遺伝子系図
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遺伝子系図(いでんしけいず、genetic genealogy)とは、遺伝子上の情報を基にした系図である。
個体間の遺伝的関係やその度合いを決定する目的で用いられる。
概要
分子生物学やコンピュータ技術の進展により、ある個体からサンプルされたオーソロガスな遺伝子について、ヌクレオチド単位で個体間比較、種間比較が可能となった。このことは遺伝子の進化の歴史や系統関係について実験や統計を用いて定量的に議論できることを意味する。
しかしながら、実際には生物集団内における遺伝子系図を決定することは容易ではない。これは個体が移動すること(遺伝子流動)や核マーカーにおける遺伝的組み換えの効果、自然選択の効果、また、個体群動態の変化[#endnote_Tajima1983]などが遺伝子系図のトポロジーや枝長に影響を与えるためである。これらの効果を区別することは容易ではないが、主に合祖理論を基盤とした研究によってこの問題は議論されている。
使用例
脚注
- ^ Tajima F (1983) "Evolutionary relationship of DNA sequences in finite populations." Genetics 105: 437-460.
参考文献
- Takahata N (1989) "Gene genealogy in three related populations: consistency probability between gene and population trees." Genetics, 122, 957–966.
- Hudson RR (1990) "Gene genealogies and the coalescent process." Oxford Surveys in Evolutionary Biology 7: 1–44
- Kingman, J.F.C. (2000) "Origins of the coalescent" 1974–1982. Genetics 156:1461–1463
- Rosenberg and Nordborg (2002) "Genealogical trees, coalescent theory and the analysis of genetic polymorphisms" Nature Reviews Genetics 3: 380-390.