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{{生物分類表
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[[ファイル:ニシキゴイ.jpg|サムネイル]]
|名称 = 野ゴイ
+
'''コイ'''''''''、[[学名]]:''Cyprinus carpio''
|色 = 動物界
 
|画像=[[ファイル:Cyprinus carpio-2.JPG|250px]]
 
|画像キャプション = 野ゴイ(滋賀県立琵琶湖博物館の飼育個体)
 
|界 = [[動物界]] [[:w:Animalia|Animalia]]
 
|門 = [[脊索動物門]] [[:w:Chordata|Chordata]]
 
|亜門 = [[脊椎動物亜門]] [[:w:Vertebrata|Vertebrata]]
 
|綱 = [[条鰭綱]] [[:w:Actinopterygii|Actinopterygii]]
 
|上目 = [[骨鰾上目]] [[w:Ostariophysi|Ostariophysi]]
 
|目 = [[コイ目]] [[:en:Cypriniformes|Cypriniformes]]
 
|科 = [[コイ科]] [[:en:Cyprinidae|Cyprinidae]]
 
|亜科 = [[コイ亜科]] [[:en:Cyprininae|Cyprininae]]
 
|属 = [[コイ属]] ''[[:en:Cyprinus|Cyprinus]]''
 
|種 = '''コイ''' ''C. carpio''
 
|学名 = ''Cyprinus carpio''<br/><small>([[カール・フォン・リンネ|L]]. [[1758年|1758]])</small>
 
|和名 = 野ゴイ<br/>コイ
 
|英名 = [[:en:Common carp|Common carp]]<br/>[[:en:carp|carp]]
 
|status = VU
 
|status_ref =<ref>{{IUCN2008|assessors=Freyhof, J. & Kottelat, M.|year=2008|id=6181|title=Cyprinus carpio|downloaded=08 May 2009}}</ref>
 
}}
 
  
[[ファイル:Cyprinus carpio.jpeg|thumb|200px|コイ飼育型]]
+
コイ目コイ科の淡水魚。食用魚の一つであるが,飼育品種としてヤマトゴイ,ドイツゴイ,観賞用ニシキゴイ([[観賞魚]])などがある。全長 60cm,まれに 1mをこえる。背面は緑褐色,側面は黄みを帯びた銀白色。鱗は円鱗で,鱗列により網目状斑紋を形成する。口辺には 2対の口ひげがある。雑食性。日本各地の河川,湖沼に見られるが,各地の河川,湖沼に移殖が盛んに行なわれたため,天然分布と移殖による分布の区別がつけがたい。全世界に移殖され,野生化している。日本,ユーラシア大陸に分布する。
[[ファイル:carp.jpg|thumb|200px|コイ飼育型とソウギョ(中央はニシキゴイ)]]
 
'''コイ'''('''鯉'''、[[学名]]:''Cyprinus carpio'')は、[[コイ目]]・[[コイ科]]に分類される[[魚]]で、比較的流れが緩やかな[[川]]や池、[[沼]]、[[湖]]、[[用水路]]などにも広く生息する[[淡水魚]]である。[[ニゴイ]]とは同科異亜科の関係にある。
 
  
== 生態 ==
+
{{テンプレート:20180815sk}}  
コイは外見が同亜科異属の[[フナ]]に似るが、[[頭]]や[[目]]が体に対して小さく、口もとに2対の口[[ひげ]]がある。体長は 60センチ程度だがまれに1メートルを超すものもいる。飼育されたり[[養殖]]されてきた系統の個体は体高が高く、動きも遅いが、野生の個体は体高が低く細身な体つきで、動きもわりあい速い。なお雌に比べて雄の方が頭が大きい。
 
 
 
食性はとても悪食で、[[水草]]、[[貝類]]、[[ミミズ]]、[[ゴカイ]][[昆虫類|、昆虫類]]、[[甲殻類]]、他の魚の卵や[[小魚]]、[[カエル]]、[[トウモロコシ]]、[[芋]]、[[麩]]、[[パン]]、[[カステラ]]など、口に入るものならたいていなんでも食べる。口に[[歯]]はないが、のどに咽頭歯という歯があり、これで硬い[[貝殻]]なども砕き割ってのみこむ。さらに口は開くと下を向き、湖底の餌をついばんで食べやすくなっている。なお、コイには[[胃]]がない。コイ科の特徴として、[[骨鰾上目#ウェーバー器官|ウェーバー器官]]を持ち、音に敏感である。
 
