みどり市
みどり市(みどりし)は群馬県東部に位置する市である。群馬県内では1958年(昭和33年)の安中市以来、48年ぶりに誕生した市である。
Contents
概要
2006年(平成18年)3月27日に群馬県新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村が合併し、群馬県12番目の市として誕生した。また、「平成の大合併」において、群馬県で新たな市として誕生した唯一の市である。また、合併した3つの自治体がすべて別の郡に所属しているという大変珍しい合併例である。市役所本庁舎は旧笠懸町役場に設置されている。
この合併により新田郡と山田郡は消滅した(2009年に勢多郡も消滅)。群馬県初のひらがな名の市である。
地理
南北に長い市域をしており、東西を桐生市に挟まれている。笠懸地区(旧笠懸町)・大間々地区(旧大間々町)・東地区(旧東村)の各接点部分が著しくくびれている。桐生広域圏の合併枠組みを巡る混乱の末、大間々町の西隣の旧新里村、大間々町と東村の間にあった旧黒保根村が桐生市との合併を選択し、桐生市の間に挟まれた3町村が「みどり市」としての合併を選択したため、このような変則的な行政区域となった。桐生市への通勤率は22.69%(平成27年国勢調査)で、同一生活圏にあり、経済面・行政面でも関係が深い。
このような構成になった理由として、旧笠懸町・旧大間々町・旧藪塚本町で構成されていた旧阿左美水園競艇組合(現みどり市・太田市)が「桐生競艇」の主催組合であったのに対し[1]、桐生市は桐生競艇の主催から撤退していたことが挙げられる。
笠懸地区と大間々地区は道路では結ばれているが、鉄道で移動する場合には桐生市を経由しなければならない。また、大間々地区と東地区は渡良瀬川沿いにあり、わたらせ渓谷線、国道122号で結ばれているが、これも間に桐生市黒保根地区を挟んでいる。もともと旧大間々町と旧東村の町村境界は接していたが、その境界線は山地で、道路も林道1本でしか通じておらず、従って桐生市黒保根地区を経由しなければいけないため、東地区は実質上の飛地といえる。
隣接自治体
人口
みどり市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
市名
笠懸町・大間々町・東村合併協議会での市名の選定理由は以下の3点。
- みどり豊かな自然のあふれる、美しい街並みの市にしてもらいたい。
- 自然を大切にし、自然と共に栄えていくように。
- 明るく平和で清々しく、安心して生活でき、癒しのあるイメージ。
笠懸町・大間々町・東村合併協議会では市名の選定基準を以下の通りとした。
- 3町村が地理的にイメージできる名称。
- 3町村の歴史・文化・特徴等を表する名称。
- 3町村の住民の理想・願いを表する名称。
- 3町村の地域を対外的にアピールできる名称。
- 3町村の地域住民の一体性を醸成しやすい名称。
- その他新市にふさわしい名称。
市名候補は「みどり市」を含む5候補が絞り込まれた(五十音順。右に選定理由)。
- あかがね市(あかがねし) : 江戸時代から銅を運んだあかがね街道が3町村を通っている。
- 赤城市(あかぎし) : 有名な赤城山の麓に位置しているから。
- あかぎ市(あかぎし) : 同上。
- みどり市(みどりし) : 緑があふれる市でいてもらいたい。
- わたらせ市(わたらせし) : 3町村に相応しく渡良瀬川の知名度もあり親しみやすい。
その他の候補
歴史
沿革
- 1889年(明治22年)4月1日 町村制施行に伴い、山田郡において大間々村と桐原村が合併して大間々町が、浅原村・塩原村・小平村・長尾根村が合併して福岡村が、高津戸村・須永村・山田村・東小倉村・西小倉村が合併して川内村が、南勢多郡において上神梅村・下神梅村・塩沢村・水沼村・宿廻村・八木原村・上田沢村・下田沢村が合併して黒保根村が、花輪村・荻原村・小夜戸村・小中村・神戸村・座間村・草木村・沢入村が合併し東村が、新田郡において阿左美村・鹿村・久宮村・西鹿田村が合併して笠懸村が誕生。
- 1896年(明治29年)4月1日 南勢多郡と東群馬郡が合併して勢多郡が発足。
- 1954年(昭和29年)10月1日 福岡村、川内村大字高津戸の一部が大間々町に編入。
- 1958年(昭和33年)2月1日 大間々町が勢多郡黒保根村大字上神梅・下神梅・塩沢を編入。
