キリスト教神学

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キリストきょうしんがく

theologia Christiana; Christian theology

教会を背景としつつ,その教えの内容や信仰生活の規制にかかわる諸問題を,体系的に扱おうとする知的努力の総体。キリスト教も独立の歩みを始めた瞬間から,周囲の地中海文化圏の,競合する宗教や思想と一線を画しつつ布教するために,適切な用語が求められた。一方で,前身であるユダヤ教から受継いだ伝統に基づきながら,他方,それを当時のギリシア的な思想を媒体として表現することが必要であった。このように,キリスト教神学はすでに最初期に萌芽をもつが,体系的な学問の形をとるようになったのは中世からで,大学の成立とも関連していた。神学の原語とされる theologiaは,アリストテレスの例外もあるが,ギリシアではむしろ神々についての物語,神話を意味し,今日のキリスト教神学にあたるものは,聖なる教説 sacra doctrina,信仰の教説 doctrina fideiと呼ばれており,theologiaの用法は,トマス・アクィナスの『神学大全』などによってようやく一般化したのである。その内容も,初めは信仰の対象である神ならびに人間の運命,それらを述べる聖典の解釈などが主であったが,やがて教義や教会の歴史なども含まれるようになった。現在では,信仰の対象や規範を論じる組織神学 (教義学,倫理学を含む) ,聖典や教義や教会の成立および展開を扱う歴史神学,そして牧会や礼拝や伝道などの具体的な問題を扱う実践神学に大別されるのが普通になっており,それぞれの分野で,時代の流れに従い,また教派ごとの立場の違いを含みつつ展開されている。