 
 
産卵期は[[春]]から初夏にかけてで、この時期になると大きなコイが浅瀬に集まり、バシャバシャと水音を立てながら[[水草]]に産卵・放精をおこなう。一度の産卵数は50万-60万ほどもある。卵は付着性で水草などに付着し、数日のうちに[[孵化]]する。稚魚はしばらく浅場で過ごすが、成長につれ深場に移動する。
 
 
 
生命力は極めて強く、魚にしては長寿の部類で、平均20年以上でまれに70年を超す個体もある。[[鱗]]の年輪から推定された最長命記録は、[[岐阜県]][[東白川村]]で飼われていた「[[花子 (コイ)|花子]]」と呼ばれる個体の226年だが、これは信憑性が疑問視されている。長寿であることのほか、汚れた水にも対応する環境適応能力が高く、しかも水から上げてしばらく水のないところで置いていても、他の魚に比べて長時間生きられるようである。水質の低温化にも強い。
 
 
 
[[川]]の中流や下流、[[池]]、[[湖]]などの淡水域に生息する。飼育されたコイは流れのある[[浅瀬]]でも泳ぎまわるが、野生のコイは流れのあまりない深みにひそんでおり、産卵期以外はあまり浅瀬に上がってこない。[[滝]]を登るということがよく言われるがこれは[[中国]]の[[神話]][[伝説]]の類に由来する言い伝えであって、普通程度の大きさのコイが滝を登ることは通常は無い。コイはジャンプが下手であり、『モジリ』という水面下まで上がって反転する行動が一般にはジャンプと誤認されていることも多い。ただし小型のコイはまれに2メートル程度の高さまでジャンプすることがあり、この場合は滝を登ることがありうるものの、格別に「滝を登る」という習性がコイにあるわけではない。
 
{{Anchors|野ゴイ}}
 
 
 
=== ノゴイ ===
 
漁師や釣り人などから、養殖され、放流もよく行われている体高の高いコイと、[[琵琶湖]]などの湖や[[四万十川]]のような大きな河川に見られる体高が低いコイの性質が、著しく異なることが古くから指摘されていた。後者は「ノゴイ」(野鯉)と呼ばれて前者の系統で野生繁殖しているものと区別されており、[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルト]]など従来よりこの相違に注目する研究者も多少はいた。21世紀になって[[コイヘルペスウイルス]]による感染症の流行で捕獲しにくいノゴイの死体が多数得られたことから、これを用いて遺伝子解析した研究が[[2006年]]になって報告された。<ref>{{Cite journal|和書 |author=馬渕浩司|coauthors=瀬能 宏・武島弘彦・中井克樹・西田 睦|year=2010-04-26 |title=琵琶湖におけるコイの日本在来mtDNAハプロタイプの分布 |journal=魚類学雑誌 |volume=57 |issue=1 |pages=1-12 |publisher=日本魚類学会 |naid=40017117020 |issn=00215090 |url=http://www.wdc-jp.biz/pdf_store/isj/publication/pdf/57/5701-01.pdf|ref=harv}}</ref>それによると、外来の体高の高いコイとノゴイは種レベルに相当する遺伝子の差があることが報告され、日本列島在来の別種として新種記載の必要性も指摘されている。<ref>馬渕浩司(2013年6月2日)「絶滅危機!日本のコイ」『[[サイエンスZERO]]』第427回。[[NHK教育テレビジョン]]。</ref>
 
 
 
=== 分布 ===
 
==== コイ本来の分布 ====
 
もともとは[[中央アジア]]原産とされるが、環境適応性が高く、また重要な食用魚として養殖、放流が盛んに行われたために現在は世界中に分布している。[[日本]]のコイは大昔に[[中国]]から移入された「史前[[外来種|帰化動物]]」とされたこともあったが、[[琵琶湖]]など各地に野生のコイが分布し、[[第三紀]]の[[地層]]から[[化石]]も発見されていることから、やはり古来日本に自然分布していたとされる。[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルト]]の『日本動物誌』<ref>シーボルト『[http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b02/pisces.html 日本動物誌魚類]』京都大学電子図書館。</ref>においても、''Cyprinus conirostris''、''Cyprinus melanotus''、''Cyprinus haematopterus'' の3種が紹介されているが、学術的にさほど注目もされず今日に至っている。
 
