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{{Otheruses|魚のアユ|その他の用法|あゆ (曖昧さ回避)}}
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{{生物分類表
 
{{生物分類表
 
|名称 = アユ
 
|名称 = アユ
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|英名 = Ayu<br>Ayu Fish
 
|英名 = Ayu<br>Ayu Fish
 
}}
 
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{{導入部が短い|date=2018年5月}}
 
'''アユ'''(鮎、香魚、年魚、{{snamei||Plecoglossus altivelis}})は、キュウリウオ目に分類される、[[川]]や[[海]]などを[[回遊]]する魚である。
 
 
== 分類 ==
 
[[アユ科]] {{sname||Plecoglossidae}} とされたこともあったが、[[w:Joseph S. Nelson|Nelson]] (2006) は、[[キュウリウオ科]]の下に[[単型 (分類学)|単型]]の[[アユ亜科]] {{sname||Plecoglossinae}} を置く分類を提唱した<ref>{{Google books|exTV-GLnCB4C|page=195|Fishes of the world (4th edn)}}</ref>。[[ミトコンドリアDNA|ミトコンドリア遺伝子]]に対する[[分子系統]]解析では、キュウリウオ科で最も早く分岐した種であることが示されている(下図)<ref>{{citation|title=Contrasting Evolutionary Pathways of Anadromy in Euteleostean Fishes|author=JJ Dodson, J Laroche, F lecomte|year=2009|url=http://www.bio.ulaval.ca/labdodson/Papers%20Julian/159.Dodsonetal.2009_AFS.pdf}}</ref>。
 
 
{{Clade | style=line-height:1em; font-size:small;
 
  |label1=[[キュウリウオ目]]
 
  |{{Clade
 
    |[[ガラクシアス科]]
 
    |{{Clade
 
      |[[レトロピンナ科]]
 
      |label2=[[キュウリウオ科]]
 
      |{{Clade
 
        |label1=アユ亜科|'''アユ'''
 
        |{{Clade
 
          |[[キュウリウオ]] など
 
          |[[ワカサギ]]・[[シシャモ]] など
 
          |[[カラフトシシャモ]] など
 
          |[[シラウオ]]・[[アリアケシラウオ]]・[[ヒメシラウオ]] など
 
        }}
 
      }}
 
    }}
 
  }}
 
}}
 
 
== 名称 ==
 
漢字表記としては、香魚(独特の香気をもつことに由来)、年魚(一年で一生を終えることに由来)、銀口魚(泳いでいると口が銀色に光ることに由来)、渓鰮(渓流のイワシの意味)、細鱗魚(鱗が小さい)、国栖魚(奈良県の土着の人々・国栖が[[吉野川]]のアユを朝廷に献上したことに由来)、鰷魚(江戸時代の書物の「[[ハヤ|ハエ]]」の誤記)など様々な漢字表記がある<ref name="atejinoomoshirozatsugaku_p46-47">フリーランス雑学ライダーズ編『あて字のおもしろ雑学』pp.46–47 1988年 [[永岡書店]], ISBN 9784522011607</ref>。また、アイ、アア、シロイオ、チョウセンバヤ([[久留米市]])、アイナゴ(幼魚・南紀)、ハイカラ(幼魚)、氷魚(幼魚)など地方名、成長段階による呼び分け等によって様々な別名や地方名がある。
 
 
アユの語源は、秋の産卵期に川を下ることから「アユル」(落ちるの意)に由来するとの説や神前に供える食物であるというところから「饗(あえ)」に由来するとの説など諸説ある<ref name="atejinoomoshirozatsugaku_p46">フリーランス雑学ライダーズ編『あて字のおもしろ雑学』p.46 1988年 永岡書店</ref>。
 
 
現在の「鮎」の字が当てられている由来は諸説あり、[[神功皇后]]がアユを釣って戦いの勝敗を占ったとする説<ref name="atejinoomoshirozatsugaku_p46"/>、アユが一定の縄張りを独占する(占める)ところからつけられた字であるというものなど諸説ある。アユという意味での漢字の鮎は[[奈良時代]]ごろから使われていたが、当時の鮎は[[ナマズ]]を指しており、[[記紀]]を含めほとんどがアユを年魚と表記している。
 
 
中国で漢字の「鮎」は古代日本と同様ナマズを指しており<ref name="atejinoomoshirozatsugaku_p46"/>、[[中国語]]でアユは、「香魚(シャンユー、xiāngyú)」が標準名とされている。[[地方名]]では、[[山東省]]で「秋生魚」、「海胎魚」、[[福建省]]南部では「溪鰛」、[[台湾]]では「𫙮<ref>魚偏に桀</ref>魚」、「國姓魚」とも呼ばれる。
 
 
[[俳句]]の[[季語]]として「鮎」「鵜飼」はともに夏をあらわすが、春には「若鮎」、秋は「落ち鮎」、冬の季語は「氷魚(ひお、ひうお)」と、四季折々の季語に使用されている。
 
