コレラタケ

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コレラタケ(虎列剌茸、学名 Galerina fasciculata)は、フウセンタケ科ケコガサタケ属キノコ本郷次雄により発見された当初の和名はドクアジロガサ(毒網代傘)であったが、細菌性感染症コレラに似た症状を呈し、致命的な毒性を持つことから、社会に対して毒キノコとしての注意を喚起するため、このように改名された[1]

特徴

のやや遅くに、スギなどの朽木や古いおがくず、ゴミ捨て場に単生または群生する。傘の直径は 2 - 5 cm と小型で、傘の表面とヒダの色はほぼ同じ、湿ったときは暗肉桂色、乾くと中央部から明るい淡黄色となる。柄は細長く中空で、上部の傘の下に不完全なツバがある。

中毒症状

中毒症状は、その名のように食後概ね10時間(摂食量により、6〜24時間)後にコレラの様な激しい下痢が起こり、1日ほどで一度回復する。その後2–7日後に肝臓腎臓などの著しい機能低下[2]による劇症肝炎[3]腎不全症状を呈し、最悪の場合に至る。この症状はタマゴテングタケドクツルタケなどの症状と同じであり、これらと同様アマトキシン類によって引き起こされる。毒性分は、加熱によっても失われない。

治療方法は対症療法のみで、胃内完全洗浄[4]ののち血液透析や血漿交換[3]を行う。

類縁種

同じケコガサタケ属にはヒメアジロガサ (Galerina marginata) などがあり、その多くが猛毒であることが分かっている。


類似の食用キノコ

ファイル:Stockschwaemmchen.jpg
コレラタケに間違えられやすいセンボンイチメガサ

センボンイチメガサとは良く似ており、他にもクリタケナラタケエノキタケナメコなどと間違えた中毒例がある。

エノキタケ栽培後の廃培地からも発生する本種は、「食用キノコを収穫した後に生えるから大丈夫」と誤解され、食中毒を起こす可能性が高い。また、センボンイチメガサは基本的に黄褐色であり識別は簡単だが、個体によってはコレラタケと同様の茶褐色で、識別が困難な場合もある。

脚注

外部リンク


カテゴリ:フウセンタケ科 カテゴリ:日本の毒キノコ