欧米でもドイツなどでは盛んに養殖され、食用の飼育品種も生み出されている。
 
{{Anchors|錦鯉の放流と生態系の破壊問題}}
 
 
 
==== コイによる生態系の破壊問題 ====
 
<!--{{出典の明記|date=2015年3月9日 (月) 05:43 (UTC)|section=1}}-->
 
[[環境問題]]が重視されるようになって[[河川]]の[[環境保護]]等に力が注がれている。そうした活動のうちに[[自然]]の河川に[[魚]]を放流する事業があるが、中には地元の[[固有種]]とは関係の無いニシキゴイ等、本来自然界に存在すべきでない飼養種までもが放流されることがままある。こうした放流について、地元の固有種との交雑が起こって何万年もかけて築かれてきた固有種の[[絶滅]]を懸念する([[遺伝子汚染]])声<ref name="kkgrg">{{Cite book|和書|author=日本魚類学会自然保護委員会|title=見えない脅威“国内外来魚”|date=2013-07-10|publisher=東海大学出版会|coauthors=向井貴彦・鬼倉徳雄・淀大我・瀬能宏}}ISBN 978-4-486-01980-0</ref>もあるのだが、当事者には全く意識されていないのが現状である。 同様の問題は[[メダカ]]や[[金魚]]や[[蛍]]に関してもいえることである。また、ニシキゴイの放流が原因と推測される[[コイヘルペスウイルス]]による感染症が地元のコイに蔓延し大量死する事件もある。
 
 
 
同じことは飼養種でないコイについても言える。コイは体が大きくて見栄えがするため、「コイが棲めるほどきれいな水域」というきわめて安直な趣旨で[[自治体]]レベルで[[川]]や[[ダム]]などに[[放流]]されることが多い。しかしコイはもともと[[生物化学的酸素要求量|BOD値]]の高い湖沼や河川を好んで住処とする種で、低酸素環境に対する高い耐性がある。これは、生物界における一般的な基準からすると、他の生物の嫌う水質の悪い水域にしか生息できないことを意味する。実際、逆に水質がよい小川の堰の内部に放流したニシキゴイが餌の問題から大量に[[餓死]]する例も報告<ref name=kkgrg/>されており、「コイが棲める=きれいな水域」という図式は成立し得ないことがわかる。
 
 
 
市街地の汚れた河川を上から眺めれば、[[ボラ]]と放流されたコイばかりが目につくということが多々ある。しかもコイは各種水生生物を貪欲に食べてしまうので、往々にして河川環境の単純化を招きかねない<ref name=kkgrg/>。[[生物多様性]]の観点からすれば、もともとコイがいない水域にコイを放流するのは有害ですらある。
 
 
 
日本では外来魚である[[ブラックバス]]の問題がたびたび引き合いに出されるが、上述したようなコイの放流はブラックバスの放流と同様の問題を抱えている。本種には低温に対する耐性や雑食性、さらに60センチ・メートルを超える大きさにまで育ち、大きくなると[[天敵]]がほとんどいなくなるといった特徴がある。こうした特徴はいずれも[[外来種|侵略的外来生物]]に共通するものであり、実際[[国際自然保護連合]]では、コイを[[世界の侵略的外来種ワースト100]]のうちの1種に数えている。
 
 
 
特にコイを食す習慣のない北アメリカでは、在来の水生生物を圧迫するまでに繁殖している。人為的放流を禁じている州もあるほどで、北アメリカ以外でも猛威を振るっている例が報告されている。[[アメリカ合衆国]]では、中国原産のコイである[[ハクレン]]と[[コクレン]]が[[五大湖]]周辺に進出しており、これが五大湖に流れ込んだ場合、五大湖固有の魚が駆逐される可能性が指摘されている<ref>{{Cite news
 
| url = http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date1&k=2012022800652
 
| title = 五大湖、コイから守れ=5州の訴え実らず-米
 
| publisher = 時事通信
 
| date = 2012-3-2
 
| accessdate = 2012-3-2
 
}}{{リンク切れ|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date1&k=2012022800652|date=April 2018}}</ref>。
 
 
 
