カルロス・ゴメス (野球)

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この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はゴメス第二姓(母方の)はペーニャです。

カルロス・アルヘリス・ゴメス・ペーニャCarlos Argelis Gómez Peña, 1985年12月4日 - )は、ドミニカ共和国サンティアゴ州出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBタンパベイ・レイズ所属。

ニックネームは、姓名を略して「カーゴ/CarGo」、またはスピード感あふれるプレー・スタイルから「ゴーゴー」とも呼ばれている[1]。代理人はスコット・ボラス

経歴

プロ入りとメッツ時代

2002年7月27日ドラフト外(アマチュアフリーエージェント)でニューヨーク・メッツとの契約が成立。

2003年、ルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・メッツでプロとしてのキャリアをスタートさせた(58試合出場)[2]

2005年は、A級ヘイガーズタウン・サンズEnglish版において120試合に出場して、打率.275・出塁率.331・64盗塁をマーク。A級両リーグ最多、マイナー全体でも2位と言う盗塁数を叩き出し、一躍脚光を浴びる(1位はトッド・ドノバンの65個[3])。サウス・アトランティックリーグのオールスターに出場した他、メッツのファーム組織内最優秀選手を称えるスターリング賞に輝いた[2][4]11月11日、メッツ内の有望株リストで6位にランクされ、ファステスト・ベースランナーとベスト・アウトフィールド・アームの2部門に選定[5]

2006年はAA級ビンガムトン・メッツにステップアップし、120試合に出場の上、打率.281・出塁率.350・41盗塁。翌2007年1月8日、メッツ内の有望株リストで3位にランクされ、ファステスト・ベースランナーとベスト・アスリート、ベスト・ディフェンシブ・アウトフィルダーとベスト・アウトフィールド・アームの4部門に選定されるなど[6]、着実に進歩・成長を遂げる。

2007年はAAA級ニューオーリンズ・ゼファーズで36試合に出場して、リーグ・トップの17盗塁をマークすると、5月13日にメジャー初昇格を果たす[7]。即「八番右翼手」としてスタメン起用され、ミルウォーキー・ブルワーズ戦においてクリス・カプアーノからキャリア初安打となる二塁打を放つなど、4打数2安打1盗塁2得点の好結果でデビュー戦を飾った。6月10日デトロイト・タイガース戦では、ジェイソン・グリーリから初本塁打となる3点本塁打を左翼スタンドに叩き込み、16日と24日には1試合3安打を放っている[7][8]。その後、左手を骨折して7月5日から9月7日まで故障者リスト入りし、56試合を休場[7][9]。アクシデントに見舞われたものの、主に八・九番打者として58試合に出場し[8]、新人としてはリーグ2位[10]の12盗塁(成功率80パーセント)を記録するなど経験を積んだ。11月9日、前年に引き続きメッツ内の有望株リストで3位にランクされ、ファステスト・ベースランナー、ベスト・アスリート、ベスト・ディフェンシブ・アウトフィルダー、ベスト・アウトフィールド・アームの4部門に選定[11]

ツインズ時代

2008年2月3日ヨハン・サンタナとのトレードで、フィリップ・ハンバーデオリス・ゲラケビン・マルベイEnglish版と共にミネソタ・ツインズへ移籍。

開幕戦から一番中堅手として先発出場を果たし、開幕後10試合中9試合で安打を放ち、マルチヒット4回(3安打1回)、5盗塁と好調なスタートを切った[12]。しかし12試合目で出塁率が2割台に落ち込むと、以後低空飛行が長く続き、7月21日時点における出塁率は.281で、翌22日からはもっぱら九番を務めることが多くなった[12]。閉幕間際の9月9日から14日にかけては6試合連続打点を挙げ、特に13日のダブルヘッダーでは合計6打点を叩き出し、プレーヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞している[13]。シーズン通算では初めて規定打席をクリアし、レギュラーの座を確保したものの、出塁率はリーグ・ワースト2位、OPSは同3位と課題を残した[13]。その一方、バント安打数(30)は両リーグ1位[14]、内野安打数(18[15])と三塁打数(7)はリーグ6位、盗塁数(33)は同7位[16]プラス・マイナス・システム(+32)[17]はいずれも中堅手部門両リーグ1位と、マイナー時代から定評のあるスピードを実証した[18]

2009年も137試合に出場したが、打率は自身最低の.229という数字に留まり、3本塁打・28打点・14盗塁はいずれも、2008年よりも少ない数字であった。一方、前年に高い能力を示した守備面では、レンジ・ファクターが3.18でメジャーリーグ全体2位に位置する[19]を記録した。

