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[[File:Great Sphinx of Giza - 20080716a.jpg|thumb|250px|[[ギザの大スフィンクス]]]]
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'''スフィンクス'''(Sphinx)
  
'''スフィンクス'''(Sphinx)は、[[エジプト神話]]や[[ギリシア神話]]、[[メソポタミア神話]]などに登場する、[[ライオン]]の身体と[[人間]]の顔を持った神聖な存在あるいは[[怪物]]。古典[[ギリシア語]]では'''スピンクス'''('''{{lang|el|Σφίγξ}}''', ''Sphinx'')といい、スフィンクスとはこの[[英語]]読みである。
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古代オリエント神話に出てくる人間の頭とライオンの胴体をもつ怪物。エジプト起源で,シリア,フェニキア,バビロニア,ペルシア,ギリシアなどで早くから知られていた。最古の像はエジプトのギザの大スフィンクスで,長さ 73.5m,高さ 20m,顔幅 4mという巨大なものである。第4王朝のカフラー王の肖像ともいわれ,額に王権の象徴であるへび形章をつけている。またギリシアでは幼児をさらう怪物と考えられ,女神ヘラがテーベに送ったスフィンクスは,人々に「朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは何か」という謎をかけ,解けない間は市民たちを食い殺していたが,[[オイディプス]]が「それは人間である」と答えたため死んでしまったという。
 
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== 概要 ==
 
[[古代エジプト]]における本来の名は不明だが、ギリシア語名は古代[[エジプト語]]'''シェセプ・アンク'''(''szp 3nh'', シェセプ=姿・形 アンク=再生・復活の神 「アンク神の像」の意)に由来するのではないかとする説がある。ただしこの語は神あるいは王の像に対してのみ使われており、合成獣に使われた証拠はない。
 
 
 
スピンクスは女性名詞であり、[[中国語]]では「獅身人面像」または「獅身女面像」と訳される。[[夏目漱石]]は『[[虞美人草]]』の中で「獅身女」という漢字に「スフーヒンクス」という[[熟字訓]]を当てた<ref>佐藤喜代治他編著、『漢字百科大事典』p1241、明治書院、1996年</ref>([[漢字検定]]1級の問題集に「獅子女」という表記が見えるが典拠不明)。[[永井荷風]]は『あめりか物語』の中では「怪像」に、『ふらんす物語』の中では「怪神」に熟字訓をあてている。一方、[[ヘロドトス]]はエジプトの合成獣を描写する際にこの名詞を「Androsphinges」と男性化したが、これが男性スピンクスの唯一の例である。また[[村井知至]]『社会主義』p14には「スヰンクス」という表現があり、明治・大正期には様々な表現が散見される。
 
 
 
本来はエジプト神話の生物であるが、非常に古くからギリシア神話にも取り入れられていた。エジプトのスフィンクスは王家のシンボルで、[[ギーザ|ギザ]]の[[ピラミッド]]にある、いわゆる[[ギザの大スフィンクス]]は王の偉大さを現す神聖な存在である。対して[[メソポタミア]]や[[ギリシャ]]のスフィンクスは怪物として扱われていた。
 
 
 
== 各文化のスフィンクス ==
 
=== 古代エジプト ===
 
[[File:Sphinx with ram head.jpg|thumb|140px|雄羊の頭のスフィンクス([[カルナック神殿]])]]
 
エジプトにおけるスフィンクスは、[[ネメス (頭巾)|ネメス]]と呼ばれる頭巾を付けた[[ファラオ]](王)の顔とライオンの体を持つ、神聖な存在である。王者の象徴である顎鬚をつけ、敵を打破する力、あるいは[[王]]または[[神]]を守護する[[シンボル]]とされている。古王国時代には既に存在し、神格化したファラオと百獣の王であるライオンを重ね合わせたものと考えられている。
 
 
 
スフィンクスの種類には複数あり、男性も女性もいる。動物や鳥の頭部を持つものも見受けられる。
 
 
 
最も有名で大きなスフィンクス像は、[[エジプト古王国|古王国]]時代の[[ギザの大スフィンクス]]である。[[エジプト中王国|中王国]]以降は、最高神[[アメン|アモン]]の聖獣である雄[[羊]]の頭部を持つスフィンクスが、[[神殿]]の守護者として神殿前面に置かれた。
 
 
 
=== メソポタミア ===
 
メソポタミア神話(バビロニア神話)における'''スフィンクス'''は、エジプトとは異なり、ライオンの身体、人間の女性の顔、[[鷲]]の[[翼]]を持つ怪物とされた。また、死を見守る存在とする考え方もメソポタミアにて生まれたとされる。
 
 
 
=== 古代ギリシア ===
 
[[File:Ginosphinx.png|thumb|[[ギリシア神話]]のスピンクス(ジノ・スフィンクス)]]
 