== 保全状態 ==
 
野生種本来の分布域に生息する[[個体群]]は、河川の改修にともなう[[生態系]]の破壊や、他地方からの移入個体との[[交雑]]による[[遺伝子汚染]]による在来個体群の絶滅が危惧されており、[[2008年]]に国際自然保護連合により'''危急'''(Vulnerable)に指定されている。
 
 
 
== 文化 ==
 
=== 観賞魚・錦鯉 ===
 
{{main article|ニシキゴイ}}
 
 
 
=== 食材 ===
 
{{hidden begin|border = #aaa solid 1px|titlestyle=text-align: center; |title=コイの栄養価の代表値|bg=#F0F2F5}}
 
{{栄養価 | name=コイ(生)| water =76.31 g| kJ =531| protein =17.83 g| fat =5.6 g| carbs =0 g| fiber =0 g| sugars =0 g| calcium_mg =41| iron_mg =1.24| magnesium_mg =29| phosphorus_mg =415| potassium_mg =333| sodium_mg =49| zinc_mg =1.48| manganese_mg =0.042| selenium_μg =12.6| vitC_mg =1.6| thiamin_mg =0.115| riboflavin_mg =0.055| niacin_mg =1.64| pantothenic_mg =0.75| vitB6_mg=0.19| folate_ug =15| choline_mg =65| vitB12_ug =1.53| vitA_ug =9| betacarotene_ug =0| lutein_ug =0| vitE_mg =0.63| vitD_iu =988| vitK_ug =0.1| satfat =1.083 g| monofat =2.328 g| polyfat =1.431 g| tryptophan =0.2 g| threonine =0.782 g| isoleucine =0.822 g| leucine =1.449 g| lysine =1.638 g| methionine =0.528 g| cystine =0.191 g| phenylalanine =0.696 g| tyrosine =0.602 g| valine =0.919 g| arginine =1.067 g| histidine =0.525 g| alanine =1.078 g| aspartic acid =1.826 g| glutamic acid =2.662 g| glycine =0.856 g| proline =0.631 g| serine =0.728 g| right=1 | source_usda=1 }}
 
{| class="wikitable" style="float:right; clear:right"
 
|+ コイ(100g中)の主な[[脂肪酸]]の種類<ref>[http://ndb.nal.usda.gov/ USDA National Nutrient Database]</ref>
 
|-
 
! 項目 !! 分量(g)
 
|-
 
| [[脂肪]] || 5.6
 
|-
 
| [[飽和脂肪酸]] || 1.083
 
|-
 
| [[不飽和脂肪酸|一価不飽和脂肪酸]] || 2.328
 
|-
 
| 16:1([[パルミトレイン酸]]) || 0.655
 
|-
 
| 18:1([[オレイン酸]]) || 1.15
 
|-
 
| 20:1 || 0.071
 
|-
 
| 22:1 || 0.402
 
|-
 
| [[多価不飽和脂肪酸]] || 1.431
 
|-
 
| 18:2([[リノール酸]]) || 0.517
 
|-
 
| 18:3([[α-リノレン酸]]) || 0.27
 
|-
 
| 18:4([[ステアリドン酸]]) || 0.058
 
|-
 
| 20:4(未同定) || 0.152
 
|-
 
| 20:5 n-3([[エイコサペンタエン酸]](EPA)) || 0.238
 
|-
 
| 22:5 n-3([[ドコサペンタエン酸]](DPA)) || 0.082
 
|-
 
| 22:6 n-3([[ドコサヘキサエン酸]](DHA)) || 0.114
 
|}
 
{{hidden end}}
 
食材としての鯉は、福島県からの出荷量が最多<ref>[http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001069811 内水面養殖業収獲量 都道府県別・魚種別収獲量] 農林水産省</ref>で、[[鯉こく]](血抜きをしない[[味噌]]仕立ての汁)、うま煮(切り身を砂糖醤油で甘辛く煮付けたもの)、[[甘露煮]]にする。稀に[[鱗]]を[[唐揚げ]]し、[[スナック菓子]]のように食べることもある。また、[[洗い]]にして酢味噌や山葵醤油を付けて食べる例もある。しかし、生食や加熱不完全な調理状態の物を摂食すると、[[肝吸虫]]<ref>[http://www.forth.go.jp/useful/attention/08.html こんなに怖い寄生虫] 厚生労働省検疫所</ref>や[[有棘顎口虫]] ({{snamei|Gnathostoma spinigerum}}) による[[寄生虫病]]を発症する可能性がある<ref>{{PDFlink|[http://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/H22_31.pdf 口虫(1/11) ※平成 22 年度食品安全確保総合調査] 食品安全委員会}}</ref><ref>[http://doi.org/10.11334/jibi1954.4.1_61 喉頭顎口虫症の1例] 耳鼻と臨床 Vol.4 (1957-1958) No.1 p.61-64</ref>。捕獲した鯉は、調理に際しきれいな水を入れたバケツの中に半日-数日程入れて泥の臭いを抜く。さばくときは濡れた布巾等で目を塞ぐとおとなしくなる。
 
