源氏物語
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『源氏物語』(げんじものがたり)
平安時代中期の物語。紫式部著。ただし,そのすべてが紫式部の筆に成るのではないとする説もある。 54帖。寛弘 (1004~12) 頃成立か。物語は3部に分けてみることができる。第1部は,容貌,才能などすべてにすぐれた主人公光源氏が,多くの女性と関係をもちながら,運命に導かれて栄華をきわめる姿を描く。これに対して第2部は苦悩の世界であって,光源氏は最愛の紫の上を失い,栄華は内側から崩壊する。第3部 (宇治十帖) は光源氏没後の物語で,不義によって生れた薫大将を主人公として,不安に満ちた暗い世界が展開される。さまざまな恋愛と運命的な人生のうちに,貴族社会の苦悩を摘出したところに価値があり,現代では,世界的な文学として広く迎えられている。