 
== 特徴 ==
 
=== 形態 ===
 
成魚の全長は30cmに達するが、地域差や個体差があり、10cmほどで性成熟するものもいる。若魚は全身が灰緑色で背鰭が黒、胸びれの後方に大きな黄色の楕円形斑が一つある。秋に性成熟すると橙色と黒の[[婚姻色]]が発現する。体型や脂鰭を持つなどの特徴がサケ科に類似する。口は大きく目の下まで裂けるが、唇は柔らかい。[[歯]]は丸く、[[櫛]](くし)のような構造である。
 
 
=== 分布 ===
 
[[北海道]]・[[朝鮮半島]]から[[ベトナム]]北部まで[[東アジア]]一帯に分布し、日本がその中心である<ref name="ayunohon_1">『ここまでわかった アユの本 変化する川と鮎、天然アユはどこにいる?』,高橋勇夫、東健作著,築地書館刊,2006, ISBN 9784806713234, px-xiv アユの基礎知識</ref>。石についた藻類を食べるという習性から、そのような環境のある河川に生息し、長大な下流域をもつ大陸の大河川よりも、日本の川に適応した魚である<ref name="ayunohon_1"/>。[[天塩川]]が日本の分布北限。遺伝的に日本産海産アユは南北2つの群に分けられる<ref name="fra32">{{PDFlink|[http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull/bull-b5/32.pdf アユ個体群の構造解析における進展とその今日的意義]}} [[水産総合研究センター]] 水研セ研報 2006; suppl. 5:187-195</ref>。[[中華人民共和国|中国]]では、河川環境の悪化でその数は減少しているが、[[2004年]]に[[長江]]下流域でも稚魚が発見された報告があるなど、現在も[[鴨緑江]]はじめ、東部の各地に生息している。また、中国では[[浙江省]]などで放流や養殖実験が行われている。[[台湾]]でも中部の[[濁水渓]]以北で生息していたが、現在は絶滅が危惧されている。
 
 
== 亜種 ==
 
=== 模式亜種 ===
 
{{snamei|Plecoglossus altivelis altivelis}} ({{AUY|Temminck et Schlegel|1846}})。
 
 
「アユ」を亜種 {{snamei|P. a. altivelis}} とすることもある。
 
 
==== オオアユ ====
 
琵琶湖のコアユに対し、両側回遊([[#生活史]]を参照)する通常の個体群をオオアユと呼ぶ。
 
 
==== コアユ ====
 
[[image:Plecoglossus altivelis altivelis ayu.jpg|200px|thumb|right|琵琶湖産コアユ]]
 
琵琶湖に生息するアユは、オオアユと遺伝的に異なる<ref>{{cite web|title=神奈川県水産技術センター 内水面試験場 アユ|url=http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/n_ayu.asp|accessdate=2012-06-30}}</ref>。ただし、正式な亜種としては分類されていない。[[アイソザイム]](アロザイム)分析の結果、日本本土産の海産アユからの別離は10 万年前と推定されている<ref name="fra32" />。
 
 
生態的にも特殊で、仔稚魚期に海には下らず、琵琶湖を海の代わりとして利用している。琵琶湖の流入河川へ遡上し、他地域のアユのように大きく成長するもの(オオアユ)と、湖内にとどまり大きく成長しないもの(コアユ)が存在する。従来、オオアユとコアユの「両者間での遺伝的な差はない」とされていたが、「亜種として隔離の兆候が出ている」とする研究結果もある<ref name="fra32"/>。河川に遡上しないコアユは、餌としてミジンコ類を主に捕食する。同じ琵琶湖に生息する[[ビワマス]]では海水耐性が発達せず降海後に死滅することが報告されている<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/tech_repo/fe02/fishandegg159_p25-38.pdf 藤岡康弘、ビワマス]}} 水産総合研究センター さけますセンター『魚と卵』第159号 1990(H2)年3月</ref>が、コアユにおいても海水耐性が失われている可能性が示唆されている<ref name="JASI73-0608">{{citation|title=海域におけるアユ仔稚魚の生態特性の解明|author=大竹 二雄|issn=13469894|url=http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010730608}}</ref>。また、海産アユとの交雑個体も降海後に死滅していることが示唆されている<ref name="JASI73-0608" />。
 
 
産卵数は 海産アユより多く、他地域のアユと比べ縄張り意識が強いとされている。そのため友釣りには好都合で、全国各地の河川に放流されてきたが、琵琶湖産種苗の仔アユあるいは交配稚魚は海に下っても翌年遡上しないこと<ref name="JASI73-0608" />が強く示唆されており、天然海産アユとの交配により子の海水耐性が失われ死滅することによる資源減少が懸念されている<ref>{{cite web|title=人工長期継代アユの遺伝子特性調査|url=http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/kenkyu/h10/H10_109c3501.pdf|accessdate=2012-06-30}}</ref>。[[滋賀県]]では[[小鮎の甘露煮]]が造られている。
 