- 1990年(平成2年)4月1日 笠懸村が町制施行し、笠懸町となる。
- 2006年(平成18年)3月27日 新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村が合併しみどり市となる。
みどり市域の変遷 | |||||||||||
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明治時代以前 | 明治時代 - 大正時代 | 昭和時代 | 平成時代 | ||||||||
新 田 郡 |
阿左美村 | 明治22年4月1日 新田郡 笠懸村 |
平成2年4月1日町制 新田郡 笠懸町 |
平成13年3月27日 市制 みどり市 | |||||||
鹿村 | |||||||||||
久宮村 | |||||||||||
西鹿田村 | |||||||||||
山 田 郡 |
大間々村 | 明治22年4月1日 町制 山田郡 大間々町 |
昭和29年10月1日 山田郡 大間々町 |
昭和33年2月1日 山田郡 大間々町 | |||||||
桐原村 | |||||||||||
高津戸村 | 明治22年4月1日 山田郡 川内町の一部 | ||||||||||
福岡村 | 明治22年4月1日 山田郡 福岡村 | ||||||||||
浅原村 | |||||||||||
塩原村 | |||||||||||
小平村 | |||||||||||
長尾根村 | |||||||||||
南 勢 多 郡 |
上神梅村 | 明治22年4月1日 南勢多郡 黒保根村の一部 |
明治29年4月1日 勢多郡 黒保根村の一部 | ||||||||
下神梅村 | |||||||||||
塩沢村 | |||||||||||
花輪村 | 明治22年4月1日 南勢多郡 東村 |
明治29年4月1日 勢多郡 東村 | |||||||||
荻原村 | |||||||||||
小夜戸村 | |||||||||||
小中村 | |||||||||||
神戸村 | |||||||||||
座間村 | |||||||||||
草木村 | |||||||||||
沢入村 |
行政
- 歴代市長
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 |
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初-3代 | 石原条 | 2006年4月23日 | 2018年4月22日 |
4代 | 須藤昭男 | 2018年4月23日 | 現職 |
市役所
みどり市役所は「分庁方式」をとっており、3庁舎と1支所に分かれている。対外上は笠懸庁舎を本庁としている。分庁方式により、業務が繁雑になっていることから、大間々庁舎を本庁とする「本庁方式」への変更が検討されている。
- 笠懸庁舎(笠懸町鹿2952)
- 総務部、市民部、健康福祉部、競艇事業局、会計局など
- 大間々庁舎(大間々町大間々1511)
- 議会事務局、監査委員事務局、農業委員会事務局、産業観光部、都市建設部、大間々市民生活課など
- 東支所(東町花輪205-2)
- 東市民生活課、教育委員会東分室など
- 教育庁舎(大間々町大間々235-6)
- 教育部など
警察署
- 桐生警察署(桐生市清瀬町1-16)
- 大間々分庁舎(大間々町桐原1563)
消防署
消防業務は、桐生市に委託している。
- 桐生市消防本部(桐生市元宿町13-38)
- 桐生みどり消防署(笠懸町阿左美1912-6)
- 大間々新里分署(大間々町桐原247)
- 黒保根東分署(東町荻原188)
- 桐生みどり消防署(笠懸町阿左美1912-6)
公営競技
- BOAT RACE桐生(笠懸町阿左美2887)
住所表記
- 旧笠懸町と旧大間々町はかつての郡名部分が「みどり市」に置き換えられている。
- 新田郡笠懸町大字阿左美→みどり市笠懸町阿左美
- 山田郡大間々町大字大間々→みどり市大間々町大間々
- 旧勢多郡東村は村から町に変更され、その後に旧大字名が付く。
- 勢多郡東村大字草木→みどり市東町草木
※また、全域で「大字」の字句を削除されている。
経済・産業
みどり市の特産品としては、トマトやナスなどが挙げられる[2]。また、市内で製造された優れた商品や工芸品に対し、「みどり市ブランド」の商品として市が認証している[3]。