ブルワーズ時代

2009年11月6日J.J.ハーディとのトレードで、ブルワーズへ移籍した[20]

2010年1月19日にブルワーズと110万ドルの1年契約に合意[21]。出場試合数は97試合で3年ぶりに100試合を下回った。打撃面では打率.247・5本塁打・24打点という成績をマークした。走塁面では高い盗塁成功率で18盗塁を決めた(盗塁成功率85.7%)。

2011年、2年連続での90試合台となる94試合に出場。打率は.225まで低下してしまった。しかし走塁面では、88.9%という高率で16盗塁をマーク。2010年との2年間で、34盗塁を決めた。

2012年1月10日にブルワーズと1年契約に合意[22]。3年ぶりとなる137試合に出場した。打率.260・19本塁打・51打点という打撃成績をマークし、打率と本塁打は自己最高の数値だった。また打率の上昇も手伝い、出塁率は自身初の.300超えとなった。走塁面でも自己ベストの37盗塁をマーした。

2013年1月17日にブルワーズと430万ドルの1年契約に合意し[23]、3月13日に総額2400万ドルの3年契約を結んだ[24][25]。この年は実に5年ぶりとなる規定打席到達を果たしたシーズンとなった。打率.284・24本塁打・73打点・40盗塁はいずれも自己ベストとなる成績。盗塁はリーグ4位、三塁打(10本)はリーグ2位と、走塁面でリーグ上位に食い込んだ。20本塁打と40盗塁を同時に達成したのは、ブルワーズの選手としては史上初であった[26]

2014年、148試合に出場し、いずれも前年と同数値の打率.284・73打点に加え、2年連続で20本塁打と30盗塁もクリアした。得点は、自己ベストの95をマークした。

2015年、引き続き中堅手のレギュラーを務めたが、過去2シーズンほどの勢いは見られず、74試合の出場で打率.262・8本塁打・43打点という打撃成績に留まった。

アストロズ時代

2015年7月30日ドミンゴ・サンタナブレット・フィリップスジョシュ・ヘイダーエイドリアン・ハウザーEnglish版とのトレードで、マイク・ファイヤーズと共にヒューストン・アストロズへ移籍した。前日にはウィルマー・フローレスザック・ウィーラーとのトレードで古巣メッツに移籍することが報じられたが、結果的に破談となっていたため、「これは2〜3時間だけの話じゃないよね? 本当にトレードされたのかい? と笑いながら聞いてしまったよ。そしたら、本当にアストロズにトレードされたと教えてもらった」とコメントした[27][28]

移籍後は41試合に出場して打率.242・4本塁打・13打点という成績に終わった。一方で走塁面では調子を取り戻し、成功率77%で10盗塁を決めた。守備面での調子も上がり、守備率.990・DRS + 4という安定した成績を残した。ブルワーズとの通算では115試合に出場し、打率.255・12本塁打・56打点・17盗塁・9盗塁死という成績であり「打率.280・20本塁打・30盗塁」のラインは、いずれも2年連続でストップした。

2016年8月10日DFAとなり[29]、18日に自由契約となった[30]。チームを放出されるまでに85試合に出場したが、打率.210・5本塁打・29打点・13盗塁に留まった。

レンジャーズ時代

2016年8月20日テキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスへ配属された[31]8月25日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[30]。レンジャーズ合流後は33試合に出場し、打撃面で調子を取り戻して打率.284・8本塁打・24打点・5盗塁という素晴らしい成績を記録。トータルでは118試合に出場し、アストロズ時代の不振が響いて打率.231・13本塁打・53打点・18盗塁という成績だった。ただ、2ケタ本塁打と2ケタ盗塁の同時記録は5シーズン連続で継続した。

2017年4月29日ロサンゼルス・エンゼルス戦で2008年5月7日以来自身2度目のサイクル安打を記録した[32]。レンジャーズの選手としては史上10人目[33]。オフの11月2日FAとなった[34]

レイズ時代

2018年2月21日タンパベイ・レイズと年俸400万ドルで契約に合意したことが、MLB公式サイトから発表され[35]3月3日に正式に契約を結んだ[36]

