失火で全焼。
  • 1944年(昭和19年)5月25日 帝蓄工業株式会社に商号変更。
  • 1945年(昭和20年)3月13日 この日の録音をもって録音を休止(この日録音の5面は未発売に終わる)。レコードの製造は継続。終戦後は、直ちに標準盤の新規格を制定して代表作品の再発売を開始する。
  • 1946年(昭和21年)3月21日 戦後の新録音を再開する。同年10月には社章を新しくしたが、レコードのレーベルは在庫分と新規分が混在しており一斉変更ではない。
  • 1950年(昭和25年)12月18日 社長の南口重太郎が死去。
  • 1951年(昭和26年)1月6日 南口重治が新社長に就任。同年9月に米国デッカとの契約成立。それに伴いSPレコードの品質が格段に向上する。
  • 1952年(昭和27年)2月 デッカ・レコードを発売。
  • 1953年(昭和28年)4月1日 テイチク株式会社に商号変更。同年、レコードの録音に磁気テープの使用を開始。
  • 1954年(昭和29年) LPレコード・EPレコードの発売を開始。
  • 1961年(昭和36年) 杉並堀之内の録音スタジオ改築完成。同年9月11日に松下電器産業と提携。
  • 1985年(昭和60年) グロビュール音楽出版株式会社設立[6]
  • 1987年(昭和62年) バイディス・レーベル新設。
  • 1989年 ブラゾーン・レーベル新設、株式会社近畿ゼネラルサービス設立。
  • 1993年(平成5年) CD製造ライン設置。株式会社テイチク・ミュージック・コーポレーション、株式会社トライクル設立。
  • 1998年(平成10年) go-toレーベル、KID'DOMレーベル新設。株式会社トライクル、株式会社デヴォンポート解散。
  • 1999年(平成11年) 経営不振のため同じ松下電器の子会社だった日本ビクターに経営権を譲渡。ビクターはテイチクに飯田久彦を社長として送り込んだ。その際現在の株式会社テイチクエンタテインメントに商号変更した。
  • 1999年(平成11年) テイチク興業株式会社、スタジオ「グリーン・バード杉並」解散。エムシーエー・パナソニック・ミュージック株式会社解散。
ワンダーエンターテイメント株式会社解散。株式会社テイチク・ミュージック・コーポレイション解散。
奈良事業部(ディスク製造工場)を株式会社近畿ゼネラルサービスへ営業譲渡。
本社を日本ビクター映像事業部が入居する京セラ原宿ビルに移転。
  • 2000年(平成12年)4月 インペリアルレコード新設。
  • 2006年(平成18年)4月 タクミノート新設。
  • 2008年(平成20年) 日本ビクターがパナソニックグループから離脱してケンウッドと経営統合したことに伴い、パナソニックグループから離れた。
  • 2009年(平成21年)7月 関連会社のグロビュール音楽出版株式会社が、株式会社テイチクミュージックに社名変更。
  • 2010年(平成22年)4月16日 ソフトバンクが子会社化すると新聞で報じられたが親会社がニュースリリースで否定。後に交渉が決裂した。
  • 2011年(平成23年)10月1日 JVCケンウッドが傘下の事業会社であった日本ビクターを合併したことに伴い、親会社となった。
  • 2015年(平成27年)4月28日 - JVCケンウッドが保有する当社の株式(96.08%)を業務用カラオケ機器大手のエクシングが譲り受け親会社となる[5][7]
  • 2016年(平成28年)5月 ロッカンミュージック新設。
  • 2017年(平成29年)8月 本社をエクシング東京本社と同じ芝パークビルB館8階へ移転。

