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ヨーロッパ北西部にある立憲君主制の島国。グレートブリテン島,アイルランド島北東部,および周辺の島嶼からなり,西と北は大西洋に臨み,南はイギリス海峡,東は北海を隔ててヨーロッパ大陸と相対する。イングランド,ウェールズ,スコットランドからなるグレートブリテン島は,山地,丘陵や低地の入り組んだ変化に富む地形を示すが,ロンドン盆地を中心に低地と丘陵からなる南東部の低地イギリスと,それ以外の山地や高地が多い高地イギリスに大別できる。最高峰はスコットランドのグランピアン山脈にあるベンネビス山(1343m)。海岸線は屈曲に富み,北西岸にはフィヨルドが,テムズ川,セバーン川,ハンバー川,フォース川,クライド川などの河口部には三角江(エスチュアリー)が発達。北アイルランドのほぼ中央にはイギリス最大の湖ネー湖が広がる。気候は海洋性で,暖流である北大西洋海流と偏西風の影響により,高緯度に位置するわりに冬は暖かく,夏は涼しい。年降水量は 900~1000mmであるが,地域差が大きく,概して西から東へ向かって減少する。住民はアングロ・サクソン系(→アングロ・サクソン人)が主体で,英語が公用語であり通用語であるが,ウェールズにはケルト語派に属するウェールズ語も話す住民が多い。アングリカン・チャーチが国教として定められているが,信教の自由は完全に保証されている。
 
ヨーロッパ北西部にある立憲君主制の島国。グレートブリテン島,アイルランド島北東部,および周辺の島嶼からなり,西と北は大西洋に臨み,南はイギリス海峡,東は北海を隔ててヨーロッパ大陸と相対する。イングランド,ウェールズ,スコットランドからなるグレートブリテン島は,山地,丘陵や低地の入り組んだ変化に富む地形を示すが,ロンドン盆地を中心に低地と丘陵からなる南東部の低地イギリスと,それ以外の山地や高地が多い高地イギリスに大別できる。最高峰はスコットランドのグランピアン山脈にあるベンネビス山(1343m)。海岸線は屈曲に富み,北西岸にはフィヨルドが,テムズ川,セバーン川,ハンバー川,フォース川,クライド川などの河口部には三角江(エスチュアリー)が発達。北アイルランドのほぼ中央にはイギリス最大の湖ネー湖が広がる。気候は海洋性で,暖流である北大西洋海流と偏西風の影響により,高緯度に位置するわりに冬は暖かく,夏は涼しい。年降水量は 900~1000mmであるが,地域差が大きく,概して西から東へ向かって減少する。住民はアングロ・サクソン系(→アングロ・サクソン人)が主体で,英語が公用語であり通用語であるが,ウェールズにはケルト語派に属するウェールズ語も話す住民が多い。アングリカン・チャーチが国教として定められているが,信教の自由は完全に保証されている。
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829年ウェセックス王エグベルトによってイングランドが統一され,1536年にウェールズ,1707年にスコットランド,1800年にアイルランドが合併された(今日の北アイルランドを除くアイルランド島は 1922年自治領として分離し,のち共和国として独立)。18世紀後半から 19世紀前半にかけて第2次[[エンクロージャー]]により大農法が実施され,産業革命により大工場制工業が確立して世界の先進工業国となり,ビクトリア時代(1837~1901)に大英帝国黄金期を迎えたが,第1次世界大戦後,経済的主導権はアメリカ合衆国に移り,さらに第2次世界大戦後は海外植民地が相次いで独立するとともに,アメリカ,ソビエト連邦の台頭により,世界の政治,経済に占めるイギリスの地位は相対的に低下。
 
829年ウェセックス王エグベルトによってイングランドが統一され,1536年にウェールズ,1707年にスコットランド,1800年にアイルランドが合併された(今日の北アイルランドを除くアイルランド島は 1922年自治領として分離し,のち共和国として独立)。18世紀後半から 19世紀前半にかけて第2次[[エンクロージャー]]により大農法が実施され,産業革命により大工場制工業が確立して世界の先進工業国となり,ビクトリア時代(1837~1901)に大英帝国黄金期を迎えたが,第1次世界大戦後,経済的主導権はアメリカ合衆国に移り,さらに第2次世界大戦後は海外植民地が相次いで独立するとともに,アメリカ,ソビエト連邦の台頭により,世界の政治,経済に占めるイギリスの地位は相対的に低下。
  