 
=== リュウキュウアユ ===
 
{{snamei|P. altivelis ryukyuensis}} {{AUY|Nishida|1988}}<ref>[[西田睦]]、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji1950/35/3/35_3_236/_article/-char/ja/ 琉球列島より得られたアユの新亜種] 魚類学雑誌 Vol.35 (1988–1989) No.3 pp.236–242, {{DOI|10.11369/jji1950.35.236}}</ref>。
 
 
{{絶滅危惧IA類|category=off}}
 
 
絶滅危惧種<ref name=okinawa>{{cite web|title=改訂版 レッドデータおきなわ-動物編- 魚類|url=http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/9962/gyorui.pdf|accessdate=2012-06-30}}</ref>。
 
 
{{main|リュウキュウアユ}}
 
 
=== 中国産亜種 ===
 
{{snamei|Plecoglossus altivelis chinensis}}。
 
 
Xiujuan et al., 2005 により、新亜種として記載された<ref name="fra32"/>。[[大韓民国]]から[[中華人民共和国]]、[[ベトナム]]国境地帯にかけての海岸に生息する。
 
 
=== 朝鮮半島産個体群 ===
 
予備的な研究により日本産と遺伝的に有意の差があるとの報告がされている<ref name="fra32"/>。
 
 
== 生活史 ==
 
[[画像:Ayu TamagawaChofu 0403241c.jpg|thumb|200px|川を上るアユ。[[多摩川]]調布堰にて]]
 
アユの成魚は川で生活し、川で産卵するが、生活史の3分の1程度を占める仔稚魚期には海で生活する。このような回遊は「両側回遊」(りょうそくかいゆう)と呼ばれる。ただし、河口域の環境によっては、河口域にも仔稚魚の成育場が形成される場合もある。
 
 
=== 産卵 ===
 
親のアユは遡上した河川を流下し河川の下流域に降り産卵を行う。最高水温が20℃を下回る頃に始まり、最高水温が16℃を下回る頃に終了する。粒径 1mm程度の沈性粘着卵を夜間に産卵する<ref>[http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/ayu/ayu_sanrann.html アユの産卵場調査] 神奈川県水産技術センター</ref>。産卵に適した河床は、粒の小さな砂利質で泥の堆積のない水通しの良く砂利が動く場所が必要である。つまり、砂利質であっても[[ヒゲナガカワトビケラ]]の幼虫(俗称:クロカワムシ)などにより河床が固められた場所では産卵できない。産卵様式は、1対1ではなく必ず2個体以上のオスとの産卵放精が行われる<ref name="77_3_356"/>。また、資源保護を目的として「付着藻類を取り除く」「河床を掘り起こし水通しを良くする」などの河床を産卵に適する環境に整備する活動が各地で行われている<ref>{{PDFlink|[http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/nourin/naisuisi/ayu%20sojou%20h25/zousei.pdf アユの産卵場造成マニュアル] 茨城県水産試験場}}</ref>。
 
* 流速 40 - 100cm/s
 
* 水深 10 - 60cm
 
* 卵は河床表面から 5 - 10cm に埋没
 
 
=== 孵化 ===
 
水温15℃から20℃で2週間ほどすると[[孵化]]する。孵化した[[仔魚]]は[[シロウオ]]のように透明で、心臓やうきぶくろなどが透けて見える。孵化後の仔魚は全長約6mmで卵黄嚢を持つ。
 
 
=== 仔稚魚期 ===
 
仔魚は数日のうちに海あるいは[[河口]]域に流下し春の遡上に備える。海水耐性を備えているが、海水の塩分濃度の低い場所を選ぶため、河口から4kmを越えない範囲を回遊する<ref>[http://doi.org/10.2331/suisan.74.841 山本敏哉、三戸勇吾 ほか、矢作川河口周辺海域(三河湾西部)におけるアユ仔稚魚の分布と底質との関係] 日本水産学会誌 Vol.74 (2008) No.5 P841-848</ref>。餌は[[カイアシ類]]などの[[プランクトン]]を捕食して成長する。稚魚期に必要な海底の形質は砂利や砂で、海底が泥の場所では生育しない。全長約10 mm程度から砂浜海岸や河口域の浅所に集まるが、この頃から既に[[スイカ]]や[[キュウリ]]に似た香りがある。この独特の香りは、アユの体内の不飽和脂肪酸が酵素によって分解されたときの匂いであり、アユ体内の脂肪酸は餌飼料の影響を受けることから、育ち方によって香りが異なることになる。香り成分は主に[[2,6-ノナジエナール]]であり、[[2-ノネナール]]・3,6-ノナジエン-1-オールも関与している<ref>{{JGLOBAL ID|200902055531571712|魚類の匂いに関する研究‐I アユおよびその餌飼料の揮発性成分の同定}}, {{naid|130001545571}}</ref>。稚魚期には、プランクトンや小型水生昆虫、落下昆虫を捕食する。
 
 
=== 遡上・成魚 ===
 
[[image:Plecoglossus_altivelis_altivelis_hami-ato1.jpg|thumb|200px|鮎の食み跡]]
 
