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{{出典の明記|date=2011年12月}}
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'''アムール川'''(アムールがわ、{{Lang-ru|'''Амур'''}}、[[ラテン文字]]転写: Amur)、あるいは'''黒竜江'''(こくりゅうこう、{{Lang-zh|'''黑龙江'''}}、{{ピン音|Hēilóngjiāng}}、[[満州語]]:{{ManchuSibeUnicode|ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ<br>ᡠᠯᠠ}}或いは{{ManchuSibeUnicode|ᡥᡝᠯᡠᠩ<br>ᡤᡳᠶᠠᠩ}}、転写:sahaliyan ula或いはhelung giyang<ref>『満洲実録・巻一』'' sahaliyan ula helung giyang inu, terei da šanggiyan alinci tucikebi.''(''sahaliyan ula''は黒竜江なり、長白山に源を発す)</ref>)は、[[ユーラシア大陸]]の北東部を流れる[[川]]である。中国では別に'''黒河'''、'''黒水'''などとも呼ばれる。上流部の支流を含めた全長4,368[[キロメートル|km]]は世界8位、[[流域面積]]は185万5500[[平方キロメートル|km<sup>2</sup>]]で世界10位である。
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'''アムール川'''(アムールがわ、{{Lang-ru|'''Амур'''}}、[[ラテン文字]]転写: Amur)、あるいは'''黒竜江'''(こくりゅうこう、{{Lang-zh|'''黑龙江'''}}、{{ピン音|Hēilóngjiāng}}、[[満州語]]:{{ManchuSibeUnicode|ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ<br>ᡠᠯᠠ}}或いは{{ManchuSibeUnicode|ᡥᡝᠯᡠᠩ<br>ᡤᡳᠶᠠᠩ}}、転写:sahaliyan ula或いはhelung giyang<ref>『満洲実録・巻一』'' sahaliyan ula helung giyang inu, terei da šanggiyan alinci tucikebi.''(''sahaliyan ula''は黒竜江なり、長白山に源を発す)</ref>)
 
 
== 地理 ==
 
[[ファイル:Amur River.jpg|thumb|250px|left|凍結するアムール川。]]
 
 
 
アムール川は[[モンゴル高原]]東部の[[ロシア]]と[[中華人民共和国|中国]]との国境にある[[シルカ川]]と[[アルグン川]]の[[合流]]点から生じ、中流部は中国[[黒竜江省]]と[[ロシア]][[ロシア極東|極東]]地方との間の境界となっている。ロシアの[[ハバロフスク]]付近で北東に流れを変えロシア領内に入り、[[オホーツク海]]の[[アムール・リマン]]([[:en:Amur Liman]])<!-- ここでは[[:en:Liman (landform)]]をリマンとしている -->に注ぐ。[[リマン]]([[:en:Liman (landform)|en]])とは川の河口を指し、[[リマン海流]]は[[日本海]]を流れる[[海流]]である。オホーツク海の[[流氷]]は、アムール川からの流水により塩分濃度が薄くなったことによって凝固点が高くなった海水が氷結して形成される。
 
 
 
== 流域の都市 ==
 
[[ファイル:Heilongjiang (Amur) shore.jpg|thumb|250px|黒河市付近のアムール川、対岸はロシア。]]
 
 
 
アムール川はロシア側の[[アムール州]]・[[ユダヤ自治州]]・[[ハバロフスク地方]]と中国側の[[黒竜江省]]との[[国境]]を成しており、川沿いの主要な都市としてはロシアの[[ブラゴヴェシチェンスク]]、[[ハバロフスク]]、[[コムソモリスク・ナ・アムーレ]]、[[ニコラエフスク・ナ・アムーレ]]、中国側の[[黒河市]]・[[同江市]]などがある。
 
 
 
== 産業 ==
 
このアムール川は栄養が豊富であり、[[サケ類]]をはじめ豊かな水産資源に恵まれ、これにより[[道北]]沖合はよい漁場になっている。一方で[[2005年]]11月13日に起きた中国[[吉林省]][[吉林市]]にある石油化学工場の爆発事故により、支流の[[松花江]]に流れ込んだ有毒な大量の[[ベンゼン|ベンゼン化合物]]による大規模な汚染をはじめ、旧日本陸軍の遺棄化学兵器等<!--(日本では中国側の経済発展による開発による等としていることが多い)-->のため、河川の汚染が深刻である。ロシア側アムール川周辺住人は河川汚染を憂慮しておりオホーツク海等の環境汚染により[[日本]]も警戒している。
 