 
 
[[藍藻]]は[[ゲオスミン]]や2-メチルイソボルネオールを作り、これが[[魚]]の[[皮膚]]や血合に濃縮される。このゲオスミンが、鯉や[[ナマズ]]など水底に棲む淡水魚が持つ泥臭いにおいのもとでもある。ゲオスミンは[[酸性]]条件で分解するので、[[酢]]など酸性の[[調味料]]を[[調理]]に使えば泥臭さを抑えることができる。
 
 
 
==== 食中毒 ====
 
コイの[[胆嚢]](苦玉)は苦く、解体時にこれをつぶすと身に苦味が回る。胆嚢には[[コイ毒]](毒性物質は[[胆汁酸]]の[[5-αチブリノール]]と[[スルフェノール]])が含まれている場合があり、摂食により[[下痢]]や[[嘔吐]]、[[腎不全]]、肝機能障害、[[痙攣]]、[[麻痺]]、意識不明を引き起こすほか、まれに死亡例もある<ref name="kobe">[http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/infection/trend/m/kg42_1.html <特集>マリントキシン]{{リンク切れ|url=http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/infection/trend/m/kg42_1.html|date=April 2018}}-神戸市環境保健研究所</ref><ref>[http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_05.html 自然毒のリスクプロファイル:魚類:胆のう毒]厚生労働省</ref>。その反面、視力低下やかすみ目などに効果があるとされ、'''鯉胆'''(りたん)という生薬名で錠剤にしたものが販売されている。
 
 
 
==== 日本 ====
 
海から離れた地域では古くから貴重な動物性タンパク源として重用され、[[将軍]]や[[天皇]]に出される正式な饗応料理や日常的にも慶事・祝事の席などでも利用されてきた<ref name="NAID.40016621269">中澤弥子、鈴木和江、小木曽加奈、吉岡由美、[http://id.nii.ac.jp/1118/00000151/ コイ刺身の食味と物性 : 佐久鯉と福島産鯉の比較] 長野県短期大学紀要 63 (2008): 25-31, NAID:40016621269</ref>。かつて[[サケ]]や[[ブリ]]の入手が困難であった地域では、[[御節料理]]の食材として今日でも利用されている。内陸の山間部である[[山形県]][[米沢市]]は冬場は雪に閉ざされ、住民はタンパク質が不足がちな食生活をしていた。タンパク質を補う目的で[[上杉鷹山]]は[[1802年]]に相馬から鯉の稚魚を取り寄せ、鯉を飼うことを奨励した。各家庭の裏にある台所排水用の小さな溜めで台所から出る米粒や野菜の切れ端を餌にして蓄養した。現在の養殖では、主に農業用の溜め池が利用されるほか、長野県[[佐久地域]]では稲作用水田も利用されている。食生活の変化から需要の減少<ref>[http://doi.org/10.3739/rikusui.74.1 【原著】霞ヶ浦における魚類および甲殻類の現存量の経年変化] 陸水学雑誌 Vol.74 (2013) No.1 P1-14</ref>と共に全国の生産額は年々減少し、[[1998年]]には3億6000万円ほどであったが[[2008年]]には1億5000万円余りまで減少している<ref>[http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001069810 年次別統計 (平成10年〜平成20年)/魚種別生産額 - 内水面養殖業 ] [[農林水産省]]</ref>。
 
 
 
==== 中華人民共和国 ====
 
[[中華料理]]では、山西省に鯉1尾を丸ごと[[から揚げ]]にして甘酢あんをかけた料理「糖醋鯉魚」(タンツウリイユィ)があり、日本でも代表的な宴会メニューの1つとなっている。
 
 
 
