「粘土」の版間の差分

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}}</ref>)は、以下のような意味をもつ言葉。
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}}</ref>)
# 原義は、[[地層]]中などから得られ、[[焼き物]]の[[素材]]にもなる「粘っこい[[土壌|土]]」のこと。
 
# [[学術]]・[[産業]]上は、「非常に細かい[[粒子]]でできた[[堆積物]]」として定義される。
 
# 一般に、[[塑造]]や[[モデリング]]用に商品化された粘土様の素材のこと。学校[[教材]]としても馴染みが深い。
 
以下、上記 2. を「'''堆積物としての粘土'''」、3. を「'''塑造用粘土'''」とし、それぞれについて解説する。
 
<!--
 
ちなみに英語で粘土を意味する clay は、glue(のり)、[[グルテン]]、[[ギリシア語]]のγλοιοζ(「粘着性のある[[物質]])」などと同系の、印欧語の古い言葉であるとされる。(※ただし、同系ではあるがギリシア語由来ではありません。ややオフトピックなのでコメントアウトしておきます)-->
 
 
 
== 堆積物としての粘土 ==
 
[[ファイル:Clay-ss-2005.jpg|thumb|250px|粘土]]
 
=== 学術・産業上の定義 ===
 
粘土の定義は、[[陶工]]、[[土壌]]・[[農学]]、[[セラミック工学]]、[[地質学]]([[堆積学]])、[[鉱物学]]などの分野により必ずしも一致していない。地質学の分野においては、[[粒径]](粒の大きさ)が3.9[[マイクロメートル|μm]]未満の粒子とされ、鉱物学の分野においては2μm以下の粒子とされ、[[土質力学]]の統一分類法においては粒径が5μm以下の土とされる。これより大きいものは[[シルト]]とよぶ。
 
 
 
[[化学]]的・鉱物学的には層状[[ケイ酸塩鉱物]](フィロケイ酸塩鉱物)を主とし、[[方解石]]、[[苦灰石]]、[[長石]]類、[[沸石]]類などから成る。
 
 
 
=== 性質 ===
 
[[水]]で捏ねると塊になり、同時に手で延ばしたり、細工することができるようになること、[[火]]に耐えるといった粘土の持つ性質は、太古より利用されてきた。科学的な[[観察]]、[[分析]]が進むにつれて、それまで「粘土」と呼ばれてきたものには化学的[[吸着]]、[[イオン交換]]、[[触媒]]性、水との混合による泥水の形成、[[粘性]]、[[粘着]]性、[[可塑性]]、低[[透水性]]など多くの性質が認められるようになった。低透水性については、含有する[[鉱物]]の種類や[[粒径分布]]によって大きく異なるが、透水性の低さにより[[地盤]]の[[圧密]]が非常に緩やかに進み、構造物は建設から数年経た頃に[[不等沈下]]などの問題を生じる場合がある。
 
 
 
=== 利用 ===
 
 
 
「粘土は千の利用法がある」と言われ、[[ノーカーボン紙]]、[[油脂]]の脱色、ガソリンや灯軽油の脱水、[[鋳物]]、ボーリングの潤滑剤など多方面に使われている。
 
 
 
* 水を含んでいるときは柔らかく、熱したり焼いたりすると堅くなり戻らない性質があるので[[陶器]]や[[磁器]]・[[煉瓦]]などに使われる。
 
* 力を加えると軟らかくなり、しばらくすると固くなるという性質を応用し、塗るときまでは軟らかく塗った後にそこに留まるペンキに使われている。
 
* 粘土の優れた吸水性を利用して、おむつにも利用されている。→[[ベントナイト]]
 
*「余分な[[皮脂]]や[[汗]]を取り去る(吸着性)」、「塗布すると極めて薄い膜をつくる(保湿性)」、「[[イオン交換]]」の性質を利用し,[[化粧品]]・シャンプー・[[歯磨き]]あるいはその原料としても用いられる。→モンモリロナイト([[モンモリロン石]]
 
* 粘土が種々の有機色素を吸着して特有の色を発色するのを利用したカラープリンターに使われている。
 
* 有害な[[バクテリア]]を包み込んだり余分な水分を吸着して下痢を防ぐため、胃腸薬にも粘土が含まれている。
 
 
 
'''歴史的利用'''
 
* [[メソポタミア文明]]では文字の媒体として[[粘土板]]が使われた。
 
* 世界三大美女の一人と言われている[[クレオパトラ]]は美容のために粘土を顔に塗っていた。
 
* 古来、塑像の素材として利用されてきた。
 
* 粘土の脱脂効果を利用し、ローマ時代のフェラーと呼ばれる羊毛の油を処理する人々は刈った羊の毛についた油を取るのに粘土を好んで使用した。
 
* 日本ではシャンプーがない江戸時代から昭和初期頃まで力士の鬢付け油(びんづけあぶら)の洗浄に使われていた。
 
 
 