 
しかし依然として世界の主要工業国の一つであることに変わりなく,鉄鋼,機械,化学,電子,自動車,航空機,繊維,衣料などの工業が発達し,ロンドンは世界金融の一中心となっている。その反面,第1次産業の比重がきわめて低く,食糧や工業原料は大部分輸入に依存,これが国際収支の慢性的赤字の大きな原因となっている。しかし,1970年代には新たに発見された北海油田の開発が進み,1980年代からは石油輸出国となり,その収益は経済の一端を支えている。旧植民地とのつながりはイギリス連邦を通じて保たれ,アメリカとは依然,関係が深い。北大西洋条約機構 NATO加盟国。1973年ヨーロッパ共同体 EC加盟([[ヨーロッパ連合]])。([[イギリス史]])
 
しかし依然として世界の主要工業国の一つであることに変わりなく,鉄鋼,機械,化学,電子,自動車,航空機,繊維,衣料などの工業が発達し,ロンドンは世界金融の一中心となっている。その反面,第1次産業の比重がきわめて低く,食糧や工業原料は大部分輸入に依存,これが国際収支の慢性的赤字の大きな原因となっている。しかし,1970年代には新たに発見された北海油田の開発が進み,1980年代からは石油輸出国となり,その収益は経済の一端を支えている。旧植民地とのつながりはイギリス連邦を通じて保たれ,アメリカとは依然,関係が深い。北大西洋条約機構 NATO加盟国。1973年ヨーロッパ共同体 EC加盟([[ヨーロッパ連合]])。([[イギリス史]])
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United Kingdom

正式名称 グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland。

面積 24万3073km2
人口 6422万9000(2013推計)
首都 ロンドン

ヨーロッパ北西部にある立憲君主制の島国。グレートブリテン島,アイルランド島北東部,および周辺の島嶼からなり,西と北は大西洋に臨み,南はイギリス海峡,東は北海を隔ててヨーロッパ大陸と相対する。イングランド,ウェールズ,スコットランドからなるグレートブリテン島は,山地,丘陵や低地の入り組んだ変化に富む地形を示すが,ロンドン盆地を中心に低地と丘陵からなる南東部の低地イギリスと,それ以外の山地や高地が多い高地イギリスに大別できる。最高峰はスコットランドのグランピアン山脈にあるベンネビス山(1343m)。海岸線は屈曲に富み,北西岸にはフィヨルドが,テムズ川,セバーン川,ハンバー川,フォース川,クライド川などの河口部には三角江(エスチュアリー)が発達。北アイルランドのほぼ中央にはイギリス最大の湖ネー湖が広がる。気候は海洋性で,暖流である北大西洋海流と偏西風の影響により,高緯度に位置するわりに冬は暖かく,夏は涼しい。年降水量は 900~1000mmであるが,地域差が大きく,概して西から東へ向かって減少する。住民はアングロ・サクソン系(→アングロ・サクソン人)が主体で,英語が公用語であり通用語であるが,ウェールズにはケルト語派に属するウェールズ語も話す住民が多い。アングリカン・チャーチが国教として定められているが,信教の自由は完全に保証されている。

イギリス2.png

829年ウェセックス王エグベルトによってイングランドが統一され,1536年にウェールズ,1707年にスコットランド,1800年にアイルランドが合併された(今日の北アイルランドを除くアイルランド島は 1922年自治領として分離し,のち共和国として独立)。18世紀後半から 19世紀前半にかけて第2次エンクロージャーにより大農法が実施され,産業革命により大工場制工業が確立して世界の先進工業国となり,ビクトリア時代(1837~1901)に大英帝国黄金期を迎えたが,第1次世界大戦後,経済的主導権はアメリカ合衆国に移り,さらに第2次世界大戦後は海外植民地が相次いで独立するとともに,アメリカ,ソビエト連邦の台頭により,世界の政治,経済に占めるイギリスの地位は相対的に低下。

しかし依然として世界の主要工業国の一つであることに変わりなく,鉄鋼,機械,化学,電子,自動車,航空機,繊維,衣料などの工業が発達し,ロンドンは世界金融の一中心となっている。その反面,第1次産業の比重がきわめて低く,食糧や工業原料は大部分輸入に依存,これが国際収支の慢性的赤字の大きな原因となっている。しかし,1970年代には新たに発見された北海油田の開発が進み,1980年代からは石油輸出国となり,その収益は経済の一端を支えている。旧植民地とのつながりはイギリス連邦を通じて保たれ,アメリカとは依然,関係が深い。北大西洋条約機構 NATO加盟国。1973年ヨーロッパ共同体 EC加盟(ヨーロッパ連合)。(イギリス史