ジャズ・ロック

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ジャズ・ロック (Jazz Rock)とは、音楽のジャンルにおいて、ジャズおよびロックより発展した一つの演奏スタイルである。欧米ではJazz fusionと呼ばれることもある。

概要

1960年代に、アート・ロックブラス・ロックなどの楽器演奏を中心としたロックミュージックが台頭した。それらの影響を受け、ジャズにおいても電気楽器(エフェクトを多用したエレクトリック・ギターや、エレクトリック・ピアノ)の使用によるロック風な奏法を取り入れ、新しい演奏スタイルが生まれた。ロックにおいてもより即興演奏を中心とするスタイルに発展した。これをジャズ・ロックと分類した。

スタンダードなジャズで既に名声のあった、マイルス・デイヴィスリー・モーガンジョン・マクラフリンハービー・ハンコックなどが先鋭的な試みとして、演奏に取り入れた。さらに、これが受け入れられて商業的に傾向していくクロスオーバーフュージョンへと展開した。

1970年代前後に、、英国のロック及びジャズ系のミュージシャンがいる。 最も盛んに作品を発表したのはソフト・マシーンなどのカンタベリー系イアン・カーニュークリアスである。 その他に、コロシアムグラハム・コリアーマイク・ウエストブルックニール・アーダレイがいる。

ジャズ系ミュージシャンからのアプローチは先述したようにその後の発展があったのに対し、英国でのロック系からのそれはブランドXを除けば1970年代後半に衰退したが、イタリアのアルティ・エ・メスティエリなど欧州の各国で多くのグループが出現している。特に、ドイツではMoodレコードから10人編成のユナイテッド・ジャズ+ロック・アンサンブルが1970年代後半から凡そ25年間活躍した。

代表的なアーティスト

8ビート・ファンキージャズ

1960年代初旬から中旬にかけてそれまでのジャズにはなかった8ビートや16ビートを取り入れたファンキージャズが次々と発表され、日本のジャズファンからジャズロックと呼ばれるようになった。ただし電化以降のジャズロックとは性質が異なるため、しばしば齟齬をきたしている[1]。 海外でもこの呼び方は一般的ではないが[1]、ポスト・モダンからジャズロックを形成していく流れの中に関連付けられることもある[2]

8ビート・ファンキージャズの代表曲

脚注

  1. 1.0 1.1 『ジャズロックのおかげです』 径書房、1994年。
  2. Stuart Nicholson, JAZZ ROCK: a History, 1998

参考資料

  • 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一 『新版 ジャズを放つ』 洋泉社、1997-02。ISBN 4896912500。
  • 『ヨーロッパのジャズ・ディスク1800』 ジャズ批評社〈ジャズ批評別冊〉1998年3月
  • 松井巧著『ブリティッシュ・ジャズ・ロック』 エクシードプレス〈EXCEED PRESS POP CULTURE SERIES〉1999年7月
  • 『英国ロックの深い森 1955-1975』 ミュージック・マガジン〈レコード・コレクターズ増刊〉2001年8月
  • 「特集 ジャズ・ロックって 何だ?」『ジャズ批評』2011年9月号(163号)ジャズ批評社

関連項目