秩父宮記念スポーツ博物館
秩父宮記念スポーツ博物館(ちちぶのみやきねん―はくぶつかん)は、東京都足立区にある、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)によって運営される日本で唯一の総合スポーツ博物館。オリンピックと日本のスポーツ史を中心とする展示場とスポーツに関する本や雑誌を公開する専門図書館とから成り立っている[1]。
概要
「スポーツの宮様」として広く国民に親しまれた秩父宮雍仁親王が1953年に薨去。ほどなく、スポーツ関係者有志の間で「秩父宮記念館」を作ろうという動きが出るに至った。それと相前後するように、オリンピック東京誘致のために明治神宮外苑競技場を国立競技場に立て替える計画が浮上し、新たな競技場の中に秩父宮を記念する博物館が設立されることとなった。
開館は国立霞ヶ丘競技場完成翌年の1959年1月6日。秩父宮の命日にあたる1月4日は日曜で、翌日は官公庁の御用始めにあたるため、七周忌から二日ずれたわけである。
名前から秩父宮ラグビー場の中にあるように誤解されることも多いが、入口は国立霞ヶ丘競技場電光掲示板裏側の真下ぐらいのところに位置していた。競技場で催物が開催されていないときは、スタンドから競技場内部を見ることもできた。
なお、2011年夏より日本スポーツ振興センター本部事務所の手狭さを理由に展示場の3分の1が他部署の事務所として転用されることとなり、企画展のためのスペースがなくなるとともに、紀要と広報誌を兼ねた性格を持つ『スポーツ文化』という出版物の刊行も中止されることとなった。
2013年5月7日から休館[2]。当初は新国立競技場に移転予定だったが、総工費の大幅削減による整備計画の見直しで白紙となった。2018年4月中に、2020年以降に建て替え予定の新秩父宮ラグビー場内を移転候補地とした計画案をスポーツ庁へ提出する。
盗難
- 2010年3月14日未明、展示されていた第1回近代オリンピックアテネ大会の優勝メダルが盗難に遭っている。盗難されたメダルはドイツのヘルマン・ヴァインゲルトナーが体操競技の鉄棒種目で優勝し獲得したもので、日本びいきだった選手の遺族が東京五輪開催にあたり「最も優れた成績を残した選手に」と寄贈したもので結果、東京五輪で日本人で初めて体操・個人総合で優勝した遠藤幸雄に贈られたものだった。これは1994年に日本オリンピック委員会に寄贈され、それ以来博物館内に展示されていたものだった。四谷署は被害届を受理し、遠藤幸雄の遺族も「返していただきたい」と語っている[3]。
脚注
関連項目
外部リンク