ウィルタ語
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ウィルタ語は、ツングース諸語に属するウィルタ民族の言語である。黒竜江中流に分布するオロチ語と類似する。現在話者数は減少し、消滅の危機にある(つまり消滅危機言語、消滅寸前言語)。
特徴
日本語と同様の膠着語であるが、「の」にあたる助詞が2種類あり、譲渡可能な場合と不可能な場合に分かれる。例えば「私のノミ」という場合は譲渡可能で、「私のシラミ」といった場合は譲渡不可能といった具合である。
歴史
- 幕末ごろ - 南部のオロッコの言語について日本の最初の記録
- 1917年 - 最初の文法書『オロッコ文典』(中目覚)刊行。当時の話者数は300~400人。
- 1989年 - ウィルタの総人口190人、うちオロク語(ウィルタ語)を母語とする者85人。
- 1993年 - サハリン州北方民族局長より北海道大学名誉教授池上二良へ書記法の制定への協力を依頼。
- 1994年 - ウィルタ語書記法制定プロジェクトをロシア連邦アカデミーにより承認。池上の協力でサハリン州は教材の開発に乗り出す。
- 2003年 - ウイルタ語・ロシア語-ロシア語・ウイルタ語辞書刊行。
関連書籍
- 『ウイルタ語辞典』 池上二良/編 北海道大学図書刊行会 ISBN 4-8329-5821-6