コスモ石油

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コスモ石油株式会社(コスモせきゆ、英語:Cosmo Oil Co., Ltd.)は、石油製品を精製・販売する石油元売大手企業の一つ。コスモエネルギーホールディングス株式会社の子会社。みどり会(旧:三和銀行系)構成企業に属する。コーポレート・メッセージは「ココロも満タンに、コスモ石油」。

概要

大協石油(だいきょうせきゆ、商標は「大」の文字を桜の形に似せたもの)、丸善石油(まるぜんせきゆ、商標はツバメ印)、旧:コスモ石油(大協と丸善の石油精製合弁会社、通称・精製コスモ)の3社が合併して、1986年に発足した。コーポレートブランドは「cosmo」で宇宙のcosmosと世界市民のcosmopolitanから。

JXTGエネルギーとコスモ石油の両社は、現在、業務提携を結び、販売を除く特許、石油輸送、製油所の共有などを図り、日本最大の石油元売グループを築いている。

事業所所在地

本社・研究所

製油所

  • 千葉製油所 - 千葉県市原市五井海岸2
    • 精製能力:240,000バレル/日、旧丸善石油
  • 四日市製油所 - 三重県四日市市大協町1-1
    • 精製能力:132,000バレル/日、旧大協石油
  • 堺製油所 - 大阪府堺市西区築港新町3-16
    • 精製能力:100,000バレル/日、旧丸善石油

かつては愛媛県松山市にも旧:丸善石油が製油所を置いていたが設備が小規模のため生産を停止した。現在はグループ企業、コスモ松山石油油槽所とその他石油製品の製造基地として使用している。また旧:アジア石油時代から稼働していた坂出製油所(香川県坂出市)も2013年7月に廃止され、坂出物流基地となっている。

その他事業所

  • 函館物流基地 - 北海道北斗市、旧:アジア石油函館製油所
  • 坂出物流基地 - 香川県坂出市番の州緑町1-1、旧:坂出製油所

コスモ石油マーケティング株式会社の支店

ガソリンスタンド

コスモ石油でのガソリンスタンドの名称はサービスステーションで、現在もフルサービスが主流であり、タイヤ・バッテリーなどのカー用品販売をコスモ・ザ・カードのガソリンマイル(ポイントサービス)キャンペーンを用いて積極的に行っている。また、大規模な車検場を設けた「Auto B-cle(オートビークル)」店舗も設置している。

なお、有料道路高速道路を含む)にあったSSは、廃止又は他社に置き換えられたため、現在は存在しない(2014年10月現在)。

特徴のあるガソリンスタンド

提携クレジットカード

いずれのカードも会員価格で給油が可能である。

コスモ・ザ・カード・ハウス

サービスステーションデニーズなどの加盟店で使えるハウスカードコスモ・ザ・カード・ハウス」を1987年から発行している。
2001年4月からはETC機能が搭載された「―・ETC機能付」や、年会費と別に500円を徴収してコスモ石油が協賛する環境保全活動資金に充当される「―・エコ(ETC機能付)」の発行も行われている。

ハウスカード事業はセントラルファイナンス(現:セディナ)へ信用保証委託を行い、石油業界では唯一自社(コスモ石油)で発行する形態を採ってきた。しかし、2009年9月にコスモ石油とセディナは新たな提携合意の締結を発表し、2009年12月1日付けの会員規約改正からセディナが発行元となるコスモ石油との提携カード形態へ移行した。2011年4月を目処に新ハウスカードの発行開始を予定している。

カードセンターは、1999年6月から2007年9月まではインテックへ、2007年10月以降はプロセント(セディナのプロセシング部門子会社)へアウトソーシング委託の上運営されている。

2001年からオーパス発行開始まで、サービスステーションの一部で30分で審査の上、店舗内で発行を行う即時発行サービスを実施していた。

主な特典

  • ガソリンマイレージ
    • 2001年4月よりポイントサービス「ガソリンマイレージ」が開始されている。サービスステーションでの給油3,000円・カーケア商品購入1,000円毎に1Gマイル積算され、1Gマイル=10円相当で付与月以降の給油代金1リットルに付き1マイル消化で値引きされる「キャッシュバックコース」と、景品に交換できる「プレゼントコース」が選べる。
    • Gマイルは公式サイト「G-mile.com」を通じて提携アフィリエイトサイトを利用する事でも獲得できる。

コスモ・ザ・カード・トリプル

セディナCF(旧:セントラルファイナンス)発行の国際ブランド付帯の提携カードである。
サービス内容は<ハウス>と大きく異なり、月々のカードショッピング金額に応じて給油代金のキャッシュバック金額が決まるという、一部のCFカードで実施されているサービスに準拠した形となっている。

