JRカード
JRカードとは、JRグループのみどりの窓口・旅行センターで乗車券・特急券など各種乗車券の購入に使用できるクレジットカードの一つである。
概要
国鉄時代の1985年(昭和60年)に当時の有力クレジットカード会社8グループ45社との提携により発行されたJNRカードを起源とする。8グループは以下の通り。
- ジェーシービーおよびJCBグループ各社
- ユニオンクレジット[1]およびUCグループ各社
- ダイヤモンドクレジット[2]およびDCカードグループ各社
- 住友クレジットサービスおよびVISAジャパン協会各社
- ミリオンカード[2]およびmcカードグループ各社
- バンクカードサービス[3]およびバンクカード事業参加各社
- 協同クレジットサービス[4]
- 日本信販(NICOS)[5]
JNRカードは1985年8月23日より全国の主要駅のみどりの窓口で試験的に取扱を開始した。会員募集は同年7月1日より開始。当初は関東・関西地区でのみ募集していたが、翌年には本格実施し、全国で会員を募集した。
国鉄分割民営化後は現行名に改称し、JR旅客各社が共同商品として継承した。しかしその後、本州各社と北海道・九州は自社独自のハウスカードを発行し(西日本と北海道はその後新規申込を停止したが、西日本は2006年、北海道は2010年に再度参入)、また1990年代後半からJR各社とも国際ブランド(VISA、MasterCardなど)のクレジットカードの取扱を開始したため、みどりの窓口で唯一使えるクレジットカードとしての特殊性は失われた。そのために、JCB[6]、三菱UFJニコス(UFJ→MUFG・DC・NICOSブランド)[7][8]はJRカードでの個人会員新規発行を停止し、入会済み会員の更新と種類を限定した上での法人会員の新規発行(フランチャイズ扱いを含む)を継続している[9]。JR時刻表(交通新聞社)には、2017年現在申し込み可能なカードとして三井住友カード(VJA/VISA・OMNICARD/MasterCard。VISAのみゴールドカードあり)・クレディセゾン/ユーシーカード(UC MasterCard。一般カードのみ)の2社が掲載されているが、各社公式サイトには掲載がなく、電話などによる依頼で申込書を取り寄せる形となる。
特徴
- みどりの窓口で切符を購入する際、サインは不要で、キーパッドにより暗証番号を入力する方式。
- カードで購入した切符(他社で発売されない特別企画乗車券等を除く)を全国のJRカード取扱窓口で変更・払戻できる(他社窓口で申請した際の「払いもどし申し出」などが一切不要)。
- JRホテルグループでチェックイン時に提示すると、基本料金が1割引になる。
- 駅レンタカーの営業所で提示すると、レール&レンタカー料金で利用できる。
- JR各社で使える「オレンジカード」(2012年度まで販売)がみどりの窓口で購入できた[10]。
- みどりの窓口以外でもJRカードを利用する事が可能(特急券等の自動券売機にも対応)。
付記
JRカードを利用して、みどりの窓口や券売機で購入したきっぷの券面には「クレジット」と表示され、一般のクレジットカードで購入したきっぷと区別される(一般のクレジットカードでは「C制」と表示され、購入したJR旅客会社や旅行会社以外では変更や払戻が制限される)。ただし、JR西日本が行なっている電話での予約サービス(5489サービス)で、通話中にJRカードで決済をした場合(電話予約のみ行い駅で決済する場合を除く)は、システム上一般カード(国際ブランド)としての扱いになり(この関係上NICOS JRカードの国内専用カードは使用できない)[11]、「C制」と印字されて発券される(変更や払戻の扱いも一般カードと同等に制限される)。
一般のクレジットカードと同様に払戻の際には購入したJRカードが必要。ない場合や取扱不可の窓口、やむをえず車内で取扱う場合などは払戻証明を受けることで、その時刻に払戻したのと同じ扱いとなる。実際の払戻(返金)手続は元の発売日から1年以内に取扱窓口に証明済きっぷと購入したJRカードを持参して行う必要がある。
脚注
- ↑ 現在はカード発行をクレディセゾンが、加盟店業務はユーシーカードが行っている。
- ↑ 2.0 2.1 現在の三菱UFJニコス。その後ミリオンカードは、旧三和銀行系のフィナンシャルワンカードとの合併によりUFJカードに社名変更。さらに三菱UFJニコス合併後にMUFGカードにブランドを変更。DCカードは存続。
- ↑ 現在は、加盟店開拓・取扱業務から撤退し、VJA・オムニカード傘下となり「カードブランド」ではなくなった。またバンクカード機能付JRカードは、カードの有効期限に関わらず、2008年9月30日を以って強制解約となった。
- ↑ 現在は三菱UFJニコスに吸収されて消滅。
- ↑ その後、UFJカードとの合併によりUFJニコス、2007年4月1日にDCカードとの合併により三菱UFJニコスと変遷しているが、ブランド自体は存続している。JRカードでは国内専用カードとVISAブランド付がある。
- ↑ 2017年1月現在、JCB本体では個人・法人とも公式ホームページ上では掲載していないが、一部FCで法人会員の募集を受け付けている。
- ↑ 過去にはアパグループとの提携カード(APAカード・UFJ→MUFG/VISA)がJRカード機能付きで個人向けに発行されていたが、2013年10月15日で提携を終了し(丸井系のエポスカードとの提携に変更。JRカード機能なし)、希望者にはMUFG一般カード(JRカード機能なし)への切り替えが行われた。
- ↑ 2017年1月現在、三菱UFJニコスの公式ホームページではJCBフランチャイズ扱いの「UFJ Card ビジネスクラブ法人カード」(中小企業・個人事業主向け。ゴールド・一般)のみ入会を受け付けている。ただし、一部フランチャイズではこれ以外の法人カードを受け付けている例がある(DCコーポレートゴールドカードの八十二ディーシーカード発行分など)。
- ↑ 既存会員に発行される更新カードは、更新時点での最新のデザインを採用しているため、MUFGカード扱いのJRカードは、個人向けではアパグループとの提携廃止以降、旧ミリオン→UFJからの既存会員の更新分のみ存在する。
- ↑ JR西日本は、一時期一般カードでも購入を受け付けていた。
- ↑ JRカード以外のNICOS国内専用カードは、JRグループでは三島会社(北海道・四国・九州)のみ利用可能である。これは、一般カード開放時に、三島会社は当時JRカードを個人向け発行していた発行元すべて(日本信販・旧バンクカード・旧JAカードを含む)と直接加盟店契約していたためである(このため、過去に発行されていたバンクカードのハウスカードも三島会社のみで利用できた)。
関連項目
- 鉄道系クレジットカード
- ビューカード (JR東日本エリア)
- JR東海エクスプレス・カード (JR東海エリア)
- J-WESTカード (JR西日本エリア) - JRグループのクレジットカードでは唯一、自社で発行されている
- JRタワースクエアカードKitaca (JR北海道エリア)
- JQ CARD (JR九州エリア)
外部リンク
- 三井住友カード - 400系がJRのフラグシップであった頃の申込書のままではあるが、申込書送付を行っている。
- DCコーポレートゴールドカード(JR提携個別払い方式)…八十二ディーシーカード。法人向け。
- UFJ Cardビジネスクラブ法人カード(JCB)…中小企業・個人事業主向けの法人カード