ガドリニウム

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ガドリニウム (: gadolinium) は原子番号64の元素元素記号Gd希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

性質

銀白色(白色)の金属。常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造 (HCP)。比重は7.9、融点は1312 °C沸点は約3000 °C。水にゆっくりと溶け、には易溶。安定な原子価は+3価。

ガドリニウムは、最大14個の電子が入る 4f 軌道が、占有可能な電子数の半分にあたる7個の電子で占有されており、7つの不対電子を持つ。そのため、7つの異なる軌道に合成スピン角運動量による磁気モーメントが最大となる。このことからガドリニウム錯体(Gd-DOTA 等)は磁性材料や MRI 検査用の造影剤(T1短縮効果)に利用されている。

3価の陽イオン Gd3+ も 4f7球対称電子配置を取るため、化合物中の原子価も無色の3価が唯一安定な状態となる。

室温以下で強磁性も示し、そのキュリー点は20 °C (292 K) である[1]

また、ガドリニウムは中性子吸収断面積が非常に大きいので、原子炉の制御材料などに使われる。

歴史

ジャン・マリニャック (J.C.G.de Marignac) が1880年に発見[2]。語源は、ガドリニウムを分離した鉱石、イットリア鉱石の主成分イットリウムの発見者である、フィンランド鉱物学ヨハン・ガドリン (J.Gadolin, 1760-1852) から[2]

ガドリニウムの化合物

同位体

  • 153Gd は、X線吸光光度分析法や骨粗鬆症のための骨密度測定等のX線源として用いられる。
  • 157Gd は、ガドリニウムの同位体の中でも熱中性子[3]に対する吸収断面積が25万4000バーンと極めて高く、中性子捕捉療法の中性子吸収剤としての利用が期待されている。

出典

  1. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「curie」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. 2.0 2.1 桜井弘 『元素111の新知識』 講談社1998年、279頁。ISBN 4-06-257192-7 
  3. 300Kの室温と熱平衡状態にある運動エネルギーが0.025eV(速度2200m/s)程度の中性子の事


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