コスモコーポレートカード

法人での経費決済用途のコーポレートカードであり、ハウスカード単体と、JCBコーポレートカードに一体化されたものがある。発行会社はいずれもジェーシービーである。

コスモ・ザ・カード・オーパス

イオン銀行との国際ブランド付帯の提携カードであり、2006年6月より募集開始されている。年会費は無料。ハウス版と同一券面で毎年500円を徴収する「―・エコ」も募集している(イオンVISAのみ)。

入会当初(3か月以内)から50リットル給油分まで、1リットルあたり10円値引く入会特典がある[1]

2011年7月以降に発行するカードにはイオングループ電子マネーWAON」が搭載されており[2]イオンカード同様カード左下(「―・エコ」は裏面)にワオンが描かれている。ただしクレジットカードは「イオンクレジットマークがあるカード」ではあるが「イオンカード」ではないため、イオンで行われている「お客さま感謝デー」「―わくわくデー」はWAONでないと適用されなかったが、現在では「―感謝デー」は「イオンクレジットマークがある全てのカード」で適用されるためにこのクレジットカードでも適用されるようになった。

沿革

大協石油

  • 1939年昭和14年)9月4日 - 新潟県下の中小製油業者8社が合同し、大協石油株式会社設立。
  • 1943年(昭和18年)7月 - 四日市製油所新設。
  • 1949年(昭和24年)
  • 1963年(昭和38年)3月23日 - 午起製油所が操業開始。
  • 1970年(昭和45年)4月 - 午起製油所を四日市製油所に統合。
  • 1984年(昭和59年)4月1日 - 丸善石油と共に、石油精製部門を分社化し、旧:コスモ石油(精製コスモ)を設立。四日市製油所を譲渡。

丸善石油

アジア石油

大協・丸善合併後

  • 1986年(昭和61年)
    • 4月1日 - 大協石油株式会社が丸善石油株式会社、(旧)コスモ石油株式会社(精製コスモ)を合併し、(新)コスモ石油株式会社に商号変更(計画段階での名称は「大丸コスモ石油」だった。)。
    • 6月 - コスモ石油ガスを設立。
  • 1987年(昭和62年) - ハイオクガソリンの「マグナム100」販売開始。ガソリンスタンドのPOS導入にあわせて、自社発行の「コスモ・ザ・カード(ハウスカード)」の発行を開始。後にセントラルファイナンス(現:セディナ)提携の「コスモ・ザ・カード トリプル」も発行。
  • 1989年(平成元年)10月 - アジア石油株式会社を合併。
  • 1992年(平成4年) - ハイオクガソリン「スーパーマグナム」発売開始
  • 1994年(平成6年) - デニーズジャパンと共同出店などで提携。
  • 2004年(平成16年)
  • 2006年(平成18年)
    • イオンクレジットサービスと提携し、「コスモ・ザ・カード オーパス」の発行を決定。「コスモ・ザ・カード(ハウスカード)」は事業継続。
    • 4月 - 千葉製油所で爆発火災事故が発生。(→#事故・不祥事
  • 2007年(平成19年)9月18日 - アブダビ首長国の政府系投資機関である国際石油投資公社 (IPIC、上位株主名簿ではインフィニティ・アライアンスの名義で表記) がコスモの筆頭株主となり包括的な業務提携を結ぶと発表。
  • 2013年(平成25年)7月31日 - 坂出製油所廃止[3]
  • 2015年(平成27年)
    • 4月1日 - 昭和シェル石油及び住友商事液化石油ガス小売事業を、昭和シェル石油、住友商事及び東燃ゼネラル石油(現:JXTGエネルギー)とLPガス元売事業を経営統合。傘下の小売事業会社であった東北コスモガスは、株式交換によりエネサンスホールディングスの子会社となる[4]。元売事業はコスモ石油ガスが受け皿となり、会社分割により承継した対価として株式を交付。コスモ石油ガスは、コスモ石油、昭和シェル石油、住友商事及び東燃ゼネラル石油がそれぞれ株式の25%を保有することとなり[5]、ジクシス株式会社に商号変更した[6]
    • 9月28日 - 上場廃止
    • 10月1日 - 単独株式移転により、持株会社のコスモエネルギーホールディングス株式会社を設立。コスモエネルギーホールディングスがコスモ石油に代わり株式上場。販売関連事業をコスモ石油マーケティングに会社分割により承継[7]

新規事業

近年では植物・農業分野への事業にも進出しており、ALA(5-アミノレブリン酸)を利用した家庭園芸用・業務用の液体肥料を子会社等を通じて販売している。また、坂崎千春がデザインしたキャラクター「ALAちゃん」が出演するテレビCMも放映している。

