ケインズ革命

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Keynesian revolution

J.M.ケインズがその主著『雇用・利子および貨幣の一般理論』において主張した新しい経済学は,それまでの理論に対して革命的内容をもたらしたとしてケインズ革命と称されるが,その内容の解釈にはさまざまなものがある。

当初 A.C.ピグーA.マーシャルら古典派の経済学に対してケインズのもたらした革新性は,貨幣需要について流動性選好関数を導入し,貨幣賃金の硬直性や流動性トラップなどの現象を通じて非自発的失業の存在を説明するものとしてとらえられ,有効需要原理を骨格とするマクロ所得決定理論は IS-LM分析として広く経済理論に取込まれた。

しかし,1960年代になると,R.クラウアーや A.レイヨンフーブドを中心に不均衡分析が展開された。彼らの解釈によると,ケインズの革新性は,L.ワルラスに始る一般均衡理論のモデルに対し,ワルラス法則の成立しない不均衡下で取引がなされていくことを分析したことにある。 (ケインズ学派 )