体長59-63mmになると鱗が全身に形成され稚魚は翌年4月-5月頃に5-10cm程度になり、川を遡上するが、この頃から体に色がつき、さらに歯の形が岩の上の藻類を食べるのに適した櫛(くし)のような形に変化する。川の上流から中流域にたどり着いた幼魚は[[水生昆虫]]なども食べるが、石に付着する[[藍藻]]類および[[珪藻]]類([[バイオフィルム]])を主食とするようになる。アユが岩石表面の藻類をこそげ取ると岩の上に紡錘形の独特の食べ痕が残り、これを特に「はみあと(食み跡)」という。アユを川辺から観察すると、藻類を食べるためにしばしば岩石に頭をこすりつけるような動作を行うので他の魚と区別できる。
 
 
多くの若魚は群れをつくるが、特に体が大きくなった何割かの若魚はえさの藻類が多い場所を独占して[[縄張り]]を作るようになる。一般には、縄張りを持つようになったアユは黄色みを帯びることで知られている<ref name="ayunohon_2">『ここまでわかった アユの本』,高橋勇夫・東健作・著,築地書館・刊,2006,p4-17</ref>。特にヒレの縁や胸にできる黄色斑は縄張りをもつアユのシンボルとされている<ref name="ayunohon_2"/>。アユの視覚は黄色を強く認識し、それによって各個体の争いを回避していると考えられている<ref name="ayunohon_2"/><ref>ただしこれらは一般に流布している学説であって、『ここまでわかった アユの本』では、縄張りをもたず群れで生活している天然アユにも黄色くなるものがいる例を上げて、最終的にはよくわかっていないとしている。</ref>。縄張りは1尾のアユにつき約1m四方ほどで、この縄張り内に入った他の個体には体当たりなどの激しい攻撃を加える。この性質を利用してアユを掛けるのが「[[友釣り]]」で、釣り人たちが10m近い釣竿を静かに構えてアユを釣る姿は日本の夏の[[風物詩]]である<ref>[http://www.city.gojo.lg.jp/www/contents/1146041721418/index.html 吉野川] 五條市</ref>。
 
 
夏の頃、若魚では灰緑色だった体色が、秋に性成熟すると「さびあゆ」と呼ばれる橙と黒の独特の婚姻色へ変化する。成魚は産卵のため下流域への降河を開始するが、この行動を示すものを指して「落ちあゆ」という呼称もある。産卵を終えたアユは1年間の短い一生を終えるが、広島県[[太田川]]、静岡県[[柿田川]]などの一部の河川やダムの上流部では生き延びて[[越冬]]する個体もいる<ref>[http://www.cbr.mlit.go.jp/numazu/kanogawa/digital/data/contents/kano_37.html 柿田川] 国交省沼津河川国道事務所</ref>。太田川での調査結果からは、越年アユは全て雌である。また、再成熟しての産卵は行われないと考えられている<ref>[http://doi.org/10.2331/suisan.62.46 栄研二、海野徹也ほか、広島県太田川における越年アユの生物学的,生化学的性状] 日本水産学会誌 Vol.62 (1996) No.1 P46-50</ref>。
 
 
== 飼育 ==
 
{{要出典範囲|アユの観賞魚用としての飼育自体は稀である|date=2011年5月}}が、コアユ(陸封型)であれば可能である。また、遡上型のアユも稚アユの時期より育てれば可能である。高水温に弱いため夏場の温度管理が重要である。食性は主に植物性であるが、コアユの場合は動物性がより強いので、稀に[[動物プランクトン]]も食べる。また、観賞魚として水槽内で飼育した場合は成熟までに至らないケースが多いため、1年から3年は生きる。
 
 
== 日本におけるアユ ==
 
{{multiple image
 
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| header    = さまざまな鮎料理
 
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| image1    = Charcoal broiled Ayu.JPG
 
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| caption1  = 塩焼き
 
 
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| caption2  = 活造り
 
 
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| caption5  = 甘露煮
 
}}
 
日本では代表的な[[川釣り]]の対象魚であり、重要な食用魚でもある。地方公共団体を象徴する魚として指定する自治体も多い。稚魚期を降海し過ごすアユ ({{snamei|Plecoglossus altivelis altivelis}}) は、琵琶湖産コアユと区別するため、海産アユとも呼ばれる。
 
 
[[群馬県]]・[[岐阜県]]・[[奈良県]]では県魚に指定されている。
 
 
=== 食材 ===
 
特に天然アユを中心に、出まわる時期が限られていることから、初夏の代表的な味覚とされている<ref name="shokuzai_natu_ayu"/><ref name="sasimihyakka"/>。
 
 
日本各地のアユの胃の内容物に関する調査の結果、濁りが多い川のアユは胃に泥を多く持ち、食味にも泥臭さが出る。この場合、はらわたを除去することで泥臭さを避けることもできる。一方、泥が少ない川では胃にも泥が含まれず、食味も大幅に改善する。同じ川でも、遡上量が多く川底がアユによって「掃除」されたような年には風味も良くなる<ref>『ここまでわかった アユの本』p150-151</ref>。
 
