気候

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climate

地球上のある地域における長い期間の大気現象を総合した状態。1年を周期とした気候を気候年という。

気象は刻々と変化する瞬間的な大気の状態であり,それを長い年月について平均すると,ほぼ一定の幅のなかに納まる。世界気象機関WMOでは,30年間の平均値を,その場所の気候を示すものとみなしている(平年値)。気候は対象とする地域や気候現象の空間スケールの大小によって,大気候,中気候,小気候,微気候に分けられる。

大気候を決める気候因子としては,緯度,水陸分布,大地形などが重要であり,小気候では植生,土地被覆形態,小地形などが影響を与える。地球上では,緯度,水陸分布,隔海度と大気大循環との相互作用により,熱帯多雨気候,乾燥気候,温帯気候,冷帯気候,寒帯気候,大陸西岸気候,大陸東岸気候などの気候帯や気候区が形成される。

今日では,人工的構造物,被覆物,排気物質などの影響が顕著な都市気候などが問題になっている。現代の気候に対して,過去の気候を古気候といい,特に観測時代(17世紀の雨量計の記録など気象観測開始以降の記録で調査),歴史時代(古文書などの記録から調査),地質時代(放射性同位元素による半減期法などで調査)の気候をいう。気候は地球の歴史とともに氷期や間氷期などの変動を繰り返してきた。