就業人口(人)(2005年)
- 26,382
年間商品販売額(百万円)(2004年)
- 106,079
製造品出荷額(百万円)(2004年)
- 99,896
農業産出額(千万円)(2005年)
- 527 (群馬県内12市中第3位)
農家数(戸)(2005年)
- 1,171
データ出典:みどり市|統計
商業
流通・小売施設
- ショッピングモール・スーパーマーケット
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金融
- 群馬銀行 笠懸支店、大間々支店
- 足利銀行 桐生市場支店
- 桐生信用金庫 みどり支店、笠懸支店、久宮支店、大間々支店
- しののめ信用金庫 大間々支店
- あかぎ信用組合 笠懸支店
- ぐんまみらい信用組合 大間々支店
- 新田みどり農業協同組合
企業
- 市内に本社を置く主な企業
その他
姉妹都市・提携都市
無し(ただし、平成23年10月10日までは埼玉県鳩ヶ谷市との姉妹都市であったが、同市が川口市へ吸収合併されたことにより消滅)。
交通
鉄道
中心となる駅
- 岩宿駅
※当駅がJTB時刻表において中心駅と記載されている。
バス
路線バス
赤城観光自動車が、神戸駅を中心に東町内のほぼ全域を網羅する形で5つの路線バス網を持つ。
- 小中線
- 二区集会所線
- 花輪線
- 沢入春場見線
- 美術館循環線
電話でバス
みどり市は、「電話でバス」というデマンドバスを運行している[4]。大間々・笠懸地区を主な運行エリアとし、2016年(平成28年)6月現在で226ヵ所の停留所が存在する [5][6]。事前に予約センターへ電話予約することで利用できる。市内に路線を持つバス事業者に運行を委託し運営されている。
道路
教育・文化
教育
大学・短期大学
高等学校
中学校
小学校
特別支援学校
幼稚園
- 笠懸幼稚園(笠懸町鹿)
- 阿左美幼稚園(笠懸町阿左美)
- マイトリー学園大間々南幼稚園(大間々町桐原)
学校教育以外の施設
- 保育所
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- 職業能力開発校
図書館
- みどり市立図書館
- 笠懸図書館
- 大間々図書館
- 東公民館図書室
文化施設
- 美術館
- 博物館・記念館・資料館
- 劇場・ホール
スポーツ施設
- 体育館
- 桐生大学グリーンアリーナ(みどり市民体育館)
- 東運動公園社会体育館
- 球場
- 東運動公園野球場
- グラウンド
- 笠懸グラウンド
- 西鹿田グラウンド
- 大間々グラウンド
- 桐原グラウンド
- グンエイ神梅グラウンド
市が主催する賞
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光スポット
祭事・催事
- 大間々祇園まつり(8月1-3日)
出身著名人
- アンカンミンカン(お笑いコンビ)
- 石原和三郎(作詞家、童謡「うさぎとかめ」作詞者)
- 今泉嘉一郎(日本鋼管創設者)
- 岩崎利彦(ハードル選手)
- おーはしるい(漫画家)
- 小倉唯(声優、歌手)
- 6代目三遊亭圓太(落語家)
- 高瀬正仁(九州大学大学院数理学研究院准教授)
- 林眞未(女子バスケットボール選手)
- 半田晶也(お笑い)
- 星野富弘(詩人・画家)
- 松島良一(空手家・極真会館 松島道場代表)
- 茂木宏美(女子プロゴルファー)
脚注
- ↑ 主催のみ。競艇場施設は東京都千代田区に本社を置く関東開発株式会社が所有。
- ↑ “みどり市キッズページ|みどり市の産業と特産品”.みどり市.2011年9月11日閲覧。
- ↑ “【みどり市ブランド】”.みどり市.2011年9月11日閲覧。
- ↑ 「電話でバス」を運行しています - みどり市(2016年5月31日更新/2017年2月1日閲覧)
- ↑ みどり市「電話でバス」 (PDF) - みどり市(2016年4月1日更新/2017年2月1日閲覧)
- ↑ 「電話でバス」バス停の新設 (PDF) - みどり市(平成28年5月13日版/2017年2月1日閲覧)
その他
市外局番
郵便番号
- 笠懸地域は「379-231X」
- 大間々地域、東地域は「376-01XX」である。
- 大間々地域は「376-010X〜376-011X」
- 東地域は「376-014X」である。
関連項目
外部リンク