明石政紀
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明石 政紀(あかし まさのり)は、日本の文筆家、翻訳家。 ベルリン在住。
経歴
札幌市生まれ、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業[1]。1980年代前半は音楽雑誌FOOL'S MATE誌で音楽批評、80年代から90年代前半六本木に存在した「WAVE」のレーベル EVAシリーズの企画制作を務め[2], リリースされたレコードには ディー・テートリッヒェ・ドリス、ピロレーター、 アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン、 デア・プラン、パスカル・コムラード, ホルガー・ヒラー、ガイ・クルセヴェクの録音、 ナチ退廃音楽展の批判的復元展ドキュメンタリーCDなどがある。日本におけるクラウトロックやノイエ・ドイチェ・ヴェレ、ドイツ30年代の文化、映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーなどの紹介者でもある。
著作は、諧謔小説的な要素が取り入れられていることがよくある[3]。また、明石の影響を受けたという中原昌也は、「僕は(…)若い時分から音楽誌『フールズメイト』(…)のアルバムレヴューなどで大ファンであった。(…)デア・プランやディー・テートリッヒェ・ドリスなどのドイツの音楽だけでなく、アメリカのレジデンツまで日本盤LPに添えられたライナー(…)や歌詞の対訳の博識とダジャレに満ちた珍妙さは、いまだに僕の血や肉になっている」と記している[4]。
著書
- 『第三帝国と音楽』(水声社、1995)
- 『ドイツのロック音楽、またはカン、ファウスト、クラフトワーク』(水声社、1997/新装版2003)
- 『ポップ・ミュージックとしてのベートーヴェン』(勁草書房、2002)
- 『フリッツ・ラング、または伯林・聖林』(アルファベータ、2002)
- 『キューブリック映画の音楽的世界』(アルファベータ、2007)
- 『ベルリン音楽異聞』(みすず書房、2010)
訳書
- パスカル・ビュッシー『クラフトワーク、「マン・マシーン」とミュージック』(水声社、1994)
- ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『映画は頭を解放する』(勁草書房、1998)
- ヴォルフガング・フリューア『クラフトワーク、ロボット時代』(シンコー・ミュージック、2001)
- マイケル・H・ケイター『第三帝国と音楽家たち、歪められた音楽』(アルファベータ、2003)
- ダグラス・サーク/ジョン・ハリデイ『サーク・オン・サーク』(INFASパブリケーションズ、2006)
- エーファ・ヴァイスヴァイラー『オットー・クレンペラー、あるユダヤ系ドイツ人の音楽家人生』(みすず書房、2011)
- クリスティアン・ボーングレーバー編『ベルリン・デザイン・ハンドブックはデザインの本ではない』(ベアリン出版、2013)
- ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ファスビンダー、ファスビンダーを語る』第1巻(boid、2013)
- ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ファスビンダー、ファスビンダーを語る』第2・3巻合本(boid、2015)
外部リンク
Discogs Wave
脚注
- ↑ 『ポップ・ミュージックとしてのベートーヴェン』著者略歴(勁草書房)
- ↑ Fuer Immer 第9回「ノイエ・ドイチェ・ヴェレ:天才的ディレッタントって何?」http://yondoku.jp/?a=seventd&id=29&eid=513 2017年5月31日閲覧)
- ↑ たとえば著書『ベルリン音楽異聞』における猫と筆者の幕間劇、『ポップ・ミュージック』としてのベートーヴェンにおける架空の人物の会話、訳書『ベルリン・デザインブックはデザインの本ではない!』の「訳者あとがき」における近所の娘の訪問劇など。また、『ドイツのロック音楽、またはカン、ファウスト、クラフトワーク』は、本文のない序文と余談だけで構成されている。
- ↑ 中原昌也「書評:明石政紀『ベルリン音楽異聞』― 猫に応援されてつむぐベルリン文化史」、文學界2011年3月号270頁