カムチャツカ半島

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カムチャツカ半島(カムチャツカはんとう、ロシア語Полуостров Камчатка パルオーストラフ・カムチャートカ、あるいはカムチャッカ)は、ユーラシア大陸の北東部にある半島である。南南西方向に伸びた半島であり、面積は472,300km2、長さ1,250km気候亜寒帯気候からツンドラ気候。全域がロシア連邦の領土であり、以前は南部がカムチャツカ州、北部がコリャーク自治管区に属していたが、2007年7月に両地域が合併してカムチャツカ地方となった。日本では、古くは勘察加(かむさすか)と呼んでいた。

地勢

南は千島列島占守島千島海峡を隔てて向かい合うロパトカ岬、中央部では東西に約450kmあり、北端のパラポリスキー地峡で100kmほどの幅に狭まった、南北に長い紡錘形をしている。半島の東側はベーリング海太平洋、西側はオホーツク海に面するが、アバチャ湾にある州都のペトロパブロフスク・カムチャツキーを始め主要港は東岸に集中している。

中央山脈(スレジンヌイ山脈)と東山脈が並行して南北に走り、環太平洋造山帯の一部を成す。ここ300年で50回もの大爆発をしている半島最高峰のクリュチェフスカヤ山(4,835m)など、多くの火山を抱えている。

ファイル:Kamchatka peninsula topo.jpg
カムチャツカ半島の高度分布地図 半島中央東に円形に白く描かれている標高の高い部分は半島の最高峰クリュチェフスカヤ山 (4,835m)。ロパトカ岬(南端)の緯度は北緯50度52分である。

東岸には北から順に、オリュトルスキー湾русский版アナプカ湾русский版カラギンスキー湾русский版カラギンスキー島カムチャツカ川河口、カムチャツカ湾русский版、アバチャ湾が位置する。

歴史

当地は、アイヌカムチャダールなどが古来より住んでいて、和人も居住。日本では安東氏や松前藩の領有地として認識されていた。カムチャツカ半島について、西洋人に詳細な情報がもたらされ始めたのは17世紀のことである。イワン・カムチャツキーрусский版セミョン・デジニョフなどのロシアの探検家によって、この地域の情報が集められた。17世紀末には入植が開始されている。

1697年、カムチャツカのはるか北部にあるアナディリのアナディール城から、ウラジーミル・アトラソフ率いる約120人の軍勢がカムチャツカ西岸を南進し、アイヌ和人との戦闘が起こった。カムチャダールの集落には伝兵衛という和人が居住していたが、アトラゾフに捕らえられペテルブルクに連行された。連行された伝兵衛は、ペテルブルク日本語学校の校長として生涯を終えている。1700年元禄13年)、幕命により松前藩は勘察加(カムチャツカ半島)を含む蝦夷全図と松前島郷帳を作成。1706年頃にはカムチャツカはロシアによって占領される。

1713年頃には約500名のコサックが居住していた。1715年正徳5年)、松前藩主は幕府に対し、「十州島唐太千島列島、勘察加(カムチャツカ半島)」は松前藩領と報告。その後、18世紀前半にはヴィトゥス・ベーリングにより2度の探検が行われている。1729年、日本人ゴンザとソウザら17名(二人以外は後にロシア側に殺害されたという)の乗った「若潮丸」が半島南端のロパトカ岬付近に漂着。1731年から1739年までカムチャダールの大反乱が起こったが、ロシア人はなどの武器を使用し反乱を制圧。

日本人大黒屋光太夫の一行が、ペテルブルクへ向かう途中、1787年から約1年カムチャッカに滞在しており、当時の様子が「北槎聞略」に記されている[1]

1854年にはクリミア戦争のため、英仏艦隊がペトロパブロフスク・カムチャツキーに来寇している(ペトロパブロフスク・カムチャツキー包囲戦)。

冷戦期にはアメリカ合衆国に最も近いソ連領として軍事地帯に指定され、1990年まで外国人の入域は禁止されていた。

民族

その他

日本語訳において、かつては「カムチャッカ」と書かれることも多かった。「Камчатка」を現代の片仮名転写の一般例に照らせば「カムチャートカ」または「カムチャトカ」という表記になるが、日本語では慣習的な「カムチャツカ」や「カムチャッカ」の定着度が高いので現在でもそのような表記が用いられることは少ない。古くは「カムサツカ」(勘察加)と書かれたこともあった。

脚注

  1. 桂川甫周 『北槎聞略・大黒屋光太夫ロシア漂流記』 亀井高孝、岩波書店岩波文庫〉、1993年、38-41。ISBN 4-00-334561-4。

関連項目

外部リンク