アポカロテナール
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アポカロテナール(Apocarotenal)は、ホウレンソウやミカン属の果実で見られるカロテノイドである。他のカロテノイドと同様に、アポカロテナールもビタミンAの前駆体の役割を果たすが、プロビタミンA活性は、β-カロテンと比べて50%以下である。実験的な化学式は、C30H40Oである。
アポカロテナールは、橙色から橙赤色で、食品や医薬品、化粧品を着色するのに用いられる。製品の形態に応じ、油脂食品(マーガリン、ソース、ドレッシング)、飲料、乳製品、菓子等に用いられる。E番号はE160eで、アメリカ合衆国[1]、EU[2]、オーストラリア及びニュージーランド[3]では食品添加物としての利用が認められている。
発癌性
疫学研究により、β-カロテンを多く摂取し、血中β-カロテン濃度が高い人は肺癌になる確率が低いことが示された。しかし、β-カロテンの摂取量の多い喫煙者では、恐らく過剰なβ-カロテンの分解生成物が血中ビタミンA濃度を減らしてしまい、喫煙により誘導される肺細胞の増殖を悪化させるため、癌のリスクを高めることが明らかとなった。この挙動に関与するβ-カロテン分解生成物の主なものは、アポカロテナールであると考えられており、ある研究では、β-カロテン自体では反応を示さなかった細胞培地で、アポカロテナールは変異原性、遺伝毒性を示したことが報告されている[4]。
出典
- ↑ US FDA:“Colour Additive Status List”. . 2011閲覧.
- ↑ UK Food Standards Agency: “Current EU approved additives and their E Numbers”. . 2011閲覧.
- ↑ Australia New Zealand Food Standards Code“Standard 1.2.4 - Labelling of ingredients”. . 2011閲覧.
- ↑ Alija AJ, Bresgen N, Sommerburg O, Siems W, Eckl PM (2004). “Cytotoxic and genotoxic effects of β-carotene breakdown products on primary rat hepatocytes”. Carcinogenesis 25 (5): 827–31. doi:10.1093/carcin/bgh056. PMID 14688018 .
外部リンク
- Some info on apocarotenal
- Olson A.J. (1964). “The biosynthesis and metabolism of carotenoids and retinol (vitamin A)”. J.of Lipid Research 5 (3): 281–298 .