==== ヨーロッパ ====
 
鯉は[[中央ヨーロッパ|中欧]]や[[東ヨーロッパ|東欧]]では、古くからよく食べられている。特に[[スラヴ人]]にとっては鯉は聖なる食材とされ、[[ウクライナ]]・[[ポーランド]]・[[チェコ]]・[[スロバキア]]・[[ドイツ]]・[[ベラルーシ]]などでは伝統的な[[クリスマス・イヴ]]の夕食には欠かせないものである。[[アシュケナジム|東欧系ユダヤ教徒]]が[[安息日]]に食べる魚料理「[[ゲフィルテ・フィッシュ]]」の素材としても、鯉がよく用いられた。しかし[[アングロアメリカ|北米]]では、鯉は水底でえさをあさるために泥臭いとして敬遠されており、[[釣り]](遊漁)の対象魚とはされても食材として扱われることは極めてまれである。ヨーロッパでは、鏡鯉から食用に品種改良され[[家畜]]化された鱗のない鯉、革鯉(Leather carp)と呼ばれる鯉が使われる。
 
 
 
=== 釣り ===
 
{{see|野鯉釣り}}
 
 
 
=== 伝承 ===
 
[[ファイル:Yoshitoshi The Giant Carp.jpg|thumb|right|100px|[[月岡芳年]]画:『金太郎捕鯉魚』]]
 
中国では、鯉が滝を登りきると[[龍]]になる[[登龍門]]という言い伝えがあり、古来尊ばれた。その概念が日本にも伝わり、[[江戸時代]]に武家では子弟の立身出世のため、[[武士]]の庭先で[[端午]]の[[節句]]([[旧暦]][[5月5日 (旧暦)|5月5日]])あたりの[[梅雨]]期の[[雨]]の日に鯉を模した[[こいのぼり]]を飾る風習があった。[[明治]]に入って[[四民平等]]政策により武家身分が廃止され、こいのぼりは一般に普及した。現在では、[[グレゴリオ暦]]([[新暦]])[[5月5日]]に引き続き行なわれている。
 
また比喩的表現として、将来、有能・有名な政治家・芸術家・役者になるため最初に通るべき関門を登龍門と指して言うこともしばしばある。
 
 
 
『[[日本書紀]]』第七巻には、[[景行天皇]]が[[美濃国|美濃]]([[岐阜県|岐阜]])に[[行幸]]した時、美女を見そめて求婚したが、彼女が恥じて隠れてしまったため、鯉を池に放して彼女が鯉を見に出てくるのを待った、という説話が出てくる。
 
 
 
日本では古くから女性が健康(体力作り)のために鯉を食したと言う伝説や伝承があり、妊婦が[[酸っぱい]]鯉を食べて健康になり、無事、安産できたと言う伝説もある。また、御産の後に鯉を食べると[[母乳]]がよく出ると言う伝承も見られる。こうした話は東西を問わず内陸地には多い伝承である。
 
 
 
== 参考文献及び脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[人面魚]]
 
* [[コイキング]]
 
* [[四大家魚|五大家魚]]
 
* [[広島東洋カープ]] - 球団名は[[広島城]]の異名・鯉城(りじょう)にちなむ。
 
* [[魚の一覧]]
 
* [[子持鯉の煮付]]
 
 
 
{{Commonscat|Cyprinus carpio}}
 
{{Wikispecies|Cyprinus carpio}}
 
 
{{デフォルトソート:こい}}
 
{{デフォルトソート:こい}}
 
[[Category:コイ科]]
 
[[Category:コイ科]]

2019/6/13/ (木) 15:47時点における最新版

ニシキゴイ.jpg

コイ学名Cyprinus carpio

コイ目コイ科の淡水魚。食用魚の一つであるが,飼育品種としてヤマトゴイ,ドイツゴイ,観賞用ニシキゴイ(観賞魚)などがある。全長 60cm,まれに 1mをこえる。背面は緑褐色,側面は黄みを帯びた銀白色。鱗は円鱗で,鱗列により網目状斑紋を形成する。口辺には 2対の口ひげがある。雑食性。日本各地の河川,湖沼に見られるが,各地の河川,湖沼に移殖が盛んに行なわれたため,天然分布と移殖による分布の区別がつけがたい。全世界に移殖され,野生化している。日本,ユーラシア大陸に分布する。



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