ニワトリ
ニワトリ(鶏、学名:Gallus gallus domesticus「仮名転写:ガルス・ガルス・ドメスティカス」)
キジ目キジ科の家禽。原種は遺伝子調査からインドや東南アジアに分布するセキショクヤケイ(ヤケイ)であるとされ,分類学上では同種である。しかし,ハイイロヤケイと交配したことも示され,他種のヤケイも起源にかかわっている可能性も指摘されている。家禽化は歴史が古く,どこで最初に行なわれたのかははっきりしないが,インドから東南アジア,中国などの説があり,少なくとも前2400年頃には家禽化されていた。インドでは最初は闘鶏用だったとされる。近年では多数の品種がつくりだされている。日本においては,遅くとも 4~5世紀に渡来していたものと思われる。江戸時代以降には愛玩用として多くの品種が育成され,17品種(小国種,東天紅,唐丸種,チャボなど)が国の天然記念物に指定されている。
産業としての養鶏が本格化するのは昭和期に入ってからである。代表的品種としては,レグホーン種(卵用種),コーニッシュ種,コーチン種(肉用種),プリマスロック種,ロードアイランド・レッド種(卵肉兼用種)などがある。レグホーン種はイタリア原産で,アメリカ合衆国,イギリスで改良された。就巣性はなく,産卵能力に優れ,特に単冠白色の品種は白色レグホーン種として最も広く利用されている。また,卵肉兼用種との一代雑種は強健,早熟,多産で多く作出された。コーニッシュ種はイギリス原産。褐色,白色の品種がある。褐色品種に優性白色種を導入した白色種と白色プリマスロック種との交配種(一代雑種)が今日のブロイラー(肉用の若鳥)として養殖され,養鶏では市場性が高く主流である。コーチン種は中国北部原産で,バフ,黒・白色などの品種もある。プリマスロック種,ロードアイランド・レッド種や名古屋種などの作出に利用された。この品種は晩熟で就巣性が強い。プリマスロック種はアメリカ原産で,横斑,白色といった品種が有名。横斑はおもに採卵用に改良された。白色は横斑の突然変異品種でおもに肉用種として改良された。ロードアイランド・レッド種はアメリカ原産で,褐色,白色などの品種がある。卵色が褐色で,白色レグホーン種,プリマスロック種などとともによく飼育されている。