 
 
== 歴史 ==
 
アムール川流域の文化と、[[北海道]]の東北部で遺跡が発掘されている[[オホーツク文化]]との関連性についての議論がある。
 
 
 
[[ファイル:CEM-44-La-Chine-la-Tartarie-Chinoise-et-le-Thibet-1734-Amur-2572.jpg|thumb|250px|清に滞在したイエズス会士、Jean-François Gerbillon(1697年–1782年)が作成した清国全図のうち、アムール川流域の拡大図。河口の小さな島は樺太北端部を描いたもの。]]
 
 
 
古代の中国では「黒水」「弱水」「烏桓河」などと呼ばれていたが、[[13世紀]]の『[[遼史]]』においてはじめて「黒竜江」の名が出ている。[[満州語|満族語]]では「サハリャン・ウラ({{mongol|ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ<br>ᡠᠯᠠ}} 転写:sahaliyan Ula、薩哈連烏拉、「黒い河」の意)」と呼ばれており、[[モンゴル語]]では「ハラムレン(Хар Мөрөн/Khar Mörön、哈拉穆連)」、ロシア語では「アムール」となりこれが世界的に共通する呼び名となっている。[[樺太|サハリン]](樺太)という[[島]]の名は「サハリャン・ウラの河口の対岸」にあることからつけられたとされる。
 
 
 
中国人はこの川を使い流域民族(ほか、アムール河口の対岸の樺太に住む[[アイヌ人]]など)と、毛皮などと中国産品を交換する取引([[山丹交易]])を行っていたが、次第に東へ進出してきたロシア人と取引や[[領域 (国家)|領土]]をめぐり争いが起こった。[[17世紀]]には、[[ヴァシーリー・ポヤルコフ]]や[[エロフェイ・ハバロフ]]などロシア人の探検隊がアムール川流域に侵入し、中国の[[清]]と南下する[[ロシア帝国]]との間の紛争({{仮リンク|清露国境紛争|en|Russian–Manchu border conflicts}}、{{lang-zh-short|{{仮リンク|雅克薩戦役|zh|雅克萨战役}}}}、{{lang-ko-short|{{仮リンク|羅禅征伐|ko|나선정벌}}}}、{{lang-ru-short|[[:ru:Русско-цинский пограничный конфликт (1649—1689)|Русско-цинский пограничный конфликт]]}})が起こった。ロシア人はアムール川上流に[[アルバジン]]の要塞を築いたが、清軍により何度も包囲され破壊された。ロシア側は和議を求め、[[1689年]]の[[ネルチンスク条約]]において、上流の西側以外の流域が清国領土と定められた。
 
 
 
しかしその後清は弱体化し、ロシアは再びアムール川沿いの領有を目指して探検隊を送るようになる({{仮リンク|アムール探検 (1849年-1855年)|ru|Амурская экспедиция (1849—1855)|label=アムール探検}})。[[1858年]]の[[アイグン条約]](&#29862;琿条約)、[[1860年]]の[[北京条約]]で、清国領土の割譲({{仮リンク|アムール併合|en|Amur Annexation}})を経て現在の国境線に定められた。
 
 
 
その後、アムール川およびその支流の中にある多くの島や[[中州]]の領有権を巡って[[中ソ国境紛争]]が発生した。[[1969年]]にはウスリー川で大規模な軍事衝突が発生したが、[[2004年]]に中露両国は最後まで帰属が決まらなかったアムール・ウスリー合流点の[[黒瞎子島]](大ウスリー島)をはじめとするすべての地域における東部国境の確定完了を宣言し、対立は鎮静化している。
 
 
 
2011年現在、国境画定に伴い、ロシア軍により[[黒瞎子島]]内より強制退去させられた元ロシア人居住者が、補償を求めロシアに対し国家賠償訴訟を起こし係争中である。
 