[[ギリシア神話]]における'''スピンクス'''は、ライオンの身体、美しい人間の女性の顔と乳房のある胸、鷲の翼を持つ怪物(一部の絵画では尻尾が[[ヘビ|蛇]]になっている姿で表される事も)。[[テューポーン]]あるいは[[オルトロス]]と[[キマイラ]]あるいは[[エキドナ]]との娘。一説によれば[[テーバイ]]王[[ラーイオス]]の娘であり(アレクサンドリアのリュシマコス)、これによれば[[オイディプース]]とは兄弟となる。また、[[ウカレゴン]]の娘とする説もある([[エウリピデス]]『フェニキアの女たち』26への古註)。当初は子供をさらう怪物であり、また、戦いにおいての死を見守る存在であった。高い知性を持っており、謎解きやゲームを好む。
 
 
 
[[オイディプス]]の[[神話]]によれば、[[ヘーラー]]によって[[フェキオン山|ピキオン山]]に座し、[[テーベ|テーバイ]]の住人を苦しめていた。旅人を捕らえて「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」という[[なぞなぞ|謎]]を出し、間違った者を食べていた。なお、答えずに引き返すことは可能だった。この謎は[[ムーサ]]に教わったとされている。しかし、オイディプスに「人間は赤ん坊の時はハイハイで四つ足、成長して二足、老年で杖をつくから三足だ」と答えられ、岩の台座から飛び降り、海に身を投げて死んだという(アポロドロス、ヒュギヌスなど)。またはオイディプスに退治されたともいわれる([[ソポクレス]]『オイディプス王』、エウリピデス『フェニキアの女たち』)。
 
 
 
== スフィンクスをモチーフにした芸術作品 ==
 
=== 絵画 ===
 
[[File:Oedipus And The Sphinx - Project Gutenberg eText 14994.png|thumb|[[オイディプス]]とスフィンクス]]
 
* 「スフィンクスの謎を解くオイディプス」([[ドミニク・アングル]]、1808年、[[ルーヴル美術館]])
 
* 「オイディプスとスフィンクス」 ([[ギュスターヴ・モロー]]、1864年、[[メトロポリタン美術館]])なおこの作品は、上記のアングル作品の模倣と看做され、発表当時のフランス画壇での評価は芳しくなかった。
 
* 「スフィンクスの口づけ」([[フランツ・フォン・シュトゥック]]、1895年、ブダペスト国立美術館)
 
* 「芸術(愛撫もしくはスフィンクス)」([[フェルナン・クノップフ]]、1896年、[[ベルギー王立美術館]])
 
* 「翼のある横向きの胸像」([[オディロン・ルドン]]、1898-1900頃、[[岐阜県美術館]])
 
* 「沈黙の道」([[フランソワ・クプカ]]、1900-03、プラハ国立博物館)
 
*[[ファイル:The Sphinx rocca salvatesta over fondachelli, sicily.jpg|サムネイル|Rocca Salvatesta 上記 [[フォンダケッリ=ファンティーナ]], [[シチリア]]]]「穹」([[杉山寧]]、1964年、[[東京国立近代美術館]])
 
 
 
=== 彫像 ===
 
* 「[[ギザの大スフィンクス]]」(不明、紀元前2500年ごろ、[[ギーザ|ギザ]])
 
 
 
== 参考文献 ==
 
<references/>
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commons&cat|Sphinx|Sphinxes}}
 
* [[伝説の生物一覧]]
 
* [[オルトロス]] 父
 
* [[エキドナ]] 母
 
* [[ネメアーの獅子]] 弟
 
* [[キマイラ]]
 
* [[ピラミッド]]
 
* [[狛犬]]
 
  
 
{{ギリシア神話}}
 
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{{Authority control}}
 
  
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[[Category:霊獣]]
 
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[[Category:神話・伝説の人面生物]]
 
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[[Category:神話・伝説の獅子]]
 
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[[nl:Sfinx]]
 

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ギザの大スフィンクス.jpg

スフィンクス(Sphinx)

古代オリエント神話に出てくる人間の頭とライオンの胴体をもつ怪物。エジプト起源で,シリア,フェニキア,バビロニア,ペルシア,ギリシアなどで早くから知られていた。最古の像はエジプトのギザの大スフィンクスで,長さ 73.5m,高さ 20m,顔幅 4mという巨大なものである。第4王朝のカフラー王の肖像ともいわれ,額に王権の象徴であるへび形章をつけている。またギリシアでは幼児をさらう怪物と考えられ,女神ヘラがテーベに送ったスフィンクスは,人々に「朝は4脚,昼は2脚,夜は3脚で歩くものは何か」という謎をかけ,解けない間は市民たちを食い殺していたが,オイディプスが「それは人間である」と答えたため死んでしまったという。





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