広告活動

モーレツ

旧・丸善石油時代の1969年に放送した「丸善ガソリン100ダッシュ」のCMで、レースクイーンに扮した小川ローザが発した「オー・モーレツ」のセリフは、昭和40年代を象徴するキャッチフレーズとなった。CMソングしばたはつみハニー・ナイツが歌唱。

ココロも満タンに

1990年代から使われているコーポレートメッセージ「Heart-Full。ココロも満タンに、コスモ石油」は、コピーライター仲畑貴志が考案した。なお、ラジオやテレビ地上波放送の他、BSデジタル放送やCS放送などでもスポットCMで流れている。また、新聞や雑誌広告にも出稿している。このCMは好評で2007年7月から2007年12月まで、ラジオCM好感度調査でコスモ石油が6か月連続で1位に輝いている。使用されている曲は菅野よう子作曲「Seeds of life」。

提供番組

テレビ

2018年3月現在
その他、週替わりまたはPT扱いが多数。
過去

ラジオ

エフエム東京及びJFN系列FM局にて、三菱電機(ダイヤトーン)の跡を受け、一社提供番組『コスモ ポップス ベスト10』が1992年から2017年まで放送されていた。終了後、2017年4月1日より『COSMO POPS STATION』で引き続き提供を行っている。
これに合わせて共同でキャンペーン『コスモ アースコンシャス アクト』を展開している。また毎年末には、各都道府県から1店ずつ系列ガソリンスタンドを選び、店長に「x県のコスモ石油を代表して(利用)お礼申し上げます」というメッセージを語らせ放送している。
FM東京ではコスモ以外の石油元売のCMは流れない(例外として新日本石油(現・JXエネルギー)をエネファームのみ出している)。

その他、FM放送における単独提供番組としては、首都圏の独立FM局であるエフエムナックファイブ横浜エフエム放送ベイエフエムで放送中の「コスモ ディスカバリーアース」がある。なお、同番組はコスモ石油ウェブサイト上にて、PC向け並びにPodcastにても配信中(番組内容の著作権はエフエムナックファイブに帰属)。

旧・丸善石油は1970年代に文化放送から全国ネットの平日(途中までは土曜日も)帯ベルト「夕焼けに歌おう」のスポンサーであった。(ただし、「大相撲熱戦十番」の期間中は放送時間がずれたりもしくは文化放送・ラジオ大阪への放送はお休み。ラジオCMのみ『大相撲熱戦十番』の番組内で流す処理をしてその他のネット局には裏送りで場所期間中は流していた。)

旧・大協石油は1970年代に文化放送で夕方5時から当時放送していた「大相撲熱戦十番」のスポンサーであった。

TBSラジオの「JRNナイター」(末期は『TBSラジオ エキサイトベースボール』※2017年シーズンで終了)の提供

1986年〜2002年・2008年・2009年(水曜日のスポンサー)
2003年2007年(土曜日のスポンサー)
旧・『大協石油』時代では1970年に土曜日、1980年に金曜日、1981年〜1985年に木曜日のスポンサーを務めた。

タイアップタレント

イメージキャラクターとして女性タレントを起用し、「―ザ・カード」等とサービスステーションの販売プロモーション活動が行なわれていた。1991年度は田村英里子1993年度は内田有紀2001年度は菊川怜2006年度は吉岡美穂2007年度は榮倉奈々2009年度は加藤夏希2016年度は清水富美加2017年度は桜井日奈子をそれぞれ起用している。なお、1994年度から松村邦洋松本明子電波少年コンビを起用していたこともあった。

環境活動

石油会社の中では積極的に環境保護に対して取り組む姿勢を見せている。前述の「コスモ アースコンシャス アクト」における「クリーンキャンペーン」や、「コスモ・ザ・カード(エコ)」及び「コスモ・ザ・カード・オーパス(エコ)」加入者からの寄付(年500円)ならびにコスモ石油グループ内からの寄付金を元に「コスモ石油エコカード基金」を設立し、様々な環境活動を支援するなどの活動を行っている。

映画による広報啓発活動

前身企業の一つである丸善石油が、同社から石油化学部門を分離独立させて丸善石油化学を設立した1959年から千葉製油所が操業を開始する1963年までの時期に石油に関する短編映画3本、『ガソリン』・『潤滑油』・『マリン・スノー -石油の起源-』を企画している。

このうち『ガソリン』と『潤滑油』はタイトルで示された石油製品各々の働きについて映像を使って解説しており、残る『マリン・スノー -石油の起源-』は石油の起源として今日有力視されている有機説に基づいて石油の成り立ちを探っている。

