拒否権
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veto
合議体の決定にあたって,ある構成員の同意が不可欠の要件とされているとき,この構成員は拒否権をもつという。
アメリカ大統領や日本の地方自治体の長も拒否権をもつが,国連安全保障理事会でアメリカ,イギリス,ロシア,フランス,中国の5常任理事国が有する拒否権が有名。手続事項に関する決定は 15理事国のうち9国の賛成で行われるが,実質事項に関する決定には5常任理事国全部を含む9理事国の賛成を要するため,拒否権の行使が重要な問題となってくる。
さらに二重拒否権 double vetoもある。すなわち常任理事国はある問題が手続事項であるか否かで拒否権をもち,手続事項ではないとされた問題については拒否権を行使することができる。なお棄権や欠席は拒否権の行使とはみなされない。冷戦期には米ソ間で拒否権がしばしば行使された。 91年以来拒否権の行使はなかったが,93年5月,ロシアがキプロス PKOについて財政難を理由に行使した。