== 塑造用粘土 ==
 
上述のように粘土にはすぐれた可塑性があり、[[立体造形]]を容易に実現できるため、古くから[[塑像]]などの造形に用いられてきた。現代の塑像用粘土の多くは堆積物としての粘土を直接の原料にはしていない。合成素材や、パルプ、石粉、小麦粉などさまざまな原料が使われている。
 
{{節スタブ}}
 
 
 
=== さまざまな塑造用粘土 ===
 
* [[油粘土]] - 油脂ベースのため乾燥しにくく、繰り返し造形しなおすことができる。
 
* 水粘土(土粘土) - 水分を与えることで繰り返し使える。陶土同様に天然の粘土そのものも使われる。
 
* [[紙粘土]] - 粉砕した紙や[[パルプ]]を原料とし、糊剤を含む。乾燥後は堅く軽量であり、着色加工しやすい。
 
* [[石粉粘土]] - 乾燥後は石のような質感を見せる。乾燥後の彫刻にも適している。
 
* 小麦粉粘土 - 幼児が誤って口にしても安全。
 
* [[銀粘土]](シルバークレイ) - 銀の微粒子を高い比率で含んでおり、焼成によって銀だけとなる。シルバー[[装身具|アクセサリー]]製作などに利用される。
 
* 木質粘土 - 木の粉が配合されていて乾燥後は本物の木のようになる。
 
* [[蝋粘土]] - 独特の透明感があり、幼児が誤って口にしても安全。手の熱で温めて使用する。
 
* [[:en:plasticine|プラスティシン]] - カルシウム塩、[[ワセリン]]、[[脂肪酸]]を合成して製造した[[パテ (材料)|パテ]]状のもの。[[ウォレスとグルミット]]で使用されている。
 
* [[ヤミードー]] - 食べられる。
 
 
 
=== 利用 ===
 
* [[初等教育]]の[[学習材|教材]]として広く用いられている。
 
* 各種[[彫刻|立体アート]]や[[工業デザイン]]の分野における[[模型]]の原形([[クレイモデル]])づくりに広く利用される。
 
* [[クレイアニメ]]。
 
* その他、[[人形]]、[[ミニチュアアート]]、[[ジオラマ]]などさまざまな立体造形表現において、補助的な材料として用いられることが多い。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{Cite book|和書
 
|author =
 
|editor = [[国立天文台]]編
 
|title = [[理科年表]] 平成20年
 
|url = http://www.rikanenpyo.jp/
 
|year = 2007
 
|publisher = [[丸善]]
 
|isbn = 978-4-621-07902-7
 
|page = 654
 
|chapter = 構成粒子の径と砕セツ岩
 
}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
<!-- {{Wiktionary}} -->
 
{{Commonscat|Clay}}
 
* 地質学用語など
 
** [[土壌]] / [[砕屑物]] / [[ローム (土壌)]] / [[赤土]]
 
** [[粘土鉱物]] / [[泥岩]]
 
** [[地すべり]] / [[クイック・クレイ]]
 
* 化学用語など
 
** [[コロイド]] / [[分散系]] / [[生命の起源#表面代謝説]]
 
* 窯業・アート
 
** [[窯業]] / [[陶芸]] / [[陶磁器]] / [[オーブン陶土]]
 
** [[塑像]] / [[クレイアニメ]]
 
* その他
 
** [[クレー射撃]]
 
** [[カタ屋]]
 
** [[封泥]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{Cite web
 
|author = 日本粘土学会
 
|date =
 
|url = http://www.cssj2.org/
 
|title = The Clay Science Society of Japan CSSJ
 
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|publisher =
 
|accessdate = 2012-09-21
 
}}
 
  
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5μm以下の土粒子の総称。岩石が風化分解すると,ケイ素,アルミニウムと水が結びついて[[粘土鉱物]]がつくられる。粘土鉱物には2層構造と3層構造のものがあり,前者はカオリン類 (陶土など) ,後者は[[モンモリロナイト]],[[イライト]]などで,層間に水,カリウム,鉄,マグネシウムなどが入ることによって異種の粘土鉱物となる。石英以外の造岩鉱物はすべて分解して粘土鉱物となる。 ([[カオリナイト]] )  
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2018/10/27/ (土) 00:20時点における最新版

粘土(ねんど、: clay[1]

5μm以下の土粒子の総称。岩石が風化分解すると,ケイ素,アルミニウムと水が結びついて粘土鉱物がつくられる。粘土鉱物には2層構造と3層構造のものがあり,前者はカオリン類 (陶土など) ,後者はモンモリロナイトイライトなどで,層間に水,カリウム,鉄,マグネシウムなどが入ることによって異種の粘土鉱物となる。石英以外の造岩鉱物はすべて分解して粘土鉱物となる。 (カオリナイト )  

砕屑物と砕屑岩
粒径(mm) 砕屑物 砕屑岩 火山砕屑物 火山砕屑岩
64 以上 礫岩 火山岩塊 火山角礫岩凝灰角礫岩
64 - 2 火山礫 ラピリストーン火山礫凝灰岩
2 - 116 砂岩 火山灰 凝灰岩
116 - 1256 シルト シルト岩 泥岩
1256 以下 粘土 粘土岩
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  1. 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。