 
 
== 洪水 ==
 
2013年7月からはアムール川の流域で多雨となったことによって、以降、中流域や下流域で洪水が発生した。なお、ハバロフスクでは、2013年9月3日から2013年9月4日にかけて、808cmの水位を観測した。これは、1897年に観測された最高水位の642cmを上回って、観測史上最高の水位であった<ref>[http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/extreme_world/monitor/world20130919.pdf 2013年7月以降のアムール川流域の多雨について]</ref>。
 
 
 
== 支流 ==
 
[[File:Amurrivermap.png|thumb|400px|アムール川流域と支流の経路。]]
 
 
 
''下流より記載''
 
* [[アムグン川]]
 
* [[:ru:Горин (река)]]
 
* [[:ru:Гур (приток Амура)]]
 
* [[ツングースカ川|トゥングースカ川]]
 
** [[ウルミ川]]
 
** [[クル川 (ハバロフスク地方)|クル川]]
 
* [[ウスリー川]]
 
** [[ムリンヘ]](穆棱河、[[:ru:Мулинхэ|ru]])
 
** [[ソンガチャ川]](松阿察河) - [[ハンカ湖]]
 
** [[ホール川]]
 
** {{仮リンク|アニュイ川|en|Anyuy River (Khabarovsk Krai)|ru|Анюй (приток Амура)}}
 
** [[ビキン川]](Bikin River)
 
* [[:ru:Бира (приток Амура)]]
 
* [[松花江]](Songhua River)
 
** [[牡丹江]](Mudan River)
 
** {{仮リンク|アシュ川|zh|阿什河}}(歴史的名称は「按出虎水(アルチュフ川)」)
 
** [[嫩江]](Nen River)
 
* [[ブレヤ川]] - [[ブレヤ・ダム]]
 
* [[:ru:Завитая (приток Амура)]]
 
* [[ゼヤ川]] - {{仮リンク|ゼヤ・ダム|ru|Зейская ГЭС}}
 
** [[セレムジャ川]]
 
* [[:en:Huma River (China)]]
 
* [[:ru:Ольдой]]
 
* [[:ru:Уруша (река)]]
 
* [[:ru:Амазар (река)]]
 
* [[シルカ川]]
 
** [[インゴダ川]]
 
** [[オノン川]]
 
* [[アルグン川]]
 
** [[根河 (河川)|根河]]([[:ru:Гэньхэ (река)|ru]])
 
** [[ヘルレン川|ケルレン川]]([[フルン湖]]を経てアルグン川に流入) - [[オルチュン・ゴル|烏爾遜河]]({{lang-mn|Орчун гол}}- [[ブイル湖]]
 
** [[ハルハ川]]
 
** [[ハイラル河]]([[:zh:海拉尔河|zh]])
 
 
 
== 橋とトンネル ==
 
[[ファイル:Amur.jpg|thumb|250px|アムール川(ハバロフスク地方)]]
 
 
 
下流から順に、次の場所に橋とトンネルがかかっている。
 
* [[コムソモリスク・ナ・アムーレ]]
 
* [[ハバロフスク]]
 
** ハバロフスク・アムール川底トンネル -  [[シベリア鉄道]]の[[モスクワ]]方面行き、1943年完成
 
** [[ハバロフスク橋]] - シベリア鉄道の[[ウラジオストック]]方面行き・[[M60幹線道路 (ロシア)|M60幹線道路]]二層通路橋、1999年開通
 
* [[同江鉄路大橋]] - [[ユダヤ自治州]]ニジュネレニンスコイェ村と[[黒龍江省]][[同江市]]を結ぶ鉄道橋であり、2009年9月23日に胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領が建設に合意。2014年2月26日に建設が開始され、2015年8月24日時点で中国側は60%の進捗度であるが、2016年にロシア側は遅れて着工した<ref>{{cite web | url=https://www.rt.com/business/371620-russia-china-amur-bridge/ | title=Russia, China launch construction of bridge across Amur river | publisher=Russia Today | date=December 25, 2016 | accessdate=2017-10-12}}</ref>。
 
