ヒッポリュトス (神話)
ヒッポリュトス(古希: Ἱππόλυτος, Hippolytos, ラテン語: Hippolytus)は、ギリシア神話の登場人物である。
アテーナイ王テーセウスの息子。母はアマゾーンのヒッポリュテー、あるいは、メラニッペーかアンティオペー。
Contents
物語
ヒッポリュトスは、森の中でアルテミスと共に、狩猟をしながら生活していた。
彼の継母(父テーセウスの妻)パイドラーは彼に求愛したが、拒まれたため、彼の父でありアテネの国王のテーセウスに讒訴し(あるいは讒訴する遺書を残し)自殺した。
テーセウスはパイドラーの讒訴を真に受け、かつてポセイドーンから与えられた3つの願いを行使して、息子ヒッポリュトスを呪い死を願った。そしてその願いは聞き入れられる。
ヒッポリュトスがトロイゼーンのサロニカ湾岸を戦車で走っていたとき、ポセイドーンが遣わした怪物(あるいは雄牛)が海から現れた。戦車を牽いていた馬はそれに驚き暴れ、ヒッポリュトスは戦車から落ち、暴走した馬に轢かれて死亡した。
エウリーピデースによれば、ヒッポリュトスは手綱に絡まり瀕死となりながら父テーセウスの前まで引きずられた。アルテミスが真相を話すとテーセウスは後悔してヒッポリュトスを許し、ヒッポリュトスは父の腕の中で死んだ。
アルテミスはヒッポリュトスの死を悼み、アスクレーピオスを説き伏せてヒッポリュトスを復活させた。しかし死すべき人間を復活させたことにゼウスは激怒し、アスクレーピオスを雷で打ち殺した(あるいは冥界に落とした)。
ウィルビウス
ローマ神話では、復活したヒッポリュトスはユーピテル(ギリシア神話のゼウスに相当するローマ神)の目から逃れるため、ディアーナ(アルテミスに相当するローマ神)により、ローマに近いネーミ(あるいはアリキア)にあるニンフのエーゲリアの洞窟に隠された。そして老人の姿に変えられ、森のディアーナ信仰の神ウィルビウスとなった。