レーベル

現存

  • テイチクレコード:主に演歌歌謡曲
  • インペリアルレコードJ-POP
  • ユニオンレコード:当初は各種洋楽の統括レーベルとして設立。1970年代にはアイドル系レーベルとして使用されたが、例外的に演歌・歌謡曲もあった。現在は和田アキ子専用(過去の作品の再発売は、レーベルをテイチクレコードに変更)
  • タクミノート:「大人のライフスタイルに寄り添う音楽を提案する」レーベル
  • インペリアルレコードインターナショナル:海外ポピュラー
  • コンチネンタル・スター:80年代の黄金ポップス時代、そして現在に至るまで活動を続けるアーティストを中心にリリースするレーベル。
  • VR (ブイアール): 株式会社アズミックスから販売受託を受け立ち上げたJ-POPJ-ROCKヴィジュアル系ゴスロリ系レーベル。
  • ロッカンミュージック:アニメソング声優専門レーベル[8]
  • Age Free Music(エージフリーミュージック):富澤一誠が提唱する大人の音楽を提供するレーベルで、富澤が監修する作品が中心[9]

廃止

  • TMC
  • TGM(ティー・グランド・ミュージック)
  • TRYCLE
上記3社は、テイチクの子会社として1994年(平成6年)に設立したJ-POP専門のレコードレーベル、後にテイチクに吸収合併された。
  • BLACK
  • NON STANDARD細野晴臣主宰のレーベル)
  • MONAD(細野晴臣主宰のレーベル)
  • BAIDIS
  • Bi-tam-ing
  • réveil
  • WONDER
  • Zeebra Zone
  • オーヴァーシーズ・レコード(ユニオンレコードが邦楽に転用された後に設立された洋楽の統合レーベル。その後インペリアルレコードに統合)
  • 大映レコード大映が設立したレコードレーベル。1971年に大映倒産により消滅)

所属アーティスト

XVISION

テイチクレコード

インペリアルレコード

タクミノート

ユニオンレコード(元テイチクのサブレーベル)

  • 和田アキ子(RCAビクター→RVC→ワーナー・パイオニア→ワーナー・ミュージックジャパン→テイチクレコード→ユニオンレコード、原盤権はホリプロが保持)

インペリアルレコードインターナショナル

コンチネンタル・スター

VR

ロッカンミュージック

特記がない限りAPRIGHTS、ZERO-Aとの共同制作。

過去に所属していたアーティスト

ゲームソフト

1992年(平成4年)以降、以下に挙げるゲームソフトを発売した。現在はゲームソフトの開発・販売は行っていない。

スーパーファミコン
PCエンジン
プレイステーション
  • ウキウキ釣り天国シリーズ
  • 水族館プロジェクト
  • モンスターパニッシュ
  • レストランドリーム

鉄道関係

脚注

  1. ソフトバンク、「ビクター」「テイチク」買収へ、読売新聞、2010年4月16日
  2. 本日の一部報道に関して、ソフトバンク、2010年4月16日
  3. 本日の一部報道に関して、JVC・ケンウッド・ホールディングス、2010年4月16日
  4. ソフトバンク、音楽事業進出ならず…買収破談、読売新聞、2010年4月29日
  5. 5.0 5.1 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「業績」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  6. 社名のグロビュールとは、細野晴臣の設立レーベル「NON STANDARD」のマスコットキャラクターの名称
  7. 株式会社テイチクエンタテインメントの株式譲受完了に関するお知らせ”. 株式会社エクシング (2015年4月28日). . 2015閲覧.
  8. テイチク×ZERO-Aが新レーベル始動 第1弾は豊田萌絵&伊藤美来「Pyxis」”. ORICON STYLE (2015年5月28日). . 2016閲覧.
  9. “テイチク、大人向け新レーベル「Age Free Music」設立”. ORICON STYLE. (2016年9月1日). http://www.oricon.co.jp/news/2077742/full/ . 2016閲覧. 
  10. 竹内力 父の死を明かし沈痛…演歌歌手デビューが手向け”. スポニチ (2015年9月14日). . 2015閲覧.
  11. スリー・ステップ・トゥ・ヘブン名義として在籍していた。
  12. カラオケで鉄道マン気分を味わえる「鉄道カラオケ・京急編」登場! 運転席の景色に合わせてアナウンスがテロップに”. ねとらぼ. . 2016閲覧.

関連項目

外部リンク


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