プレースタイル

打撃技術に関しては成長過程にある。拙いコンタクトと三振数の多さ、四球を選べない選球眼の甘さと低水準な出塁率など、課題が山積している。「打席内ではよりセレクティブなアプローチが必要だ」と指摘する声も多い[1][9][18][37][38][39][40][41]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2007 NYM 58 139 125 14 29 3 0 2 38 12 12 3 0 3 8 2 3 27 0 .232 .288 .304 .592
2008 MIN 153 614 577 79 149 24 7 7 208 59 33 11 3 2 25 0 7 142 7 .258 .296 .360 .657
2009 137 349 315 51 72 15 5 3 106 28 14 7 7 1 22 0 4 72 1 .229 .287 .337 .623
2010 MIL 97 318 291 38 72 11 3 5 104 24 18 3 6 0 17 1 4 72 10 .247 .298 .357 .655
2011 94 258 231 37 52 11 3 8 93 24 16 2 8 2 15 0 2 64 2 .225 .276 .403 .679
2012 137 452 415 72 108 19 4 19 192 51 37 6 6 3 20 1 8 98 6 .260 .305 .463 .768
2013 147 590 536 80 152 27 10 24 271 73 40 7 1 6 37 2 10 146 11 .284 .338 .506 .843
2014 148 644 574 95 163 34 4 23 274 73 34 12 1 3 47 0 19 141 10 .284 .356 .477 .833
2015 74 314 286 42 75 20 1 8 121 43 7 6 0 0 23 0 5 70 4 .262 .328 .423 .751
HOU 41 163 149 19 36 9 0 4 57 13 10 3 3 1 8 1 2 31 1 .242 .288 .383 .670
'15計 115 477 435 61 111 29 1 12 178 56 17 9 3 1 31 1 7 101 5 .255 .314 .409 .724
2016 85 323 295 27 62 16 1 5 95 29 13 2 3 0 21 2 4 100 11 .210 .272 .322 .594
TEX 33 130 116 18 33 6 0 8 63 24 5 3 0 0 13 0 1 36 0 .284 .362 .543 .905
'16計 118 453 411 45 95 22 1 13 158 53 18 5 3 0 34 2 5 136 11 .231 .298 .384 .682
2017 105 426 368 51 94 23 1 17 170 51 13 5 3 5 31 0 19 127 3 .255 .340 .462 .802
MLB:11年 1309 4720 4278 623 1097 218 39 133 1792 504 252 70 41 26 287 9 88 1126 66 .256 .315 .419 .733
  • 2017年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

記録

背番号

  • 27(2007年、2010年 - 2015年途中、2018年 - )
  • 22(2008年 - 2009年)
  • 30(2015年途中 - 2016年途中)
  • 14(2016年途中 - 2017年)