 
日本では一般に、魚は刺身で食するのが最良とされている([[日本料理#割主烹従|割主烹従]])が、アユについては例外的に塩焼きが最良とされている<ref name="shokuzai_natu_ayu">『旬の食材 夏の魚』p70 鮎料理</ref>。一般に初夏のものはアユの独特の香気を味わい、晩夏のものは腹子を味わうとされている<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。
 
==== 焼き物・揚げ物 ====
 
アユは、初夏から夏の季節を代表する食材として知られ、清涼感をもたらす食材である。特に初夏の若アユが美味とされ、若アユの[[焼き魚|塩焼き]]や[[天ぷら]]は珍重される。鮎は[[タデ|蓼酢]]で食べるのが一般的<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>だが、ほかにも蓼味噌を添える場合もある<ref name="sasimihyakka">『刺身百科』[[柴田書店]] 2007年,p50-53</ref>。塩焼きにした後に残った骨はさらに炙り、[[熱燗]]の[[日本酒]]を注ぐ[[骨酒]]とすることができる。
 
 
==== 生食 ====
 
[[刺身]]や[[洗い]]などの生食が行われることがあるがアユは[[横川吸虫]]という[[寄生虫]]の中間宿主であり、[[食品安全委員会]]はこの観点から'''生食は薦められない'''としている<ref>{{PDFlink|[http://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H22_30.pdf 平成22年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告] 食品安全委員会}}</ref>。
 
 
刺身にするには、旬のアユを冷水で身を締め、洗いや背越しにする。特に背越しは骨の柔らかいアユの特徴的な調理方法で、ウロコや内臓を除去したのち、骨や皮ごと薄く輪切りにしたもので、清涼感のある見栄えや独特の歯ごたえを楽しむ。酢や蓼酢などで食することでもアユの香気を味わうことができる<ref name="sasimihyakka"/><ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。
 
 
[[酢]]や[[塩]]に浸け[[酢飯]]と合わせて[[発酵]]させる[[なれずし]]の「[[鮎鮨|鮎寿司]]」や、「姿寿司」・「押し寿司」、「[[柿の葉寿司]]」・「[[笹寿司]]」などを作る地方がある。[[JR]][[京都駅]]の名物[[駅弁]]ともなっている。
 
 
アユの腸を[[塩辛]]にした「[[うるか]]」は、珍味として喜ばれる<ref> 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p17 昭和33年12月25日発行</ref>。うるかを作るには、{{要出典範囲|腹に砂が入っていない(空腹になっている)夜間・朝獲れの鮎が好しとされる。|date=2011年5月}}
 
 
==== 煮物 ====
 
[[琵琶湖]]周辺などでは稚魚の氷魚の佃煮や、成魚の[[甘露煮]]も名物として製造販売されている。
 
==== シラス ====
 
[[シラス (魚)|シラス]]漁においては、海で過ごしているアユ仔魚・稚魚が混獲されることがある。しかし、{{要出典範囲|この場合は独特の香りが製品につくのでむしろ嫌われる。|date=2011年5月}}また、アユの仔稚魚は茹でると黄色になる。
 
==== アユ節 ====
 
乾燥させた鮎節は[[和食]]の[[出汁]]としても珍重される。また、鮎の干物からとった「[[出汁|水出汁]]」は、極めて上品。
 
 
=== 漁法 ===
 
[[ファイル:Yana.jpg|thumb|200px|right|簗が設置された河川]]
 
アユの若魚は[[刺し網]]、[[投網]]、産卵期に川を下る成魚は[[梁 (漁具)|簗(やな)]]などで漁獲される。アユにターゲットを絞った漁法として[[縄張り]]の性質を利用した[[友釣り]]がある。[[岐阜県]]の[[長良川]]などでは、[[ウミウ]]を利用した[[鵜飼い]]も知られる。
 
 
仔魚期から稚魚期の主要な餌は水生昆虫や水面落下昆虫であるため、毛鉤による[[フライ・フィッシング]]で釣れることもある。ただし、水産資源保護の観点から11月–5月は禁漁である。また、解禁された後も入漁料を支払う必要があることが多い。
 
 
=== 養殖 ===
 
アユは高級食材とされており、内水面で養殖される魚種としては[[ウナギ]]に次ぐ生産高を誇る。養殖は、食用とするための成魚の養殖と、遊漁目的の放流用種苗稚魚の養殖とが日本各地で行われ、稚魚養殖し天然河川に放流した個体を『半天然』と呼ぶこともある<ref name=aquaculturesci1953.38.206 />。一部では[[完全養殖]]も行われる。この際には、主として、天然の稚魚を3月から4月に捕獲し淡水で育成する方法が採用される。実際、「河口付近の川で採捕した河川産稚アユ」「河口付近の海洋回遊中に採捕した海産稚アユ」「湖や湖に注ぐ河口で採捕した湖産稚アユ(コアユ)」が種苗として供給されている。完全養殖の場合、一時海水中で飼育することもあり、餌は[[シオミズツボワムシ]]などの[[ワムシ]]類、[[アルテミア]]幼生、[[ミジンコ]]などが使用される。
 