何れも東京シネマが制作しており、現在は科学映像館(NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。

事故・不祥事

コスモザ・カード・ハウス会員情報流出事件
  • 2004年4月以降、複数人のハウスカード会員に、架空請求融資保証金詐欺闇金融からのDM送付や電話勧誘が行われる。その個人情報がハウス会員として登録した連絡先などと一致していた等の申告により、コスモ・ザ・カードの個人情報漏洩が濃厚となり、同月21日に役員が記者会見でその疑いが有る旨を発表した。
会員に対しては「お詫び」として同年6月にコスモ石油から50Gマイル(500円相当)が契約中の会員全てに付与が行われた。
内部調査により、アウトソーシング先のインテックで、同年3月頃に顧客システム移行の過程で関係社員が情報を意図的に持ち出したのが濃厚であると発表されたが、その該当社員は否定し、以後未決着のままである。
千葉製油所火災爆発事故
  • 2006年4月16日早朝に同製油所で爆発火災事故が発生(負傷者はなし)。関係官庁の検査過程で各製油所で都道府県知事へ届出を行わずに高圧ガス設備などの完成工事を行う等、複数の法令違反が判明し、経済産業省原子力安全・保安院から全製油所への高圧ガス認定取り消しなどの処分を受けた。関係官庁の立ち入り検査を毎年受けなければならず、
千葉製油所転落死亡事故
  • 2008年10月9日朝、同社社員が製油所内の軽油タンク底で死亡しているのが発見された。同社発表では前日に施設内で行方が分からなくなり、過って転落した可能性があるとして前日に警察へ捜索依頼を出していた。
  • 2010年6月16日に同社社員が製油所内の重油直接脱硫装置で整備作業中、地上約10メートルの高所から地面に転落。ドクターヘリで市内の病院へ搬送されるも死亡した。同社発表では安全帯を装着していなかった。
千葉製油所石油タンク火災
  • 2011年3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)によって、首都圏震度5強の激しい揺れに見舞われた。この地震で千葉製油所内のLPG配管から出火しLPGタンクにまで延焼した。同日午後5半頃には上空800mにまでの火柱を上げるなど激しい火災となった。海上保安庁の巡視船「ひりゆう」「あわなみ」、海上災害防止センター東京消防庁の消防艇が駆けつけて放水したものの、ガスの流出を防ぐためタンク内のガスを燃やし続ける必要があり、10日後の21日10時10分にようやく鎮火した[8]。6名負傷(うち、全身やけどの重傷1名)。またこの火災に関連して「有害物質を含んだ雨が降る」というデマが、主にTwitterを通じてインターネット上などで拡散された[9]
コスモ石油販売の景品表示法違反
  • 子会社(現在はコスモ石油マーケティングの子会社)のコスモ石油販売関西カンパニーが、2015年9月から2016年11月にかけて、大阪府および奈良県内のガソリンスタンドでの車検に関する新聞折込チラシに於いて、「通常検査費用」を1万4,040円とし、8,640円か7,560円に値引きすると宣伝したが、実際には2014年3月以降、当該の値引価格で検査した実績はなかったことが明らかになったほか、セール期間について「月末まで」としていたにもかかわらず、実際には該当月を過ぎても同様のセールを繰り返していた。2017年5月12日消費者庁はコスモ石油販売に対し、景品表示法違反(優良誤認)に該当するとして、再発防止の措置命令を出した[10][11]

関連企業

グループ企業

輸送

  • コスモ海運株式会社

備蓄

  • 沖縄石油基地株式会社(持分法適用関連会社)

物流

  • 東西オイルターミナル株式会社(持分法適用関連会社)
  • 北斗興業株式会社
  • 坂出コスモ興産株式会社
  • 関西コスモ物流株式会社
  • コスモテクノ四日市株式会社
  • コスモペトロサービス株式会社

潤滑油製造・販売

  • コスモ石油ルブリカンツ株式会社

製造

石油製品販売

SS資産管理

  • コスモ石油プロパティサービス株式会社

提携企業

コスモ・ザ・カード関係

社史・記念誌

  • 丸善石油
    • 回顧二十年(丸善石油株式会社企画部 編) 1953年発行、85ページ。
    • 躍進の25年(丸善石油株式会社 編) 1958年発行、134ページ。
    • 35年の歩み(丸善石油社史編集委員会 編) 1969年発行、210ページ。
  • 大協石油
    • 大協石油株式会社三十年史(大協石油株式会社 編) 1969年10月発行、146ページ。
    • 大協石油四十年史(大協石油株式会社社史編さん委員会 編集) 1980年10月発行、527ページ。
  • コスモ石油
    • 創業ふたたび コスモ石油10年史(コスモ総合研究所、日本経営史研究所 編集) 1996年発行、449ページ。
    • 飛躍へのかけ橋 コスモ石油20年史(コスモ総合研究所、日本経営史研究所 編) 2006年4月発行、 260ページ。

在籍していた著名人

脚注

関連項目

外部リンク