脚注

  1. 1.0 1.1 出野哲也「2008後半戦 チーム別総点検 ミネソタ・ツインズ」 『月刊スラッガー No.125 , 2008年9月号』 日本スポーツ企画出版社
  2. 2.0 2.1 Highlights:2003,2004,2005” (英語). MiLB.com. . 2008年3月19日閲覧.
  3. 2005 Batting Leaders for Stolen Bases” (英語). Baseball-Reference.com. . 2009年1月27日閲覧.
  4. 2005 Career Highlights:” (英語). twinsbaseball.com. . 2009年1月27日閲覧.
  5. Matt Meyers (2005年11月11日). “Top Ten Prospects: New York Mets, Best Tools” (英語). baseball america.com. . 2008年3月19日閲覧.
  6. Matt Meyers (2007年1月8日). “Top 10 Prospects: New York Mets, Best Tools” (英語). baseball america.com. . 2008年3月19日閲覧.
  7. 7.0 7.1 7.2 2007 Career Highlights:” (英語). twinsbaseball.com. . 2009年1月27日閲覧.
  8. 8.0 8.1 Carlos Gomez 2007 Batting Gamelogs” (英語). Baseball-Reference. . 2009年1月27日閲覧.
  9. 9.0 9.1 Carlos Gomez - Scouting Report , Transactions / Injuries / Suspensions” (英語). sportsnet.ca. . 2008年3月19日閲覧.
  10. MLB Player Batting Stats: 2007” (英語). ESPN. . 2009年1月28日閲覧.
  11. John Manuel (2007年11月9日). “Top 10 Prospects: New York Mets, Best Tools” (英語). aseball america.com. . 2008年3月19日閲覧.
  12. 12.0 12.1 Carlos Gomez 2008 Batting Gamelogs” (英語). Baseball-Reference. . 2009年1月28日閲覧.
  13. 13.0 13.1 スラッガー編集部 「2008 500人の通信簿 - Player of the Week winners/週間MVP受賞者」 『月刊スラッガー No.128 , 2008年12月号』 日本スポーツ企画出版社。
  14. Major League Leaderboards ≫ 2008 ≫ Batters ≫ Batted Ball Statistics” (英語). FanGraphs. . 2009年1月28日閲覧.※BUH(bunt hit、バント・ヒット)をクリック。
  15. American League Leaderboards ≫ 2008 ≫ Batters ≫ Batted Ball Statistics” (英語). FanGraphs. . 2009年1月28日閲覧.※IFH(infield hit、内野安打)をクリック。
  16. MLB Player Fielding Stats: 2008” (英語). ESPN. . 2009年1月28日閲覧.
  17. 2008 Plus/Minus Leaders” (英語). Fielding Bible. . 2009年1月28日閲覧.
  18. 18.0 18.1 スラッガー編集部 「守備力の新基準 - Fielding Bible 2008 /ゴールド・グラブはもう古い」 『月刊スラッガー No.130 , 2009年2月号』 日本スポーツ企画出版社、40-42頁。
  19. 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2010』 廣済堂出版、2010年。ISBN 978-4-331-51439-9。
  20. “Brewers acquire outfielder Carlos Gomez from Twins” (プレスリリース), MLB.com (Milwaukee Brewers), (2009年11月6日), http://milwaukee.brewers.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20091106&content_id=7631226&vkey=pr_mil&fext=.jsp&c_id=mil . 2014年7月27日閲覧. 
  21. Adam McCalvy (2010年1月19日). “Weeks, Gomez agree to deals with Crew”. MLB.com. . 2014年7月27日閲覧.
  22. Adam McCalvy (2012年1月10日). “Gomez back in Milwaukee on one-year deal”. MLB.com. . 2014年7月27日閲覧.
  23. Adam McCalvy (2013年1月17日). “Brewers, Gomez avoid arbitration with one-year deal”. MLB.com. . 2014年7月27日閲覧.
  24. “Brewers sign outfielder Carlos Gomez to a three-year extension” (プレスリリース), MLB.com (Milwaukee Brewers), (2013年3月13日), http://milwaukee.brewers.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20130313&content_id=42699834&vkey=pr_mil&c_id=mil . 2014年7月27日閲覧. 
  25. Adam McCalvy (2013年3月13日). “Brewers, Gomez agree on three-year extension”. MLB.com. . 2014年7月27日閲覧.
  26. 出野哲也、「2013年"準MVP"10人」『月刊スラッガー』2013年12月号、雑誌15509-12、13頁
  27. C.ゴメス、アストロズへ“今度こそ”トレード移籍 「数時間だけの話じゃないよね?」”. ISM (2015年7月31日). . 2015年8月3日閲覧.
  28. Astros add Gomez, Fiers from Brewers”. MLB.com (2015年7月30日). . 2015年8月2日閲覧.
  29. Jake Kaplan (2016年8月10日). “Astros cut ties with Carlos Gomez”. Houston Chronicle. . 2016年8月19日閲覧.
  30. 30.0 30.1 MLB公式プロフィール参照。2016年8月27日閲覧。
  31. Carlos Gomez to Rangers: Latest Contract Details, Comments, Reaction”. Bleacher Report (2016年8月25日). . 2016年8月20日閲覧.
  32. ゴメス、自身2度目のサイクル達成 ダル3勝目を援護”. スポニチアネックス (2017年4月30日). . 2017年4月30日閲覧.
  33. Gomez's cycle backs hard-working Darvish” (英語). MLB.com (2017年4月29日). . 2017年5月2日閲覧.
  34. David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. . 2018年3月6日閲覧.
  35. FA市場の外野2選手が契約 C・ゴメスはレイズ ラスマスはオリオールズとマイナー契約”. スポーツニッポン新聞社 (2018年2月22日). . 2018年3月6日閲覧.
  36. Bill Chastain (2018年3月3日). “Gomez signing official; Rays DFA Schimpf” (英語). MLB.com. . 2018年3月6日閲覧.
  37. Carlos Gomez - Pecota” (英語). baseball prospectus.com. . 2008年3月19日閲覧.
  38. 津川晋一 「2008 MLB選手名鑑 ミネソタ・ツインズ」 『月刊スラッガー No.120 , 2008年4月号』 日本スポーツ企画出版社、42-43頁。
  39. 大富真一郎 「アメリカン・リーグの新人王候補」 『月刊メジャー・リーグ 2008年5月号』 ベースボール・マガジン社、40-41頁。
  40. Kevin Goldstein (2006年12月14日). “Future Shock: New York Mets Top Ten Prospects” (英語). Baseball Prospectus. . 2009年1月28日閲覧.
  41. 2007 Top Prospects - NL East” (英語). Minor League Baseball. . 2009年1月28日閲覧.

関連項目

外部リンク

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