{| style="background:white; border:1px solid dimgray; color:darkgray" border="0" height="230" align="center" valign="bottom" cellpadding=10px cellspacing=0px
 
|+ style="background:white; color:darkgray" | '''稚魚期の餌'''
 
|- align="center"
 
| [[File:Scenedesmus quadricanda EPA.jpg|200x100px|none]]
 
| [[File:Habrotrocha rosa 1.jpg|200x100px|none]]
 
| [[File:Nauplius larva of a cyclops copepod.jpg|200x100px|none]]
 
| [[File:Cyclops.jpg|200x100px|none]]
 
| [[File:Daphnia magna.png|200x100px|none]]
 
|- align="center" valign="top"
 
| '''[[植物プランクトン]]'''
 
| '''[[ワムシ|ワムシ類]]'''
 
| '''[[:en:crustacean larvae|甲殻類の幼生]]'''
 
| '''[[カイアシ類]]'''
 
| '''[[ミジンコ科|ミジンコ類]]'''
 
|}
 
 
アユの養殖の始まりは諸説ある。養殖の実験は、[[石川千代松]]<ref>石川千代松、「鮎の話」 農学研究 14, 61-76, 1930-02-01, {{naid|120005232615}}</ref>らにより[[1904年]]より琵琶湖で行われたのが最初とされている<ref>[http://www.tk2.nmt.ne.jp/~czar/ama/yousyoku/rekisi.html アユ養殖の歴史]</ref>。1960年代になると遊漁種苗の育成が盛んに行われるようになる。当初は琵琶湖産アユが養殖種苗として利用されていたが、海産の稚魚の利用も[[1929年]]中野宗治の研究により開始された。なお、養殖アユの生産量は、最盛期の[[1988年]]には1万3600トンあまりあったが、[[2001年]]に8100トン、[[2005年]]には5800トン程度まで減少した<ref>{{PDFlink|[http://home.hiroshima-u.ac.jp/~yamao/taikai/kobetu/1-5.pdf アユ養殖業の現状と課題] [[広島大学]]生物生産学部 食料生産管理学研究室}}</ref>。
 
 
アユについての漁業権のある河川では、毎年4-5月頃漁協により、10–15cm程度のサイズの稚魚の放流が行われる。
 
 
アユの養殖時の飼育適温は15-25℃であり、養殖用の生け簀(池)は長方形、円形など様々な形状のものが利用される。餌は、かつては[[カイコ]]の[[蛹]]粉末や魚の[[練り餌]]が使用されたが、現在では[[魚粉]]や魚[[すり身]]を主成分とした固形配合飼料が与えられる。アユは短期間に成長させる必要がある。このため、常に飽食量に近い量が給餌される結果、残った餌により養殖池の水質が悪化し、感染症が発生し易くなるという問題が生じやすい。また密度管理も重要である。これは、感染症対策をとる必要があるばかりでなく、生育密度が高いと共食いが発生しやすいためでもある。
 
 
21世紀初頭には流水池での養殖池を行い脂肪分を減少させる事や、配合飼料に[[藍藻]]、緑茶抽出物<ref>河野迪子、古川清、提坂裕子 ほか、「ブリおよびアユ養殖飼料への緑茶抽出物および茶殻の添加効果」 日本食品科学工学会誌 Vol.47 (2000) No.12 P.932-937, {{doi|10.3136/nskkk.47.932}}</ref>を添加することで動物質飼料由来の香りを抑制するなど、養殖方法にも工夫が加えられ養殖ものの食味を天然物に近づける努力もなされている。さらに、電照飼育により性的成熟を遅らせ、「越年アユ」として販売される場合もある。
 
 
主な生産地は、[[滋賀県]]、[[徳島県]]、[[和歌山県]]、[[愛知県]]、[[静岡県]]。
 
 
天然物と養殖物の違いとしては主に以下のようなものがある<ref name=aquaculturesci1953.38.206>石田力三、「天然アユと養殖アユの体形と味」 水産増殖 Vol.38 (1990) No.2 P.206-207,{{doi|10.11233/aquaculturesci1953.38.206}}</ref>。
 
;特有の香り
 
:養殖魚にはない。
 
;脂肪
 
:天然アユと養殖アユの比較では、養殖アユのほうが脂肪を約3倍多くもつ<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。とはいえ、魚体自体は大きなものではないし、一般にはそう頻繁に食する魚ではないので、カロリーの観点では脂肪分の差は無視できるレベルである<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。一方、脂肪が多いということは[[ビタミンD]]、[[ビタミンE]]といった脂溶性の栄養素をより多く含んでいることになる<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。栄養摂取の観点からも内臓ごと食することはより多くの栄養価を摂取することができる<ref name="shokuzai_natu_ayu"/>。
 
