チェスボード

提供: miniwiki
2018/10/2/ (火) 21:23時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
移動先:案内検索

チェスボードとは、チェスで使用される盤のこと。将棋で使用される盤とは大きさが異なる。チェス盤とも言う(日本チェス協会など)。駒とチェス盤を合わせたものが、「チェスセット」と呼ばれている。

ファイル:Chess board opening staunton.jpg
一般的なチェスセット(盤と駒)

概説

公式戦で使用される大きめのチェスボードは、チェスの駒とは別に単品で販売されている。しかし一般的にチェス製品は、駒とボードがセットになっている物の方が多い。本稿では、「チェスセット」は広義の「チェスボード」として解説する。

チェスボードの定義

  • 2色(明色と暗色)の正方形のマスが、交互に縦横8列ずつ並んでいる物を指す[1]
  • マス目の呼び方は、一般的に「白マス」「黒マス」とされている[2]
  • 別のゲームの名称から、「チェッカーボード」と呼ばれることもある。(→「チェッカー」を参照)

配色

ファイル:Pawn 3D Move.jpg
チェスボードの配色
  • 最も頻繁に使用される色は、木(またはそれを模した物)の茶色の濃淡となっている。
  • 配色についての細かい規定は、特に設けられていない。青・茶・紫・緑など、濃淡さまざまな色の組み合わせがある。
  • 真っ赤や真っ黄色などの極彩色は、目が疲れる等の理由で敬遠されている。
  • 完全な黒色や白色についても、(駒の色との兼ね合いから)比較的使用されない。

材質

ファイル:Eerste prijs Essent 2004 (33%).JPG
ガラス製のチェスセット
  • 素材は非常に幅がある。木製のチェスボードが最もオーソドックスであるが、参加者が多い競技会ではビニール製や布製も数多く使用される。
  • 携帯に便利な、ゴムやパッドタイプのボードも普及している。


以下はすべて、公式の競技では認められていないチェスボードである。

  • 変わったところでは、石製や金属製のボードがある。
  • 非常に高価な、ガラスや大理石を使った装飾的なボードもある。
  • 最も廉価なチェスボードは厚紙製で、子供用の玩具として販売されている。サイズは小さめで、プラスチックの駒がセットになっている[3]

ボードの配置、サイズ

ファイル:King Chess.jpg
各マスの一辺は、キングの土台部分の直径の約1.3倍
  • チェスボードは、必ずa1黒マスになるように配置される。
  • 通常ボードのサイズは、使用するチェスの駒に合わせて選ばれる。各マスの一辺のサイズは、キングの土台部分の直径の1.25倍~1.3倍が理想とされている。


  • 公式用具のチェスボード
    ボード全体が45cm位のものが主流である。
    各マスの一辺は、5.0cm~6.5cmほどになる。
  • 家庭用のチェスボード
    各マスの一辺が、4.0cm以下のものが普及している。

携帯用のチェスボード

ファイル:Chess board 0976.jpg
携帯用のチェスセット

携帯用の小型のチェスボード(チェスセット)も普及している。

  • ボードを二つ折りにして、内部にすべての駒を収納できるものが多い。
  • サイズは特に制限されていないが、全体が15cm~20cm四方の物が主流である。
  • 材質については、合板やプラスチックなどがよく使用されている。
  • 駒が小さくて紛失しやすいので、磁石式または(ピンなどによる)挿し込み式のものが多い。
  • 中には高価なものもあるが、公式の競技では使用されない。

特殊なチェスボード

  • チェスの講義には、大きな壁掛け式のチェスボードが使用される。
  • 目が不自由な人のためのチェスボードもある。
    • ボード上には凹凸があり、一つ一つのマスに穴があけられている。目が不自由なプレイヤーは、随時ボードや駒を触って次の手を考える。
ファイル:Benkő Pál (2005).jpg
講義用のチェスボード
(講師はGMのパル・ベンコー)
ファイル:Blindenschachbrett.jpg
視覚障害者向けのボード
  • テーブルとチェスボードが合体したものを、「チェス・テーブル」と呼んでいる。
  • ヨーロッパなどチェスが盛んな地域の公園には、屋外用のチェス・テーブルや巨大なチェスボードが設置されていることもある。
ファイル:Schachcomputertisch-CMT.jpg
屋内用のチェス・テーブル
ファイル:ChessTable.png
屋外用のチェス・テーブル
ファイル:Sarajevo chess.jpg
サラエヴォの公園にある巨大なチェスボードと駒

マスの表記とボード内の名称

  • チェスボードの内部には、すべて名称がつけられている。これにより、ボード内のどの場所でも指定する事ができる。
  • マスの表記については、本稿では代数式表記法の基本のみを取り上げる。詳しい表記方法については、棋譜を参照のこと。

マスの表記

  • 現代の表記法は、代数式表記法が主流となっている。
    • 縦の列(ファイル)には、白側から見て左から右へ aからh の文字が割り当てられている。
    • 横の行(ランク)には、白側の手前から上部へ 1から8 の数字が割り当てられている。
ファイル:AlgebraicNotationOnChessboard.png
左下の「a1」が基点になっている。

チェスボード内の名称

チェスボード内部の名称は、以下の通りである。いずれも広く知られている名称であり、特に書籍等の解説を読む際には欠かせない基本知識とされている。

図1 ファイル: チェスボードの縦の列。
図2 ランク: チェスボードの横の段。
図3 ダイアゴナル: 斜めの筋(すじ)。[4]
図4 センター: 白丸がセンターで、黒丸がサブ・センターを指している。
図5 バックランク: バックランクとは、各プレイヤーから見た最も手前のランクのこと。
図6 サイド: 初期配置で ♕♛が置かれた側がクイーン・サイド、♔♚が置かれた側がキング・サイドになる[5]

関連記事

注釈

  1. ビショップの駒は違う色のマスには移動できない。ナイトの駒は必ず違う色のマス目に移動する。このようにマス目の色分けは駒の動ける範囲を示す利点がある。
  2. 厳密には、「明色(light color)」と「暗色(dark color)」になる。
  3. チェッカーでも使えるように、マスの色が赤と黒にされている製品もある。
  4. ファイルとランクには一つ一つ名前が付けられているが、ダイアゴナルには付けられていない。「a8-h1 ダイアゴナル」のように、ラインの始点と終点で指定される。
  5. この「サイド」と同じ意味で、「翼(wing)」も使用されている。それぞれクイーン翼(Queen wing)とキング翼(King wing)となる。

外部リンク