* [[ブラゴヴェシチェンスク]]-[[黒河市|黒河]] (道路橋、協議中)
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[満州]] - [[中国東北部]]およびロシア[[沿海州]]を含む地域。満州の大半をアムール川の流域が占める。
 
* [[アムールヒョウ]] - 最北の地に生息している[[ヒョウ]]。
 
* [[アムール・コサック軍]]
 
* [[阿夢露光大|阿夢露]] - ロシア連邦・[[沿海地方]][[レソザヴォーツク]]出身の[[大相撲]][[力士]]。アムール川が[[四股名]]の由来。
 
* [[クズルウルマク川]]
 
* [[尼港事件]]
 
 
 
{{Normdaten}}
 
  
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ロシアと中国の国境を流れたのち[[オホーツク海]]に注ぐ大河。中国名ヘイロン (黒竜) 江。東流してくる[[シルカ川]]と北東流してくるアルグン川 (中国では[[エルグン〈額爾古納〉川]]) が,ロシア東部のザバイカリスキー地方東端,中国との国境で合流してアムール川となり,ハバロフスクまで国境を南東流,東流したのち,ハバロフスク地方を北東流して[[タタール海峡]]のアムール湾に注ぐ。全長 2824km。アルグン川の水源からは約 4424km。流域面積約 185万5000km<sup>2</sup>。上流部は主として山地の河谷を流れ,中流部で[[ゼーヤブレヤ平原]]に出るが,右岸には[[シヤオシンアンリン (小興安嶺) 山脈]]が迫る。下流部は大部分湿地帯を流れ,ところどころで分流し,沿岸には多数の湖沼が分布する。11月~5月は結氷。おもな支流は左岸の[[ゼーヤ川]],[[ブレヤ川]],[[アムグン川]],右岸の[[ソンホワ (松花) 江]],[[ウスリー川]]。沿岸主要都市はロシアのブラゴベシチェンスク,ハバロフスク,コムソモーリスクナアムーレ,ニコラエフスクナアムーレ,中国のモーホー (漠河) ,フーマー (呼瑪) ,ヘイホー (黒河) 。不凍期には全長航行可能で,並行するシベリア横断鉄道とともに農産物,水産物,原油などを運ぶ大動脈となる。
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アムール川(アムールがわ、ロシア語: Амурラテン文字転写: Amur)、あるいは黒竜江(こくりゅうこう、中国語: 黑龙江拼音: Hēilóngjiāng満州語:ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ
ᡠᠯᠠ
或いはᡥᡝᠯᡠᠩ
ᡤᡳᠶᠠᠩ
、転写:sahaliyan ula或いはhelung giyang[1]

ロシアと中国の国境を流れたのちオホーツク海に注ぐ大河。中国名ヘイロン (黒竜) 江。東流してくるシルカ川と北東流してくるアルグン川 (中国ではエルグン〈額爾古納〉川) が,ロシア東部のザバイカリスキー地方東端,中国との国境で合流してアムール川となり,ハバロフスクまで国境を南東流,東流したのち,ハバロフスク地方を北東流してタタール海峡のアムール湾に注ぐ。全長 2824km。アルグン川の水源からは約 4424km。流域面積約 185万5000km2。上流部は主として山地の河谷を流れ,中流部でゼーヤブレヤ平原に出るが,右岸にはシヤオシンアンリン (小興安嶺) 山脈が迫る。下流部は大部分湿地帯を流れ,ところどころで分流し,沿岸には多数の湖沼が分布する。11月~5月は結氷。おもな支流は左岸のゼーヤ川ブレヤ川アムグン川,右岸のソンホワ (松花) 江ウスリー川。沿岸主要都市はロシアのブラゴベシチェンスク,ハバロフスク,コムソモーリスクナアムーレ,ニコラエフスクナアムーレ,中国のモーホー (漠河) ,フーマー (呼瑪) ,ヘイホー (黒河) 。不凍期には全長航行可能で,並行するシベリア横断鉄道とともに農産物,水産物,原油などを運ぶ大動脈となる。



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  1. 『満洲実録・巻一』 sahaliyan ula helung giyang inu, terei da šanggiyan alinci tucikebi.sahaliyan ulaは黒竜江なり、長白山に源を発す)