 
=== アユの感染症 ===
 
養殖において感染症が問題となる。例えば、グルゲア症が発生した場合、治療法がなく発病群の全個体を処分し池および関連器材を消毒しなければならない。
 
{|| class="wikitable"
 
|+アユの主な病気と症状の一覧<ref>{{PDFlink|[http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/ayu_byouki.pdf アユの病気] 日本水産資源保護協会}}</ref><ref>[http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/hamanako/3_f_ill/ayu.html 静岡県水産技術研究所 浜名湖分場] 魚病情報 アユの疾病</ref>
 
! rowspan="2" style="width:10%" |病名
 
! rowspan="2" style="width:15%" |病原体
 
! colspan="3" |特徴的な症状
 
|-
 
!style="width:20%" |体表、鰭
 
!style="width:10%" |えら(鰓)
 
!style="width:10%" | 内臓、筋肉
 
|-
 
|[[冷水病]]||フラボバクテリウム・サイクロフィラム<br />( ''Flavobacterium psychrophilum'' )||体表や尾柄部のびらん、潰瘍、下顎の出血||貧血||内臓の貧血
 
|-
 
|ビブリオ病||''Vibrio anguillarum''||体表や鰭の基部、肛門周辺の出血、体幹部の褪色やスレ|| ||内臓・筋肉の出血
 
|-
 
|[[細菌性鰓病]]|| フラボバクテリウムの一種<br />( ''Flavobacterium branchiophila'' ) ||鰓蓋が開いたまま||||鰓のうっ血、多量の粘液分泌、鰓弁の棍棒化
 
|-
 
|シュードモナス病(細菌性出血性腹水症)||''Pseudomonas plecoglossicida''||下顎の発赤・出血、肛門の拡張||軽度の貧血||
 
|-
 
|真菌性肉芽腫症||ミズカビ類の一種<br />( ''Aphanomyces piscicida'' )||皮膚の剥離、潰瘍や肉芽腫の形成||||真菌の伸長による発赤
 
|-
 
|ボケ病||不明||鰓蓋が開いたままになる||鰓弁の腫脹と棍棒化、鰓の褪色||
 
|-
 
|[[ミズカビ病]]||ミズカビ類のサプロレグニア属のカビなど||カビの集落を形成後、表皮組織が崩壊||||
 
|-
 
|グルゲア症||[[微胞子虫]]の一種<br />( ''Glugea plecoglossi'' )||乳白色で球形のグルゲアシストが体の各部位に形成||||
 
|}
 
 
=== 放流用種苗に係わる問題 ===
 
前述の様に、当初は琵琶湖産アユが養殖種苗として利用されていたが、海産の稚魚の利用もされているが、外部からの新規個体が導入されない環境で継代飼育されることが多く養殖場の環境に適応した個体のみが残ることとなり、飼育しやすい反面、単一の形質をもつ遺伝的な多様性に欠ける集団となる。その結果、環境ストレスに対する耐性(例:主たる捕食者の[[カワウ]]からの回避能力)を低下させると共に、継代人工種苗が親魚となった自然界での再生産のサイクルが良好に機能しない原因となっている可能性が指摘されている。しかし、遺伝的多様性を維持するために、養殖メスと野生オスを交配させ次世代の種苗とすることで遺伝的多様性の維持をはかることが可能である<ref name="77_3_356">[https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/77/3/77_3_356/_article/-char/ja/ 井口恵一朗、アユを絶やさないための生態研究] 日本水産学会誌 Vol.77 (2011) No.3 pp.356–359, {{DOI|10.2331/suisan.77.356}}</ref>。
 
 
=== 天然アユ復活への取り組み ===
 
流域下水道の整備による水質浄化、かつて生息していた河川の清掃、直線化した河川構造の改造、産卵床の整備などを通した天然アユ復活の試みは日本国内各地(島根県<ref>{{PDFlink|[http://www.pref.shimane.lg.jp/suisan/ayuzukuri.data/ayusengen.pdf 鮎の川を復活させるために 「しまねの鮎づくり」宣言]}} 島根県内水面漁業協同組合連合会</ref>、[[多摩川]]<ref>[http://suigenren.jp/news/2015/05/30/7305/ 香味よみがえる「江戸前アユ」 多摩川での復活劇] 水源開発問題全国連絡会 2015年5月30日</ref><ref>[http://www.ifarc.metro.tokyo.jp/27,929,55,225.html アユ] 東京都島しょ農林水産総合センター</ref>)。例えば[[神戸市]][[灘区]][[都賀川]]は、かつてゴミとヘドロで埋め尽くされた「どぶ川」だった。「都賀川を守ろう会」が、1976年より、戦前のように魚とりなどができるようにと活動を続け、ゴミを引き上げたり、車に拡声器を積み川を汚さないようにと訴えてきた。陳情を受けた[[兵庫県]]も[[魚道]]の整備、産卵用の砂を敷き、川を蛇行させて流れを緩やかにした。その結果、毎年2000匹ほどが遡上し、産卵も行われるようになった<ref>{{PDFlink|[https://web.pref.hyogo.lg.jp/ko05/documents/000018549.pdf 都賀川と「都賀川を守ろう会」] 兵庫県}}</ref><ref>[http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2013/05/20130501210901.html 都賀川 鮎の稚魚の放流] 神戸市</ref>。
 
