アイズナー賞
アイズナー賞(アイズナーしょう)、正式名称ウィル・アイズナー漫画業界賞(ウィル・アイズナーまんがぎょうかいしょう、The Will Eisner Comic Industry Award)とはアメリカで最も権威ある漫画賞の一つで、「漫画のアカデミー賞」と呼ばれる。識者と業界人によって受賞作が選ばれるのが特徴。
Contents
- 1 概要
- 2 歴史
- 3 日本の作品・漫画家の受賞歴
- 3.1 最優秀アーカイブプロジェクト(Best Archival Collection/Project)
- 3.2 最優秀ユーモア出版物(Best Humor Publication)
- 3.3 最優秀国際作品(Best U.S. Edition of International Material)
- 3.4 最優秀日本作品(Best U.S. Edition of International Material - Japan)
- 3.5 最優秀アジア作品(Best U.S. Edition of International Material - Asia)
- 3.6 最優秀彩色(Best Colorist/Coloring)
- 3.7 最優秀実話作品(Best Reality-Based Work)
- 3.8 最優秀漫画関連書籍(Best Comics-Related Book)
- 3.9 漫画家の殿堂(The Will Eisner Award Hall of Fame)
- 4 参考資料
- 5 外部リンク
概要
アメリカの漫画のうち、創造的な作品に対して贈られる。1988年に、カービー賞の後継として創設された。名前は漫画家のウィル・アイズナーに因み、本人も2005年に死去するまで積極的に式典に参加していた。
「コミックの殿堂」も含めると、部門数は2007年開催時で39部門にも及ぶ。各部門は出版社および作家が選んだ作品の中から5名の委員のそれぞれによって作品がノミネートされ、最終的に業界人(出版社、作家、代理店、書店)による投票で決定される。受賞作は毎年、カリフォルニア州サン・ディエゴのコミコン・インターナショナルで発表される。
歴史
Fantagraphics Books社によって1984年に創設されたカービー賞が前身である。1987年に同社の社員で賞の代表を務めていたDave Olbrichと社の間に意見の対立が生じ1988年にFantagraphics Books社はハーベイ賞を、Olbrichはアイズナー賞を創設した。創設された当初は11部門で委員会は置かれず、完全に業界人による投票制だった。
Olbrichが多忙になったため、1990年からはJackie Estradaが代表に着任。1992年から漫画に関し優れた知識を持つ5名の委員が年度ごとに選ばれ、ノミネートに関して決定権を持つように定められた。
日本の作品・漫画家の受賞歴
2010年現在、日本人の受賞は下記の通り。なお、米国外の漫画に関してはあくまで「英訳されたアメリカでの出版物」に対して贈られる。
最優秀アーカイブプロジェクト(Best Archival Collection/Project)
最優秀ユーモア出版物(Best Humor Publication)
最優秀国際作品(Best U.S. Edition of International Material)
- 1998 Gon Swimmin' , Paradox Press、同賞第一回受賞作
- 1999 Star Wars: A New Hope--Manga, Dark Horse(『スター・ウォーズ 新たなる希望』田巻久雄)
- 2000 Blade of the Immortal, Dark Horse(『無限の住人』沙村広明)
- 2001 Lone Wolf and Cub, Dark Horse(『子連れ狼』小池一夫原作、小島剛夕作画)
- 2002 Akira
- 2004 Buddha(Vertical)(『ブッダ』手塚治虫)1〜2巻
- 2005 Buddha(Vertical)3〜4巻
最優秀日本作品(Best U.S. Edition of International Material - Japan)
- 2007 Old Boy(『ルーズ戦記 オールドボーイ』土屋ガロン、嶺岸信明) 同賞第1回受賞作
- 2008 Tekkonkinkreet: Black & White(『鉄コン筋クリート』松本大洋)
- 2009 Dororo(『どろろ』手塚治虫)
最優秀アジア作品(Best U.S. Edition of International Material - Asia)
- 2010 A Drifting Life(『劇画漂流』辰巳ヨシヒロ)
- 2011 20th Century Boys(『20世紀少年』浦沢直樹)
- 2012 Onward Towards Our Noble Deaths(『総員玉砕せよ!』水木しげる)
- 2013 20th Century Boys(『20世紀少年』浦沢直樹)、再受賞
- 2014 The Mysterious Underground Men(『地底国の怪人』手塚治虫)
- 2015 Showa A History of Japan(『コミック昭和史』水木しげる)
- 2018 My Brother's Husband(『弟の夫』田亀源五郎)
最優秀彩色(Best Colorist/Coloring)
- 1992 Akira,Marvel(『オールカラー国際版AKIRA』大友克洋、ただし彩色はアメリカのスタッフによるもの) 同賞第1回受賞作
最優秀実話作品(Best Reality-Based Work)
- 2010 A Drifting Life(『劇画漂流』辰巳ヨシヒロ)
最優秀漫画関連書籍(Best Comics-Related Book)
漫画家の殿堂(The Will Eisner Award Hall of Fame)
コミックの殿堂とも翻訳される。
参考資料
外部リンク
- The Eisner Awards - 公式サイト