 
=== 文学 ===
 
鮎は三夏の[[季語]]。鮎の子・若鮎は三春の季語。
 
 
=== 命名 ===
 
[[和菓子]]の一種に、鮎を形取って[[小麦粉]]を焼いて作った[[皮]]で[[求肥]]をはさんだものがあり、「鮎」または「[[若あゆ|若鮎]]」と呼ばれる。
 
 
== 参考画像 ==
 
<gallery>
 
Ayu.JPG|アユを模した和菓子の「鮎」
 
Plecoglossus altivelis altivelis 稚鮎.jpg|飼育される稚魚
 
Plecoglossus altivelis altivelis 釣れた稚鮎.jpg|釣れた稚鮎
 
Plecoglossus altivelis-01.jpg|販売される養殖アユ
 
</gallery>
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist|2}}
 
 
== 参考文献 ==
 
*『ここまでわかった アユの本』,高橋勇夫・東健作・著,築地書館・刊,2006
 
*『旬の食材 夏の魚』,講談社・編,2004 ISBN 4-06-270132-4
 
*『刺身百科』,柴田書店・編,2007 ISBN 978-4-388-06020-7
 
{{参照方法|date=2013年3月}}
 
 
* [[岡村収]]監修『山渓カラー名鑑 日本の海水魚』ISBN 4-635-09027-2
 
* [[川那部浩哉]]・[[水野信彦]]・[[細谷和海]]編『山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚』ISBN 4-635-09021-3
 
  
== 関連項目 ==
+
'''アユ'''(鮎、香魚、年魚、{{snamei||Plecoglossus altivelis}}
{{Wikispecies|Plecoglossus altivelis}}
 
{{Commonscat|Plecoglossus altivelis}}
 
* [[鵜飼い]]・[[友釣り]]・[[梁 (漁具)|簗]]
 
* [[石川千代松]] - 戦前の動物学者。コアユとアユが同じ種類であることを突き止めた。
 
* [[魚の一覧]]
 
* [[冷水病]]
 
* [[放流]] - [[遺伝子汚染]]
 
  
== 外部リンク ==
+
キュウリウオ目キュウリウオ科の魚。体長 30cm。背部は青みがかったオリーブ色,腹部は銀白色で,胸鰭上方に黄色斑をもつ。年魚で,秋に川の砂礫底に産卵する。孵化した仔魚は海へ下り,翌春 70~80mmになり川へ上る。幼魚は動物プランクトン([[プランクトン]])を捕食するが,成魚は植食性で岩に付着した藻類を食べる。[[なわばり]]をもつのが特徴で,この習性を利用した漁法に日本独特の[[友釣り]]がある。高級食用魚。日本全土,朝鮮半島,中国,ベトナム北部に分布する。かつて台湾にも生息していたが絶滅した。[[琵琶湖]]にはこの種の[[陸封]]型が見られる。
* [http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/n_ayu.asp あゆ] 神奈川県水産総合研究所内水面試験場
 
* [http://www.pref.nagano.lg.jp/xnousei/suishi/sakana/ayu.htm アユ]長野県水産試験場
 
** {{PDFlink|[http://www.pref.nagano.lg.jp/xnousei/suishi/report/kenkyu07_2.pdf 千曲川におけるアユの放流効果と冷水病の関係]}}
 
* [http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kankyo/ayu/index.html アユの遡上前線] [[国土交通省]]河川局
 
* [[環境省]]
 
** {{PDFlink|[https://www.env.go.jp/council/09water/y0910-10/ref01.pdf アユ・ワカサギに関する生態について] 環境省}}
 
* [http://www.biodic.go.jp/rdb_fts/2000/71-103.html 絶滅危惧種情報(動物) リュウキュウアユ] [[環境省]] 生物多様性センター
 
* [http://doi.org/10.11369/jji1950.9.135 本間義治、田村栄光:ビワ湖産コアユの生殖腺における週年変化] 魚類学雑誌 Vol.9 (1962) No.1-6 P135-152
 
  
 +
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{{DEFAULTSORT:あゆ}}

2018/8/27/ (月) 13:06時点における版


アユ(鮎、香魚、年魚、Plecoglossus altivelis

キュウリウオ目キュウリウオ科の魚。体長 30cm。背部は青みがかったオリーブ色,腹部は銀白色で,胸鰭上方に黄色斑をもつ。年魚で,秋に川の砂礫底に産卵する。孵化した仔魚は海へ下り,翌春 70~80mmになり川へ上る。幼魚は動物プランクトン(プランクトン)を捕食するが,成魚は植食性で岩に付着した藻類を食べる。なわばりをもつのが特徴で,この習性を利用した漁法に日本独特の友釣りがある。高級食用魚。日本全土,朝鮮半島,中国,ベトナム北部に分布する。かつて台湾にも生息していたが絶滅した。琵琶湖にはこの種の陸封型が見られる。



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